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[2006/05/31]
  特定施設への往診制限、一転見直しへ

<特定施設への往診制限、一転見直しへ>
中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会は24日、介護療養病床の廃止後の受け皿とするために「自宅以外の多様な住まい」への在宅医療を拡大する方向で検討に入った。4月からの報酬改定では特定施設への往診が制限され、これまでホームで診療を受けることができた高齢者が入院・通所を余儀なくされる状況だったが、一転。早ければ六月中には見直されることになりそうだ。
現在、参議院で審議中の医療制度改革関連法案では介護療養病床の2011年度末の廃止が盛り込まれている。事務局によると、往診の拡大は有料老人ホームや高齢者賃貸住宅、ケアハウスなど「自宅以外の多様な居住の場」を医療必要度の低い患者の受け皿とするのがねらいという。
早急に見直すべき事項としてあげられたのは、?在宅療養支援診療所が特定施設の末期がん患者に対して行う場合にのみ認められている在宅時医学総合管理料(在医総管)の対象者の拡大、?介護保険で4月に創設された外部サービス利用型特定施設では、在医総管と訪問診療料が算定できるようにする、?特定施設でない有料老人ホームや認知症グループホームへの同一の医療法人からの往診の制限を緩和する・・の三点だ。
長期的には、病院が在宅療養支援診療所となることができるようにしたり、在宅での看取りを支援することを認める。「施設」への訪問診療の考え方を基本的に見直すことなどが課題としてあげられた。

(シルバー新報より)

<介護保険自己負担 「2〜3割上げ」検討>
財務省の財政制度等審議会(西室泰三会長、財務大臣の諮問機関)は17日、財政制度分科会と歳出合理化部会、財政構造改革部会の合同部会を開催し、2007年度予算編成で焦点となる社会保障費についての議論を開始した。介護分野では利用者の自己負担率の2〜3割引き上げを検討する見通しだ。同じく2割への引き上げを議論している自民党の歳出改革に関するプロジェクトチームの審議状況もにらみながら、政府が来月にもまとめる予定の経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に間に合うよう基本的な考えを示す方針だ。
財制審は例年6月に次年度予算編成の基本的な考え方を示し、11月に建議をとりまとめている。部会では、各分野ごとに過去の建議で見直しが必要と指摘された事項が挙げられた。

(シルバー新報より)

<訪問介護事業所が2万超> 
厚生労働省が29日まとめた介護サービス施設・事業所調査結果速報によると、訪問介護の事業所数は2005年10月1日時点で、2万588カ所となり、2000年4月の介護保険制度スタート以来初めて2万カ所を超えた。前年比は19%増で、3314カ所増えた。
訪問介護は、ホームヘルパーらが要介護者の自宅を訪ねて身体介護や家事援助などをする。01年の事業所数は1万1000カ所余りで、4年間でほぼ倍増した。
一方、05年の特別養護老人ホームは前年比5%増の5535カ所にとどまった。
厚労省は「介護の必要度の重い人に比べて軽い人が相対的に増加しており、訪問型事業所が増えているのは、そのニーズに応えている結果ではないか」と分析している。

(共同通信より)



[2006/05/29]
  認知症の予防に有効策

<認知症予防に「運動・栄養・昼寝」…厚労省研究班データ>
よく運動し、栄養に気をつけて、昼寝した方が認知症の発症率が下がることが、厚生労働省の研究班(主任研究者=朝田隆・筑波大教授)の研究でわかった。生活習慣の改善による認知症予防の成果が確認されたのは初めてで、注目される。
研究は、茨城県利根町の65歳以上を対象に2001年から2005年にかけて行われた。希望者約400人に運動や栄養、睡眠の改善を指導し、指導しなかった1500人と比較した。
具体的には、週3〜5回、1回20〜60分、音楽に合わせてステップを踏む簡単な有酸素運動を行った。また魚の脂質に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などを含む栄養補助剤を毎日取るとともに、30分以内の昼寝をした。
その結果、生活習慣を指導したグループでは認知症の発症率が3・1%だったのに対し、しなかったグループは4・3%にのぼった。また、記憶能力のテストでも、指導したグループの成績が約16%向上した。今後さらに統計的分析を進める。
認知症予防については、海外でさまざまな研究がなされており、魚を食べたり運動をしたりすることなどが望ましいとされてきた。しかし、生活習慣改善を行う「介入研究」ではなく、生活習慣を観察し、数年にわたって認知症の発症率などを見る「観察研究」が主だった。

( 読売新聞より)

<禁煙治療保険でOK ニコチン依存など条件付きで>
4月からの診療報酬改定では、禁煙治療が保険で受けられるようになったり、入院時の食費の計算方法が変わったりと、患者に身近な医療費の取り扱いも様々な点で変更された。

■禁 煙
禁煙治療が、病気の治療として初めて保険で認められた。「ニコチン依存症管理料」という名称で、1回の受診につき230点〜180点(1点10円)が、初・再診料や処方せん料に加わる。3か月間に5回通院するのが原則だ。
ただし、保険がきくには、条件がある。
まず、医療機関に対して、「敷地内が全面禁煙であること」といった条件がついた。禁煙推進に取り組む姿勢を問うものだが、建物内は禁煙でも屋外に喫煙所があることは多い。禁煙外来の看板を掲げているがん専門病院でも、この条件を満たさないために保険がきかない病院もある。
また、治療を受ける本人には、1日の喫煙本数×年数が200以上(1日20本なら10年以上といった計算)などの、ニコチン依存が強いことを示す条件がある。このため喫煙歴の浅い未成年者らは事実上、保険の対象外となる。
禁煙治療には、皮膚に張ってニコチンを徐々に吸収させ禁断症状を和らげる、禁煙補助薬(ニコチンパッチ)が処方されることが多い。ニコチンパッチは従来は保険外だったが、6月から、こういった条件がそろって保険で治療を受ける場合に限り、保険が適用されることになった。
ニコチンパッチは1日1枚使い、大きさによって1枚約400円〜355円。患者によって必要な枚数は異なる。
禁煙治療の費用は、これまでの自費診療では診察料などを含めて通常2万〜3万円前後かかっていたが、保険の3割負担になると1万円前後で済む計算になる。 

■コンタクト
コンタクトレンズにかかわる診療では、個別の検査料を出来高方式で加えるのではなく、必要な検査を一括した「コンタクトレンズ検査料」が新設された。初めてつける場合は387点(コンタクトレンズ患者が70%以上を占める診療所では193点)となる。医師の指示に基づき、再診した際の検査料は112点(同56点)だ。
ただし、医師の指示による受診とは別に、特に異常がないにもかかわらず検査を受ける場合は、この4月から保険がきかないことになった。たとえばコンタクトを紛失して受診した場合は保険外になる。

■入院時の食費…病院食は1食260円で計算
治療のために、1日3食とれないケースは多い。
そこで入院1日当たり780円の負担(一般所得者の場合)だったのが、1食当たり260円へと、1食ごとの計算に変わった。
手術後などで、仮に1日の食事を4回以上にこまめに分けて食べたとしても、最大3食の計算となる。

■内視鏡手術
体にあけた数センチの穴から棒状の手術器具を挿し入れ、カメラで映し出した画面を見ながら手術する内視鏡手術は、体を大きく切る従来の方法に比べ、患者の体への負担が小さい手術として、定着しつつある。
今回の改定では、これまで保険外だった前立腺がんの腹腔(ふっくう)鏡手術が保険適用(4万5300点)になった。開腹手術と同じ扱いだった胃がん手術や整形外科関連の手術などでも、内視鏡手術の点数が別に新設され、高く評価されたものが多い。

(読売新聞より)



[2006/05/28]
  2025年の国民医療費は49兆円

<2025年度の国民医療費を49兆円と試算>
日本医師会は4月25日の記者会見で、2025年度の国民医療費は49兆円程度とする試算を示した。厚生労働省はこの額を65兆円と試算しているのに対し、日医の試算はそれを大きく下回った。厚労省が医療費削減政策の根拠としている試算額の違いを示して、これを阻止したい考えだ。
少子高齢化の進展などを加味した厚労省の国民医療費の試算は、2006年度が33.8兆円、2015年度は47兆円、2025年度には65兆円にまで膨らむとしている。また、この試算額を自己負担金などを除く医療給付費として見ると、2006年度28.5兆円、2015年度40兆円、2025年度56兆円となり、今後20年間で給付費は倍増すると指摘している。その上で医療費の高騰を防ぐためには、生活習慣病対策や平均在院日数短縮などを進める「中長期的方策」と、高額療養費制度や食住費の見直しなどの「短期的方策」を併せて行う医療制度改革を通じて、2025年度の給付費を49兆円にまで削減できるとしている。
これに対し日医は、医療費適正化の中長期的、短期的方策を講じなくても厚労省が2025年度に見込む医療給付費見通しの49兆円を達成することが可能との見方を示し、「厚労省の試算は1人当たりの医療費の伸び率を一般2.1%、高齢者3.2%として計算しているが、最近5年間の平均伸び率(診療報酬マイナス改定があった2002年度を除く)は一般1.4%、高齢者1.3%であるはず。政策的に高い数値を使用して計算しているのではないか」と主張。その上で、日医が示した伸び率で試算すると、2025年度の国民医療費総額は49兆円、医療給付費は41.5兆円になるとした。
日医はこうした考え方をすでに国会議員などに説明しており、今後も続けていく考えだ。また、厚労省に対しては「国民医療費・給付費の将来推計の再計算を早急に行うべき」と要望していくとしている。

