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[2006/10/25]
 岡山の特養虐待問題

<岡山の特養虐待問題:施設側、改めて全面否定 告発の介護長を懲戒解雇 /岡山>
◆双方会見、批判の応酬−−特養側「事実をわい曲」/元介護長ら「調査いびつ」
岡山市下阿知の特別養護老人ホーム「阿知の里」に対し、県と市が「虐待の疑いがある」として立ち入り検査をしてから間もなく1カ月。元嘱託医の男性(61)と施設の女性介護長(56)が「介護ではあり得ない傷がある」として虐待の疑いを強く指摘する一方、施設側は県に「虐待はなかった」とする報告書を提出し、両者の主張は真っ向から対立している。虐待はあったのか、なかったのか――。双方の言い分をまとめた。

◆施設側
「阿知の里」は23日、岡崎豊施設長らが弁護士とともに施設内で会見。「虐待はなかった」と改めて表明し、退職願を提出していた介護長について「事実をわい曲して公表し、施設の信用をおとしめた」などとして、22日付で懲戒解雇したと発表した。
22日には利用者の家族を対象に説明会を開いており、「虐待はないと、大半の方に納得して頂いた」と説明。この日会見した理由については「元介護長は現場責任者として日々患者と家族に接していた。『虐待がある』と考えることはあり得ないのに事実をわい曲しており、施設の名誉回復を図る必要があった」と話した。
「事実わい曲」の根拠として挙げたのは、主に▽施設職員が不審な傷を発見した際に記入している「人体図」の日付を元介護長が何件か書き換えており、特定の職員が担当した日に傷が集中しているように印象付ける意図があると判断できる▽元介護長が公表した傷の写真の少なくとも1枚について、患者家族や職員の証言から虐待ではないのが明白――の2点。
弁護士は「県警が施設関係者らを事情聴取する」と一部で報じられたことに対して、「捜査があるなら全面的に協力したい。結果的に(虐待がないという)真実が明らかになると考えている」と話した。

◆“告発”側
元嘱託医と元介護長は19日、瀬戸内市内で会見し、元介護長が勤務中に撮影したという、利用者のあざなどが写った写真を多数公表した。
虐待を否定した報告書については「調査メンバーに介護長である自分が選ばれないなど、いびつなやり方」と批判。「疑いがあるとの指摘に何の対策も取らず、『介護ミス』として職員に責任を押し付けている」などと訴え、県と市の調査も「不十分」とした。
退職願を出した経緯については「退職を促されたため、辞職して告発しようと決めた」と説明。利用者の家族1人も同席し、「施設の報告は話にならない」などと不信感をあらわにした。
施設側が23日の会見で懲戒解雇処分を表明したのに対し、元介護長は「退職願はいったん受理されており、到底納得できない。人体図の日付を書き換えたのは、後で確認して間違いに気付いたから。意図的にしたことではない」と反発。「職を辞してまで告発したのは虐待が疑われるからで、施設をおとしめるためではない」と話した。

◆県と市が「阿知の里」を立ち入り検査したのは9月26日。施設側は今月3日と11日に「虐待はなかった」とする報告書を提出した。調査対象期間は7月11日〜今月4日。計162件の皮下出血などがあったが、本人の過失や「本来報告の必要がない微細な傷」などを除く14件について、「介護ミス。再発防止を図りたい」とした。
県長寿社会対策課は「原因の記述が漠然としているなど、施設の報告書には納得できない点がある」としており、内容の精査を進めている。

(毎日新聞より)

<ケアマネ委託料上げ 来月から民間受注増へ独自策>
高知市は24日までに、改正介護保険法に基づき7月から実施している「要支援」区分のケアマネジメント業務の民間委託料を、11月から1件当たり月額6000円(現行3600円)に引き上げる方針を固めた。介護予防支援員(ケアマネジャー=ケアマネ)不足による“ケアマネ難民”の発生回避へ、厚生労働省の定める報酬単価(1件4000円)へ独自に上乗せして民間委託を進める考え。
23日夜の高齢者保健福祉計画推進協議会に報告した。
予防プラン作成などのケアマネジメント業務に各自治体は嘱託ケアマネの採用や民間委託で対応しているが、ケアマネの有資格者の多くは民間に就職済みで嘱託職員が集まりにくい上、「要支援」対象は国が報酬を引き下げたため民間委託が進まないのが実情。
高知市では7〜9月にプランを計754件作成したが、このうち民間委託は227件と「予想通り伸びていない」(健康福祉部)状況。嘱託職員は9月末で16人を確保しているが、新制度移行前はケアマネ1人月2―3件程度だった新規のプラン作成が移行後は月10件程度となり、超勤時間が月100時間を超えている職員もいるという。
同市はこうした状況が今後1年は続くと想定しており、「プラン作成の半数は民間に頼みたい」と委託料アップを決定。引き上げ分は一般会計から拠出するため「介護保険料には影響しない」としている。
県内では須崎市が10月から委託料を月額6000円に引き上げたが、大半の市町村でケアマネ確保が課題になっている。

(高知新聞より)

<小児科医の新人、2県で0人 26都府県で減少>
大学卒業後、臨床研修期間(2年間)を終えて今春から小児科に進んだ医師の数が都道府県によって大きな偏りがあることが日本小児科学会の調査でわかった。
今年7月1日時点で、大学病院と大学以外の研修指定病院など計929施設から回答を得た。同学会は「ほとんど把握した」としている。
調査の結果、今年4月に小児科に進んだ医師は502人。04年度から必修化された臨床研修制度の導入前の2年(02、03年度)の平均より15.4%減った。研修で労働条件の厳しい現場に接して小児科を避けたのが主な理由と見られる。
都道府県別では、26都府県で小児科選択者が減り、うち15府県では制度前の半分以下。特に秋田、富山の2県で0人、岩手、山形、新潟、山梨、高知の5県で1人だけだった。一方、19道府県で増加した。埼玉、神奈川、大阪の3府県では10人以上も増えた。
小児科は医師不足が深刻なだけに、同学会は「この状態が続けば、小児医療体制が崩壊する県が続出する可能性がある」としている。
地方での苦戦が目立つが、東京都で139.5人から89人、京都府で39人から19人と減少数が多かった。同学会は「制度の導入で、指導態勢がしっかりした東京近郊のこども病院などに人気が集まったのでは。東京などで大幅に減ったのは、大学病院に進んだ人が減ったため」とみている。

(朝日新聞より)

<将来の年金額、全員に通知 50歳以上には見込み額>
老後に受け取る公的年金の見込み額や納付記録を、政府が加入者全員に通知する「ねんきん定期便」の概要が固まった。50歳以上の人には最終的な年金見込み額を知らせ、見込み額の算定が難しい50歳未満の若い世代には目安がわかる早見表を同封して将来の年金額をイメージできるように工夫する。いくらもらえるかわかりにくいことが、年金への不信感や保険料の未納につながっている現状を改善し、制度への信頼を取り戻すねらいがある。
24日、柳沢厚生労働相が原案を報告し安倍首相が了承した。
ねんきん定期便は、安倍首相が9月末の所信表明演説で「親切で国民にわかりやすい年金制度を確立」するため早期に整備すると明言していた。
年金の個人情報通知は04年の年金改革で08年4月から実施することが決まっていたが、55歳以上の加入者に対しては実施時期を早め、07年末から通知を始める。
当初は保険料の納付実績に応じて積み上がるポイントを知らせ、単価をかけると年金額が分かる「ポイント制」を導入する予定だった。しかし柳沢厚労相が「ポイントで通知するとかえって分かりにくい」と指摘。年金額そのものを明記することになった。
全加入者に毎年1回送付する「定期便」には(1)これまでの加入期間(2)納めた保険料の総額(3)それに基づく年金額――が示される。年金は実際には25年以上加入しないと受けとれないが、それ未満の人にも、それまでに支払った保険料に見合う年金額を示す。
これに加えて、50歳以上については、将来の収入の見通しを考慮した上で、受給開始年齢に達した時点で受け取る年金の見込み額も明記。50歳未満は、将来の年収の想定が難しいため、年収と納付期間を掛け合わせれば目安となる年金額がわかる早見表を同封する。
公的年金の加入者約7000万人全員に定期便を送る費用は、年間約110億円にのぼる見込みだ。
社会保険庁では現在、50歳以上の希望者に年金額を試算・通知しているほか、同庁のホームページ上には50歳未満でも加入期間や平均月給を入力すると大まかな年金額がわかる仕組みがある。政府は、年金に関心がある人だけではなく全加入者に定期便を送ることで、制度への関心を高め、年金の未納減らしにもつなげたい考えだ。

