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[2006/09/30]
 既存施設の取り壊しに1床あたり120万円

<既存施設を取り壊す場合1床あたり120万円を交付>
厚生労働省は8月8日から11日に開催した「療養病床の再編成を踏まえた地域ケア体制の整備に関するブロック別意見交換会」のなかで、平成18年度の地域介護・福祉空間整備等交付金の内容を提示した。同交付金については、平成17年度は都道府県、市町村の各々に対するものに分けて交付されていた。しかし、平成18年度は、都道府県に対する交付金を廃止し、一般財源化。一方、市町村に対する交付金は、対象範囲を拡充し、メニューを▼地域介護・福祉空間整備交付金、▼地域・介護福祉空間推進交付金、▼先進的事業支援特例交付金―の3つに再編する案を示した。
また、先進的事業支援特例交付金の1メニューとして、介護療養型医療施設の転換に関する市町村交付金の案が示され、2011年度まで6年間の時限措置として、既存の介護療養型医療施設(診療所を含む)を老健などに転換する際の整備に必要な経費を支給する。交付対象となる転換先としては(1)老健、(2)ケアハウス、(3)有料老人ホーム、(4)特別養護老人ホーム・併設のショートステイ用居室、など―7施設をあげた。医療法人の施設が特養に転換する場合は社会福祉法人を設立しなければならない。
市町村が市町村全体を単位として、既存の介護療養病床の転換のための「介護療養型医療施設転換整備計画」を作成し、都道府県を経由して国に提出。国は、交付金全体に係る市町村のニーズを踏まえながら、予算の範囲内で採択し、交付金額を算定し、交付金を交付する。交付額は転換によって減少する療養病床数を上限とし、既存の施設を取り壊し新規に建物を建て替える場合に転換病床1床あたり120万円。また、既存施設を取り壊さないで新規に施設を建てる場合は100万円、屋内改修は50万円とし、(いずれも転換病床1床あたり)上限は7, 000万円としている。

<医療費総額の伸び率が1.0%減少>
厚生労働省は「最近の医療費の動向」を公表し、休日数などの影響を補正した2006年3月の医療費総額の伸び率は、前年同期に比べ(以下同)1.0%減少したことがわかった。
同動向によると、制度別医療費の伸び率は、被用者保険本人が4.6%減、被用者保険家族が6.5%減、国保が3.0%減、高齢者が3.4%増、公費が2.4%増。種類別では、入院及び食事療養が0.5%減、入院外が3.2%減、歯科が2.9%増、調剤が1.2%増だった。

<開業医の積極的な参加呼びかけ>
日本医師会は5日、2008年度から全国で実施するメタボリックシンドロームに着目した新たな健診・保健指導について、厚生労働省・保険者の利便性や効率化が優先されているが、国民の利益を第一に考える制度運用が必要であり、開業医の地域の健康づくりシステムへの積極的な参画が必要だとする見解を明らかにした。また、医療制度改革関連法で保険者機能の強化の必要性が指摘され、保険者はレセプトのデータと健診のデータを比較し医療のむだを省くこととされたことに関しては、保険者の医療への介入が起こらないように監視する第三者機構が必要との考えも示した。
日医の内田健夫常任理事は、新たな健診・保健指導のうち必要な人に対して行う保健指導について、「医師、保健師、管理栄養士が担うこととされているが、医師の間で運動指導は健康スポーツ医の資格者でなければ行うことができないとの誤解が多いようだ。しかし、かかりつけ医(である開業医)こそ積極的に参加してほしい」と述べた。
保険者がレセプトのデータと健診のデータを比較することに関しては、たとえば「この薬はいらないのではないか」「この疾患であれば医療機関を替えた方がいい」といった不当な介入を抑えるため、第三者による監視機構が必要だとした。

<情報公表手数料に係る消費税を非課税に〜来年度税制改正 療養病床の転換支援も>
厚生労働省は来年度税制改正要望で、療養病床再編に伴い、老人保健施設などに転換した場合の特別償却制度を創設することを要望した。介護療養病床が2011年度末で廃止されるなどの再編成が行われるのにあたり、既存の療養病床を老人保健施設や特定施設などに転換する際に、所得税や法人税の特別償却制度を設けるべきとした。
また介護サービス利用者の負担軽減策として、要援護高齢者や障害者の介護にかかる費用の控除制度や民間介護保険の加入者の支払保険料に対し、現行の生命保険料控除・損害保険料控除と別枠の所得控除制度の創設も提案。さらに、介護サービス情報の公表制度がスタートするのにあたって、介護サービス事業者が負担する手数料の消費税を課さないよう求めた。


[2006/09/28]
 医療福祉のビジネスモデルへ転換を

<特養ホームで虐待か 「黙らんと殺す」録音テープ>
福岡県星野村の特別養護老人ホーム「星寿園(せいじゅえん)」(大竹妙子施設長、入所者82人)で、介護福祉士の男性職員(38)が男性入所者(90)を虐待した疑いがあるとして園側が調査していることが28日、分かった。男性職員は暴力については否定しているが、暴言は認め、同日付で自宅謹慎となった。県も同日、園に職員を派遣し、事実確認の調査を始めた。
星寿園によると、虐待の様子を収録したとみられる録音テープを3月に入手し、この男性職員に「報告書」の提出を求めた。しかし報告書は提出されなかった。
園は放置していたが、今月6日、内部告発の文書と録音テープが、園を運営する社会福祉法人「星野村福祉会」(山口弦二朗理事長)に届き、同福祉会は懲罰委員会を3回開いた。
テープには、入所者とみられる男性が「あいたー(痛い)」と繰り返し叫んだり「こらえんのじゃん(許して)」と哀願したりする様子や、男性の声で「黙らんと殺すばい」といった暴言や体罰を加えるような音が収録されていた。園の聴取に対し、男性職員は「『黙れ』とは言ったが、暴力は振るっていない」と説明。テープの暴言について「自分の声のようだが、納得できない部分もある」と話しているという。
虐待を受けた可能性があるのは2004年11月に入所した要介護度4の男性で、認知症に加え自力歩行に支障がある。大竹施設長は「他の職員にも事情を聴き、事実関係を早急に明らかにしたい」と話している。

(西日本新聞より)

<不審なけが:岡山の特養で虐待か 利用者20人に、県と市が立ち入り検査> 
岡山市の特別養護老人ホームで利用者が虐待されている疑いがあるとして、県と岡山市が施設の立ち入り検査をしていたことが分かった。利用者全員について負傷の有無と原因を調べ、10月3日までに書面で回答するよう指示した。
施設によると、今年7月、利用女性の家族から「腕につねったようなあざがある」との指摘があった。施設は担当職員に事情を聴いた上で「介護技術が未熟で、入浴時にできた傷ではないか」と説明。「納得してもらったと認識している」というが、その後、利用者に不審なあざやけがなどがあった場合は書面で記録するよう改めたところ、利用者約20人が該当することが分かったという。
「虐待の疑いがある」という情報が寄せられたことから、県と市が26日に立ち入り検査を実施。施設長ら複数の職員から個別に事情聴取し、介護記録も確認した。施設側もこれまでに職員の聞き取りなどをしているが、「原因は分からないことも多い」といい、指示を受け改めて調査を始めている。【傳田賢史】

(毎日新聞より)

<パラマウントベッド、1割希望退職へ 介護ベッド低調>
医療・介護用ベッドを扱うパラマウントベッド(東証1部上場)は26日、介護保険見直しの影響で、全社員の1割にあたる100人規模の希望退職者を募ると発表した。介護保険制度の改正で、原則として軽度の要介護者に対する貸与サービスが保険給付の対象外とされた介護用ベッドの売り上げが半減したため、リストラを進めることにした、という。
これを受け当面、木村憲司社長以下17人の役員・執行役員の報酬も10〜20%、244人の管理職の給与も5〜7%、それぞれ削減する。

(朝日新聞より)



[2006/09/27]
 医療福祉のビジネスモデルへ転換を

<医療福祉のビジネスモデルへ転換を >
9月 16日、東京・新橋ヤクルトホールで公開シンポジウム「2015年の医療福祉ビジネス」が開かれた。日本社会事業大学専門職大学院が主催したもの。厚生労働省社会・援護局中村秀一局長が基調講演で、先頃発表された社会福祉法人経営研究会(厚生労働省と全国社会福祉施設経営者協議会を主なメンバーとする研究会)の報告書「社会福祉法人経営の現状と課題」にふれ、新しい福祉経営のビジネスモデルが必要と説いた。また、パネラーの一人である藤井賢一郎日本社会事業大学専門職大学院客員教授は、戦後一貫して倍増ペースを辿ってきた高齢者人口が2015年以降、横ばいから下降曲線を辿るため、高齢者の医療、介護を中心とした従来型のビジネスモデルからの脱却が必要と強調した。