■保険免責制導入すれば自己負担5割も
また、3割の自己負担とは別に受診1回1,000円を徴収する保険免責制導入についても「試算によると一般の自己負担割合は5割に迫ることになる」として、議論が再燃していることを危ぐした。
日医の試算では1,000円の免責制を導入した場合、一般の1人1日当たり医療費6,599円のうち、自己負担1,680円(免責額を除いた3割)と免責額の合計は41%となるとして、「軽費の診療では自己負担が5割を超えることもあるだろう」と、若年者を中心とした公的保険離れが進むことを懸念した。

<コムスン子会社、入居金最高3億円の超高級老人ホーム>
コムスン子会社のバーリントンハウス(東京・港)は25日、入居一時金が最高3億円の超高級有料老人ホーム、「バーリントンハウス馬事公苑」を東京都世田谷区に開設した。館内設備やサービスを高級ホテル並みに充実させ、休日や夜間も看護師が待機する。医療サポートを手厚くして、他施設と差別化する。
全147室で、1室50〜230平方メートル。入居一時金は5480万〜3億円。月額利用料は28万円から。入居一時金が平均4000万円を超える高級老人ホームが徐々に増えているが、同施設は平均7000万円台で突出している。

(日経産業新聞より)



[2006/05/27]
 特養での看取り、欠かせぬ医師の協力

<特養での看取り、欠かせぬ医師の協力>
在宅で、最期まで安心して医療や介護を受けられる環境が整っていなければ、社会的入院の解消は進まない。介護保険施設の中で、「ついのすみか」としての役割を期待されている特別養護老人ホームで、看取(みと)りの実態を見た。
「入院した時、『ホームに戻りたい』とよく言っていただけに、なじみの皆さんのもとで最期まで暮らせて幸せだったと思います」
山梨県身延町にある特別養護老人ホーム「みのぶ荘」。昨年夏に亡くなった川口一雄さん(仮名、72歳)の妻は振り返る。
一雄さんが入所したのは1998年。脳こうそくで左半身マヒになったためだ。当初は車いすを使っていたが、昨年春ごろから飲み込みができなくなり、誤嚥(ごえん)性肺炎を起こして入退院を繰り返し、栄養を補給するチューブが鼻に挿入された。
「こうしたケースでは点滴や酸素吸入などの医療処置が必要になるが、対応しきれない施設も多く、長期入院となる場合も少なくない」と、身延山病院医師で、みのぶ荘嘱託医も務める進藤久美子さんは指摘する。
同荘では以前から施設での看取りに力を入れ、定員90人に対し看護師を5人配置。医療対応や24時間の連絡体制も整備し、最近6年間に死亡退所した93人のうち、54人を施設で看取っている。一雄さんも、本人の希望通り退院、2か月後に施設で息を引き取った。
雨宮直美・看護室長は、「私たちが終末期ケアに積極的に取り組めるのは、急変しやすい夜間でも協力病院が対応してくれる安心感があるからです」。その身延山病院は隣にあり、嘱託医も週2回往診に来てくれるのが心強いという。
だが、こうした特養ばかりではない。施設での看取りは、看護師を中心とした職員体制がカギを握るが、定員100人の特養の配置基準は3人で、「それでは24時間の連絡体制はできない」との声は多い。
また、医療機関との連携も欠かせないが「夜間必要時に嘱託医が来てくれると答えた特養は全体の半分以下」という調査結果もある。さらに、関東地方のある施設長は、「嘱託医を依頼したら、『昼夜関係なく電話がかかるなど大変なのに、報酬が見合わない』と断られた」と打ち明ける。
医療経済研究機構の調査では、特養の退所者の半数が病院に運ばれて死亡しているのに対し、特養で亡くなった人は約3割。重度の人が年々増加し、病院での長期入院も難しくなるため、「今後、ますます特養での看取り体制が求められる」と、全国老人福祉施設協議会の福間勉・事務局長は強調する。厚生労働省も今春、介護報酬で特養に「看取り介護加算」を設けるなど、終末期ケアの支援に乗り出した。ただ、福間さんは「医師の協力のあり方など、特養での医療体制をさらに見直す必要がある」と話している。

(読売新聞より)



[2006/05/26]
 揺れる老人保健施設

<揺れる老人保健施設>
社会的入院解消の受け皿として注目されているのが老人保健施設だ。入院治療を終えた後リハビリなどをして在宅復帰を促す「中間施設」だが、入所期間が長期化するなど、その役割自体が揺らいでいる。

■在宅復帰は3割
軽度の認知症で要介護2の鈴木美枝子さん(仮名、70歳代)が、東京都瑞穂町の老人保健施設「菜の花」を一時退所したのは、昨年秋のことだった。入所して約半年、歩行に障害があるものの、認知症の症状も落ち着き、在宅での介護は可能と、家族も施設も判断したからだ。
家族は、共働きの息子夫婦と孫が2人。帰宅した夜、住みなれたはずの自分の部屋がわからなくなる認知症特有の症状が出て、不眠を訴え、血圧も上昇した。徘徊(はいかい)なども心配されたため、デイサービスの平日利用を検討したが、日中は家族が不在で、送迎は難しい。結局、2泊しただけで、施設に戻った。
入所から1年、今も機能訓練室で在宅復帰に向けた歩行訓練を受けるが、退所のめどは立っていない。
認知症の専門棟を持つ「菜の花」は定員100人。年間約150人が新たに入所し、在宅や特別養護老人ホーム、病院への退所者と入れ替わる。車いすも目立つが、ここでの要介護度は平均2.8。一般の特養などに比べれば低い。
「在宅に戻れるのは3割程度。介護者がいなかったり、子どもと同居していても、家族介護を補完する手段が見つからないケースが多い」と、和田聖子・地域サービス部長は説明する。
厚生労働省の調査によると、子どもと同居する高齢者は、1980年の69%から、2003年には47・8%に減った。難波真施設長は、「家族の介護力が低下しているうえ、在宅介護の難しい認知症の高齢者が増えた。短期入所などの公的サービスやボランティアなど地域の力を活用しないと、在宅に戻すのは難しい」と指摘する。

■療養病床削減も影響
さらに、「在所期間が長くなる人の多くは、特養の待機者」と和田さんは話す。全国の特養待機者は約38万人。比較的入所しやすい重度の要介護者でも、1年半ほど待つことが多い。「菜の花」でも、入所者の半数以上が特養の待機者だ。
医療経済研究機構が老健を対象に実施した調査(05年)によると、医療・リハビリともに在宅での対応が可能な入所者は16%に上った。しかし、家庭の事情などで在宅に戻れず、「ついのすみか」である特養への入所を待つケースが少なくない。また、老健の入所期間は原則3か月ごとに見直されるため、頻繁に老健を渡り歩く待機者も珍しくない。NPO法人「特養ホームを良くする市民の会」の本間郁子理事長は、「療養病床削減で、特養の待機者が今まで以上に老健に押し寄せるだろう。利用者のニーズに合わせて、中間施設という老健のあり方も見直すべきだ」と指摘している。

(読売新聞より)

<ニコチンパッチが6月1日に保険収載>
ニコチンパッチが6月1日、薬価収載される。これにより、4月に実施された診療報酬改定で新設されたニコチン依存症管理料の標準治療がすべて医療保険によって可能になる。これまで、ニコチンパッチやニコンチンガムは保険収載されておらず、医療機関で投薬することはできなかった。