(朝日新聞より)


<高額レセプト1万件超、国保3年連続で>
医療機関から国民健康保険に請求される1カ月当たり42万点(1点10円に相当、420万円)以上の高額レセプト(診療報酬明細書)の受付件数が、2005年度は医科全体で1万953件と3年連続で1万件を突破していたことが24日までに、国保中央会の調査で分かった。このうち1000万円を超すレセプトは、過去最高の664件で、前年度より19件多かった。
内訳では、45万点以上−50万点未満(2098件)が最も多く、次いで42万点以上−45万点未満(1835件)、50万点以上−55万点未満(1295件)など。
主疾患別では、心臓3279件が全体の3割を占め最多。次いで消化器1932件、血液1831件、脳1181件など。心疾患の多さは、加入者の高齢化が進んでいる国民健康保険の特徴を反映している。
個別のレセプトでみると、1カ月の最高額は急性硬膜下血腫の患者の5041万円だった。

(共同より)


<利用者の状況改善による提供回数減を認める 介護予防>
月単位の定額制が採り入れられた介護予防訪問介護などの介護予防サービスについて、厚生労働省は「個別の利用者の状況等に応じた必要なサービス量を提供することが求められる」として、利用者にとって適正なサービス量であればサービス提供回数が増減してもよいとの見解を示した。



[2006/10/24]
 ケアマネ試験、合格率低下で目立つ再受験者

<ケアマネ試験、合格率低下で目立つ再受験者>
今月22日に行われる第9回介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネジャー試験)の申込者数は、昨年より3531人増の約14万7623人であることが、本紙の調べで分かった。伸び率は2.5ポイントで第五回試験から続いていた10%を超える伸び率は大幅に鈍化。約3分の1にあたる14都道府県が昨年よりも減少している。制度改正で試験範囲が大きく変わったことでの受験控え、との見方は意外と少ない。昨年の制度改正前の駆け込み受験増と合格率の低さなどから、再チャレンジ組が多い印象があるという声が多かった。
本紙が18日までに全都道府県に聞き取り調査をしたところ、第9回試験の申込者数は全国で14万7623人。前回を3531人上回ったが、昨年と比べると2.5ポイントの増加にとどまった。申込者数を減らした都道府県が昨年の3から14に増えるなど、増加傾向が収まりつつある。

(シルバー新報より)

介護予防サービス 「回数一律は不適正」>
介護保険の予防給付で導入された通所、訪問介護の包括報酬の運用について、第5週は一律にサービスを提供しないなど画一的なサービスや一方的なサービスカットなどは「不適正」であり、是正指導の対象とする考えを厚生労働省は18日、「第二回地域包括支援センター・介護予防に関する意見交換会」で明らかにした。
定額報酬では予防訪問介護の場合は「要支援1」は、週1回か、週2回程度の利用の二段階、「要支援2」では、それ以上の利用が必要な場合もあり、全部で三段階の設定だ。目安となる回数は示されているものの、利用者の状況をみてサービス提供事業者が判断することとされていた。しかし、月一定額の報酬支払いでは事業所にとってはサービス提供回数が少ないほど収益になり、逆に多いほど損になるため、報酬の算定根拠を超えた第5週の扱いなどをめぐり現場に混乱が生じていた。

(シルバー新報より)

<ホームヘルパー全国連絡会がシンポ>
ホームヘルパー全国連絡会が15日、都内で開いたシンポジウムでは、障害者のホームヘルプサービスを行う事業者らが障害者自立支援法施行後の状況について報告しあった。自立支援法では異なる障害や長時間介護にも対応できるようにするため、重度訪問介護や行動援護、包括支援などさまざまなホームヘルプの類型が創設された。これに合わせて訪問系サービスの従事者養成研修の体系も見直され、基本的に介護保険と同様ヘルパー資格か介護福祉士であることが要件となった。しかし、事業者からは「資格よりも障害の特性を理解したヘルパーが必要」と、障害を適切に理解するための研修を求める声が上がった。
東京都世田谷区のホームヘルプ・ファミーユさくらは、精神障害者の家族会を母体とするヘルパー事業所だ。代表の吉田けい子さんによると、現在区内には、障害者の居宅介護事業所が200以上あるが、そのうち精神障害の利用者に対応できる事業所はたった20しかないと話した。

(シルバー新報より)

<ジェネリック医薬品、普及進まず 厚労省が聞き取りへ>
国内で後発医薬品(ジェネリック医薬品)の普及が進まない原因を探ろうと、厚生労働省は、大手の調剤薬局経営会社を対象にした聞き取り調査に月内にも乗り出す。同省は、安価な後発医薬品を普及させることで医療費抑制をめざしており、処方現場の実態を把握して今後の利用促進策につなげる考えだ。
後発品は、新薬の特許が切れた後、他の製薬会社が同じ成分でつくる医薬品。開発費がかからないため価格が安いが、日本の市場に占める割合は04年で約17%。米国の約56%など欧米に比べて極端に低い。
今年4月からは、医師が出す薬の処方箋(せん)に後発品への変更可という欄が新たに設けられた。新薬名が記入してあっても、この欄に医師のチェックとサインがあれば薬剤師は後発品を処方できる。
だが日本薬剤師会が今年4、5月に全国の薬局で処方された処方箋のうち約24万枚を調べたところ、医師のサインは20%ほどの処方箋にあったのに、うち1割ほどしか後発品は処方されておらず、サイン欄を活用して処方されたケースは約2%にとどまった。
厚労省は、この2%を「低い」と問題視。調剤薬局を経営している会社から聞き取り調査をし、後発品処方の現状、処方が少ない理由、患者への後発品に関する情報提供の内容などを尋ね、処方を妨げている要因や後発品に関する処方現場の意識を探る。調剤薬局をチェーン展開している大手の経営会社10社前後が対象になるとみられる。
厚労省は「後発品は先発品と同じ効果や安全性が確保されている」としている。一方、日本薬剤師会の薬局アンケートでは、後発品を採用する際に重視するのは「安定供給」「適応症」「入手、納品に要する時間」の順だった。
後発品をめぐっては、厚労省が3月、日本製薬団体連合会に通知を出し、後発医薬品を安定供給できる態勢を整えることなどを求めた。公正取引委員会の今年1〜9月の調査では、先発品メーカーが医療機関に「後発品の品質が劣る」「製造上の欠陥がある」などと不公正な取引につながりかねない説明をしていた例があることなども明らかになっている。

(朝日新聞より)