◆自己資金4分の1で施設建設
「社会福祉法人経営の現状と課題」では、これまでの福祉経営モデルは、施設建設には施設整備費補助金と政策金融によるものであり、運営は措置費で賄われていた。施設管理が中心となり、法人経営が不在であった。事業規模が零細で、再生産・拡大生産費用は補助金と寄付金によっていた。サービスは画一的で、同族による経営が主流となっていた。こうした従来型のビジネスモデルから脱却し、複数事業の運営、多角的な経営を行える「規模の拡大」。合併、事業譲渡、協業化による既存法人の活用。資金使途規制の緩和による法人単位の資金管理による経営の自由度の拡大。公益事業の充実・活性化、収益事業の推進。理事会機能の強化。中間管理職の育成。長期資金の調達。人材育成と確保。が必要と結論した。
中村局長は社会福祉法人の見直しのポイントについて、これまで制度のあり方、個々のサービスのあり方は議論したが、経営体としての社会福祉法人は議論されてこなかったとし、生活保護、児童福祉、障害者福祉と制度ごとに施設設備に格差があること、老朽化の進行など社会福祉法人経営について検討した点を説明した。

◆不動産業モデルからの脱却
藤井教授は高齢者人口が横ばいから下降傾向に入る2015年以降、施設整備は新設から維持・改修モードに入ると分析し、高齢者施設については、不動産業と並んで低い資産回転率の産業であると説明した。特養は収入の割に資産が極めて大きく、福祉事業の土地や建物は自己所有で、入居者の住まいとなる不動産を所有し居住させるため、資金的には不動産賃貸業と同じような資金スキームとなる。過剰資産を所有する既存施設は極めて経営リスクが高くなるということのようだ。高齢者施設は介護保険三施設以外に有料老人ホームや特定施設など増加する傾向にあるが、介護報酬は切り下げの傾向にあり、収益が従来のようには上がってこないことも指摘した。

◆施設から小規模地域展開へ
今回の介護保険制度改正は施設サービスから在宅サービスへのシフトチェンジであるが、介護事業関係者は在宅ケアや在宅医療へのシフトチェンジを冷ややかに見ている。家族への負担の押しつけだと感じているからだ。在宅サービスのあり方について、訪問系サービスだけでは経営も組み立てづらく、介護高齢者の生活も成り立ちにくいとの考えを示した。というのも、1対1のケアは効率が悪く、密室に近いためサービスのチェックが機能しない。人材の養成が困難だという点だ。また、個別のケアという点で個々の関係を構築するには相当の時間を必要とする点などだ。これまでの介護保険制度ではこうした訪問サービス事業が展開してきた。また、訪問看護に関していえば、報酬の高さに比べ訪問介護でも代替し得るサービスにとって変わる傾向が出てきたため、訪問看護サービスの伸び率が近年落ちてきたからだ。さらに「医療的処置」を行ったのは5割に過ぎなかったという結果も伸び率の落ち込みを物語っている。これからの介護サービスモデルは通いを中心とし、小規模・地域展開型のモデルの可能性を示した。



[2006/09/26]
 退院支援施設10月から設置

<退院支援施設:10月1日から設置 厚労省>
厚生労働省は25日、精神障害で入院している患者の地域移行への中間施設として、10月1日から、病院敷地内の病棟に「退院支援施設」を設けることを決めた。同施設の導入をめぐっては、患者から「地域で生活できる態勢づくりが先。現状と変わらない施設は病院の生き残り策でしかない」と批判が出ていた。

(毎日新聞より)

<後期高齢者医療制度 来年4月には政省令>
2008年4月にスタートする後期高齢者の準備スケジュールが明らかになった。今年11〜12月には後期高齢者医療給付の基準や手続きが明らかになった後、来年1月には国や都道府県、市町村の負担の算定方法が、3月には診療報酬体系の基本的な考え方、4月には、診療報酬関係以外の政省令が公布される見通しだ。

<10月5日から後期高齢者の診療報酬体系を審議>
厚生労働省はこのほど、2008年4月からスタートする後期高齢者医療制度における診療報酬体系を検討する社会保障審議会に「後期高齢者医療の在り方に関する特別部会」を設置した。10月5日に第1回会合を開く。

<医療費の自己負担は10月からこう変わる>
◆70歳以上、入院費1.5倍
10月1日から医療制度改革関連法が一部施行され、お年寄りを中心に医療費の負担が重くなる。70歳以上の人の場合、慢性病患者が入院する療養病床では、食費や光熱水費のほとんどが自己負担になる。また、所得が一定以上の人は病院での窓口負担割合が現行の2割から3割になる。病気のお年寄りの暮らしに、どう影響するのか。試算と医療現場の今を報告する。

◆「現役並み者」窓口負担3倍も/高額医療費も限度額引き上げ
10月から、70歳以上で療養病床に入院する人の食費、光熱水費の自己負担額は2倍以上に跳ね上がる。現在、相部屋に入る一般的な所得の人(住民税課税者)の1日の負担額は、食材料費の780円だけ。しかし10月以降、食費は1380円に上がり、光熱水費320円も自己負担になる。月額では約2万4000円が5万円強に増え、通常の医療費も含めた総額は、約6万4000円から9万4000円になる(低所得者などへの負担軽減策は実施)。
一般外来の窓口負担も上がる。約120万人いる70歳以上の「現役並み所得者」は、医療機関での窓口負担が現行の2割から3割になる。
今年8月の税制改正で、夫婦世帯の現役並み年収基準は「約620万円以上」から「約520万円以上」に下がった(単身者は約380万円以上)。新たに現役並みとなった約80万人は、1割負担が2割に上がったばかりなのに、2カ月で3割に増え、医療費は当初の3倍だ。
さらに08年4月以降は、一般の70〜74歳の人の窓口負担割合も現行の1割から2割になる。
このほか、自己負担に限度額を設けた「高額療養費制度」の限度額も引き上げられる。
現在、一般的な所得の人の限度額は、69歳以下が「7万2300円+医療費の1%」、70歳以上は「4万200円」。だが、10月からそれぞれ「8万100円+医療費の1%」「4万4400円」になる。骨折で月に5回受診し、医療費が約29万円かかった場合、自己負担額は65歳の人で、7万3000円から8万円に増える。
一連の自己負担増は、医療給付費(保険料と税金で負担する医療費)抑制が最大の目的。厚生労働省は、改定による削減額を、来年2月までの5カ月分で約1600億円と見込む。
また同省は今回の改革をしない場合、06年度28・5兆円の給付費は25年度に56兆円へ膨らむが、実施すれば48兆円に抑制できるという。政府は削減額8兆円のうち、約6兆円は糖尿病予防などの中長期政策で実現し、残り約2兆円を患者の負担増などでしのぐ意向だ。

◆「金ない人、転院先ない」−−「払えず退院し悪化」増/「症状軽いほど負担増」
経済的理由での退院者も出るとみられる療養病床。負担増を目前に控えた医療現場を訪ねた。
東京都杉並区の救世軍ブース記念病院は今月、147床ある医療型療養病床の入院患者と家族に「健康保険法改定に伴う医療費負担の変更について」の案内を配った。1食の食事代=260円→460円▽居住費(光熱水費相当)=0円→320円など、具体的な患者負担額の説明。医療制度改革に伴う案内は、今年度これで3回目だ。
4月1日に「リハビリの日数制限」、7月1日には「療養病床の入院料変更」をそれぞれ配った。今回はまだ問い合わせなどは無いが、4月はリハビリの打ち切りを心配する患者の相談対応に追われたという。
同病院の徳永貴士医療課長は「どの制度変更も、法改正後、患者や家族に周知されないうちに実施された。行政が説明責任を果たさず、医療機関任せにしているのはおかしい」と憤る。いま一番の心配は、払えないという相談が相次ぐこと。「10月分の請求書が患者の手元に届く11月には、大変な騒ぎになるのでは」と気をもんでいる。
一方、都内のある大学病院。ここでは毎月数十人が、経済的な問題で相談窓口を訪れる。
急病や手術などで入院した患者は、症状が落ち着くと転院になり、療養病床などに移る。ところが、対応するソーシャルワーカーによると、医療型療養病床の入院費が「払えない」と帰宅する患者が増えており、病状が悪化して再入院で戻ってくる例が少なくないという「自己負担増で、そんなケースがさらに増えそう」と心配する。
ただ全員が一律に増額されるわけではなく、所得や病状によって軽減される。

医療型療養病床では今年7月から、症状の重さで患者が3段階に分類された。負担増となるのは、最も軽い「1」の区分の患者で、2と3の患者は現状の約2万4000円に据え置かれる。
厚労省側は「介護保険施設での療養者は居住費を支払っており、状態に大差ない1の区分は同等の負担をすべきだ」と考えるが、病院側は「医療の質の低下を招きかねない」と反発する。都内の総合病院の幹部は「患者を放って床ずれができれば医療区分1が2に上がり、病院の報酬が増えて、患者負担も減る。こんな制度はおかしい」と話す。
今回の負担増で、医療型療養病床での入院にかかる費用(洗濯代や機器リース代など含む)は、有料老人ホームの利用料に迫ってきた。このため先の大学病院の相談窓口には、有料老人ホームの職員が「うちは24時間医師常駐。リハビリもできます」などと、転院先候補の営業に来ることが増えたという。ソーシャルワーカーは言う。「結局、選択肢があるのはお金がある人だけ。負担が難しい人には転院先が無い」