[2006/05/24]
 訪問看護師、進まぬ研修

<訪問看護師、進まぬ研修>
末期がんなど自宅で療養している患者を支える訪問看護師の専門技術向上を目指した厚生労働省の研修事業が、進んでいないことが朝日新聞社の調べで分かった。医療制度改革では医療費抑制を目的に入院期間の短縮や自宅での看取(みと)り推進などが盛り込まれているが、在宅医療の重要な担い手である訪問看護師の技量向上を図る環境整備が遅れている現状が浮かんだ。
同省は04年度から、都道府県への補助事業として、二つの研修を盛り込んだ訪問看護推進事業を始めた。末期がん患者の疼痛(とうつう)緩和や精神的ケアを身につける「在宅ホスピスケア研修」と、神経難病など人工呼吸器をつけた患者の管理などの最新技術を病院で磨く「相互研修」だ。
「在宅ホスピスケア研修」は04年度は3県、05年度は11県が実施。「相互研修」は04年度が6県、05年度が21府県。朝日新聞の調べでは、06年度の実施は「在宅ホスピスケア」は17県で「相互研修」は27府県。二つ実施しているのは、12県にとどまる。
全体として実施自治体は増えているが、医療技術の進歩と制度改革で、末期がんや神経難病など医療依存度が高い患者が今後多く在宅化してくるとみられている。このため訪問看護師の技術向上に二つの研修実施が重要とされる。厚労省は「実施がなかなか進まないのは、在宅医療への理解不足がある。二つは性格の違う研修。補助事業で義務ではないが、今後はもっと広めたい」とする。
訪問看護師の研修は、各自治体が看護協会などに委託して基礎的研修をしている。二つの研修はこれとは別な専門的研修だ。実施できない事情には、「2年で礎は築いた。看護師確保に力を入れたいので今年度からやめた」(埼玉県)、「他にも訪問看護師の研修はある」(東京都)という意見のほか、地方では「まだ入院医療が中心」(北海道)という声が多い。広島県など一部は独自研修をしているが、自治体の厳しい財政事情も、二つの研修を同時に行うことの足かせとなっている。
05年度に研修を実施した自治体の多くは、参加者確保に苦労している。「在宅ホスピスケア研修」の実施要綱では、研修期間は「原則3日以上」、参加者数は「原則20人以上」と規定されているが、山形県が05年度に開いた5日間のプログラムすべてに参加したのは13人だった。
看護師の技量不足を指摘する声もある。「相互研修」で、自発呼吸が次第に難しくなる神経難病の筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)の患者に対して「在宅での酸素吸入器の使い方が分からない看護師もいた」(栃木県)という。
医療依存度の高い患者になかなか対応できない背景には、訪問看護がもともと、介護分野を中心にスタートした経緯がある。当初から一時的に看護現場を離れていた看護師を掘り起こして活用してきた。

(朝日新聞より)

<新看護基準で中小民間病院が経営悪化>
看護師不足で1割の病院の運営が困難に。四病院団体協議会が4月の診療報酬改定による影響を調査した結果、入院基本料の看護師比率が厳しくなったことや夜勤の見直しなどで、民間病院を中心に打撃を受けた現状が明らかになった。看護師の引き抜きや募集しても十分な人数を確保できないなどとする声もあり、中には病棟閉鎖を選択せざるを得ない病院も出てきている。




[2006/05/23]
 包括センタすべて委託方式

<包括センターすべて委託方式>
東京23区の最東部にある人口66万人の江戸川区では、4月から地域包括支援センター(以下、包括センター)を区内13カ所に設置した。直営のセンターは設けず、すべて委託方式。各包括センターが中心となって地域の介護予防を担う。在宅介護支援センター(在支)時代より専門職や人員体制が増えた一方で、新たな業務も加わり、現場は「地域の核としてのネットワークづくり」になかなか取り掛かれない苛立ちや制度上のやりにくさも感じているようだ。
13カ所の包括センターは、区医師会が1カ所新規参入したほかは既存の特養併設型の在支がリニューアルする形で設置した。区は当初からすべて委託で運営する方針で、代わりに在支の基幹型機能を担ってきた区介護保険課事業者調整係が13センターの支援や調整にあたる。区は、今年度の予防対象者を約2500人程度と見込む。
区の最東部にある包括センター「江東園」。養護老人ホームや特養、デイケアセンターなどのほか、保育園も併設する総合的な施設だ。在支時代は専任の担当者は、現在社会福祉士枠で配置されている後藤たか子さん一人。高齢者の多い都営住宅を抱える地域では年間2000件に及ぶ相談があり、区の委託事業や介護予防教室の開催も合わせると十分応じきれない面もあったという。今回三職種が配置されたことで、訪問などに割ける時間も増えたと話す。

(シルバー新報より)

<保険外サービス急増予測>
10年後の介護事業市場は14兆5000万円になり、現在では市場のわずか2%しかない保険外サービスは4割を占める――調査・コンサル会社のシード・プランニング(東京都)がまとめた介護事業の市場動向調査ではこんな将来像を予測している。
「2006年版 介護事業者経営戦略分析総合調査」は、昨年12月から今年3月にかけてニチイ学館やコムスン、日本医療事務センターなど介護事業者15社の経営分析と今後の展望についてヒアリング調査を行い動向を分析した。
これにより、現在6.8兆円の市場規模は、10年後の2015年には一14兆5000億円市場に成長すると見込んだ。中でも2005年度の介護市場マーケットで2%の1000億円しかない介護保険外サービスが2015年には5兆8000億円、介護市場全体の4割を占めると予測している。

(シルバー新報より)



[2006/05/21]
 新臨床研修制度

<大学に戻った若手医師は半分 新臨床研修制度>
平成16年春に始まった医師の新臨床研修制度で、今春、2年間の必修初期研修を終えて大学医学部・病院に戻った若手医師は、卒業者の51.2%にすぎなかったことが19日、全国医学部長病院長会議の緊急調査(中間まとめ)で分かった。
臨床研修が努力規定だった旧制度時代の平成14年春より20.9ポイント少ないうえ、救急・救命にかかわる診療科の希望者が減っており、同会議は「地方・僻地(へきち)医療の崩壊、救急医療の崩壊が現実の問題になった」とみている。
調査は全国の国公私立の80大学に各医学部長を通じて実施。
大学の所在地を、人口50万人以上の都市がある都道府県(中大都市圏域)と、それ以外の都道府県(小都市圏域)に分けて分析。中大都市圏域の帰学率は14年に比べ若干下がったものの60%近くあったが、小都市圏域の帰学率は30%に満たず、半減していた。
また、18年の帰学者の進んだ診療科を14年卒者と比較したところ、減少が顕著だったのが脳神経外科(42.3%減)、外科(32.8%減)、小児科(28.1%減)、整形外科(27.2%減)、産婦人科(18.5%減)、救急など(16.9%減)。一方で形成外科(40.9%増)、皮膚科(23.6%増)、麻酔科(23.2%増)、耳鼻科(7.5%増)は増えていた。

(産経新聞より)

<入院入所削減に目標値>
厚生労働省は11日、障害者自立支援法の施行に伴い都道府県・市町村に策定を義務付けている障害福祉計画について、サービスの必要量を算出するための基本的な考え方を示した「基本指針」案をまとめた。障害者の地域生活を着実に進めるため、2011年度末までに施設入所者を7%、精神科入院患者を全国で7万人減らすことなどを「努力目標」としてサービスの種類ごとの必要量を具体的に設定することを求めている。計画の目標値を超えた場合は都道府県が指定できないサービスもある。基本指針は今月末までに告示する予定だ。

(シルバー新報より)



[2006/05/20]
 報酬改定で病院が経営難

<報酬改定で病院1割経営難 看護師不足にも拍車>
4月からの診療報酬改定で、看護職員の配置を増やさないと報酬が減る設定にした影響で、中小の民間病院を中心に1割近くの病院が経営困難に陥っていることが、17日にまとまった病院団体の調査で分かった。増大する医療費を抑制するとともに、より手厚い看護態勢をめざした改定だが、大病院ほど看護師が集まるなど病院間の格差は拡大。6割超の病院が「看護師の引き抜きに拍車がかかる」と懸念している実態が明らかになった。
今回の改定では、看護職員1人が受け持つ入院患者数によって決まる入院基本料の区分を変更。従来の「患者15人」「13人」「10人」の区分に加え、より受け持ち患者が少ない「7人」を新設した。「15人」を超える病院は事実上、採算がとれない報酬に改めた。
調査は4月、日本病院会や全日本病院協会などでつくる「四病院団体協議会」が全国5570の公立、大学、民間病院を対象に、改定前後の状況を聞いた。
回答のあった1413の一般病院の内訳をみると、3月時点で最も手厚い区分の「患者10人」だった病院は544だったのが、4月には、新設の「7人」を含めて「10人」の区分までが698に増加。「13人」の病院は532から359に減り、中位ランク以上ではより看護が充実していた。
「15人」の区分に達しない不採算病院が35にのぼっているほか、一部の病院はすでに病棟を閉鎖。さらに「15人」に達している病院でも95が「計画上の数字で届け出たが実際は継続不可能」と答え、約140病院が経営困難だとしている。
病院の規模別では、300床台〜500床以上の病院では最高区分の「7人」の病院が7〜11%なのに対し、200床台以下では5%前後にとどまっている。
看護師確保をめぐる質問(複数回答)では、「特に看護師配置などを変えなかった」は61%で、「募集して対応した」が20%、「募集したが就職者が足りなかった」が16%。「看護師を引き抜かれた」との回答も4%あった。
報酬改定に対する評価(複数回答)では、「看護師の引き抜きなど看護師不足に拍車がかかる」が66%、「制度改正にはもっと時間をかけて行うべきだ」との意見が67%。「看護師の勤務条件が良くなった」との回答は37%だった。