[2006/10/20]
 インフルエンザ予防接種副作用か

<インフルエンザ予防接種副作用か 102人>
2005年4月〜今年3月までの1年間に、インフルエンザの予防接種を受けた後、肝機能障害や発疹(ほっしん)、ショックなど副作用と思われる症状に見舞われた人は、102人(前年同期比11人減)に上ることが厚生労働省の調査でわかった。
そのうち、10代、70代、80代の女性3人が肝不全や心筋炎などで死亡したが、接種との因果関係は断定されなかった。
調査は薬事法に基づき、全国の医療機関などからの報告をまとめたもので、副作用と思われる症状で最も多かったのは肝機能障害(14人)。次いで、発疹(11人)、ショック・アナフィラキシー様症状(10人)、発熱(10人)の順。急性脳症による筋肉の硬直など後遺症が残ったのは4人。注射した場所に瘢痕(はんこん)(傷)が残った1人は「因果関係が認められる」とされた。
脳症や白質脳脊髄(せきずい)炎、筋肉を動かす運動神経が傷害され、両手両足に力が入らなくなる病気になった人がそれぞれ1人ずついたが、いずれも、「因果関係が否定できない」とされた。

( 読売新聞より)

<インフルエンザ予防接種副作用か 102人>
2005年4月〜今年3月までの1年間に、インフルエンザの予防接種を受けた後、肝機能障害や発疹(ほっしん)、ショックなど副作用と思われる症状に見舞われた人は、102人(前年同期比11人減)に上ることが厚生労働省の調査でわかった。
そのうち、10代、70代、80代の女性3人が肝不全や心筋炎などで死亡したが、接種との因果関係は断定されなかった。
調査は薬事法に基づき、全国の医療機関などからの報告をまとめたもので、副作用と思われる症状で最も多かったのは肝機能障害(14人)。次いで、発疹(11人)、ショック・アナフィラキシー様症状(10人)、発熱(10人)の順。急性脳症による筋肉の硬直など後遺症が残ったのは4人。注射した場所に瘢痕(はんこん)(傷)が残った1人は「因果関係が認められる」とされた。
脳症や白質脳脊髄(せきずい)炎、筋肉を動かす運動神経が傷害され、両手両足に力が入らなくなる病気になった人がそれぞれ1人ずついたが、いずれも、「因果関係が否定できない」とされた。

( 読売新聞より)

<口腔ケア・薬で誤嚥予防 高齢者の肺炎減らすために>
高齢者の死因の上位を占める肺炎。その原因には、食道に入るべき消化物や唾液(だえき)が誤って気道に入る「誤嚥(ごえん)」がかかわっていることが多い。誤嚥によって口の中の雑菌が肺に入り、肺炎を起こしているとみられ、誤嚥性肺炎と呼ばれる。誤嚥は、睡眠中など無意識のうちに起きることも多いという。肺炎予防のために口の中を清潔に保つ「口腔(こうくう)ケア」に力を入れたり、薬を使ったりする試みも行われている。

◆食事工夫・食後に歯磨き
「のみ込んでみてくださいね」。大阪府内の特別養護老人ホーム。男性入所者(68)に、ものをのみ込む「嚥下(えんげ)」の状態を調べる検査の往診に来た大阪大歯学部顎(がく)口腔機能治療部の野原幹司医長が呼びかける。
健康な人では、食べ物をのみ込むと自然に食道へと入る。誤って気道に入ってもせきをして吐き出そうとする。いずれも脳からの指令による無意識の反射だ。だが、脳卒中や認知症で嚥下やせきをつかさどる脳の部分に障害が起きると、嚥下ができなくなってくる。そのため、この施設では月1回、嚥下の異常が疑われる入所者を対象に、施設のかかりつけの歯科医を介して、嚥下の診断や食事指導をしてもらっている。
検査では首に手や聴診器を当て、嚥下が正しくできるかを診る。内視鏡を使う場合もある。この男性は出された食事を次々口に入れるが、のみ込もうとしても、むせてしまっていた。野原さんは「嚥下機能が低下している」と判定。とろみをつけた「とろみ食」や細かく刻んだ「きざみ食」から、よりのみ込みやすいゼリー状の食事へメニューの変更を助言した。
数カ月前に入所したこの男性は過去2回、脳梗塞(こうそく)の発作を起こし、右半身にまひがあった。口元まで運べば自力で食べられるが、発熱があり、誤嚥性肺炎が疑われた。嚥下の診断には歯科や呼吸器内科、耳鼻咽喉(いんこう)科、リハビリ科などがかかわるが、「専門に診断できる医師はまだまだ少ない」と野原さん。大阪大の同治療部では、状態に応じて嚥下を回復させるリハビリの指導などもしている。
この施設では2年前から、口腔ケアに力を入れ始めた。口腔ケアには「いつまでも楽しく食べてもらう」という以外にも、肺炎予防の効果があるからだ。1人ずつ専用の歯ブラシをつくり、食後に介護者がブラッシングする。
口腔ケアの効果は、全国300人余の特養入所者を対象にした調査で立証されている。食後の歯磨きとうがい薬によるうがいで口腔ケアをした入所者で、7日間以上の発熱で入院したのは2年間に15%で、口腔ケアを何もしなかった入所者の29%より低かった。肺炎による死者も7%で、ケアしなかった入所者の16%より少なくなった。
同治療部の阪井丘芳教授は「歯のない人にも歯茎を刺激したり、舌を指で押したりといったケアが必要です」と語る。口の中の刺激が脳を刺激し、嚥下を正しく保つ効果があるという。

◆高血圧薬に期待
口腔ケアの調査にも参加した佐々木英忠・秋田看護福祉大学長(東北大名誉教授)は、睡眠中など無意識のうちに唾液が気道に入る「不顕性誤嚥」を重視する。食事と関係ないので、胃に管で直接食べ物を流し込む人でも起こりうる。
東北大病院の外来で、高齢者の肺炎の原因を調べたところ、約7割に誤嚥が関与しており、そのほとんどが不顕性誤嚥だった。ふだんは問題ないが、体が弱ってくると、唾液に混じった雑菌が繁殖して肺炎を起こすと考えられている。一度治っても不顕性誤嚥は続くので、繰り返し肺炎を起こしやすい。「高齢者が発熱を繰り返す場合は、不顕性誤嚥を疑った方がいい」と佐々木さんは言う。
不顕性誤嚥は、脳血管にわずかな障害が起き、神経伝達物質のドーパミンや嚥下にかかわるサブスタンスPという化学物質の分泌が低下して起きるとされる。
そこで東北大では、ドーパミンの放出を促す働きがあるパーキンソン病治療薬アマンタジン(商品名シンメトレルなど)や、サブスタンスPの分解を抑制するイミダプリル(商品名タナトリルなど)という高血圧の薬を肺炎予防に使う試みをしている。
脳血管に障害のある高齢者がアマンタジンを3年間飲み続けたら、飲まなかったグループに比べ、肺炎の発症が約5分の1だった。イミダプリルを2年間飲み続けた研究では、肺炎発症率を3分の1に抑えることができたという。また、肺炎治療で二つの薬を抗菌剤と併用すると、抗菌剤の使用量が約半分で済み、入院期間も3分の2になった。
ただ、こうした薬は、誤嚥を防ぐ目的では医療保険が適用されないこともあり、まだ広くは普及していないという。佐々木さんは「今後は目先の肺炎治療だけでなく、不顕性誤嚥という根本原因に目を向ける必要がある」と言っている。

◆誤嚥性肺炎の予防
○口腔ケア
・食後の歯磨き
・歯のない人には歯茎や舌の刺激
○医師の診断
・「口の中に食べ物が残る」「食事中にむせる」「風邪以外で熱が出る」といった症状が目立てば医師の診断も
・薬(ドーパミンを促す薬など)
○食事の工夫
・のみ込みやすい「とろみ食」や「きざみ食」
こんなときは肺炎の疑いも
・食欲が落ちる
・活動性が落ちる
・知能レベルが落ちる
・失禁をする
(必ずしも熱は出ない)

(朝日新聞より)

<老健施設、遅すぎた処分 練馬「すずしろの郷」>
東京都練馬区の介護老人保健施設「すずしろの郷(さと)」を運営する医療法人杏稜(きょうりょう)会に対し、都が11月から2カ月間の業務停止を命令したが、杏稜会は開設直後からの内紛続きで実質的な経営破綻(はたん)状態。その経緯や運営の実態の詳細が明らかになりつつあるが、法人側は施設存続から一歩も引かない構えだ。混乱は収まりそうにない。