◆療養病床
慢性の病気で長期療養が必要な高齢者のための施設。医療保険を適用する「医療型」が25万床、介護保険適用の「介護型」が13万床ある。国は12年度までに介護型を全廃し医療型も15万床に減らす計画。

(毎日新聞より)

<高齢者の2割「薬7種類以上」 外来で処方>
病院や診療所の外来で、お年寄りの2割以上が7種類以上の薬を処方された「多剤投与」だったことが厚生労働省が発表した05年の「社会医療診療行為別調査」でわかった。前年に比べ0.4ポイント増えており、「薬漬け」医療の是正が進まない実態が浮かび上がった。
05年6月審査分の政府管掌健康保険、健康保険組合、国民健康保険の診療報酬明細書(レセプト)約38万枚を抽出して分析した。
調査時点で老人保健制度の対象だった72歳以上のお年寄りのうち、病院、診療所で7種類以上の処方を受けたのは、20.4%(前年は20.0%)に上り、10種以上処方された人も6.9%いた。72歳未満の人(若者を含む)の「多剤投与」が8.7%だったのに比べ、高齢者の割合の高さが際だっている。
「多剤投与」は好ましくないとして診療報酬で減額措置がとられているが、抑制効果は上がっていない。
全体の医療費に占める薬代の割合(薬剤比率)は前年比0.5ポイント増の22.1%。老人医療では22.8%(前年比1.1ポイント増)だった。

(朝日新聞より)



[2006/09/23]
 薬剤費の割合2年ぶり上昇

<薬剤費の割合2年ぶり上昇、院外処方は52・8%に >
厚生労働省が21日発表した2005年の「社会医療診療行為別調査結果」で、医科の診療報酬に占める薬剤費の割合が22・1%と2年ぶりに上昇したことが分かった。04年調査では過去最低の21・6%だった。
厚労省は、薬剤費の割合について「近年は21−22%程度で推移しており、大きな変化とはみていない」と説明。06年の診療報酬改定の影響が出る次回調査の結果を待って、要因分析したいとしている。
病院や診療所が出した処方せんに基づいて外部の薬局で患者が薬を受け取る「院外処方」の割合は52・8%で、前年より1・1ポイント上昇した。病院に比べて割合が低かった診療所は2・1ポイント増の49・5%となって医薬分業の進展を示す一方、病院は1・5ポイント減の61・1%とマイナスに転じた。
調査は昨年6月、全国約1万6000カ所の医療機関と薬局が健康保険組合などに提出した診療報酬明細書(レセプト)約48万枚を抽出して行った。

(共同通信より)

<セコム医療システム、高級老人ホームを10月・横浜に>
セコム医療システムは10月1日、横浜市に有料老人ホーム「コンフォートガーデンあざみ野」を開業する。セコムグループの防犯・医療・介護分野のノウハウを集め、高水準の居住性や自立支援などを提供する高級ホームと位置付ける。入居一時金は6650万円から。延べ床面積が約1万5000平方メートルの地上3階・地下1階建てで、一般居室105室(面積56―100平方メートル)、介護居室21室などを用意。2009年に神戸市でも同ブランドで開設する。

(日経産業新聞より)

<後発医薬品のシェア、昨年は微増の8.0%・厚労省>
厚生労働省が21日発表した2005年の「社会医療診療行為別調査」によると、外来患者に医療機関が投薬した薬のうち、価格が割安な後発医薬品が占める割合は金額ベースで前年に比べて0.2ポイント増の8.0%だった。2年ぶりに上昇に転じたものの、薬剤に占めるシェアは低水準にとどまっており、普及策の必要性が改めて浮き彫りになった形だ。
後発品は特許が切れた医薬品と同じ成分でつくった薬。先発品に比べて価格が割安だが、欧米に比べて日本の普及率は低い。医師が書く処方せんに基づいて調剤薬局が出す薬に占める割合は0.2ポイント増えたものの4.7%にとどまった。
一方、病院外の薬局で薬を受け取る院外処方の割合は1.1ポイント増の52.8%となり、1992年の調査開始以来、13年連続で増加した。薬の公定価格(薬価)の引き下げなどで病院内で薬を出す院内処方の利幅が小さくなったため、医薬分業が進んだ。

(日経新聞より)




[2006/09/21]
 ジェネリック医薬品、医師の7割が信頼性に・・・

<ジェネリック医薬品、医師の7割が信頼性に・・・ >
新薬の特許が切れた後に同じ成分で開発され、価格が安く抑えられた後発医薬品(ジェネリック医薬品)について、日本医師会は、医師の約7割が「使用に慎重あるいは懐疑的な意見を持っている」とする調査結果を発表した。日医は「現場での信頼性が確立されているとはいえない」として厚生労働省などに問題点を訴えていくという。
5月末から7月、ホームページを通じて後発品の品質や効果について会員の意見を募り、約580人から回答があった。
後発品の「効果」について尋ねたところ、有効回答154人のうち「問題なし」との答えが31%だったのに対し、「問題あり」は69%。「品質」(有効回答104人)についても54%が「問題あり」とした。「安定供給」(同89人)については7割が、副作用や安全などの「医薬品情報提供」(同116人)については8割が「問題あり」と答えた。
後発品は開発費がほとんどかからないため、価格は新薬の2〜7割。厚労省は医療費抑制のため利用促進を打ち出し、4月に規制が緩和され、市場参入が相次ぐなど使用が広がっている。

(朝日新聞より)

<厚労省、薬価改定19年度は断念 毎年実施に慎重論>
厚生労働省は18日、医薬品の公定価格である薬価の「毎年改定」(現在は隔年改定)について、当初想定していた平成19年度からの導入を断念した。厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)の意見がまとまらず、改定の前提となる9月時の取引価格調査の実施が間に合わなくなったため。ただ、厚労省は薬剤費圧縮が社会保障費抑制の切り札とみており、20年度以降の導入を目指す構えだ。
薬価改定は現在、実勢価格に近づけるために2年に1度行われている。だが、この間の価格変動には対応できず、実勢価格より高止まりしていることが、社会保障費がかさむ原因にもなってきた。このため、厚労省は差が放置される期間をできるだけ短くしようと、毎年改定を検討してきた。
ただ、改定には薬価と実勢価格の乖離(かいり)の実態を調べる取引価格調査を9月に実施することが必要。このため、厚労省は9月が結論を得るタイムリミットとみて中医協などでの議論を急いできた。
ところが、中医協では「毎年改定では薬価が著しく下がり、製薬会社の新薬開発意欲を損なう」などの慎重論が根強く、意見集約の見通しは立っていない。こうした現状を受けて、厚労省は「時間的に間に合わなくなった」(幹部)と、19年度からの毎年改定を見送ることにした。自民党内で「製薬団体から支援を受ける参院選立候補予定者への影響が少なくない」(中堅)との懸念が広がったことも足を引っ張ったようだ。
厚労省の試算によると、薬価を毎年実勢価格に近づけることで、現状よりも年700億円程度の国庫負担削減を見込めるという。政府の歳出削減方針では、社会保障費は今後5年間で1兆1000億円の抑制を求められており、薬価の毎年改定への期待は大きい。
現行の隔年改定ルールでは20年度と22年度の改定は予定されていることから、厚労省は今後、21年度改定を実現するための検討を続ける。

【用語解説】薬価 
医療機関が公的医療保険から薬剤費として受け取る医薬品の公定価格。中医協で定められる。ただ、製薬会社間の競争が激しく、医療機関と卸売業者との価格交渉の結果、値引きなどで実際の仕入れ価格は薬価より安くなるのが一般的。薬価と実勢価格の差額は医療機関の収入になる。現在2年に1度、実勢価格に近づける改定が行われている。

(産経新聞より)




[2006/09/20]
 新政権でも社会保障制度に新たなメスが

<新政権でも社会保障制度に新たなメスが >
8月末に各省庁の平成19年度概算要求が揃った。政府は2011年度にプライマリーバランスを黒字化するために、16 兆5千億円の財源が必要と試算している。社会保障費の伸びを5年間で1兆1千億円抑制する方針だ。1年間にすると22百億円だ。厚生労働省は来年度予算概算要求で22百億円達成する予算を要求した。自民党総裁選の候補者である安倍晋三官房長官は終末期医療の見直し、後発品の活用による薬剤費の下げ、診療報酬明細書やカルテの電子化促進すべきと社会保障の合理化を指摘した。その著書「美しい国日本」においても社会保障分野の終末期医療に言及している。新政権発足後、早速、社会保障制度の見直しとして医療費の増加を抑えるため終末期医療、薬剤費などにメスを入れるのではないかとの見方も出ている。

