
<地域ケア体制整備 全国7ヶ所でモデルプランも>
療養病床の再編は社会的入院を削減し、医療機能の分化を果たすという役割とともに、地域連携クリティカルパスで安定期となった高齢者の在宅での生活を支える地域ケア体制を整備するところに目的がある。国が行う療養病床の再編に伴う地域ケア整備指針の検討は、平成18年度中を目途に進められ、都道府県が行う地域ケア整備構想は平成19年夏を目途としている。その間、地域ケア整備指針を検討する。地域の利用見込みの設定、療養病床の転換、各計画への反映などを盛り込み、一方で地域ケアモデルプランを作成しようというものだ。モデルプラン作成にあたっては、
?全国的に見て療養病床数が多い地域(北海道、高知、熊本)
?高齢化率は低いが、将来的に高齢者のみ世帯が増加するなどニーズの大幅増が見込まれる都市地域(東京都、神戸市)、
?現に高齢化率が高い地域(新潟、鳥取)を予定している。
各計画への反映は、介護保険事業支援計画は都道府県計画・市町村計画の参酌標準など。医療計画では医療機関の機能分化、連携と医療機能の集約化・重点化の促進、事業別の指標と数値目標、事業ごとの医療連携体制など。医療費適正化計画では、平均在院日数の短縮に関する政策目標、療養病床数の目標、医療費の見直しなどに反映させる。
◆療養病床から介護保険施設への転換は
第三期介護保険事業(支援)計画期間(平成18年度〜平成20年度)内に療養病床から介護保険施設に転換する際、介護保険施設の指定がうけられるのだろうか。厚生労働省が先日行った「医療制度改革関連法に関する都道府県説明会」では、各市町村(都道府県)が策定した介護保険事業(支援)計画で定められている必要利用定員総数の範囲内であれば介護保健施設の指定が受けられる。とする回答を示した。
◆老健と介護療養の定員を合わせて
第三期期間内に介護療養病床あるいは医療療養病床を老人保健施設へ転換する際、老人保健施設の必要利用定員総数だけでは空きがない場合でも、老人保健施設と介護療養病床の必要利用定員総数の合計の範囲に収まれば、転換は可能である。
◆特定施設と介護療養の定員の合計で
第三期期間内に介護療養病床又は医療療養病床を特定施設へ転換する場合は、特定施設(地域密着型特定を除く)の必要利用定員総数だけでは空きがない場合でも、特定施設と介護療養病床の必要利用定員総数の合計の範囲内に収まるときは、転換を可能とする。
◆特養と介護療養の合計で
第三期期間内に介護療養病床又は医療療養病床を特別養護老人ホームへ転換することについては、特別養護老人ホーム(地域密着型特別養護老人ホームを除く。)の必要利用定員総数のみでは空きがない場合でも、特別養護老人ホームと介護療養病床の必要利用定員総数の合計の範囲内に収まるときは、転換可能である。
◆療養病床からの転換による新増設を優先
さらに、第三期期間内における老人保健施設の新増設に当たって、医療療養病床からの転換による新増設を優先したり、老人保健施設の入所に当たって、療養病床の廃止に伴い退院する者が円滑に転入所できるような工夫を検討している地方公共団体もある。
<出産費用の準備不要に、増額に合わせ今秋から>
出産時に医療機関に支払うため、用意しなければならなかった費用が早ければ10月から不要になる。手続きをすれば、出産育児一時金が公的医療保険から直接医療機関に支払われるようになるためだ。出産費用が今秋から増額される一時金の範囲内であれば、お金をかけずに出産できる。
現在は、健康保険組合など公的医療保険への申請を経て支給されるため、出産時にはいったん医療機関に費用全額を支払わなければならない。
厚生労働省によると、旧国立病院での出産費用は平均で34万6000円。一時金は今年10月から現在の30万円から35万円に増額される予定で、平均的な費用に収まった場合は事実上無料で出産できることになる。
(共同通信より)
<「画像で診断する認知症」にチャレンジ>
木沢記念病院・中部療護センターは、昨年5月に「もの忘れ外来」を開設した。この外来の中心的役割を果たしているのが脳神経外科専門医の奥村氏。同氏は木沢記念病院の脳神経外科医長を務める一方、岐阜大客員講師であり、日本脳神経外科学会評議員も務める。