◆実質、破綻状態
「すでに再建は望めない」。14日早朝。都福祉保健局で前日夜から続いていた会議で、担当者が「すずしろの郷」への業務停止命令を決断した。
今年7月以降、材料費の支払い遅れを理由に、入所者の食事を担当する業者が撤退の意向を示していた。職員への給与支払いも滞っていた。少なくとも12億円の負債を抱えており、月3000万円の介護報酬も差し押さえられていた。
事務室には「債権者」を名乗る男たちが現れるようになった。彼らが待ちかまえていたのは、入居者らが施設に払う食費や居住費だった。
都が下した2カ月間の業務停止命令は、介護が必要な高齢の入所者72人を別施設に避難させることが本当の目的だった。

◆開設直後に内紛状態に
2000年1月の「すずしろの郷」開設式には、通所者の送迎に使う高級外車がずらりと並んだ。出席したある練馬区議は「福祉の現場でなんだこれは」と違和感を覚えた。
その年の夏、区に匿名の情報提供があった。「役員間で内紛が起きており、看護職員の数も基準に達していない」。区や都が次々調査に入った結果、寄せられた情報が確かと分かった。それどころか、主導権争いに敗れた理事が介護報酬を差し押さえたため、施設は日々の運営費に窮する状態だった。
行政指導でも内紛はやまず、新たな「出資者」を名乗る人物らも加わって理事長が登記上、50回以上も交代した。03年には厚生労働省も指導に入ったが、杏稜会は04年2月に2度目の不渡り。翌年、施設の土地、建物の所有権は経営と無関係の不動産会社に渡った。

◆施設幹部は存続を模索
しかし、こうした内部の状況は、利用者の家族に伝わっていなかったようだ。14、15日の緊急説明会に集まった家族は「寝耳に水」と戸惑いを隠せなかった。母親(85)が入所する女性は「従業員は家族に対して親身だった」と残念がる。
都は業務停止命令を出したが、「再建の見込みなし」として、杏稜会の医療法人の認可を来月中にも取り消す方針。となれば、「すずしろの郷」は閉鎖される。一方、杏稜会は徹底抗戦の構えで、会の幹部は都の処分取り消しを求める仮処分申請の準備を急ぎ、新たな資金提供先を探る動きも見せている。
17日、施設では80代の男性医師が「新しい施設管理者」と紹介された。都は介護保険法で義務づけられた施設管理者がいないことを理由に業務停止を命じており、その対抗措置と見られている。

(朝日新聞より)

<大学病院、また半数割れ、医学生8000人の研修先>
来年4月に医師になる医学生が臨床研修を行う病院を希望に応じて決める「マッチング」の結果が19日公表され、8094人の研修先が決まった。来年度の研修先のうち大学病院が占める割合は、本年度より0・5ポイント増の48・8%で、微増したものの2年連続で半数を割った。地方の大学病院などで募集定員割れが目立つ。公立や民間などの市中病院は51・2%。
かつての大学病院偏重が解消される一方、都市部の市中病院に人気が集中、人手が足りなくなった大学病院が過疎地などに派遣していた医師を引き揚げる動きも出ており、地方の医師不足の一因になっているとの指摘もある。
マッチングは、医学生が研修したい病院を、病院は採用したい人材を、それぞれ事前登録し、コンピューターで合致させて決める方式。2004年度から義務化された新しい臨床研修制度に伴って日本医師会などでつくる協議会が実施しており、今年が4回目。
希望病院を登録した医学生は8402人で、このうち96%の研修先が決定。新制度前は約7割を占めていた大学病院は、マッチング導入後、58・8%、52・7%、48・3%と3年連続で低下していた。
病院の募集数は1万1306人。募集定員に対し決まった医学生の割合(充足率)は市中病院72%、大学病院71%。都道府県別で充足率が最も高かったのは東京の90%で、以下京都、福岡、沖縄、神奈川の順。逆に最も低かったのは新潟の40%で、鳥取、富山、三重、青森と続いた。
大学病院では東大、京大、慶応大など20病院で充足率が100%となる一方、旭川医大、弘前大、岩手医大、秋田大、新潟大、三重大など10病院は30%以下だった。
厚労省が今春、臨床研修を終えた医師を対象に実施した調査では、市中病院は「雰囲気がよい」「症例が十分」などの理由で満足度が高く、大学病院は「雑用が多い」「待遇が悪い」などと不満の方が多かった。

(共同通信より)



[2006/10/18]
 新型インフルエンザワクチン 来年にも承認申請

<新型インフルのワクチン 来年にも承認申請>
北里研究所など四つの国内ワクチンメーカーは17日、新型インフルエンザの流行初期に効果が期待される新たなワクチンについて、今年度中に大規模な臨床試験を終え、来年前半にも製造承認を申請すると発表した。
新たなワクチンは「プレパンデミックワクチン」と呼ばれ、鳥インフルエンザウイルスから分離、弱毒化して製造する。本格的なワクチンは新型インフルエンザ発生後に開発に着手、製品化には最低半年かかるといわれる。今回のワクチンはそれまでの間の対応を想定している。厚生労働省は1000万人分の備蓄を目指している。
メーカーは04年から開発を始め、今年7月末までに360人を対象に臨床試験を終えた。5マイクログラム(マイクロは100万分の1)のワクチンを2回接種したグループには、70%以上に抗体の上昇がみられたという。
安全性については、突発性難聴が1例あったほか、悪寒や頭痛、発熱などが一部に見られたが、ほとんどは注射部位の局所反応で、大きな問題はなかったとしている。
メーカー側は「各国で開発中のワクチンに比べ、少量で免疫ができるところが優れており、新型への予防効果が期待できる」と話している。

(朝日新聞より)

<帯広の特養 職員、無資格で医療行為 腹部にカテーテル挿入>  
帯広市の社会福祉法人「普仁(ふじ)会」(勝間■(のぼる)理事長)が運営する特別養護老人ホーム「愛仁(あいじ)園」(松原光利施設長、帯広市南町南六線)で、口から食事ができない入所者八人に対し、流動食を送り込むために腹部に開けた小さな穴に管(カテーテル)を出し入れする医療行為を、無資格の介護職員が二○○三年ごろから行っていたことが、十六日までに分かった。
道は今月十日の特別監査でこの事実を把握、「消毒がきちっとされていないと、死につながる危険がある」として直ちに中止するよう指導した。近く文書で正式に行政指導する。道は「少なくともここ数年、こうした指導をした例は道内ではない」としている。
道や同園によると、同園には五人の看護師が勤務していたが、看護師が出勤前の朝食時に、現在四十一人いる介護職員の大半が、通常業務の一環としてカテーテルの出し入れをしていた。松原施設長は「医師法違反と分かっていたが、看護師が足りなくてやっていた。消毒はしっかりしており、これまで医療事故は起きていないが、入所者や家族に迷惑をかけた」と話す。道の指導後は看護師が行っているという。
医師法によると、カテーテルの出し入れが行えるのは医師のほか、医師の指示を受けた看護師や、患者の同意を得た家族などに限られ、介護職員が行うことはできない。

(北海道新聞より)