◆在宅療養を希望する人は半数以上
先頃、受療行動調査と人口動態統計が発表された。入院患者の意識は「完治するまで入院」( 53 ・8%)と半数以上が入院を希望し、退院して「通院治療」( 17 ・4%)は2割弱となっている。「在宅療養したい」(4・9%)と考える人は5%にも満たない。退院した後の療養生活では「在宅療養できる」( 42 ・9%)と考えている人が半数近くいるのに対して、「在宅療養できない」( 35 ・4%)と答える人も3割強いる。「在宅療養を可能とする条件」では、「家族の協力」( 39 ・7%)「入浴や食事などの介護が受けられるサービス」( 30 ・7%)、「療養のための部屋、手すりの設置、段差の解消」( 27 ・0%)を上げる人が多い。療養病床に入院する患者でも「家族の協力」( 39 ・2%)、「入浴や食事などの介護が受けられるサービス」( 33 ・1%)、「療養のための部屋、手すりの設置、段差の解消」( 28 ・1%)となっている。療養病床に入院する患者に「在宅療養できるか」を尋ねたところ 30 ・5%という結果だった。
入院患者では、一般病棟、療養病棟にかぎらず、半数以上が入院の継続を希望し、在宅療養を希望する者は3割であることが明らかになった。また、平成 17 年の人口動態統計では自宅で亡くなった人の割合は 12 ・2%で病院など医療機関で亡くなった人は 82 ・4%になっている。このため在宅で最期を迎えようと望んでいる人は必ずしも多いとはいえない。在宅療養を可能とするには、「家族の協力」、「入浴や食事などの介護のサービスが受けられる」、「段差や手すりなど住宅改修」などの条件がある。日本の住宅事情を考えると、在宅=「自宅」という観点ではなく、居住系サービスも含めた在宅のあり方を考える時期に来ている。

◆在宅患者を受け入れる診療所の充実
今年の4月から診療報酬では在宅療養支援診療所が新設された。在宅での重症患者診療や末期医療いわゆるターミナルケアに対して高い報酬が設定された。 24 時間往診が可能で緊急時にはすぐ入院を受け入れられること。ケアマネジャーとの連携などの施設基準を満たした診療所が、在宅時医学総合管理料を算定でき 45 百点となる。この他に「看取り」を行う場合にも「在宅患者訪問診療料」として1万点のターミナルケア加算がある。在宅療養支援診療所に届け出た医療機関は8595機関(5月1日現在)となっており、診療報酬に経営資源を求める診療所が届出をした結果であるとの見方も出ている。厚生労働省保険局は「 24 時間連携体制加算を届け出る医療機関が1万だったので」とこの動きを歓迎している。識者の見解では在宅療養支援診療所が機能するためには介護事業との連携、患者一人ひとりへの疾患ごとの対応、家族の理解、患者が在宅生活をするということなどについての患者の精神的支援など課題は山積している。加えて疾患ごとの地域連携クリティカルパスなども控えていることでもあり、先行きは不透明だ。

<介護施設の“虐待”実態調査へ>
厚生労働省は、4月から施行された高齢者虐待防止法を実効性あるものとするため、介護施設での虐待防止策を検討する大規模な調査研究事業を開始する。認知症介護研究・研修仙台センターに委託し、今月27日に研究プロジェクト委員会を立ち上げる。虐待防止に先進的に取り組んでいる施設現場に対するヒアリングをはじめ、全国の介護施設を対象に虐待の有無や施設の方針・対応、職員の虐待に対する認識や教育体制などを多角的に調査し、虐待が起きる背景や原因を分析するとともに未然に防ぐための具体策の確立を目指したい考えだ。今年度末に報告書を取りまとめる。

<ケアマネ経験1年未満も包括センター主任ケアマネ>
東京都はこのほど、都内の地域包括支援センターに配置されている主任介護支援専門員の実態についての調査結果を公表した。居宅介護支援事業所でケアマネジャーとして働いた経験が1年未満の主任ケアマネが2割弱にのぼるなど、実務経験に乏しい主任ケアマネが少なくないことが明らかになった。一方、主任ケアマネ自身からも、経験や力量不足を心配する声もあがっている。都では調査結果を踏まえて今後の主任ケアマネへの研修や支援の内容を検討していく考えだ。
調査は、8月中旬に都内の全318カ所の包括センターを対象に実施。回答は284カ所で回収率89.3%となっている。

<7割が定員割れ募集停止も、介護福祉士の養成学校>
高齢者や障害者の介護を担う介護福祉士を養成する専門学校などで学生募集を取りやめるところが出始めている。高齢化による介護需要増を当て込んだとみられる養成課程(学科)や定員の増加に対して、応募者が足りず定員割れが続出しているためだが、背景には、少子化や労働実態に見合った収入が得られないなど若者の介護職離れがある、との指摘がある。国は将来、ホームヘルパー資格を介護福祉士に統一する方針を示しており、定員割れで介護職不足の懸念も出てきた。
厚生労働省の調査では、2004年時点で専門学校の約7割が定員割れとなり、このうち約半分が定員の8割以下。それにもかかわらず、養成課程は06年度に15が新設されて487となり増加の一途だ。
介護福祉士の資格取得には養成課程修了のほか、実務経験を3年終えた後で国家試験を受けるなどの方法がある。現在、登録者(2006年8月末現在約54万人)は増えているが、介護の仕事に就くのは半数程度。今後、資格取得希望者も減れば、将来の介護職不足に直結しかねない情勢だ。実際、都市部ではヘルパーの確保が数年前から難しくなっている。
国内の人材不足が指摘される中、政府は日本で介護福祉士として働くことを志願するフィリピン人600人を早ければ07年度から受け入れることを決めている。

(中日新聞より)



[2006/09/19]
 65歳以上、人口の20.7%

<65歳以上、人口の20.7% 昨年より83万人増>
「敬老の日」にちなんで総務省が推計した15日現在の65歳以上の人口は2640万人で、総人口(1億2772万人)の20.7%に達したことがわかった。昨年より83万人増え、人口、比率ともに過去最高を更新した。
このうち男性は1120万人(男性人口の18.0%)、女性は1520万人(女性人口の23.2%)。
また、「後期高齢者」といわれる75歳以上の人口は1208万人で、総人口の9.5%に達した。00年以来、50万人前後のペースで増え続けており、総人口の1割に近づいている。
05年の労働力調査によると、65歳以上の高齢者で働いている人は495万人で就業率は19.4%だった。米国の14.5%、イギリスの6.3%などを上回り、欧米諸国より高い水準にある。

(朝日新聞より)

<100歳以上の長寿者2万8395人、過去最多を更新>
全国で今月末までに100歳以上になるお年寄りは2万8395人で、昨年より2841人増加したことが15日、厚生労働省の集計でわかった。36年連続で過去最多を更新。
女性は昨年より2470人多い2万4245人で、全体の85.4%を占めた。男性は昨年より371人多い4150人。
名前などの非公表を望む人が増えているため、同省は今年から長寿者の上位100人を順位付けする「長寿番付」を取りやめ、109歳以上で同意の得られた64人の名前などを都道府県、政令市別に公表した。
100歳以上の高齢者は統計を始めた1963年には153人だったが、81年に1000人、98年に1万人、2003年に2万人を超え、来年は3万人に達する見通し。人口10万人あたりの100歳以上の高齢者数は全国平均22.23人で、昨年より2.22人増加した。
都道府県別では、沖縄(54.37人)が34年連続の1位で、トップ10はすべて九州と中四国の県が占めた。一方、17年連続の最下位は埼玉(10.80人)で、トップの沖縄との差は約5倍だった。

(日経新聞より)

<株式会社の病院経営特区 規制改革会議での検討を示唆> 
政府の構造改革特別区域評価委員会の八代尚宏委員長(国際基督教大学教授)は15日、本誌の取材に対し、株式会社の病院経営参入について「現在の制度では増えようがない。特区評価委員会よりも規制改革民間開放推進会議の仕事」と同会議で検討するとの考えを示した。



[2006/09/14]
 医療体制見直しに言及

<医療体制見直しに言及>
厚生労働省の宮島俊彦大臣官房総括審議官は7日京都市で講演し、後期高齢者医療保険制度や医療費適正化計画などの開始が控えている中で、医療提供体制の見直しに着手することを明らかにした。急性期と療養の中間に位置する亜急性期病床の性格を明確にしていくことが大きな課題との認識を示した。
同日の日本療養病床協会全国研究会で講演した宮島氏は「医療提供体制がどうなるのかという議論をこれから始めなければならない。単に医療費削減だけでは不十分だ」と述べた。医療費適正化計画で平均在院日数を現在の36日から2015年までに長野県並みの27日に短縮することに触れ「現在から25%在院日数が短くなることは25%のベッド数が不要になることを意味する。それが本当にいいのかということが今後の議論になるだろう」と予測した。
一般病床を急性期と療養、その間の亜急性期+回復期リハビリテーション病棟の二つに分類。「急性期はDPC、療養は医療が必要な慢性疾患の患者に絞る。いまの一般病床は亜急性期」と述べた。ただ、回復期リハは急性期の後方支援に位置づけられているのに対し、亜急性期については明確な位置づけがないとし「亜急性期はいかなる内容を持つものか。療養でも急性期でもない真ん中をより明確にしなければならない。これが今後の大きな課題だ」と、亜急性期の内容をあらためて検証する考えを示した。それぞれの病床数は、08年度にスタートする適正化計画の中で検討するとした。
また、「今回クリテイカルパスを医療計画の流れで入れたが、地域の50、100床の中小病院は医師や看護師の確保が難しい」などと述べ、地域医療が崩壊の危機にあることを懸念した。中小病院で人材不足が深刻になる中、産科や小児科で
導入するような拠点病院への集約化の流れについて、新たな医療計画の中で考えていくことを示唆した。