[2006/05/19]
 70歳以上、医療費負担増

<医療制度改革 衆院委で可決 70歳以上負担増など>
衆院厚生労働委員会は17日、医療制度改革関連法案に対する質疑を小泉純一郎首相が出席して行った。自民、公明両党は同日昼採決に踏み切り、与党などの賛成多数で可決した。野党側は採決に反発している。
同法案は70歳以上で現役並みに所得のある人(夫婦世帯で年収約520万円以上、単身世帯で約380万円以上)の医療費の窓口負担割合を今年10月に2割から3割に引き上げ、70〜74歳の人の負担割合(同1割)を08年4月以降、2割にアップすることなどが柱。与党は18日の衆院本会議での通過を目指している。
他の負担増は、今年10月以降、慢性病患者が長期に入院する療養病床(医療型、25万床)で、70歳以上の入院患者の食住費を全額自己負担とする。また、高額療養費の自己負担限度額の定額部分を引き上げる(一般の70歳未満の人の場合7800円増の8万100円)。一方、出産育児一時金は現行の30万円から35万円に増額する。
制度面では、現行の老人保健制度を廃止し08年4月に75歳以上の人すべてが加入する後期高齢者医療制度を創設する。同制度の財政運営は「都道府県単位で全市町村が加入する広域連合」が担い、保険料は広域連合ごとに設定する。

(毎日新聞より)

<介護保険、自己負担2割に・自民検討>
自民党は歳出・歳入一体改革の歳出削減に関連し、介護保険利用者の負担割合を現行の1割から2割に引き上げる検討に入った。自己負担の引き上げで安易な利用を抑制し、国費負担を軽減する。雇用保険は失業者への給付費の一定割合を補っている国庫負担について、廃止を含めて大幅な見直しを検討する。膨張する社会保障費の抑制につなげたい考えだが、与党内の反発も予想される。
自民党歳出改革プロジェクトチーム(座長・中川秀直政調会長)が16日、社会保障分野の委員会でこれらの削減案の検討に着手した。6月に今後5年間の歳出削減の独自案をまとめ、骨太方針2006に反映させたい考えだ。

(日経新聞より)




[2006/05/18]
 特定施設への往診中止続出

<診療報酬改定が裏目、特定施設への往診中止続出>
国会で審議中の医療改革関連法案の争点のひとつが療養病床の削減問題だ。23万床ともいわれる具体的な受け皿が見えず介護難民化が懸念されている。厚生労働省では有料老人ホーム、ケアハウスなども受け皿の一つとしてあげているが、4月からの診療報酬改定で高齢者への往診が受けられなくなっているホームが続出。在宅重視、療養病床の圧縮という政策に逆行する事態となっている。いったい何をやっているのか。
「ご本人の希望があればホームで最後まで看取りたいと考えてきたがこれでは、重くなったら入院してもらうしかない」
太平洋シルバーサービスの馬島茂代表取締役は話す。同社は1984年の設立の業界では老舗企業。「シルバーシティ」として都内で7カ所の有料老人ホームを運営している。そのうち一カ所のホームに往診していたクリニックから4月の初め、文書でもう往診はできないと通知が届いた。
診療報酬の改定で、介護・医療の給付調整が行われ、介護保険の特定施設の指定を受けている有料老人ホームへの往診が制限されたためだ。介護報酬に気をとられていた多くの有料老人ホームにとっては、晴天の霹靂だった。医療機関側にとっても同様だったようだ。

<「介護療養に移行する予定だった」 〜医療必要度の低い患者を>
厚生労働省保険局医療課の麦谷眞里課長は16日、2006年度診療報酬改定をテーマに都内で講演し、慢性期入院医療に関して「医療必要度が低い患者に対しての評価を低くしたのは、そういった人たちには介護療養病床に移ってもらうつもりだったからだ」などと説明した。

<医師に過疎医療義務づけの検討も 〜川崎厚労相>
川崎二郎厚生労働相は12日の記者会見で、医師の地域偏在問題の解決策の一つとして、強制力を持って一般の医師を過疎地域に派遣する仕組みを検討してはどうかとの考えを示した。ただし、医師個人の就業・居住地の自由という観点も尊重しなければならないとの立場から「ゆっくり議論して煮詰めなければならない」と述べた

<サービス開始2週間後にアセスメントから同意を〜厚生労働省通知>
4月の介護報酬改定で訪問・通所リハビリテーション、施設サービスに新設されたリハビリテーションマネジメント加算について、厚生労働省はこのほど基本的な考え方や事務処理手順を示した。同加算では訪問リハビリと通所リハビリは1日20単位、施設(介護老人保健施設、介護療養型医療施設)は1日25単位が算定できる。
厚生労働省はリハビリテーションマネジメントの基本的な考え方として、運用にあたっては、利用者に対して漫然とリハビリテーションの提供を行うことがないように、利用者毎に、解決すべき課題の把握を適切に行い、改善に係る目標を設定し、計画を作成した上で、必要な時期に必要な期間を定めてリハビリテーションの提供を行うことが重要であるなどと明示。また、継続的なサービスの質の向上に向けて、施設サービスにおけるリハビリについては、施設退所後の居宅における利用者の生活やその場において提供されるリハビリを考慮した上で、利用者の在宅復帰に資するものである必要があり、施設入所中又はその退所後に居宅において利用者に提供されるリハビリが一貫した考え方に基づき提供されるよう努めなければならないとしている。一方、居宅サービスにおけるリハビリテーションマネジメントにあっては▼訪問介護員等他の居宅サービス事業所の担当者に対する情報提供等を行うなど、利用者のよりよい在宅生活を支援するものとなるよう配慮する、▼利用者の生活機能の改善状況は継続的に把握し、常に適切なリハビリの提供を行う、▼リハビリテーションマネジメント体制については、生活機能の維持、改善の観点から評価し、継続的なサービスの質の向上へと繋げる――などとしている。
一方、リハビリテーションマネジメントの具体的な実務の手順としては、(1)サービス開始時における情報収集、(2)サービス開始時におけるアセスメント・評価、計画、説明・同意、(3)サービス開始後2週間以内のアセスメント・評価、計画、説明・同意、(4)サービス終了時の情報提供――を提示。このうち(2)については、関連スタッフ毎にアセスメントとそれに基づく評価を行い、多職種協働でサービス開始時カンファレンスを開催し、速やかにリハビリテーション実施計画原案を作成し、リハビリテーション実施計画原案については、利用者又はその家族へ説明し同意を得ることとしている。また、(3)については、リハビリテーション実施計画原案に基づいたリハビリやケアを実施しながら、サービス開始から概ね2週間以内に(1)アセスメント・評価の実施、(2)リハビリテーションカンファレンスの実施、(3)リハビリテーション実施計画書の作成、(4)利用者又は家族への説明と同意、(5)指示と実施、(6)(1)から(5)までの過程は概ね3ヶ月毎に繰り返し、内容に関して見直すS――を実施するものとしている。



[2006/05/16]
 ニコチンパッチ保険薬に

<ニコチンパッチ保険薬に 厚労省、今月中に>
川崎二郎厚生労働相は12日の衆院厚生労働委員会で、禁煙時に体内のニコチン濃度が低下する際の禁断症状を抑える「ニコチンパッチ」を公的保険の対象とすることを明らかにした。近く医薬品の保険適用の可否を検討する中央社会保険医療協議会を開き、今月中に保険薬とする。
禁煙治療については、4月から公的医療保険の対象となったが、パッチが保険適用外であることから、パッチを使うと違法な「混合診療」に該当。厚労省は4月28日の医療機関向け通知で「使えば禁煙指導全体が(全額自己負担の)自由診療となる」と明確にしていた。保険適用を急いだのは、医療現場の混乱や日本禁煙学会からの批判を受けたためとみられる。

<医療訴訟3年ぶりに1000件台切る 〜最高裁まとめ>
2005年に全国の地方裁判所に提訴された医療過誤など医療関係の民事訴訟事件(速報値)は999件で、3年ぶりに1000件を下回ったことが、最高裁判所のまとめで明らかになった。また、同年の1審の平均審理期間は26.8月で、前年より0.5月短縮されて過去最短を更新した。

<2005年の新卒者の離職率は9.3%>
日本看護協会の調査によると、2005年の新卒採用者の年度末までの離職率は9.3%で、前年の11.6%に比べて改善した。病床規模別では小規模ほど平均離職率が高いが、大規模ではほとんど離職していない「0−1%未満」と答えた割合が低かった。

<療養病床の患者分類の見直し求め厚労省と直接交渉> 
日本医療労働組合連合会は5月24日、厚生労働省に出向き、患者分類を使った療養病床の診療報酬の大幅見直しを直接求める方針だ。すでに4月12日には1回目の直接交渉を実施しており、療養病床の閉鎖や縮小が始まっている実態を訴えた。5月24日は、介護療養病床廃止の撤回や医療療養病床の患者分類の見直し、医療療養病床の患者分類を使った診療報酬の実施延期―などを求める。