<健康保険証、22年度から個人カード化 完全移行>
厚生労働省は16日、世帯単位で交付されている健康保険証を、すべて個人単位のカードに切り替えることを決めた。個人単位にすることで受診しやすくするのが目的。健康保険組合など保険運営組織に切り替えを義務付け、平成22年度からの実施を目指す。厚労省は個人カード化にあたりQRコード(2次元コード)の印刷も義務付ける方針で、診療報酬明細書(レセプト)の記載の誤りによる請求ミスなどをなくし、医療費抑制につなげる狙いもある。
健康保険証の個人カード化は、平成13年に健康保険法施行規則などで定められ、すでに政府管掌健康保険(政管健保)が15年10月から移行するなど一部で導入が進められている。しかし、施行規則では旧来形式の保険証交付も認められているため、切り替えに伴う事務の煩雑さなどから、健康保険組合の約75%、国民健康保険(国保)の約80%が旧来型の世帯単位の保険証を交付している。
世帯単位の保険証は、家族が同時に別々の医療機関で受診しようとする際に分割できず、家族の一部が旅行に出かける場合に携行しづらいなど使い勝手が悪い。保険証を持たずに出先で受診した場合には、かかった医療費の全額を医療機関にいったん支払い、後日精算せざるを得ないケースもある。
QRコードは、縦横2センチほどの正方形の中に、小さい白黒の四角形がモザイク模様のように並んでおり、バーコードの約100倍の情報量が入る。QRコードには、保険証番号や氏名、生年月日、性別などの基本データを書き込む予定で、個人カードに新たに切り替える保険運営組織に対しては、20年度から印刷を義務付ける。
厚労省は医療機関が医療費を請求する際のレセプトの完全オンライン化も進めている。オンラインの構築後に、保険証の使用者が保険加入者になっているかどうか、即時に照会できるようにすることも想定している。
政府は保険証の個人カード化とは別に、医療、年金、介護など社会保障全体をカバーするICカードを創設し、生涯にわたる健診結果を管理する仕組みの検討も進めており、個人カード化は将来的なICカード化のステップにもなりそうだ。

(東京新聞より)

<6〜8月の診療報酬 診療所は総点数で大幅減>
日本医師会が実施した6〜8月分の「2006年度緊急レセプト調査」によると、診療所の総点数は入院が前年比(以下同)5.64%、入院外が1.25%のマイナスと大きく減少していることがわかった。病院においても全般的にマイナス改定となった。

<産科満床なら他科へ 奈良県医師会が再発防止、搬送要請で合意>
奈良県大淀町立大淀病院で今年8月、妊婦が分娩(ぶんべん)中に意識不明になり、大阪府内に搬送後死亡した問題を受け、同県医師会の産婦人科医会(平野貞治会長、約150人)が再発防止のための対応策を直後の理事会で申し合わせていたことが分かった。緊急処置を必要とする具体的な症例を例示したうえ、他診療科への協力要請や、県立病院以外の有力病院への搬送受け入れ要請などについて合意。当面、現状の治療設備・要員や収容能力不足を柔軟な対応で補い、妊婦の命を救う道を目指す。【青木絵美】
9月14日に決まった申し合わせによると、特に緊急性を要する妊婦の症状として、▽分娩時の大量出血▽妊娠中に胎盤がはがれる胎盤早期はく離▽子癇(しかん)発作▽前置胎盤▽肺血栓塞栓(そくせん)症----の5症状を挙げた。これまで、こうした具体的基準はなかった。
開業医や病院から、これらの症状がある妊婦の搬送打診があれば、新生児集中治療室(NICU)と母体・胎児の集中管理治療室(MFICU)を備えた県立医大病院と県立奈良病院で基本的に受け入れる。
今回の問題では、両病院ともNICU、MFICUが満床だったため、受け入れなかったが、今後は、産科ベッドが満床でも他科と調整する。それでも難しい場合には、今回打診しなかった近畿大学奈良病院(同県生駒市)や天理よろづ相談所病院(同県天理市)にも協力を要請するという。
奈良県は、緊急、高度な治療を要する母体搬送の約4割を大阪府内の病院に頼る状態がここ数年続いている。県産婦人科医会理事で県立奈良病院の平岡克忠・産婦人科部長は「転送先探しで18カ所も電話をかけ続ける事態を繰り返さないよう、体制を整えたい」と話した。

◆業過致死容疑、県警が捜査へ
この問題を受け、奈良県警は業務上過失致死容疑で捜査する方針を固めた。大淀病院側が17日の会見で「(脳内出血でなく)子癇発作の疑いとした点で、判断ミスがあった」と述べており、ミスと死亡との因果関係の立証が焦点となる。また満床などを理由に妊婦の受け入れを拒んだ病院の対応や、一連の経緯についても調べる。
大淀病院によると、今年8月8日未明、高崎実香さん(32)=同県五條市=が18病院に断られた末、同日午前6時ごろ、国立循環器病センター(大阪府)に搬送され、男児を出産したが、高崎さんは同16日に死亡した。

(毎日新聞より)



[2006/10/17]
 難病の無料治療縮小

<難病の無料治療縮小、軽症は有料化 厚労省方針>
厚生労働省は、難病の治療方法や原因を究明する事業の対象となる病気を来年度から見直す方針を固めた。これまで45種類の病気を対象に治療費を無料にしてきたが、対象患者数の多いパーキンソン病や潰瘍(かいよう)性大腸炎について、軽症者などを無料の対象から外す方向で検討している。予算の大半が治療費に回り、本来の目的である研究費が捻出(ねんしゅつ)できないのが理由だ。72年の事業開始以来初めての見直しで、新たに別の難病を指定することも視野に入れている。
難病対策では、新たな病気が次々と追加される一方で、原因が判明するなどして指定を外れたものは一つもない。難病治療のうち保険が適用されるものについて、患者の自己負担分が公的に支給されている患者数は54万人に膨らみ、昨年度の総額は760億円。一方の研究費は20億円だけになっている。
このため厚労省は、97年に決めた難病指定の要件を満たさない病気について、見直すことにした。(1)希少性(おおむね5万人未満)(2)原因が不明(3)効果的な治療が未確立(4)生活への長期の支障がある、の4要件で、パーキンソン病(支給対象者約7万3000人)と潰瘍性大腸炎(約8万人)が見直しの対象となっている。
この二つの病気については、無料対象者を重症者に絞り込むなどして、5万人に収まるようにする方針だ。除外された人は、通常の医療保険制度が適用され、自己負担が発生する。
今年8月、厚労省は「特定疾患対策懇談会」(金沢一郎座長)を開き、患者数の多い病気を対象から外すことを検討した。しかし、患者団体は反発。全国パーキンソン病友の会は「薬代の公費負担がなくなれば、月5万円の負担増の人もいる。働き盛りで発症し、収入がない患者も少なくない」といい、潰瘍性大腸炎などの患者組織の萩原英司・世話人は「補助がなくなれば、自己負担が厳しくて病院に通う人が少なくなり、研究に協力する人も減ってしまう」と反対している。
その結果、懇談会は「特定疾患からの除外は行わず、希少性の要件に収まるよう対象者の範囲を見直す」との方向でまとまりつつあり、厚労省は、この方向で見直しを検討していた。
現在、胆道閉鎖症や1型糖尿病など少なくとも九つの病気の患者会が新たな難病指定を要望しているが、すでに指定されている難病の患者数は毎年増えており、03年以来、追加指定はされていない。
厚生科学審議会難病対策委員を務めた小池将文・川崎医療福祉大教授(社会政策)は「難病の研究促進と患者の治療費軽減を抱き合わせで解決しようとしたことに根本的な問題がある。財源も研究費の形をとったため、財政難の時は予算確保が難しい。研究を進めるべき難病は他にもたくさんあるのに、国は事業から外される患者の痛みとの間でジレンマに陥っている」と話している。

(朝日新聞より)

