
<介護保険制度改正の総まとめ>
4月から新しい介護保険制度がスタートした。新しい枠組みは、新介護予防サービスと地域密着型サービスだ。介護予防は増加する軽度者に対して、介護度が重くなるのを防ぐサービス体系を加えた。地域密着型サービスは通いを中心とした住み慣れた地域でのサービスを充実する。
見直しは5つに分類される。1予防重視型システムの確立、2施設給付の見直し、3新たなサービス体系の確立、4サービスの質の確保・向上、5負担のあり方・制度運営の見直しとなっている。
1 予防重視型システムの確立
平成17年4月末現在、要支援と要介護1の認定を受けた者は要介護認定者全体の約5割となっており、平成12年4月末と比較すると138%の増加、認定者全体では48 %の伸びとなっている。軽度者は、転倒・骨折、関節疾患などで生活機能が低下する「廃用症候群」の状態にあるか、その可能性が高いのが特徴であるため、サービス利用によって状態を改善しようというもの。
(1) 新予防給付
新予防給付を受けるには介護認定審査会の審査・判定プロセスを経て要支援1、要支援2に決定し、介護予防ケアマネジメントによって介護予防サービスが決定される。介護予防サービスには「介護予防通所介護」、「介護予防通所リハビリテーション」、「介護予防訪問介護」、「介護予防福祉用具貸与」など15種類がある。
(2) 地域支援事業
要介護認定で非該当とされた者については運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能の向上、閉じこもり予防・支援、認知症予防・支援、うつ予防・支援などが介護予防サービスとして受けられる。また、包括的支援事業として総合相談事業、権利擁護事業、包括的・継続的ケアマネジメント支援事業、介護予防ケアマネジメント事業がある。任意事業として介護給付等適正化事業、家族介護支援事業がある。
2 施設給付の見直し(17年10月実施)
(1) 居住費・食費の自己負担
施設入所者、ショートステイ利用者が居住費・食費を負担する。通所サービスの食費についても同様。具体的な金額は利用者と施設の契約で、所得の低い人への配慮、負担限度額が示されている。
(2) 基準費用額
所得の低い人の負担は上限額が設定されている。基準費用額は多床室 320円/日(月1・0万円)、従来型特養個室1150円/日(月3・5万円)従来型老健・療養型個室1640円/日(5・0万円)、ユニット型準個室1640円/日(5・0万円)、ユニット型個室1970円/日(6・0万円)となっている。
(3) 食費
所得の低い人の負担は上限額が設定されている。基準費用額は1380円/日(4・2万円)となっている。
3 地域密着型サービス
住み慣れた地域での生活が継続できるよう地域包括ケア体制を整備する。
(1) 地域密着型サービスの創設
市町村の住民が利用できる地域限定のサービス。通いを中心とした小規模多機能居宅介護、夜間対応訪問介護、認知症型通所介護、認知症対応型グループホーム、地域密着型特定施設、地域密着型介護老人福祉施設など
(2) 居住系サービスの充実
居住系サービスはケアハウスと有料老人ホームに高齢者専用賃貸住宅を加え、外部サービス利用型特定施設の枠組みを設け、養護老人ホームの利用実態を踏まえた仕組みとした。
(3) 地域包括ケア体制
地域包括支援センターは介護予防マネジメント、総合相談支援、虐待の早期発見、防止などの権利擁護、包括的・継続的マネジメント支援の4つの機能を担う。
(4) 医療と介護の連携
・「療養通所介護」の創設―難病やがん末期の要介護者などに医療機関や訪問看護ステーションと連携する。
・若年認知症ケアの充実―通所介護・通所リハビリテーションで若年認知症ケアの充実を図る。
・緊急短期入所ネットワーク―緊急的なショートステイの利用ニーズに対応するためのネットワーク整備、在宅中重度者への短期入所の看護体制・訪問看護利用体制の強化
・グループホームの体制整備―夜勤体制の義務付け、医療連携体制の充実
・介護老人福祉施設における重度化・看取りへの対応―重度化に対応した看護体制の強化、夜間24時間連絡体制整備、看取り介護の体制整備
・療養病床の再編成
・介護療養型医療施設の廃止(平成24年3月)
・医療保険適用病床に
・病床転換し老健施設、ケアハウス、在宅療養支援拠点に
4 サービスの質の確保・向上
(1) 介護サービスの情報の公表
(2) サービスの専門性と生活環境の向上
・訪問介護における専門性の向上―介護職員基礎研修の導入など、3級ヘルパーの報酬減算の強化
・施設における生活・療養環境の改善―感染管理・安全管理体制、褥瘡予防体制、身体拘束の廃止、ユニットケアの推進、療養環境減算の強化
(3) 事業所規制の見直し
指定の欠格事由、指定の取消要件の追加、指定の更新制の導入など
(4) ケアマネジメントの見直し
ケアマネジャーと主治医の連携強化、ケアマネジャーの更新制の導入、主任ケアマネジャーの創設、ケアマネジャーの標準担当件数の引き下げなど
5 負担のあり方・制度運営の見直し
(1) 第1号保険料の見直し―第2段階の細分化、課税層の保険料設定の弾力化
(2) 要介護認定の見直しと保険者機能の強化
(3) 費用負担割合の見直し―国庫負担金改革に伴い、都道府県指定の介護保険施設及び特定施設の給付費の見直し、施設給付費(12・5%→17・5%)、居宅給付費(12・5%)
(4) 地域介護・福祉空間整備等交付金の見直し
1都道府県交付金は廃止、一般財源化 2市町村交付金は地域密着型サービス拠点整備、システムの整備、既存特養の改修、緊急ショートステイ居室の整備など。
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