同病院の「もの忘れ外来」の特徴は、一般のもの忘れ外来で行われている高次脳機能検査に加えて、血液検査やCT検査、場合によってはSPECT、PET検査を行って、根治可能な認知障害を見つけたり、軽度認知障害時点での早期発見を目的としていること。根治可能な障害は当然、治療計画に基づいて治癒を目指し、軽度障害は疾患の進行を遅らせて患者のQOLを維持する治療計画が進められることになる。
いわゆる認知症などの高次脳機能障害は、発見が遅い例が多く、このことが認知症の社会的問題化を助長している側面がある。早期発見に手を尽くす同病院のチャレンジは全国の関心を集める。
「当院のもの忘れ外来は脳神経外科医が行うことが基本コンセプト」と奥村氏は話す。「この分野の早期発見が遅れているのは、現在のあまりに進みすぎた専門化、臓器別医療のひずみ」という同氏は、「これまで脳外科医は脳卒中など、手術の対象となる疾病のみを中心に診療してきた」と指摘する。
一方、神経内科医はパーキンソン病の専門であることが多い。認知症を診断する機能検査方法は精神科医によって確立されてきた。しかし、多くの精神科医は統合失調症への関心が強く、認知症への認識は今ひとつ薄かったという状況も否めないところ。こうした環境が「認知症の早期発見対策の確立を遅らせてきた」(奥村氏)。
同病院の「もの忘れ外来」開設は、米国のいわゆる「メモリークリニック」が認知症の早期発見に威力を発揮したことが契機となった。奥村氏は「精神科受診をためらう人への対応としては効果があったが、行われる医療は古典的なものだったと思う。結果として早期発見の効果は見えてない」と厳しい評価を示す。
◆画像センター的機能の強味活かして
「脳神経外科医は、自分の目に見えたものしか信じないところがある。画像診断なしで、脳の手術はしない」ため、患者の症状を起こしている部位を画像で特定する工夫が進められることになる。
中部療護センターは、脳卒中や自動車事故などでの頭部外傷の診断・治療の専門施設として機能してきた経緯があり、CT、MRI、SPECT、PETなどの高度先進医療機器の導入が非常に積極的に進められてきた。こうしたインフラによって、高次脳機能障害の画像研究が実績として積まれてきたことも、新たな認知症診断機能開発をプッシュしたことは間違いない。
画像で診断する高次脳機能障害検査は、治る疾患の鑑別にも威力を発揮している。
<桑名市民病院、民間と統合、公立で全国初、経営再建へ>
赤字続きで経営再建を迫られている三重県桑名市立桑名市民病院が、民間病院との統合を目指すことが決まった。公立病院と民間病院の統合は全国でも例がない。今後、市内の民間病院と具体的な交渉を進める。
桑名市民病院は2005年度末の累積赤字が21億円余りに膨らみ、立て直しが急務となっている。医療関係者らで構成する「あり方検討委員会」が今年1月から方向性を検討。会長の余語弘・小牧市民病院名誉院長が22日、民間との統合を求める答申書を水谷元市長に手渡した。
同県北部地域は、234床の桑名市民病院を含め、中規模の病院が複数あり病床は過剰状態。しかし基幹病院がなく、検討委では、統合によって高度な2次医療が完結してできる400床規模の病院を目指すよう結論づけた。
国は病院再編を促すため、6月に病床数が統合前の合計より減る場合には公立と民間の統合も認めることにした。桑名市民病院はこの新制度を利用する。
答申では、3年後をめどに新病院の運営を始めるよう要望。運営形態は地方独立行政法人として、職員は非公務員とすることも提言している。40年前に建設された病棟は移転新築する。
余語会長は「この地域には救急のような不採算部門も担う公的な病院が必要」と、民間との統合という結論に至った理由を述べ「ハードルが多いが実現させてほしい」と要望した。病院側は現在、好感触を得ている病院と交渉を進める方針だ。
(中日新聞より)
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