<「介護力」18年間世界最低、団塊世代の将来に不安>
介護される世代の人口に対する介護の担い手となる層の割合(家族介護力)が、団塊の世代が高齢に近づいた2005年から22年までの18年間、日本は世界192カ国中最低となり、その後も50年まで世界最低水準が続くことが、日大人口研究所の試算で16日、分かった。
団塊の世代が生まれた最初の年に当たる1947年から10年間に、世界でも例がないスピードで出生率が半分に低下。その後も低い出生率が続いていることなどが、大きく影響しているとみられる。介護現場への男性の参加、外国人労働者の活用など抜本的な対策が求められる。
同研究所は、家庭で中年女性が家族介護にあたるケースが多いことを勘案して、65−84歳の総人口を100とした場合の40−59歳の女性の人口の割合を「家族介護力」として示した。数値が大きいだけ介護力も強くなる。
日本は1995年には109・8で、最も低い方から数えて31位。その後急速に低下し、2005年には78・1となり、それまで最低だったギリシャの78・3を下回って、世界最下位となり、22年まで最下位にとどまる。
1995年に日本より低かった英国(87・4)、フランス(92・1)は2005年にそれぞれ98・5、96・7と一時的に回復するが、日本は低下を続け、試算した50年(40・2)までみても最低水準が続く。ただ、世界的にも低下傾向で、フィリピンなどは将来的に100以上を維持できるが、先進国で100以上を維持できる国はない。
同研究所の小川直宏次長(経済学部教授)は「今後、女性の就業率が高まると同時に、介護の主な担い手となっている専業主婦が少なくなる。家族介護に対する価値観の変化も予想されるため、介護環境はさらに厳しくなるのは確実」とみている。
試算は、2004年の国連の世界人口推計などを基にした。

(共同通信より)

<介護施設見直し 医療費適正化に隠れる病床削減>
9月 27 日、厚生労働省は介護施設の機能を見直す検討会を始めた。先の国会で通過した健康保険法一部改正関連法によって、介護保険施設について基本的なあり方、医療提供のあり方についても検討することが附則に規定されていた。介護保険施設のサービスの基準や報酬について検討会の意見を介護給付費分科会に報告することになっている。
療養病床の再編は、2011年度末までに、老健施設に 15 万床〜 17 万床が移行し、残りの6万床〜8万床がケアハウス、有料老人ホーム、在宅医療支援診療所に移行し、合わせて 23 万床が再編される。療養病床の再編は医療費適正化の第一弾と位置付けており、次に平均在院日数の短縮が計画的に行われる。入院医療費の伸びの抑制は療養病床の転換と急性期の平均在院日数の短縮だ。加えて医師・看護師不足を急性期に振り向ける必要があるため、全体の医療費を増やさずに医療資源だけを移動するため、医療費適正化の目標からすると急性期、慢性期の病床削減が目論まれていると考えるのが順当だ。検討会資料では各国の平均在院日数を比較しながら入院期間の短縮を訴えかけている。
平成 24 年には、医療給付費は医療区分の高い者の単価の上昇があるが、介護保険へ移行する分があるためマイナス4000億円、介護給付費は療養病床から他施設へ転換することに加え、医療療養病床から老健施設などへ移行することから+1000億円で差引300億円の削減と見込んでいる。

◆後期高齢者の診療報酬は定額制か
平成 20 年度から始まる、後期高齢者医療制度については財源の大枠が決まっているだけで、診療報酬体系などの検討をはじめたところだ。現行では出来高制で医療費増大の要因とされている。2004年度の後期高齢者の医療費は9兆214億円(全体の 28 ・1%)になっており、年齢が上がるごとに一人当たりの医療費は高くなっている。外来では循環器系疾患と筋骨格系疾患が多く、入院では循環器のうち脳血管疾患が多い。病床種別では2002年調査で、一般病床 26 万600人( 45 ・6%)、療養病床 21 万2800人( 37 ・2%)と療養病床の入院患者も高い割合である。このため、「後期高齢者の医療制度のあり方に関する特別部会」では、後期高齢者の診療報酬について、「定額制」を軸に検討をはじめた。診療側は粗診粗療になると反発を強めているが、高齢化の進展と経済の負担能力の考慮した前提の前では「定額制」で押し切られる公算が大きい。結果として病床削減に追い込まれる医療機関は増え、廃業する病院も少なくないだろう。
現に、厚生労働省で公表する「医療施設動態調査」で平成 18 年2月末と7月末を比較すると、病院施設数は9016施設(2月末)が8968施設(7月末)と 48 施設減少し、病院病床数では163万1487(2月末)が162万8214(7月末)と3056の減少を示している。中でも療養病床を有する病院病床数は35万8219(2月末)から35万3679(7月末)と4540の減少である。療養病床の転換先を一般病床へ求めていることも見逃せない。

◆受け皿増やすか、GH、小規模多機能
認知症高齢者は2002年現在で約150万人、2025年には約320万人になると推定されている。年間の死亡者は2004年で約100万人、2015年には約140万人(うち 65 歳以上は約120万人)、2025年には約160万人(うち 65 歳以上は約140万人)に達する。
こうした認知症高齢者や看取りを受ける場として在宅療養支援拠点イメージが描かれている。回復期リハビリテーション病院、在宅復帰を支援する老人保健施設、終末期を含めた在宅にかわる生活を送る特別養護老人ホーム、この3施設は在宅療養支援の後方支援にあたり、在宅(自宅、ケアハウス、有料老人ホームなど)を支える在宅療養支援拠点として、診療所、デイケアセンター、訪問看護ステーション、ケアマネジネント、訪問介護だ。「看取り」は特別養護老人ホームで受けるが、特養で受ける終末期医療の範囲について議論のあるところだ。
また、認知症に対応するグループホームは平成 16 年 10 月時点で5449施設、7万6998人の定員がある。小規模多機能型事業所は認知症に対応したモデル例があり、すでに本年8月末で185事業所が指定を受けている。介護保険料に跳ね返る介護保険施設の新築が不可能に近いとなれば、自己資金、銀行融資で小規模な居宅系サービス事業所の建設に道を求める以外にない。



[2006/10/15]
 駐禁除外指定の不正使用を摘発

<駐禁除外指定の不正使用を摘発 祇園で京都府警>
京都府警駐車対策課と東山署は14、15日、京都市東山区祇園町の場外馬券売場周辺で、身体障害者や介護者が使用する「駐車禁止除外指定車標章」の不正使用の取り締まりを初めて行い、9件に反則切符を切り、31件を指導した。
交通量が増える秋の観光シーズンに向けて、同標章の不正使用をなくそうと、両日とも午前8時から午後4時まで取り締まった。
府警によると、反則切符を切った9件は、身障者本人用の標章を第三者が使っていたケースが3件、介護者用の標章を目的以外の馬券を買うためなどに使用していたケースが6件だった。
また、指導の31件は、直近に駐車場があるのに路上駐車をして通行妨害をした留意事項違反で、文書を渡して適正使用を促した。

(京都新聞より)

<業務停止命令の介護施設、負債12億を“粉飾決算”>
東京都練馬区の介護老人保健施設「すずしろの郷(さと)」が都から介護保険法に基づく業務停止命令を受けた問題で、施設を運営する医療法人「杏稜(きょうりょう)会」が債務超過に陥ったうえ、健全経営を装うため、人手に渡っていた施設の建物と土地を自己資産として計上する“粉飾決算”をしていたことが14日、都などの調べでわかった。
都は、業務停止期間は来月1日から2か月間としており、この間に経営改善の動きが見られない場合、杏稜会の医療法人としての認可取り消しを検討する。
都福祉保健局は14日午後に都庁で会見、杏稜会の債務残高は独立行政法人「福祉医療機構」などからの借入金、取引先への未払い金など計約12億3000万円に上ることを明らかにした。また、「すずしろの郷」の建物や土地は2005年3月に理事同士の紛争の中で第三者に売却され、今年3月には競売開始も決定されていることから、「実質的な債務超過」と認定。杏稜会では給与や給食業者への支払いが遅れるほど、資金繰りに窮していた。

(読売新聞より)