[2006/05/13]
 福祉用具の返却相次ぐ

<福祉用具返却相次ぐ 介護保険法改正で補助制限レンタル業者「心苦しい」 >
鹿児島市内の福祉用具レンタル業者の倉庫に、電動ベッドや車いすが山積みになっている。4月の介護保険法改正で、福祉用具貸与に対する行政の補助が制限されて、利用者からの返却が相次いでいるため。月100台ほどの回収増となった業者もあり、利用者からの相談も増えているという。
電動ベッドは、これまで「起き上がりや寝返り、立ち上がりが何かにつかまってできる」場合も本人の1割負担、月1200円程度で利用できた。ところが、法改正により「起き上がりや寝返りが全くできない」場合に補助対象を限定。車いすは5メートル程度の歩行が困難な場合のみ。いずれも介護認定調査の段階でほぼ決まる。
電動ベッド約500台を扱う同市内の業者は、この2カ月で約30台を回収した。福祉用具専門相談員の男性(55)は「暮らしに余裕がないお年寄りの生活必需品を引き取ることが多い。『貸しはがし』のようで心苦しい」と顔を曇らせた。
4月だけで電動ベッド約100台の回収増となったカクイックスウィング(鹿児島市)は、利用者や福祉関係者から制度運用の問題点を聞き取る実態調査を始めた。同社の西園靖彦常務取締役は「回収が自立支援を阻害し症状を悪化させる例が多々ある。市町村の裁量で例外措置がとれるよう関係機関に訴えていきたい」と話した。

<ケアプラン作成控える動き>
月の介護保険制度改正に伴い、福祉の現場で、高齢者のケアプランの作成を手控える動きが一部に出ている。「要介護」や「要支援」の認定を受けた高齢者が介護サービスを受けるために事業者にケアプランの作成を依頼するのが介護保険の利用手順。だが、ケアマネジャーの報酬の体系が変わり、注文を受けすぎると不利になる仕組みが導入されたことで、流れがぎくしゃくしているようだ。「このままでは“ケアプラン難民”が出かねない」と、不安の声も出ている。 
三重県四日市市の四日市中央地域包括支援センターには、ケアプランの作成を断られたという相談が週1、2件のペースで寄せられている。スタッフが別の事業所を紹介し、事なきを得ているが、担当者は「(新制度の経過措置の切れる)9月に相談が急増するかもしれない」と不安をのぞかせる。
事業者がケアプラン作成の依頼をためらうようになったのは、4月の報酬改定で、ケアマネ一人あたりのプラン数が実質40件未満に制限されたうえ、要支援者用の予防プラン件数をケアマネ一人につき8件に制限されたためだ。
新制度では、一人のケアマネ40件以上(予防プランの件数は二分の一件換算)のプランを作ると、10月から報酬が原則40%減額される。件数を39までに抑えれば、要介護1、2の人のプランの報酬は標準で一人月1万円だが、40件以上になると6千円に下がってしまう。
厚生労働省の担当者は「ケアマネがプランを抱えすぎ、きめ細かい対応ができなくなるのを防ぐため」と狙いを説明するが、それが「手控え」を招いているようだ。
「利用者に迷惑はかけられないので、うちは制限を超えてもプラン作りを引き受ける」という事業所もある一方、「40%の減額は大きいので、3月から新規のケアプラン作成を中止している」という事業所も。
これまでケアマネ一人当たりの持ち件数が多かった事業所ほど、報酬の減額を恐れてプラン作りに消極的になる傾向があるようだ。
一方、「地域包括支援センターの仕事がパンクするのでは」と心配するのは、名古屋市の同センター職員。
要支援のプラン作成は、同市の場合、新規ケースを地域包括支援センターが受け、従来のケースはそれぞれの事業者が継続して担っている。しかし「要支援8件以内」の制限を超えれば事業者が受けなくなって、同センターへのしわ寄せが増すことが予想される。
ただでさえ、地域包括支援センターは制度改革の目玉として、介護予防事業を進めたり、高齢者虐待の防止を図るなどさまざまな役割が期待されている。プラン作りの負担がさらに増せば「業務をこなしきれなくなる」という不安がよぎる。
厚生労働省は、今のところ9月までの経過措置を延長する考えはないという。

◆重度化の予防目指す
<新予防給付サービス> 4月の介護保険制度の改革で要支援の人向けに始まった給付サービス。できる限り自立した生活を継続できるよう、これまでの介護サービスを見直し、重度化の予防を目指す内容に改めた。このサービスを受けるための予防プランは一義的には地域包括支援センターが作る。
センターが委託すれば、従来のケアプランのようにケアマネジャーが予防プランを作ることもできるが、厚生労働省は、委託件数をケアマネ一人につき8件までに制限。同省は「介護予防の効果を上げるためには、要支援になるのを防ぐ介護予防事業と新予防給付のマネジメントを、地域包括支援センターが一体的にするのが望ましい」としている。

<有料老人ホーム新設に急ブレーキ、自治体の制限で>
介護保険が始まった2000年以降右肩上がりだった有料老人ホームの増加に急ブレーキがかかる。4月の介護保険法改正で、保険の給付を抑えたい都道府県が新設数を制限できるようになったことを受け、老人ホーム運営各社が新設計画を大幅に下方修正している。05年度は400件を超えた新設数が半減する可能性もあり、利用者にも影響しそうだ。
全国に113施設を持つ最大手のメッセージは、06年3月期に29カ所を新設したが07年3月期は半分近くに減る見通し。「ニーズは高く、用地もあるが制限実施で断念せざるを得ない」(メッセージの佐藤俊雄取締役)



[2006/05/12]
 報酬はヘルパーと折半

<ヘルパーとの"報酬折半"でサービスの質を向上させる〜先駆的福祉経営事例 >
広島県広島市にある企業組合リプルケアーセンターは、2000年1月に中小企業等共同組合法に基づく法人として81人の組合によって設立され、全国7ヵ所に訪問介護などの事業所を持つ。その発展を支えているのが、発足当初から導入している事業所とヘルパーで介護報酬を半額ずつ分ける「実質スライド制」の給与方式だ。これは、パートのヘルパーを時給で雇用するのではなく、提供するサービスの内容に応じて賃金を支払い、サービス提供時間以外は拘束しないという制度。サービスにより受けとる額に開きが生じるが、どのサービスでも一時間いくらとするより、格段にヘルパーのモチベーションは向上するという。また、ヘルパーは、決められた時間に利用者のところへ行く決まり以外に制約がないため、家事との両立が容易でき、ヘルパー達には好評のようだ。

■質の高いサービスが生む利用者増加の波及効果
利用者に割り当てられるヘルパーは原則一人のみであるため、ヘルパーにとって利用者は完全に「顧客」であり、自分のサービスがそのまま給与に反映する。したがって、ヘルパーは、自主的にきめ細かいサービスを提供するため、ヘルパーと利用者との信頼関係は強固になり、事業所の信頼度も増し、利用者からの紹介でさらに需要も拡大していったという。このことについて、同事業所代表理事の中村則子氏は、「ヘルパーさんのモチベーションが向上する条件を備えておけば、必然的に定着率や提供するサービスの質も向上する。それが結果的に波及効果を生む。利用者に本当に満足していただけるサービスを行えば、営業活動をしなくても運営が可能なことが証明された。」と語る。さらに、雇用関係でのトラブルや、利用者からのクレームも「皆無です」と胸を張る。
また、2002年11月には、かねてからの想いであった高齢者向け賃貸マンションを広島県内に完成させた。これらの事業展開について中村代表理事は、「リプルという名称は英語のripple(リップル)、つまり波及という意味。高齢者専用マンションや実績スライド制など、私たちの理念が波及のように広がれば、高齢者が安心して暮らせる社会ができると信じている」と語る。同事業所のように、実際にサービス提供をする介護労働者に対しても重きを置くことが、介護サービスの質・量の両面を向上していく上で今後重要になっていくだろう。

<食住費自己負担で500人以上が退所 〜全国保険医団体連合会調査>
全国保険医団体連合会はさきごろ『介護保険の居住費・食費自己負担化による影響調査』の結果を発表した。それによると、17都府県の272施設から519人が食費・居住費の自己負担化が原因で退所していることが判明した。
同調査は、介護保険制度「改正」による居住費・食費の自己負担化が利用者及び事業所経営に与えた影響を調べるため、各都道府県保険医協会を通じて今年1月から3月に実施。その結果、全国15都府県の保険医協会が介護保険施設、通所施設(デイサービス、デイケア)、短期入所施設での調査結果を報告した。また、埼玉県、島根県の2県もほぼ同時期に調査を実施しており、それらの結果を併せて、同協会は最終報告をまとめた。同調査の回答施設数は、1856施設で、全国の介護保険3施設数の15.3%に相当する。
このうち、退所者の施設別人数割合は介護老人福祉施設が2.9%、介護老人保健施設が48.4%、介護療養型医療施設が9.6%であった。また、退所者の要介護度別人数を見ると、要介護1が7.9%、要介護2が9.6%、要介護3が11.4%、要介護4が16.4%、要介護5が13.9%、と要介護度の退所者のうち、要介護4及び要介護5のいわゆる重度の退所者も30.3%を占めた。
一方、年齢別になると、80代、90代の退所者が39.7%と退所者の大半が後期高齢者であった。さらに、退所者の行先を見ると、在宅が42.4%と最も高い結果となり、他の介護保険関連施設も食費・居住費の全額自己負担を前提としているため、退所者の多くは在宅以外に行き場のないことが示された。さらに、利用者負担段階でみると、「利用者負担段階第4段階」の者が53.0%を占めており、これらの結果から、中・重度の後期高齢者が在宅への退所を余儀なくされていることを示している。
また、施設収入の変化や自己負担化への対策を調べたところ、居住費、食費の入所者負担増による施設の総収入(「窓口負担」+「保険給付」)の増減では「収入が減った」と答えた施設は63.6%に達した。また、対応策としては、事を外注化が2.2% 食材料費を圧縮が16.0%、人件費を削減が9.7%、特に何もしないが49.2%となった。
これらの結果を踏まえ同協会は、(1)居住費、食費については保険給付に戻す必要がある、(2)当面、居住費、食費に係る負担軽減措置の対象に住民税本人非課税者を加えるとともに、低い年金水準の現状を踏まえ、公費負担をも視野にいれた低所得者対策の充実が直ちに必要である――としている。