<介護福祉施設での医療提供が課題に>
医療制度改革で創設する後期高齢者医療制度では、「長期療養の診療報酬の支払い方について、医療保険と介護保険はどうしていくか議論の大きな焦点になると思う」などとして、終末期医療や診療報酬のあり方が課題となると言及した。
在宅で看取りまで行う態勢を整えていくためには開業医がチームを組むという新たな形を提案した。
療養病床の再編をめぐっては「問題は介護福祉施設で医療をどうやって提供するかだ」と介護福祉施設での医療提供についても検討するとした。有料老人ホームなどの特定施設は外部施設の医療サービスを利用できるが、介護福祉施設では嘱託医によるサービスしか受けられないことを課題に挙げ、介護福祉施設で特定施設と同様に外部からの医療提供を行えるようにする意向を示した。ただ、その場合の財源を医療保険と介護保険のいずれにするかが問題になるとした。

<療養病床で医療費減、日医が緊急調査>
7月に新診療報酬が導入された療養病床の入院医療費が6月より病院で6・82%、ベッド数が19床以下の診療所で3・87%それぞれ減ったことが12日、日本医師会の緊急レセプト(診療報酬明細書)調査(速報値)で分かった。
日医は「診療報酬が高い患者を増やすなどの経営努力が相当なされたのに、これだけのマイナスが出た。影響は深刻だ」としている。
慢性疾患などを抱えた高齢患者が長期に入院する療養病床は、医療必要度と生活自立度に応じた5段階の診療報酬が7月から導入され、その影響を調べるため、全国3950の医療機関を対象に調査した。

(共同通信より)

<看護師など日本の受け入れ条件、フィリピンで不満の声>              
フィリピン労働雇用省のクルス次官は12日、日本経済新聞と会見し、日比経済連携協定(EPA)が定めた比人看護師・介護福祉士の日本での就労条件の厳しさに強い不満を示した。
日本政府が協定の署名を受け、2年間で比人看護師・介護福祉士合わせて1000人を受け入れる方針を発表したことについて、次官は「フィリピンは日本の医療現場の需要を満たせないだろう」と述べ、実際の就労者数は日本の設定枠を下回るとの見通しを示した。日本での就労前に無給で6カ月間の語学研修を義務付けられていることが理由だと説明した。
同国看護師協会のマリリン・ヤップ理事長も「日本を目指す看護師は少ないだろう」と指摘、労働市場の開放に向けた日本の取り組みを疑問視している。

(日経新聞より)

<医療1・ADL3は5156円、医療3・ADL1は5285円 療養病床コストが明らかに>
厚生労働省は13日、療養病床の診療報酬設定にあたって実施した入院患者に関する調査で、患者1人1日あたりの固定費部分を除いた人件費や薬剤費などの変動費は医療区分1・ADL区分3で5156円、医療区分3・ADL区分1で5285円とほとんど差がなかったことが明らかになった。診療報酬点数は医療区分1・ADL区分3は入院基本料Dとして885点、医療区分3・ADL区分1は入院基本料Aとして1740点が設定された。また、医療区分3の中でも、ADL区分1だとコストは5285円だったものの、ADL区分3の場合は9275円と、1.8倍の差があったが、診療報酬点数は1740点で同じ評価になっている。





[2006/09/13]
 DPC手挙げには慎重な対応を

<「DPC手挙げには慎重な対応を」 日医が見解 警鐘を鳴らす>
日本医師会は12日、2003年に導入されたDPCについて、?調整係数は医療費総枠予算制導入の布石となりかねない?高い利益率を生む調整係数は将来廃止される?経済的視点だけの機能区分が加速する―の三つの理由から、民間病院は目先の利益に惑わされずにDPCの手挙げには慎重な対応をとるよう求めた。

調整係数と再入院のあり方が課題 DPC評価分科会・西岡分科会長
中医協の診療報酬調査専門組織DPC評価分科会の西岡清分科会はこのほど、医療タイムス社のインタビューに答え、今年以降のDPC見直しの焦点として「今後、調整係数については課題になる。もうひとつは、再入院率が高くなったが医療の質は変化していないが、一方で3日以内の再入院が集中している病院がある。こういったものは、本来外泊ですむところを退院させ、入院期間をリセットしていると疑われるケースが出ている」と、検討課題を明らかにした。

<3次救急への搬送時間、最大6倍 都道府県を比較>
重篤なけが・急病人の受け入れ先となる各地の救命救急センター(3次救急機関)への搬送時間が、都道府県によって最大で6倍も差があることが、国際医療福祉大(栃木県大田原市)の河口洋行助教授らの調査で分かった。重病者の救命救急には少しでも早い搬送が不可欠とされるが、長崎、鹿児島、青森、秋田の4県では、60分以内にセンターに運べる住民数が県民の半数以下にとどまるとの結果になった。専門家は地域間格差の解消に、国全体で取り組むことの必要性を指摘している。

◆福岡39分、鹿児島93分
救命救急センターは原則、人口100万人に1カ所の基準で配置され、人口が集中する都市圏とそれ以外の地域で搬送時間に格差があると指摘されてきた。しかし、センターへの搬送時間は一部の県でしか集約されておらず実態は不明だった。
河口助教授のグループは、道路地図や車両の平均的な移動時間などのデータが入力された「GIS」(地理情報システム)というソフトを使用。全国の約2500の市町村(離島を除く)の中心部から、最寄りの救命救急センターまで車で移動した場合の所要時間を計算した。
搬送時間の全国平均は約59分で、地域差が極めて大きいことが判明した。最も搬送時間が短いのは、センターが21カ所ある東京都で平均搬送時間は約17分、10カ所の大阪府は約24分だった。これに対し、広大な面積にセンターが10カ所しかない北海道は、東京の6倍近い約101分がかかる計算になった。
九州・山口でも早い搬送が可能な県と、そうでない県がはっきり分かれた。福岡(約39分)▽佐賀(約46分)▽山口(約47分)の3県は全国平均以下だったが、鹿児島(約93分)▽長崎(約86分)▽熊本(約83分)の3県は福岡の倍以上に。この3県はセンターが1-2カ所しかなく、地形や道路事情も影響しているとみられる。大分は約65分、沖縄(離島を除く沖縄本島)は約47分だった。また30分以内にセンターに搬送できる自治体の住民数を調べたところ、東京では96%とほぼ全住民をカバーした。しかし、長崎や秋田、岩手など14道県では30%を下回った。
医療経済学を専門とする河口助教授は「これまで全国規模のデータがなく、各県が自県の『実情』を測りかねていたと思う。搬送時間に大きな格差があるのは問題で、シミュレーション結果を活用し、より効果的な救急体制を検討するべきだ」と話している。

(毎日新聞より)



[2006/09/11]
 75歳以上の医療費定額制へ

<病状に応じ定額、08年導入の75歳以上医療費>
2008年4月導入の75歳以上を対象とした新高齢者医療制度で厚生労働省は9日、医師らに支払う診療報酬について、病気の種類や治療方法ごとに額を定める「包括払い」制度を導入する方針を固めた。これに伴い、患者の医療費の自己負担も各自の病状に応じて定額となる。
検査や診療を重ねるたびに報酬が増える現行の出来高払い制度は、医療費の無駄遣いを招きやすいとされ、高齢化が一段と進む中、包括払い導入で増え続ける高齢者医療費を抑制し、併せて患者負担の軽減を図る狙い。
早ければ来月にも社会保障審議会に特別部会を設け、専門家らによる議論を始めたい考え。ただ医師の収入も抑制されることになるため、日本医師会などの反対が予想され、結論が出るまでには曲折も予想される。
包括払い制度は現在、一部の病院で入院患者について導入されている。厚労省の調査では、2年間で平均入院日数は導入した病院では短縮されたが、導入していない病院ではほとんど変わらなかった。
新高齢者医療制度は、75歳以上の全員が加入し、保険料は原則、全員が払う。運営は都道府県内の市町村が参加する広域連合が担当する。
原則1割となっている患者の自己負担(現役並み所得者は3割)を除く医療給付費は、加入者から徴収する保険料で1割、税金で約5割、74歳以下が加入する国民健康保険や政府管掌健康保険(政管健保)などからの支援金で約4割をそれぞれ負担する。