[2006/10/14]
 新評価100項目を設定

<新評価100項目を設定>
今年度から認知症グループホームのほかに小規模多機能型居宅介護にもサービス評価の義務付けが始まることに伴い、厚生労働省は5日、評価実施の流れや項目の参考例などを明らかにした。グループホームと一体的に評価する仕組みに移行させるため、従来のグループホームのサービス評価を大幅に見直し、新たに100項目の参考評価項目を選定した。グループホームが従来のサービス評価を継続できるのは今年度末までだ。一方、今年度から始まった情報の公表制度についても、2008年度からグループホームに導入するとした。情報の公表と外部評価を義務付けるかの結論は出ていない。

(シルバー新報より)

<民主党 1割負担を凍結>
民主党は11日、障害者自立支援法で導入されたサービス利用にかかる一割負担を来年1月から当分の間凍結し、利用者や扶養義務者の負担能力に応じた従来の応能負担に戻すことなどを柱とした改正案を国会に提出した。施行から半年が過ぎたが、定率負担と食費の実費負担などでサービス量を減らさざるを得なかったり、利用を中止する利用者が増えている状況にあること、施設や在宅の事業者も日払い方式への変更や報酬単価の引き下げによって、事業の閉鎖や人員削減、新規事業計画が中断するなど経営に大きな打撃を受けていることなどを踏まえ、「障害者福祉はかつてない危機に陥っている」とし、3年後の見直しを待たず早急な法改正が必要だと判断した。
同党では、改正が必要な点として、日定率1割負担を凍結、月障害児・者の福祉サービスを維持するために必要な支援を講じることの二点をあげ、自立支援法と児童福祉法の一部を改正し、来年1月から施行する法律案を衆議院に提出した。

(シルバー新報より)

<理想の介護職は技術より人柄、高齢社会をよくする女性の会調査>
高齢社会をよくする女性の会(樋口恵子理事長)はこのほど、要介護者や家族が求める介護職員像についての調査結果をまとめた。将来的に介護職員の任用資格は介護福祉士とする方向性が示され、介護福祉士の資格取得方法や養成カリキュラムの見直しが進んでいることを受けて実施したもの。実際に介護サービスを利用する要介護者・家族は介護の技術や専門性よりも「対応のやさしさ」や「話を聞いてくれる」などの人柄や態度を重視していることがわかった。
調査は、4月から5月にかけて要介護高齢者とその家族に対して実施し、要介護本人358人を含む784人から回答を得た。

(シルバー新報より)

<提供された腎臓捨てる 社保中京病院 名古屋>
社会保険中京病院(名古屋市南区、渋谷正人院長)は13日、同病院で死亡した男性から臓器移植のため腎臓二つを摘出した後、職員が誤って廃棄した、と発表した。このため移植予定だった2人が腎提供を受けられなかったという。
同病院などによると、腎臓を摘出されたのは50代の男性。家族から同意を得て、男性が心停止した後の同日午前9時55分から摘出手術。同11時25分に摘出が終わった。
腎臓は袋や容器で密閉され、クーラーボックスに入れられた。通常は、手術室の「受付部屋」に一時保管していたが、この日は、誤って使用済み手術器材などと一緒に「クリーンアップルーム」に運ばれた。その部屋で看護助手らが保存容器や袋を開け、腎臓を不要な組織を入れる感染性組織処理箱に捨てた。このため腎臓が汚染され、移植できなくなったという。
二つの腎臓のうち一つは同病院で、もう一つは同市内の別の病院で腎不全患者に移植される予定で、白血球型が適合するかなどの最終的な検査を待っているところだった。同病院で、腎提供があるのは月1件ほどという。
会見した絹川常郎・泌尿器科主任部長らは「医師が責任をもって管理すべきだった。提供意思に応えられず、腎移植を受けられなかった人らに心からおわびします」とした。今後、外部委員を加えた調査委員会を置き、原因を究明して再発防止に努めるとしている。
日本臓器移植ネットワーク中日本支部の山崎親雄支部長は「このような事例は、ほかの臓器を含めて聞いたことがない。クーラーボックスに『移植用』などの表示があれば防げたのでは。ネットワークとして今後、ガイドラインなどを検討したい」と話した。

(朝日新聞より)

<介護予防教室は閑古鳥 仙台市は想定の50分の1以下>
4月の介護保険法改正を受け、市町村に開催が義務付けられた介護予防運動教室をめぐって、参加対象となる特定高齢者の把握に自治体が四苦八苦している。仙台市では、国が予想した人数の50分の1以下で、教室参加者も数人どまり。想定外の事態に、国の制度設計の甘さを指摘する声も上がっている。
特定高齢者は、要支援・要介護認定一歩手前の予備軍的なお年寄り。法改正では状態を悪化させないために運動教室を市町村に義務付けた。運動教室の実施によって増加する介護給付費の抑制を図る狙いがある。
特定高齢者の把握は、厚労省が作った「基本チェックリスト」を使う。「15分続けて歩いているか」「この1年間に転んだことがあるか」など25項目で、検診時などに答えてもらい市町村が認定する。
国は事前のモデル事業などを通し、高齢者の約5%が特定高齢者に該当すると見込んだが、仙台市が8月末時点で把握できたのは75人。約16万人の高齢者の0.1%にすら満たない。
このため、9月から、週1回3カ月の教室を市内14カ所で計画したが、総定員280人に対して、参加者は8人(9月25日現在)。特定高齢者に近いと判断され加わる人を含めても、75人。市高齢企画課の加藤邦治課長は「想定外の少なさ」と困惑する。このズレは特定高齢者と認定する国の基準が実態に合っていないためとみられる。
仙台市青葉区の特別養護老人ホームで、先月29日に開かれた運動教室。定員20人に対し、参加は6人だけ。運営する社会福祉法人の関係者は「参加者が少ないので市の委託費が20万円減った」と打ち明けた。
全国的にも同じ状況があり、約60万人の高齢者を抱える横浜市が把握した特定高齢者は、8月末現在で約600人にとどまる。横浜市高齢在宅支援課も「国の基準が厳しすぎたのかもしれない」とみる。
厚労省はチェックリストの見直しも視野に入れ、「どのようなアプローチが望ましいのか、自治体の担当者らと意見を交換し、検討したい」(老人保健課)としている。

(河北新報より)

<療養病床の減少が加速>
厚生労働省が発表した2006年7月の医療施設動態調査で、病院の療養病床数は前月比2600床減の35万3679床となった一方、一般病床は1901床増の90万8789床となり、療養病床から一般病床への転換が加速している実態が明らかになった。
一般診療所の療養病床数は2万2783床(前月比894床減)。病院と合わせた療養病床数は37万6462床(同3494床減)となり、療養病床数の合計は5ヵ月連続の減少となった。療養病床を有する病院は4296施設(同32施設減)、療養病床を有する診療所は2322施設(同105施設減)と、いずれも減少した。病院の一般病床は3ヵ月連続で増加している。
病院総数は8968施設(同8施設減)となった。一般病床数は前月から8施設減り7895施設となったほかは、精神病院の1072施設、結核療養所の1施設ともに増減はなかった。

<一般病床の平均在院日数19.3日>
厚生労働省がまとめた2006年3月分の病院報告(概数)で、一般病床の平均在院日数は19.3日で、前月より0.5日短縮したことが分かった。病院の1日平均外来患者数は前月より1万42人増え、158万7504人だった。同じく1日平均在院患者数は138万8154人(前月比2万3040人減)だった。
一般病床の月末病床利用率は76.6%(同3.7ポイント低下)、1日平均在院患者数は72万1976人(同1万9935人減)となった。
療養病床の平均在院日数は167.5日(同6.1日減)、月末病床利用率92.6%(同0.8ポイント低下)、1日平均在院患者数は33万9241(同238人増)だった。