<『介護基金』過半数が温存/厚労省の指導無視>
介護保険の運営で出た剰余金を積み立てた基金を、東京23区と多摩地区26市の過半数が厚生労働省の指導に反する形で温存していることが、本紙の調べで分かった。今後の保険財政の赤字や次期保険料の上昇抑制に備えるためで、多くが数億円単位で残していた。各自治体は、新たに導入した介護予防サービスによる給付費削減効果を盛り込んで本年度からの事業計画を立てたが、基金の温存は、その効果をあてにしていないという各自治体の“本音”を図らずも露呈したものといえそうだ。 
各自治体は3年ごとに介護保険事業計画をつくり、予想される介護給付費に見合う65歳以上の保険料を三年間同額で設定する。4月からの3年間は3回目の計画。都内全区市が、給付費が増えると見込んで保険料を値上げした。
一方で、多くの自治体は制度創設当時の2000年に設けた「介護給付費準備基金」に剰余金を温存。厚労省は「事業計画で必要な保険料は、各計画期間に徴収した保険料で賄うのが原則」として、基金に残高がある場合、基本的に次期計画で歳入に繰り入れて使うよう指導しているが、これに反して、財政危機に備える道を選んだ。
各自治体の担当者によると、東京の区部で基金を残したのは23区中13区。大田区の約19億9千万円を筆頭に11区が1億円以上を温存。千代田区は、同基金とは別に約5億4千5百万円の「運営基金」を独自に設け「いざというときに備える」としている。
多摩地区26市では町田市、府中市など14市が約6千万円から約3億4千万円を残した。億単位の基金を残す区市でも、多くは四月からの事業計画で決めた保険料の値上げ抑制のため基金を一部取り崩すが、大田、杉並、豊島、板橋の各区と八王子、狛江と清瀬の各市は「今回は使わず、将来の赤字などに備える」という。
各自治体とも、高齢化の進行で介護サービス利用者が増えており、給付費の増大は不安材料だ。これまでも赤字を基金で補ってきた区市は多く、基金を温存した区市は「介護予防による給付費抑制効果は不透明だ。赤字補てんにとっておく」(多摩市など)、「3年後の保険料高騰を(基金で)抑えたい」(杉並区など)と説明している。
都介護保険課は「厚労省の指導はあるが、基金の扱いは自治体の判断。将来の安心のために温存するのは責められない」と、各自治体の対応に理解を示している。

◆メモ <介護予防>
介護保険法改正で、4月から要介護度の軽い高齢者に筋力向上トレーニングなど新たな介護予防サービスを導入。心身の状態が悪化しないように、従来のサービスも見直して自立を促す。高齢化の進行や制度の普及で伸び続ける介護サービス給付費を抑制するのが狙い。給付費の財源は半分が公費負担、半分が40〜64歳と65歳以上の保険料。給付費が増えると保険料も上昇し負担感が増すが、給付費抑制で必要なサービスが受けられない事態を招くと、保険の存在意義を問われる。



[2006/05/11]
 病床削減は県立病院から

<病床削減「まず県立病院から>
川崎二郎厚生労働相は10日の衆院厚生労働委員会で、自治体病院の再編は都道府県立病院が率先してやるべきとの認識を示した。古川元久議員(民主党)の質問に答えた。

<介護療養の3割は医療療養へ転換希望 〜日本療養病床協会が調査>
日本療養病床協会は、今年2月、6年後に介護療養病床が廃止されることがほぼ決まったこと受け、会員の考え方を調査する「今後の病床運営に関するアンケート」を行った。同アンケートは、日本療養病床協会が会員663病院に対し実施。回答率は63%で417病院が回答した。
同調査の結果、介護療養型医療施設の28.1%は医療療養病床への転換を希望。また、老人保健施設への転換は、10.8%が望んでいる。ただ、「検討中又はわからない」への回答が6割を超えていることから、医療保険への転換がさらに増加する可能性もある。

<療養入院患者の行き先が減ることはない。〜礒部老健局長>
礒部文雄老健局長は課長会議で、療養病床の再編成について、「積年の課題が解決に向け一歩進んだ」とするとともに、「療養病床は改修せずに老健に転換でき、(入院患者などの)行き先が減ることはない」と、入院患者の受け入れに支障はないとの見方を提示。その上で、医療療養病床は引き続き残ることや、医療機関への転換に向けての支援措置を設けることを周知するよう要請した。

<医療法人の附帯業務に介護予防サービス事業追加へ 〜厚生労働省>
厚生労働省は改正介護保険法で4月から新予防給付などが開始することに伴い、医療法人の附帯業務を見直す方針を固めた。既に受け付けたパブリックコメントを参考にしながら最終的に決定する。
附帯業務に加える「保健衛生に関する業務」は、▼介護予防サービス事業、▼介護予防支援事業、▼地域密着型サービス事業、▼地域支援事業、▼保健福祉事業―の5事業。このうち、介護予防サービス事業については、▼介護予防訪問入浴介護、▼介護予防訪問看護(訪問看護ステーションのみ)、▼介護予防特定施設入居者生活介護(ケアハウスのみ)、▼介護予防福祉用具貸与、▼特定介護予防福祉用具販売――を保健衛生に関する業務とし、介護予防訪問リハビリテーションなどは「本来業務」に位置づけた。
また、「医療法人が行うことができる社会福祉事業」に関する告示に、老人福祉法にいう「小規模多機能型居宅介護事業」を追加し、小規模多機能型居宅介護や介護予防小規模多機能型居宅介護といった地域密着型サービスも行えるようにする。なお、介護保険法における「介護予防サービス」、「地域密着型サービス」、「地域密着型介護予防サービス」のうち以下の新規サービスは、それぞれ既存の大臣告示の各事業に含まれることとする。
▼老人居宅介護等事業…夜間対応型訪問介護、介護予防訪問介護
▼老人デイサービス事業…認知症対応型通所介護、介護予防通所介護―など
▼老人短期入所事業…介護予防短期入所生活介護
▼認知症対応型老人共同生活援助事業…介護予防認知症対応型共同生
また、4月の障害者自立支援法の施行に伴い「障害福祉サービス事業」を追加する。

<選択サービスの提供 要支援者と要介護者の区分を〜厚労省がQ&A>
厚生労働省は、このほど平成18年度4月の介護報酬改定に係るQ&Aを示した。このQ&Aによると、要支援者と要介護者に対する通所系サービスを同一事業所で行う場合については、入浴など生活支援サービスは同時に実施することが可能であるとした。一方、選択的サービスについては、要支援者と要介護者でサービス内容がそもそも異なり、サービスの提供は、時間やグループを区分して行うことが効果的・効率的と考えられることから、原則として、物理的に区分してサービスを提供することとした。ただ、介護予防通所介護におけるアクティビティについては、要支援者に対する場合と要介護者に対する場合とで必ずしも内容を明確に区分することが困難であることから、必ず物理的に区分して提供しなければならないこととした。

■日祝日営業の通所介護事業所に緩和措置
実績規模別報酬においては、利用者等のニーズに応えて日祝日にも実施している事業所が不利となることから、実績規模別の報酬に関する利用者の計算に当たり、正月等の特別な期間を除いて毎日事業を実施している事業所については、一週当たりの利用延人員数に6/7を乗じた数を合算したものにより、月当たりの平均利用者数を計算し、当該利用者数に基づき実績規模別の報酬を算定する取扱いとするとした。一方、通所系サービスの1月当たりの延べ利用人員が900人を超えると減算となることについては、一定以上の利用人員になると、規模のメリットを享受し、収支状況が大幅に改善することから定員規模別の報酬設定を行うものであり、特段の経過措置は考えていないとした。

■「訪問看護」でのリハビリ回数は半分以下に
訪問看護については、理学療法士等の訪問回数が、当該事業所が行う訪問全体の回数の半数を超える利用者については、報酬を算定できなくなることに対して、各自治体において、必要に応じて各事業所に対し、看護師を新規に確保するなどのサービス提供体制の見直し等について指導を行うとともに、こうした見直し等の期間を考慮した一定期間(例えば6月間程度など)を設けるなど、ただちに報酬を算定できない取扱いとすることによって利用者の生活に支障を来すことのないよう配慮するようにとした。また、仮に半数を超える場合であっても、リハビリテーションのニーズを有する利用者に対し、病院、老人保健施設等が地域に存在しないこと等により訪問リハビリテーションを適切に提供できず、その代替としての訪問看護ステーションからの理学療法士等の訪問が過半を占める場合や、月の途中で入院等によりサービスの提供が中止となり、結果的に理学療法士等による訪問が上回る場合など、適切なケアマネジメントを踏まえた上で、利用者個々の状況を勘案して、一定期間経過後であってもなお、やむを得ないと認められる場合については、各自治体の判断により、算定できる取扱いとして差し支えないとした。