<高齢者医療> 
急速な高齢化で高齢者医療費は増え続けている。2000年度の介護保険制度導入により、65歳以上の医療費は、同年度は減ったが、01年度は増加。02年度にまた減ったものの、03年度から再び増加に転じ、国民医療費に占める割合も04年度は51%に達した。このうち75歳以上の後期高齢者の医療費が55%を占める。このため、今回の医療制度改革では新高齢者医療制度を導入するほか、高齢者の長期入院患者が多い療養病床を削減、在宅医療や介護保険へ移行させるなどして、高齢者医療費の抑制を図る。

<「潜在看護師」全国調査へ 日本看護協会、ネットで>
看護師や准看護師、助産師などの資格を持ちながら現場を離れている「潜在看護職員」の実態を把握するため、日本看護協会は10月から全国調査に乗り出す。結婚や出産などで仕事を離れた看護師たちから再就職したい時期や条件などを聞いて、深刻な看護職員不足対策に役立てる。
厚生労働省によると、全国の医療機関で今年度必要になる看護職員の数は約131万4100人だが、実際には約4万1600人が不足していると推計されている。一方で、「潜在看護職員」は約55万人いるといわれ、人材の供給源として期待されている。
だが、看護職員は医師と違い国などに登録する義務がなく、いったん現場を離れると連絡先などが分からなくなるケースが多い。このため再就職のあっせんなどが難しいと指摘されていた。
調査への協力を呼びかけるのは、現場を離れているか、09年3月までに定年退職する予定の看護職員計約3万人。日本看護協会にホームページなどを通じ登録してもらったうえで調査票を送り、再就職するつもりがあるか、どんな条件なら再就職するかなどをアンケートする。
調査結果は協会で分析し、看護職員の再就職に役立てる。協会では、都道府県ごとに設置した「ナースセンター」や、インターネットを使った「e―ナースセンター」で、看護職員の就職あっせんもしている。
ネット上の登録期限は10月15日まで。アンケートは10月23日〜11月6日に行う。

<フィリピン人看護師ら受け入れ、2年間最大1000人>
厚生労働省は11日、日本とフィリピンが9日に署名した経済連携協定(EPA)に基づき、日本が受け入れるフィリピン人看護師・介護福祉士の人数枠を、2年間で最大1000人とすると発表した。内訳は、看護師400人、介護福祉士600人。
受け入れ対象者は、フィリピンで看護師や介護福祉士の資格を持つ人。来日後、6か月間の日本語研修を経て、日本の病院や介護施設などに就労し、日本人と同等以上の報酬が約束される。
看護師は3年、介護福祉士は4年の期限内に日本の国家試験に合格できなければ、フィリピンへ帰国することとなる。国家資格を取得すれば、希望する限り日本で働き続けることができる。

(読売新聞より)



[2006/09/09]
 医師に過失なくても補償

<医師に過失なくても補償 医療事故の救済を検討>
厚生労働省は、出産時に子供が障害を負った医療事故などで、医師に過失がなくても患者に補償する「無過失補償制度」創設の本格的な検討に入る。患者救済の仕組みを作ることで、医療訴訟が多いことが原因とされる産科などの医師不足の解消につなげるのが狙い。同省は来年度予算の概算要求で、第3者機関による医療事故の死因究明制度の検討会設置を計上しており、無過失補償についても併せて検討する。
すでに日本医師会が、出産時に一定の割合で起きるとされる脳性まひを対象に、生後5年間は一時金で2000万円、その後も介護費用などを生涯にわたって補償する制度を提唱。必要な基金額として当初5年は年間50億円が必要と試算している。
医師に過失がなくても患者に補償する仕組みは、国内では予防接種や医薬品の副作用に対する公的な救済制度がある。
医療事故の無過失補償制度について、訴訟リスクの軽減と患者救済ができる制度として期待は大きいが、障害の程度など対象者の範囲や財源をどこから集めるのかなど課題は多い。
7日に初会合を開く自民党の「医療紛争処理のあり方検討会」でも協議される見通しだが、厚労省は「今後2、3年の中期的な課題として、国の制度へのかかわりをどうするかや民間での運営についても検討したい」(医政局)としており、実現までには時間がかかりそうだ。

(共同通信より)

<厚労省、医療安全管理者の業務指針作成へ>
医療事故の防止対策として、厚生労働省は8日、医療機関で安全対策の責任を担う「医療安全管理者」(リスクマネジャー)の業務指針や研修プログラムを作成する方針を決めた。
医療安全管理者は2003年から大学病院などの特定機能病院や新人医師に臨床研修を行う臨床研修指定病院に配置が義務づけられている。
医師や看護師、薬剤師の資格と「医療安全に関する必要な知識」を持つことが条件で、医療事故が発生した場合に情報を収集して分析し、再発防止策を立案することなどが求められている。

(日本経済新聞より)

<亜急性期病床のあり方が今後の課題 宮島総括審議官>
厚生労働省の宮島俊彦大臣官房総括審議官は7日京都市で講演し、病床のあり方について亜急性期病床の性格を明確にしていくことが今後の大きな課題であることを明らかにした。




[2006/09/07]
 薬価算定基準、毎年改定実施を

<薬価算定基準、毎年改定実施を 厚労省が論点提示>
厚生労働省は6日の中央社会保険医療協議会薬価専門部会で、現在2年に1度の薬価(医薬品の公定価格)改定に関し、「改定の頻度を含めた薬価算定基準の在り方について検討すべきだ」と記した論点ペーパーを提示した。薬価を毎年改定し、より市場価格に近い値段に下げることで医療費抑制を目指す意向を正式に示したものだ。
公定薬価は、保険から医療機関に支払われる医薬品の値段。05年の場合、医療機関の仕入れ値である市場価格より8%高かった。
政府は2年に1度薬価を引き下げ、市場価格との差を2%にまで縮めている。しかし、2年に1度では「市場価格はメーカー間競争で大幅に下がっているのに公定価格は高止まりしたまま」というケースも多い。この薬価差を放置すれば保険財政を圧迫するため、毎年格差を是正しようというのが厚労省の考えだ。
同省は6日、より詳細な薬価調査の必要性も併せて示したが、医薬品メーカーなどは強く反発している。

(毎日新聞より)

<都道府県に指導・監査の徹底を指示〜指定届け出では多少の不備でも留保に>
厚生労働省は2日、全国介護保険指導監査担当課長会議の中で、都道府県に対し介護報酬の不正請求が一向に減らない状況を憂慮し、介護事業者の指導・監査を徹底するよう指示した。また都道府県の担当部署が機動的に動ける体制の整備も要請した。事業者の指定の届け出に際しては、多少でも不備があるときは留保し、質の高いサービスが提供できる事業者のみを指定するよう求めた。介護事業者などに十分周知し、2007年4月から実施する。介護保険法の改正、高齢者に対する虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止法)の施行を受け、「介護保険施設等に対する指導及び監査指針」を改正し、スタートする。
指導・監査指針の内容については▼指導と監査の明確な区分、▼「主眼事項・着眼点」の廃止、▼書面指導の廃止など――を提示。指導の実施方法については、(1)集団指針、(2)実地指導を行うとした。
また、集団指導の選定については介護給付など対象サービスの取り扱い、介護報酬請求の内容、制度改正内容及び過去の指導事例などで選定する。指導内容に応じ、全事業者に伝達する内容ならば全事業者、ケアプランだけなら居宅介護支援事業者、施設・在宅サービスによって異なる内容なら別々に行うというように、開催パターンを適宜変更する。
さらに、監査については、入手した情報が人員、設備及び運営基準等の指定違反であると認められる場合、又はその疑いがあると認められる場合に行うものとするとした。その際の行政上の措置としては(1)改善勧告、(2)改善命令、(3)指定の効力の停止、(4)指定の取り消し――を提示した。
既存の指針を改正した「介護保険施設等に対する指導及び監査指針」は10月に局長通知として公表し、2007年4月に施行する予定だ。また、指導・監査を行うにあたり、指導の考え方や方針、サービスごとの「各種加算・減算適用要件等一覧」(仮称)などを盛り込んだ各種統一マニュアルを年内に提示する見通しであるとしている。

<指定取り消し95事業所>
厚生労働省は、2005年度の介護保険関係指導結果報告を提示した。2005年に介護保険を運営する市町村などが報酬請求の間違いや不正を理由に、介護サービス事業者に対し返還を求めた分は、4, 113事業所に対し43億17万2千円。加算分は、64事業所に対し2億198万2千円となった。
また、指定取り消し処分のあった介護保険事業者は57事業者で通算95事業所となった。サービス種別で見ると、最も取り消し件数が多いのは、訪問介護事業で、26事業所、次いで居宅介護支援事業が22事業所。法人別では、営利法人が最も多く38事業者(株式会社が6、有限会社が32)で、医療法人が10事業者と続く。これを都道府県別に見ると、最も多いのが北海道の16事業所、次いで、京都府の10事業所で、1999年からの通算では、京都府の56事業所が最も多い。一方、山梨県、石川県、鳥取県、島根県、秋田県については、これまで指定取り消しとなった事業所はない。
さらに取り消しの主な事由としては、訪問介護事業所では、「架空、時間や回数の水増しによるサービス提供」、「虚偽の指定申請」が上位にあがった。一方、居宅介護支援事業所においては、「無資格者によるケアプラン作成」、「架空、不適切なケアプランの作成」が多かった。



