
<退院支援施設:10月1日から設置 厚労省>
厚生労働省は25日、精神障害で入院している患者の地域移行への中間施設として、10月1日から、病院敷地内の病棟に「退院支援施設」を設けることを決めた。同施設の導入をめぐっては、患者から「地域で生活できる態勢づくりが先。現状と変わらない施設は病院の生き残り策でしかない」と批判が出ていた。
(毎日新聞より)
<後期高齢者医療制度 来年4月には政省令>
2008年4月にスタートする後期高齢者の準備スケジュールが明らかになった。今年11〜12月には後期高齢者医療給付の基準や手続きが明らかになった後、来年1月には国や都道府県、市町村の負担の算定方法が、3月には診療報酬体系の基本的な考え方、4月には、診療報酬関係以外の政省令が公布される見通しだ。
<10月5日から後期高齢者の診療報酬体系を審議>
厚生労働省はこのほど、2008年4月からスタートする後期高齢者医療制度における診療報酬体系を検討する社会保障審議会に「後期高齢者医療の在り方に関する特別部会」を設置した。10月5日に第1回会合を開く。
<医療費の自己負担は10月からこう変わる>
◆70歳以上、入院費1.5倍
10月1日から医療制度改革関連法が一部施行され、お年寄りを中心に医療費の負担が重くなる。70歳以上の人の場合、慢性病患者が入院する療養病床では、食費や光熱水費のほとんどが自己負担になる。また、所得が一定以上の人は病院での窓口負担割合が現行の2割から3割になる。病気のお年寄りの暮らしに、どう影響するのか。試算と医療現場の今を報告する。
◆「現役並み者」窓口負担3倍も/高額医療費も限度額引き上げ
10月から、70歳以上で療養病床に入院する人の食費、光熱水費の自己負担額は2倍以上に跳ね上がる。現在、相部屋に入る一般的な所得の人(住民税課税者)の1日の負担額は、食材料費の780円だけ。しかし10月以降、食費は1380円に上がり、光熱水費320円も自己負担になる。月額では約2万4000円が5万円強に増え、通常の医療費も含めた総額は、約6万4000円から9万4000円になる(低所得者などへの負担軽減策は実施)。
一般外来の窓口負担も上がる。約120万人いる70歳以上の「現役並み所得者」は、医療機関での窓口負担が現行の2割から3割になる。
今年8月の税制改正で、夫婦世帯の現役並み年収基準は「約620万円以上」から「約520万円以上」に下がった(単身者は約380万円以上)。新たに現役並みとなった約80万人は、1割負担が2割に上がったばかりなのに、2カ月で3割に増え、医療費は当初の3倍だ。
さらに08年4月以降は、一般の70〜74歳の人の窓口負担割合も現行の1割から2割になる。
このほか、自己負担に限度額を設けた「高額療養費制度」の限度額も引き上げられる。
現在、一般的な所得の人の限度額は、69歳以下が「7万2300円+医療費の1%」、70歳以上は「4万200円」。だが、10月からそれぞれ「8万100円+医療費の1%」「4万4400円」になる。骨折で月に5回受診し、医療費が約29万円かかった場合、自己負担額は65歳の人で、7万3000円から8万円に増える。
一連の自己負担増は、医療給付費(保険料と税金で負担する医療費)抑制が最大の目的。厚生労働省は、改定による削減額を、来年2月までの5カ月分で約1600億円と見込む。
また同省は今回の改革をしない場合、06年度28・5兆円の給付費は25年度に56兆円へ膨らむが、実施すれば48兆円に抑制できるという。政府は削減額8兆円のうち、約6兆円は糖尿病予防などの中長期政策で実現し、残り約2兆円を患者の負担増などでしのぐ意向だ。
◆「金ない人、転院先ない」−−「払えず退院し悪化」増/「症状軽いほど負担増」
経済的理由での退院者も出るとみられる療養病床。負担増を目前に控えた医療現場を訪ねた。