<介護報酬算定ルールの周知徹底を 〜2006年度集団指導の重点事項>
厚生労働省は介護保険事業所に対する指導監査において、2006年度は集団指導の際に指定取り消し事例や介護報酬の算定誤りが多い事例など介護報酬算定ルールの周知徹底を図るとともに、事業所に対する実地指導に当たっては、重点的に点検・指導する方針を示した。具体的な指導重点事項としては、人員基準・介護報酬関係においては、▼人員、設備及び運営に関する基準に定める職員の資格及び員数を満たしているか、▼医師など名義借りによる架空職員をねつ造しているおそれはないか――など。一方、運営基準においては▼個別サービス計画の作成、見直し、記録等が個々の実態に即して処理されているのか、▼苦情、事故、感染症、食中毒があった場合にどのような対応を行っているか――などをあげている。




[2006/05/10]
 生活習慣病の恐れ、男性2人に1人・・・厚労省調査

<生活習慣病の恐れ、内臓脂肪症候群は1960万人>
脳卒中や心筋梗塞(こうそく)など、重大な生活習慣病を引き起こす危険性が高い「内臓脂肪症候群」(メタボリック・シンドローム)とその予備群が、40〜74歳の中高年世代で2000万人近いことが、厚生労働省の調査で分かった。
日本内科学会が昨年4月に策定した同症候群の診断基準を参考にして、40〜74歳の中高年約5700万人のうち、2004年に実施した国民健康・栄養調査で対象とした約3000人のデータから推計値をはじき出した。それによると、同症候群に該当する中高年は940万人、予備群は1020万人と推計された。男女別では、男性が2人に1人、女性で5人に1人が、同症候群か予備群に該当し、男性の方がその割合が極めて高いことが浮き彫りになった。
日本内科学会の診断基準では、腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上で、これに加えて血圧・血中脂質・血糖の3項目のうち2項目の数値が高い場合、同症候群と認定され、1項目が高い場合は予備群とされる。
現在の成人健診は、糖尿病や高血圧症など個別の病気の発見と予防を重視しているが、こうした症状と肥満が複合的に表れた場合、脳卒中や心疾患を発症する危険度が飛躍的に高まることから、厚労省では、2008年度をめどに、同症候群の予防を主眼とした健診と保健指導の改革を目指している。

内臓脂肪症候群 
高血圧や糖尿病など生活習慣病の引き金となるほど、内臓の周囲に脂肪が蓄積した状態で、偏った食生活と運動不足、ストレス、飲酒、喫煙など現代人特有の生活習慣が要因とされる。昨年4月に日本内科学会が診断基準を示したことで病気の概念として定着した。

(読売新聞より)

<身体拘束の廃止進まず>
愛媛県内の介護保険施設のうち、入所高齢者の体の自由を制限する「身体拘束」を廃止している施設はほぼ半数にとどまり、拘束ゼロに向けた取り組みが鈍化していることが、県の2005年度実態調査で8日までに分かった。調査を始めた01年度以降で初めて廃止施設の割合が減少に転じ、特に療養病床を持つ介護療養型医療施設で取り組みの遅れが顕著。原則禁止の身体拘束が一部施設で依然として続く現状が浮き彫りになっている。
県長寿介護課によると、「拘束なし」と答えた施設は55・8%。01年度の30・4%から57・3%まで改善した04年度に比べ1・5ポイント下がった。施設別では療養型が25・6%と最も少なく、県は「(入所者の)平均要介護度が高く、医療面の対応が求められる施設では廃止がなかなか進まない傾向」としている。

<介護予防拠点、200市町村が未設置>
4月から全国で始まった介護予防サービスで、サービス拠点である「地域包括支援センター」の設置が4月に間に合わなかった市町村が全国に200あることがわかった。準備が整わなかった自治体は2007年度末まで設置を猶予されるが、改正介護保険法の目玉である介護予防サービスが地域によってばらつく結果になった。
支援センターは各市町村の予防サービスの提供拠点で、厚生労働省は住民2万〜3万人ごとに1カ所の設置を目安としている。介護の度合いが比較的軽い人を対象に筋力トレーニングや栄養指導などを実施し、重い介護状態になるのを防ぐ。

(日本経済新聞より)

<1号介護保険料最高は与那国町の6100円>
本年度から3年間の第3期介護保険事業計画で、65歳以上の第1号被保険者の介護保険料は、月平均4090円になることが厚生労働省のまとめでわかった。第2期(02〜05年度)の3293円から24.2%、797円増になる。最高額は沖縄県与那国町の6100円、最低額は岐阜県七宗町の2200円だった。第2期で全国最高額だった北海道鶴居村は5942円から4762円へと大幅に減少した。

<医薬分業率は52.3% 〜05年8月分 日薬まとめ>
日本薬剤師会がこのほどまとめた2005年8月分の処方せん受け取り状況の推計で、保険薬局の処方せん受け取り率(医薬分業率)は、52.3%(前年同月比0.5ポイント増)だったことを明らかになった。投薬対象数と処方せん枚数は、9750万5004件・5094万7285枚だった。また調剤点数の動向は357億8894万4000点(同15.0%増)という状況だ。




[2006/05/08]
 公立病院+民間病院、過剰地域での統合許可へ

<公立病院+民間病院、過剰地域での統合許可へ>
厚生労働省は、都市部など病床数が過剰な地域での病院の統合を促進し、高度医療の集中・効率化を図るため、現在は認められていない公立病院と民間病院の統合について、ベッド数が統合前を上回らないことを条件に許可する方針を固めた。
医療法の規制を緩和するもので、5月中にも新たな通達を出す。
現行制度では、都市部に病院が偏在するのを防ぐため、全国を約370ブロックに分けたうえ、各ブロック別に基準ベッド数を定めている。基準を上回る地域では、個別の各病院のベッド数を増やすことができない。このため、二つの病院を統合した後に存続する病院のベッド数が統合前より増える場合は統合が認められず、統合の阻害要因と指摘されてきた。
規制の例外として、現在も、公立病院同士の統合は、2病院の合計ベッド数が増えないことを条件に認めている。新たな通達では、公立病院と、医療法人などの経営する民間病院の統合を、公立病院同士と同様に扱う見通しだ。

(読売新聞より)




[2006/05/06]
 入院費医療の定額制を拡大

<入院医療費、定額制を拡大・厚労省>
厚生労働省は入院医療費を1日あたりの定額制とする「包括払い」方式の対象病院を2006年度に2.5倍の360に拡大する。病院の一般病床全体の約2割、19万ベッド分に対象が広がる。医療費は投薬や検査など医療行為が増えるほど報酬が増える「出来高払い」が原則。病気の内容に合わせて報酬を決める定額制の拡大で、診療を効率化し、医療費を抑制する効果を狙っている。
入院医療費の包括払い方式は03年度に大学病院など82施設で開始。04年度からは民間病院での試行を含めて144病院で実施していた。今年度は厚労省が対象を広げる方針を打ち出したのを受けて、トヨタ記念病院(愛知)、聖路加国際病院(東京)など新たに216病院が実施を決めた。7月1日までに順次導入する予定。

<介護施設転換へ低利融資 療養病床の再編を促進>
厚生労働省は3日、医療の必要度が低いのに家庭の事情などで長期入院している「社会的入院」が多い療養病床を減らし、老人保健施設やケアハウスなどへ転換を促すため、移行段階でつなぎ資金が必要な医療機関に低利融資する方針を明らかにした。7月以降、医療機関の意向を調査、融資は独立行政法人・福祉医療機構が行い、限度額は病院で1億円。
対象医療機関約1万の療養病床の再編を計画的に進め、移行に伴う資金繰り不安も解消することで「医療機関の倒産などにより、入院患者の行き場がなくなるような事態を防ぐ」(同省幹部)狙い。

<高齢者の事故防止へ介護事業者と覚書>
高齢者事故の多発を受けて、佐野署(栃木県)と佐野市内の介護事業者が、事故防止に向けた相互協力を約束する覚書を交わした。同署が日々の事故情報や事故回避のためのアドバイスを提供し、高齢者が集う介護施設から要望や個々の情報を吸い上げる仕組みだ。県警によると、所轄署と地域の介護事業者による覚書締結は県内初の試みという。
「高齢者の交通安全普及活動に関する覚書」を交わしたのは、同市小見町で在宅介護サービス施設「花の広場」を運営する有限会社「ひまわり」。高齢者がショートステイやデイサービスに利用する施設で、職員が同署からの情報を高齢者の家族などに伝えて事故防止の徹底を図る。一方、同署は道路環境の改善や徘徊(はいかい)高齢者の把握などに役立てる方針。
酒井明男署長は「高齢者事故防止のため知恵をしぼった。情報の輪を市内全域に広げていきたい」と話す。「ひまわり」の町田英夫社長(53)は県警OBで、同署の申し入れを積極的に受け入れたという。
同署管内の65歳以上の高齢者が絡んだ事故は、4月末現在で前年比9件増の75件にのぼる。