[2006/09/06]
 終末期医療への給付見直し

<安倍氏、社保費抑制を先行 終末期医療への給付見直し>
安倍晋三官房長官は4日の自民党九州ブロック大会で、今後医療や介護などの社会保障給付費が膨張すると指摘した上で「今の段階でその分税金を取るとなっては、その分野(の見直し)が進まない」と述べ、消費税率引き上げより、社会保障費抑制を先行させるべきだとの認識を示した。
さらに「終末期医療は見直していく必要がある。介護(対象)にならないように予防に重点を置く」とし、終末期医療に対する公的医療保険からの給付見直しや、予防事業推進の必要性を強調した。

(共同通信より)

<鹿児島市の老人ホームで虐待疑い>
鹿児島市四元町の介護型有料老人ホーム「シルバーパーク芳草園」(宮崎尚園長)で入居者への虐待の疑いがあるとして、県が立ち入り調査していたことが4日分かった。同園は、南日本新聞の取材に対し、男女一緒に入浴させていたことや、法令が義務付ける転倒骨折事故などの行政への報告をしていなかったことを認めた。県は行政処分を視野に全容解明へ調査を進めている。
同園によると、入居者は70−90歳代の63人(男性8人、女性55人)で、過半数が認知症。入浴は週2回以上で、1日に約20人ずつ。男女別に時間設定していたが、順番を理解できず入ってくる入居者がおり、脱衣場や洗い場で男女一緒になっていた。
その後、職員が呼びに行くまで部屋で待機させる形にしたが、勝手に入るケースは後を絶たず、現在も男女が完全に分けられていないという。
入居者の大半は浴槽につからず、3人ほどが同時に洗い場のシャワーで、介助を受け体を洗っていた。脱衣も含め約5人の職員で対応していた。
車いすの転倒、ベッドからの転落などの事故は2005年9月以降で20件前後あったとみられる。うち、報告義務があったのは肋骨(ろっこつ)のひびなどで医療機関を受診した5件以上。同園は「義務規定を知らなかった。全くの落ち度」と釈明している。
男女一緒の入浴について、宮崎園長は「年を取れば異性も色気も感じない。他施設もやっている。入ろうとするのを止めるのは身体拘束になる」と説明。しかし複数の関係者は「施設主導」と証言している。
県の担当者は男女一緒の入浴を「普通あり得ない」としており、認知症高齢者のケアに詳しい別施設の関係者も「人間扱いではない」と指摘する。
県は、関係者らから「複数職員が入所者に食事を急がせるため平手打ちしたり、耳を引っ張ったりしている」「衛生状態が劣悪」などの情報提供を受け、7月6日と8月3、4日、施設に立ち入り、職員の聞き取りなどをした。
同園は、平手打ちなどの虐待は「一切ない」と全面否定。県への情報で虐待を指摘された複数の職員は8月末までに自主退職した。

(西日本新聞より)



[2006/09/05]
 社会福祉法人の新たな方向性

<社会福祉法人の新たな方向性示す 管理から法人経営へ>
厚生労働省は8月 11 日、社会福祉法人の見直しを盛り込んだ報告書をまとめた。社会福祉法人は創設以来 55 年をへて、取り巻く環境が大きく変化してきた。環境変化に対応し新たなニーズに応えていく必要があるとし、新たな時代の福祉経営を求めている。
「社会福祉法人経営の現状と課題」と題する報告書は厚生労働省の社会・援護局と全国社会福祉施設経営者協議会の幹部、学識経験者などからなる「社会福祉法人経営研究会」がまとめたもの。社会福祉法人制度は昭和 26 年に設けられ、社会福祉の発展に大きな役割を果たしてきた。制度創設以来半世紀以上が経過し、社会福祉法人を取り巻く環境が大きく変化してきた。1990年代にはゴールドプラン、新ゴールドプランなどによってサービスの基盤整備が進み、平成 12 年には介護保険制度が導入された。社会福祉制度は貧困者を対象とする措置制度から、ニーズに応じてサービスを利用する制度へ転換した。また、支援費制度、自立支援法でも同様の仕組みが取られ、利用者の裾野が広がった。社会福祉法人の独占的な市場であったサービス事業は民間企業やNPО法人などの参入でそれらの事業体と競合する状況になった。
また、介護保険法改正により施設給付について居住費・食費を対象外とする見直しや介護報酬の引き下げが行われ、施設整備についても国庫補助金が交付金化、一般財源化されるなど厳しい状況に直面している。
今後の 20 年間は、高齢化のピークを迎えることになり、社会福祉サービスも質の向上が求められる。こうした観点から新たな時代における福祉経営が必要であるとの認識で報告書がまとめられた。

◆事業拡大、合併・譲渡もあり
社会福祉法人経営の現状では、「一法人一施設モデル」または「施設管理モデル」として、?施設管理中心、法人経営の不在。?事業規模零細。?再生産・拡大生産費用又は補助金と寄附が前提。?画一的サービス。?同族的経営の特徴があり、措置費と施設整備費補助でそれなりの運営が保証されていたことなどから、零細な規模の法人が多数を占めたと指摘した。
社会福祉経営の基本的方向性は、「施設管理」から「法人経営」にシフトし、経営を効率化し、安定化させるために「一法人一施設」から、多角的な経営を行える「規模の拡大」を目指すことが有効とし、既存法人の合併や事業譲渡を進める考えも示した。さらに、「新たな参入と退出ルール」、「資金管理」、「ガバナンスの確立」、「長期資金の調達」、「人材育成と確保」、「行政のあり方」について検討課題を提言した。
「参入と退出ルール」では、これまでの一法人一施設を前提とする法人認可を改め、新しく施設整備をする場合は既存法人による事業実施を選択肢とし、質の低い経営を行う法人・経営者は退出を誘導し、合併や事業譲渡を前提にした法改正も検討する。
「資金管理」では、措置費の使途制限の緩和、制度間で縦割りとなっている剰余金の扱いについて、縦割りを取り払い、資金移動の範囲を広げるほか、収益事業の借入金についても収益事業用財産の二分の一の範囲となっている」制限を廃止する方向などを検討課題に挙げた。
「ガバナンスの確立」は、理事会が名目的な機関だった現状から、執行機関としての機能を発揮し、経営能力を向上させ、法人本部の機能強化と中間管理職を育成・確保していくことを提案した。
今後、施設の老朽化による改築需要を見込んだ場合避けられない、「資金調達」では、学校法人や医療法人が取り組んでいる私募債の発行を、補助金によらない資金調達の手段とし、福祉医療機構からの融資期間については、最長 20 年を延長する提案も盛り込んだ。
「人材の育成と確保」については、景気回復基調に伴い人材需給は逼迫してくると思われ、人材確保の方向性として、介護従事者のレベルアップ、キャリアパスの形成、雇用管理の改善などを検討事項となった。
「行政のあり方」として、これまで施設整備が中心的だった行政を改め、「質重視」の行政に変わるべきとし、制度化された新しい公的サービスは質の高い事業者の実践から生み出されたものと評価し、質の高い福祉経営は「革新(イノベーション)」を生じさせるものと期待を込め、「福祉の産業政策」が重要になると強調した。
厚生労働省は報告書をもとに、社会福祉法人の見直しについて、法改正を含めた作業に入る。



[2006/09/04]
 加古川の特養に賠償命令

<加古川の特養 介護施設に賠償命令>
特別養護老人ホームで車いすを利用中に他の利用者の女性に押されて転倒し重傷を負ったのは、施設が安全配慮義務を怠ったためなどとして、加古川市の女性=当時(92)=とその家族二人が、施設を経営する社会福祉法人「順心福祉会」と医療法人社団「順心会」を相手取り、慰謝料など約千五百万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が、このほど大阪高裁であった。
横田勝年裁判長は「加害女性には認知症があり、日ごろから施設職員への暴力行為があった。事故の発生は予見できた」として、請求を棄却した一審の神戸地裁姫路支部判決を変更し、同法人に約一千万円の支払いを命じた。
判決によると、原告の女性は二〇〇二年十一月、ショートステイ中の加古川市の特別養護老人ホーム「こすもす園」で、車いすに乗っていたところ、自分の車いすを使っていると誤解した九十代の加害女性に背後から押されて転倒。病院で顔面打撲などと診断されたが、事故の九日後、別の病院で左脚骨折が発覚。歩行困難になるなどの後遺症が現れ、身体障害者一級に認定された。
横田裁判長は「加害女性は職員の説得に納得せず、何度も被害者の車いすを揺さぶるなどしていた。施設側は被害者を他の部屋に移動させるなど安全を確保すべきだった」と判決理由を挙げた。原告側が、骨折を早期発見できなかったとして病院の注意義務違反を主張した点は認めなかった。
原告側の土居由佳弁護士は「介護施設の利用者間の暴力行為による負傷事件で、施設の安全配慮義務違反が認定されたのは画期的」としている。
同法人は「判決文を十分に読んだ上弁護士と相談し、今後の対応を検討したい」としている