東京都杉並区の救世軍ブース記念病院は今月、147床ある医療型療養病床の入院患者と家族に「健康保険法改定に伴う医療費負担の変更について」の案内を配った。1食の食事代=260円→460円▽居住費(光熱水費相当)=0円→320円など、具体的な患者負担額の説明。医療制度改革に伴う案内は、今年度これで3回目だ。
4月1日に「リハビリの日数制限」、7月1日には「療養病床の入院料変更」をそれぞれ配った。今回はまだ問い合わせなどは無いが、4月はリハビリの打ち切りを心配する患者の相談対応に追われたという。
同病院の徳永貴士医療課長は「どの制度変更も、法改正後、患者や家族に周知されないうちに実施された。行政が説明責任を果たさず、医療機関任せにしているのはおかしい」と憤る。いま一番の心配は、払えないという相談が相次ぐこと。「10月分の請求書が患者の手元に届く11月には、大変な騒ぎになるのでは」と気をもんでいる。
一方、都内のある大学病院。ここでは毎月数十人が、経済的な問題で相談窓口を訪れる。
急病や手術などで入院した患者は、症状が落ち着くと転院になり、療養病床などに移る。ところが、対応するソーシャルワーカーによると、医療型療養病床の入院費が「払えない」と帰宅する患者が増えており、病状が悪化して再入院で戻ってくる例が少なくないという「自己負担増で、そんなケースがさらに増えそう」と心配する。
ただ全員が一律に増額されるわけではなく、所得や病状によって軽減される。
医療型療養病床では今年7月から、症状の重さで患者が3段階に分類された。負担増となるのは、最も軽い「1」の区分の患者で、2と3の患者は現状の約2万4000円に据え置かれる。
厚労省側は「介護保険施設での療養者は居住費を支払っており、状態に大差ない1の区分は同等の負担をすべきだ」と考えるが、病院側は「医療の質の低下を招きかねない」と反発する。都内の総合病院の幹部は「患者を放って床ずれができれば医療区分1が2に上がり、病院の報酬が増えて、患者負担も減る。こんな制度はおかしい」と話す。
今回の負担増で、医療型療養病床での入院にかかる費用(洗濯代や機器リース代など含む)は、有料老人ホームの利用料に迫ってきた。このため先の大学病院の相談窓口には、有料老人ホームの職員が「うちは24時間医師常駐。リハビリもできます」などと、転院先候補の営業に来ることが増えたという。ソーシャルワーカーは言う。「結局、選択肢があるのはお金がある人だけ。負担が難しい人には転院先が無い」
◆療養病床
慢性の病気で長期療養が必要な高齢者のための施設。医療保険を適用する「医療型」が25万床、介護保険適用の「介護型」が13万床ある。国は12年度までに介護型を全廃し医療型も15万床に減らす計画。
(毎日新聞より)
<高齢者の2割「薬7種類以上」 外来で処方>
病院や診療所の外来で、お年寄りの2割以上が7種類以上の薬を処方された「多剤投与」だったことが厚生労働省が発表した05年の「社会医療診療行為別調査」でわかった。前年に比べ0.4ポイント増えており、「薬漬け」医療の是正が進まない実態が浮かび上がった。
05年6月審査分の政府管掌健康保険、健康保険組合、国民健康保険の診療報酬明細書(レセプト)約38万枚を抽出して分析した。
調査時点で老人保健制度の対象だった72歳以上のお年寄りのうち、病院、診療所で7種類以上の処方を受けたのは、20.4%(前年は20.0%)に上り、10種以上処方された人も6.9%いた。72歳未満の人(若者を含む)の「多剤投与」が8.7%だったのに比べ、高齢者の割合の高さが際だっている。
「多剤投与」は好ましくないとして診療報酬で減額措置がとられているが、抑制効果は上がっていない。
全体の医療費に占める薬代の割合(薬剤比率)は前年比0.5ポイント増の22.1%。老人医療では22.8%(前年比1.1ポイント増)だった。
(朝日新聞より)
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