<終末期の病名告知 患者本人46%、家族は96%>
全国の中小規模の一般病院で、余命が半年以下と思われる「終末期」の患者本人に病名を告知している割合は45.9%で、延命処置の希望確認はさらに低く15.2%だったことが、厚生労働省の研究班の調査で明らかになった。一方で、患者家族には病名告知で95.8%と高い割合で伝えており、終末期医療の現場で、患者本人の意向より家族の意見を重視する実態が浮かび上がった。
調査は04年10〜11月、全国にある中小規模の一般病院(50〜300床)から1000病院を無作為抽出して質問票を郵送し、145病院から回答を得た(回答率14.5%)。終末期患者の多くが、ホスピスや緩和ケア病棟などではなく、中小規模の病院で死亡しているため、対象を絞った。
全入院患者中、終末期患者の占める割合は9.1%。患者本人に病名を告知している割合は、単純平均すると45.9%だった。家族に対しての病名告知は全体の4分3強の病院が100%としており、平均95.8%。抗がん剤治療などで積極的な治療を目指すか、緩和ケアに徹するかなど治療方針の確認も、患者が47.2%に対し、家族が83.4%だった。
余命告知は患者本人には平均26.6%だが、家族には90.8%。余命1カ月以内の「最終末期」に、心臓マッサージ、人工呼吸器の装着、昇圧剤投与などの延命処置に関する希望確認も、患者本人に15.2%で、家族が86.8%だった。
主任研究者の松島英介・東京医科歯科大助教授は「患者本人が希望する場合は基本的には情報提供をするべきだが、チーム医療が充実している大病院と違い、中小は限られた人員で、本人に知らせても、その後のケアが十分にできないという面もあり、大きな課題だ」と話す。



[2006/05/03]
 医師不足深刻

<「医師不足」日赤病院の7割、小児科など深刻>
日本赤十字社が今年4月、全国で運営する91病院を緊急調査したところ、約7割の62病院が「医師不足のため十分な医療が提供できない」と回答したことが1日、わかった。不足数は計437人で、内科医の不足が最も多かった。産婦人科と小児科は計9病院が常勤医ゼロの深刻な状態で、一部の病院は休診を余儀なくされている。
日赤は「グループ内で不足病院に医師を派遣するのにも限界があり、効果的な対策がない」としているが、公的医療機関としての日赤の病院の多くは、救急救命センターや高度医療の拠点病院などに指定されている地域の「中核病院」。医師不足が地域全体の医療体制に深刻な影響を与えている。

<介護福祉士養成見直し>
介護福祉士の養成過程全般について見直しを議論している厚生労働省の検討会(座長=京極高宣国立社会保障人口問題研究所所長)24日、これまでの議論を踏まえ介護福祉士養成カリキュラム・シラバスの見直しに入った。現行の養成過程は2年制・1650時間以上が基本だが、これを最低2000時間程度まで増やすとともに、科目や教育内容についても認知症やターミナルケア、介護予防など高齢者・障害者の介護現場で求められている専門性のニーズに対応できるよう大幅に拡充する方向だ。近いうちに別途作業班を設置して具体的な検討を進めていく。

(シルバー新報より)



[2006/05/01]
 介護保険料に市町村格差

<18−20年度 介護保険料 市町村格差 最大2.77倍>
沖縄3期連続で最高 平均4875円
厚生労働省は28日、65歳以上が支払う平成18−20年度の介護保険料確定額を発表した。市町村別の最高は沖縄県与那国町の月額6100円で、最低の岐阜県七宗町(2200)の2.77倍。前期(15−17年度)の3.33倍に比べ改善したが、地域格差が依然、大きい実態が明らかになった。
介護保険料は保険を運営する市町村や広域連合ごとに定められ、3年に一度改定される。今回は全体の92・3%にあたる1549市町村・広域連合が介護保険料を引き上げ、据え置きは73、引き下げは57。全国平均額は4090円で前期比24・2%増。
都道府県別の最高は制度発足当初から三期連続で沖縄県(4875円)。茨城県(3461円)が前期に続き最低となり、地域格差が定まる傾向がみられた。
沖縄県は介護施設が多く、施設利用者一人当たりのサービス額が全国平均より2万円以上高いことが主な原因−と厚労省は分析。介護施設が少なく、在宅介護利用者が多い都道府県で上げ幅が抑制されたとみている。
市町村別では、最も高かった上昇率は新潟県粟島浦村の118・6%。下落率の最大は福島県檜枝岐村のマイナス23・3%。前期五千九百四十四円と全国最高額だった北海道鶴居村は、住宅改修など在宅介護支援を行ったことから今回は4762円で19・9%の減。分布状況でみると、4千円以下の市町村は62・6%で、前期の92・8%から大幅に減少。4001円以上5千円以下が34・1%を占めた。

(産経新聞より)

<改定の影響を緊急調査 日本病院団体協議会>
日本病院団体協議会は4月28日の代表者会議で、4月の診療報酬改定の緊急調査を実施することを決めた。3月と4月の病院収支の状況を調べ、改定が経営に与えた影響を把握し、中央社会保険医療協議会などに提言する。5月中に調査と集計を行い、同月末にも結果をまとめる。

<介護報酬2億円の返還指導 山口県>
グループホームの職員数を偽って報告するなど五年間で介護報酬約二億円を不正に受給したとして、山口県と山口市は27日、同市の医療法人「青藍会」(阿武義人理事長)と同名の社会福祉法人(同)に、不正請求の返還を指導した。
青藍会は医療法人で2カ所、社会福祉法人で3カ所のグループホームを山口市で運営。厚生労働省の基準で入居者3人につき職員1人が必要としているが、県、市の監査によると、五施設は最大で5年5カ月、2.2人から0.1人不足していた。
県に提出した資料には、法人事務局や院内保育所の職員をグループホーム職員として報告。職員数が基準を満たない場合、7割にとどまる市町村と利用者からの介護報酬を満額受けていた。
不正請求の総額は2億665万円。同会は事実を認め、受給から5年を過ぎて時効となる607万円を除き、山口、防府市など9市町と利用者に返還する。
「職員数が足りない」などの指摘が寄せられ、県が3月に臨時監査し不正が発覚。グループホームの指導監督権が今月から市町村に移管され、市と合同で監査した。
青藍会は今月4日、役員の辞任と法令順守を監視する委員会設立などの改善報告書を県に提出。阿武理事長は「誤った解釈で制度の信頼を損なう事態となり、深くおわびする。進めている改善策を徹底させる」と話している。

<禁煙治療に矛盾 混乱/ニコチンパッチは保険対象外>
4月からの診療報酬改定で保険が利くようになった禁煙治療について、国が承認した治療ガイドラインで必須とされる禁煙治療薬「ニコチンパッチ」をガイドライン通り処方すると、法で認められていない「混合診療」になってしまうことが29日までに分かった。医療現場で混乱が起きており、広島県医師会(碓井静照会長)は近く緊急通知を会員に発送する。
厚生労働省保険局の医療課担当官は「ニコチンパッチは数カ月以内にも保険適用となる見通しだが、4月の制度改定に間に合わなかったためにこういう事態になってしまった。混乱を招いているとしたら申し訳ない。医師会などの問い合わせには説明している」と弁明している。
厚労省は従来、禁煙治療は保険の利かない「自由診療」と位置づけ、医師の処方するパッチも患者が実費で購入してきた。今回の改定で同省は「ニコチン依存症」患者への禁煙指導に保険を適用。日本循環器学会などが作製した、パッチを使うことを前提にしたガイドラインに沿う診療を求めた。
ところが、現時点でパッチは保険の適用外のまま。ガイドライン通りに治療でパッチを処方すると、健康保険法で認めていない「混合診療」となってしまう。このため、禁煙指導を含むすべての費用が保険外で患者の自己負担になる。
広島社会保険事務局(広島市中区)は、中国新聞社の問い合わせで厚労省に確認するまで、パッチの処方が「混合診療」に当たるとは認識していなかったという。
広島県医師会理事の内科医師(56)=広島市佐伯区=は保険が利くと思い込み、既に数人にパッチを処方した。「診療報酬請求もできないし、いまさら患者にどう説明すればいいのか…」と戸惑う。同医師会は週明けにも、当面、パッチの処方を含む禁煙指導は保険が適用されないことを知らせて注意を促す緊急通知を会員に郵送し、トラブルの拡大を防ぐ。
日本禁煙学会理事長で杏林大医学部第一内科の作田学教授は「画期的な療法がせっかく保険で受けられるようになったのに、これでは意味がない。厚労省の見切り発車が原因で、一日も早くパッチを保険適用しない限り収拾は難しいのでは」と指摘している。

(中国新聞より)