(神戸新聞より)

<舞鶴市民病院の委託交渉先を変更 兵庫の法人 来月、3常勤医着任>
京都府舞鶴市は1日、医師不足から大幅に診療体制を縮小している市立舞鶴市民病院について、民間委託の交渉先を医療法人社団恵心会・京都武田病院(京都市)から、医療法人社団愛明会・明石回生病院(兵庫県明石市)に変更するとともに、同病院などから10月1日付で常勤医3人と非常勤医1人の着任が内定した、と明らかにした。
市民病院事務局が、同日の市議会民生労働委員会で「7月末に病院の窮状を知った愛明会から医師派遣の申し入れがあった。10月からは同会の支援で病院を運営したい」と説明した。
同事務局によると、10月1日に着任する常勤医は、内科医2人と外科医1人。さらに別の2、3人の医師とも交渉を続けており、10月からの診療体制は「現在の外来診療に加え、23床ある療養型病床の入院を段階的に再開し、軌道に乗れば病床数を拡張していきたい」とした。
また愛明会は民間委託の引き受けにも前向きな姿勢といい、京都武田病院には、8月中旬に愛明会に交渉先を変更する意向を伝えて了承を得たという。
ただ療養型中心に転換する市の方針に対し、愛明会は現在の医療政策などから「療養型だけでは経営は成り立たない」としており、慢性期と急性期医療の病床数をどう配分するかなどの調整が必要になるという。
市民病院事務局は「1日も早い民間委託を目指すが、細部の交渉や条例改正の手続きなどを考えると、実現は来年度以降になる見込み」としている。
医療法人社団愛明会(西垣秀尊理事長)は、病床数145床の明石回生病院のほか、介護老人保健施設などを運営。西垣理事長は府北部に地縁があり、舞鶴市民病院の支援を申し出たという。

(京都新聞より)




[2006/09/02]
 地域医療を担う人材育成を

<地域医療担う人材育成を 川崎厚労相>
地方の医師不足解消のため、国が東北地方など10県の大学医学部の定員増を認める方針を打ち出したことについて、川崎二郎(かわさき・じろう)厚生労働相は1日の閣議後会見で「定員を増やしただけでは問題は解決しない。県と大学が協力し、卒業後も地元に残り地域医療を担う人材育成に力を入れるべきだ」と話した。
川崎氏は増員分を確保するため「大学の判断になるが、他の大学に通っている人の編入を認めるのも1つの方策だろう」と指摘。分娩(ぶんべん)を扱わない産婦人科医が増えていることから、分娩時に医療事故にあった患者を救済する制度(無過失補償制度)の整備などを急ぐ考えを示した。

(共同通信より)

<概算要求は21兆6062億円>
厚生労働省は8月25日、07年度予算の概算要求をまとめた。少子化対策や、若者の再就職支援に重点を置き、一般会計総額は今年度当初予算比で6645億円、3.2%増の21兆6062億円。そのうち年金・医療・介護などにかかる社会保障費は9割を超える。7700億円の自然増が見込まれるのを削減・合理化により5500億円に抑える。具体策は予算編成過程で引き続き検討するが生活保護、雇用保険の見直しが中心となる見込みだ。介護保険の国庫負担については、対前年比6.3%増の2兆319億円でなお高い伸びを見込んでいる。
老人保健福祉関係予算は、2兆2867億円を要求している。うち、最も大きいのが介護保険の国庫負担で、給付費、調整交付金などを含めた総額は2兆319億円で対前年比6.3%増。高齢化や、サービスの定着により引き続き高い伸びを見込んだ。

(シルバー新報より)

<医療区分 妥当性調査へ>
厚生労働省は8月24日に開催された中央社会保険医療協議会の診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会で、診療報酬改定で7月から導入された包括評価についての調査実施案を提示した。患者分類手法の医療区分・ADL区分・認知症加算の妥当性を検証する方針だ。患者分類は見切り発車との批判も強く、会合では複数の委員から、設定の根拠となった昨年の慢性期入院医療の最終調査結果を見て検証を急ぐべきとの指摘が上がった。今年度調査の内容の検討は13日の会合に持ち越された。

(シルバー新報より)




[2006/09/01]
 入院患者の35%が在宅療養はできない

<入院患者の35%、許可出ても在宅療養は「できない」>
入院患者の3人に1人が、退院の許可が出ても自宅での療養に切り替えるのは困難だと考えていることが31日、厚生労働省の05年受療行動調査で分かった。家族の協力や住まいの環境・設備が整わないことへの不安が背景にあるため。国は医療費の伸びを抑えるため、医療の必要度が低い「社会的入院」を解消し在宅療養を進めたい考えだが、患者側の意識とのずれが浮かび上がった形だ。
調査は、患者が受けた医療に対する満足度などを調べるために、同省が96年から3年ごとに実施している。今回は昨年10月に行い、全国488病院の患者約17万3千人(うち入院患者約6万人)から回答を得た。
入院患者に今後の療養について希望を聞いたところ、「完治まで入院していたい」とした人は53.8%で、「通院しながら療養したい」(17.4%)を大きく上回った。
さらに、退院の許可が出た場合に「在宅療養できる」とした人は、42.9%と半数以下。「できない」は35.4%に上り、残りは「療養の必要なし」(4.9%)、「わからない」(11.6%)だった。
特に、高齢者など長期療養を必要とする入院患者向けの病院123カ所に絞ってみると、「在宅療養できない」(47.9%)が、「できる」(30.5%)を上回った。
在宅療養を可能にするための条件(複数回答)では、「家族の協力」が最も多く39.7%。「入浴や食事などの介護サービス」(30.7%)、「療養のための部屋や手すりの設置、段差の解消など」(27.0%)をあげる人も多かった。

(朝日新聞より)

<介護保険「負担増」理由、1000人が施設を退所>
介護保険3施設の食費と居住費が昨年10月から利用者の自己負担となったことにより、「負担増」を理由に施設を退所した人が全国で少なくとも約1000人いることが、厚生労働省の調査で明らかになった。
調査した施設の入所定員の1%に満たない数字で、同省は、「介護サービスを受ける必要のある人が退所せざるを得なくなった事例は確認できず、問題はほとんどない」と分析している。
調査は、都道府県と全国の市区町村に、これまでに各自治体が把握した退所者数の報告を求め、24県44市区町から回答を得た。
集計によると、重複分を除いた退所者数は1267人。調査した施設の入所定員に占める割合は0・4%。利用者の所得段階別では、低所得者ではない一般の所得層が大半を占めた。

(読売新聞より)

<成年後見制度…認知症170万人 利用まだ少数派>
認知症や知的・精神障害などで判断能力が衰えた人は、財産管理や介護サービスなどの契約を自分で行うのが困難な場合があります。自分に不利益な契約でも、よく理解せずに結んでしまい、悪徳商法の被害に遭う恐れもあります。
こうした人たちの保護・支援を目的に設けられたのが成年後見制度です。介護保険とともに高齢社会を支える両輪として、2000年度に導入されました。
成年後見制度には、「法定後見制度」と「任意後見制度」とがあります。
法定後見制度は、すでに判断能力が衰えている人が対象で、症状が重い順に「後見」「保佐」「補助」の3段階に分かれています。親族などから申し立てを受け、家庭裁判所が後見人を選任。後見人は契約などについて、同意、代理、取り消しなどを行う権限を持ち、本人の利益を考えて実行します。権限の内容や範囲は3段階で違います。
任意後見制度は、判断能力が衰える前に、将来の衰えに備えて、財産管理や契約などを委ねる任意後見人を自分で選んでおく制度です。公正証書で契約を結びます。認知症が進むなどしたら、任意後見人らの申し立てを受けて家裁が監督人を選任。その監督のもと、任意後見人が契約などを代理で行います。
成年後見制度の申立件数は年々増え、05年度は2万1114件(前年度比22%増)。しかし、認知症の高齢者は170万人と推計され、後見が必要なのに利用できずにいる高齢者が大勢いるのが現状です。
厚生労働省は昨年7月、市町村長が法定後見を申し立てる際の要件を緩和しました。身寄りのない認知症の高齢者が悪徳商法の餌食になる事件が相次いだためです。市町村長による申し立ては3・3%(05年度)に過ぎず、より積極的な取り組みが望まれます。
現状では後見人などの大半が親族ですが、少子化・核家族化で、第三者に対するニーズが高まっています。司法書士会などが供給の受け皿作りをしていますが、自治体、NPOも含め、第三者後見人の養成・確保を進める必要があります。(林真奈美)

(読売新聞より)