
<新介護報酬、医療との連携を強化>
4月からの新しい介護報酬は、軽度の要介護者向けの介護予防サービスの報酬が抑制された一方、医療との連携や機能分担に重点を置き、中・重度者への支援を強化する内容となった。改定の主な内容と、関係者の反応をまとめた。
地域密着型サービス 報酬市町村設定も
お年寄りが日中集まる「通い」を中心に、訪問介護や「泊まり」などを提供する「小規模多機能型居宅介護」は、要介護度別の定額制の報酬となった。要介護1の人の場合、月額11万4300円。認知症高齢者グループホーム(25万2600円)に比べると、報酬は半分以下となった。
「宅老所・グループホーム全国ネットワーク」の川原秀夫・代表世話人は、「認知症の症状が悪化する一方、体はまだ元気な要介護1や2のころが、一番、介護は大変。この報酬では、厚労省が目指す『認知症になっても安心して地域で暮らす』ことは、到底無理だ」と批判する。また、夜間に家庭を訪問する「夜間対応型訪問介護」も、月単位または回数単位の定額制となった。これら二つのサービスについては、市町村からの申請に基づき、厚生労働大臣が個別に承認した場合は、2007年度から、国の基準額より高い報酬を独自に設定できるとした。
グループホームについては、1月初旬に長崎県で起きた火災を受け、全ホームに夜勤体制を義務づけ、夜勤加算を廃止し、基本報酬に組み入れた。また、訪問看護ステーションと契約するなど、医療との連携体制を整えている場合は加算を行うほか、ショートステイ用の報酬も新たに設けた。
介護保険施設個室型報酬アップ
介護施設では、小規模でプライバシーに配慮した介護を促進するため、昨年10月改定で多床室より低くなっていた全室個室ユニット型の報酬を高くした。
しかし、全国の個室ユニット型特別養護老人ホームの施設長らで作る「全国新型特養推進協議会」の赤枝雄一会長は、「この程度の上げ幅では、個室ユニット型特養の運営は依然厳しい状態が続く」と指摘する。
老人保健施設では、入所者が試行的に退所して在宅で暮らす場合、訪問介護などのサービス費用として1日8000円を支払う。
2011年度末の廃止が予定されている介護型療養病床では、医療保険との役割分担を明確にするため、常に医学的な管理が必要な人への「重度療養管理加算」(日額1200円)を2009年3月末に廃止する。
ケアマネジャー プラン作成件数月35件に引き下げ
要介護度の重い人のケアプラン作成に手間がかかることを考慮し、要介護度に関係なく一律の現行報酬を原則、要介護1〜2と3〜5の2段階に分けた。
さらに、1か月間に担当する標準件数を、現行の1人月50件から35件に引き下げ、標準件数を超える程度に応じて報酬を減らすことにした。
中・重度者への積極的な支援など、質の高いマネジメントを実施している事業所には、1か月5000円を加える。一方、特定の介護サービス事業所に偏ったプランを作った場合は、原則 、1か月2000円を減算することとした。
医療との連携、難病者の通所ケア創設…新介護報酬
在宅介護サービスで、中・重度者への支援を強化した。訪問看護で、夜間帯に気管内の吸引など短時間の処置が必要な場合に備え、「20分未満」の時間区分を新設、1回2300〜2850円とした。
通所介護サービスでも、「療養通所介護」を創設。難病や末期がんなど、介護だけでなく医療も必要とする利用者へ、医療機関などと連携してサービスを提供した場合、1日1万〜1万5000円を支払う。特別養護老人ホームなどでの短期入所でも中・重度者を受け入れると、1日4250円を加算。老人保健施設などでの短期入所では、難病や末期がん患者の日帰り利用を受け入れた場合、1日7600円を支払う。
一方、特別養護老人ホームでは、夜間の連絡体制強化など重度者への対応を行った場合、1日100円を加算。終末期の入所者に、医師や看護師、介護職員などが共同で看(み)取(と)り介護を行った場合も、1日800〜1600円の加算を設けた。
小川忍・日本看護協会常任理事は、「夜間看護や重度化対応など、マイナス改定の中で重要性が認識された。療養通所介護も、この単価では運営は厳しいが、一歩前進」と話している。
(1月27日 読売新聞より)
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