<介護保険改正で要介護認定1次判定見直し>
介護保険要介護認定の1次判定の仕組みを見直すため、厚生労働省は10日、専門家が技術的な見地から助言する要介護認定調査検討会(委員長・開原成允国際医療福社大学大学院長)を開き、本格的な検討に入った。介護保険制度の見直しで要支援が1と2に分かれるなど状況が変化する中、厚労省は要介護認定の1次判定をより精度の高いものに改める。 12月ごろから施設を対象に新たな認定調査票で要介護高齢者と提供されているサービス内容を調べ、1次判定のロジックを組み立てる。1次判定ソフトの開発やモデル事業を実施するため、実際に新しい制度に移行するには、最低でも3年はかかる見通しだ。
要介護認定は、1999年10月に準備要介護認定として開始して以来、03年に1度だけ大きな見直しが行われている。しかし、現在の認定ロジックの基になるデータが古いという指摘がある上、今年4月の改正介護保険法施行に対比できていない側面がある。例えば、改正法では要介護1の一部が要支援2に組み入れられたが、現行の1次判定の枠組みは要支援1、要介護1相当、要介護2〜5の6区分のみで、介護認定審査会が1次判定で「要介護1相当」に分類された人を要支援2と要介護1に判別している。このため、今回の見直しでは時代に即した評価項目にすることに加え、1次判定の段階で要支援2と要介護1を判別するロジックを組み込む考えだ。
検討会では厚労省が、現行よりも内容を細分化したケアコードや認定調査票の案を示した。在宅での生活に重点を置いており、ケアコードでは大分類「生活自立支援」「社会生活支援」で「洗濯」「清掃・ごみの処理」「来訪者への対応」を新設、認定調査票の基本調査分でも「毎日の移動範囲」「外出の理由で最も多いもの」「居宅を訪問してくれる人とその頻度」などの項目を設けている。特記事項も記載項目を増やした。
また、新判定の基礎資料とする観点から、介護が必要な高齢者と提供されるサービスを数量的に把握し、両者の関係を分析する高齢者介護実態調査(施設)を実施する。今年12月から来年2月をめどに、約60ヵ所の介護保険施設に入所する4500人程度を対象に、介護時間調査(1分間タイムスタディ調査)と状態調査を行う。介護時間調査は、調査対象高齢者にサービスを提供する職員全員に調査員が一人ずつ付き、サービス内容を1分間ごとに48時間記録する。状態調査は新たに作成した調査票を使用して、各施設の職員が高齢者の状態を調べる。
通常は、調査の結果分析後に判定ソフトのバージョンアップ作業、市町村モデル事業を行っていく。このため、厚労省は新制度の導入は「最低3年はかかる。かなりスムーズにいけば次の事業計画で実施できるが、それでもかなりタイト」としており、4期事業計画が始まる09年からの導入は厳しい見通しだ。




[2006/10/12]
 栄養剤注入チューブで医療事故相次ぐ

<栄養剤注入のチューブで医療事故相次ぐ、死亡例も >
鼻から胃に通す栄養チューブや、胃や腸に直接栄養剤を入れるチューブの取り扱いミスによる医療事故が、今年6月までの1年9カ月間に全国約560病院で29件あったことが、財団法人「日本医療機能評価機構」の集計でわかった。このうち2例は患者が死亡し、大半の患者に障害が残ったという。
初回や交換の際にチューブを肺などに誤挿入するケースが多く、同機構は「正しく挿入されたかは胃液の逆流などで確認してほしい。入った後でもずれることがあり、十分な観察が必要だ」と指摘している。

(日経新聞)

<高齢運転者に認知機能検査 免許更新時の安全教育徹底 警察庁、道交法改正検討>
警察庁は12日、記憶力や判断力などの認知機能が低下したり、認知症の疑いがあったりする運転者を把握するため、高齢運転者に認知機能検査を義務付ける方針を決めた。
有識者でつくる警察庁の「運転免許制度に関する懇談会」(座長・石井威望(いしい・たけもち)東大名誉教授)に18日に諮問し、年内をめどに提言を受ける。
警察庁は来年の通常国会への道交法改正案提出も検討しており、免許更新時の安全教育に活用する。
道交法は、医師の診断に基づき、認知症の運転者の免許取り消しや停止を規定しているが、認知機能の衰えを自覚しないケースは多く、認知症の把握は難しいという。
警察庁は、70歳以上に義務付けられている免許更新時の高齢者講習などの際に検査を実施し(1)認知症の疑いがある(2)認知機能が低下している疑いがある(3)認知機能は低下していない-の3つに分類する方針。
認知症の疑いがある場合は、過去の違反状況などを踏まえ、医師の診断を受ける。認知機能低下の疑いがある場合は、高齢者講習時の安全教育で、夜間や悪天候での運転を控えることなどを指導する。
検査は年月日や時間を答えたり、イラストを記憶したりするなど4項目の設問があり、受検者が用紙に記入して回答する。
警察庁はことし2月、認知症の専門家らによる委員会を設置し、簡単にできる認知機能の検査方法を検討していた。
この委員会が6月から7月にかけ、約4000人の高齢者を対象に検査を実施したところ、認知症の疑いがあったのは全体の2・5%、認知機能低下の疑いがあったのは23・7%だった。

(共同通信より)



[2006/10/11]
 高齢者負担急増

<年収300万円前後の高齢者負担急増、小泉政権6年間>
お年寄り世帯の税や社会保障の負担は小泉政権発足以降どう変わったのか、政府が試算した内容が明らかになった。年収300万円前後の夫婦世帯で、夫が特別養護老人ホーム(特養)や長期入院の療養病床に入っている場合、07年度の負担額は01年度より年に約60万〜70万円も増える。高齢者向け控除を縮小した税制改革と、介護・医療保険の改革による「二重の負担増」が原因だ。一連の小泉改革で高齢者の暮らしが圧迫されている実態を、政府自らのデータが裏付けたかたちだ。
試算は、臨時国会での質疑に対応するための資料として、厚生労働省と財務省が作成した。
(1)夫婦とも基礎年金(国民年金)だけで年収158万円の世帯(2)厚生年金と基礎年金合わせて279万円の標準的なモデル年金世帯(3)年収304万円世帯(4)年収379万円世帯――を想定。税や社会保険料負担だけのケースのほか、それに夫が特養に入所した場合と、夫が長期入院した場合の負担を加えたケースも試算した。小泉政権時代の制度改正が一段落する07年度を01年度と比べ、両年度の収入は同じとした。
それによると、(1)は介護・医療保険の改革で低所得者の負担軽減措置がとられたため唯一負担が減った。(2)は介護・医療保険料だけなら負担増は年4万円だが、夫が特養や療養病床に入っている場合は、居住費や食費が自己負担になり一気に20万円以上増える。
もっと深刻なのは、(2)より年収が25万円多いだけの(3)の世帯だ。01年度の所得税や住民税はゼロだったが、07年度は各種の控除の縮小、廃止で税金を負担するようになった。住民税が非課税の世帯は特養などの自己負担が軽減されるが、この対象から外れるため、特養の自己負担は49万円、療養病床は64万円の増。保険料や税の支払いも合わせると年57万〜72万円の負担増となる。
(4)の世帯では、税控除の縮小や定率減税の廃止で、税や保険料の負担だけで年18万円増える。
政府は05年1月、「税制で高齢者を優遇しすぎ」との理由で50万円の老年者控除を廃止し、公的年金控除を140万円から120万円に縮小。同年10月からは「自宅で療養、介護している人とのバランスをとる必要がある」として、特養など介護施設の食住費徴収を開始。06年10月には療養病床もこれに続いた。

◆〈慶応大商学部・権丈善一教授(社会保障論)の話〉 介護と医療は本来「必要に応じて所得に関係なく誰もが利用できる共有地のようなサービス」であることが望ましい。それなのに今は、心身に問題が生じていざ特養や療養病床を利用するときに高額の自己負担を要求される。これでは「保険」の名に値しない。小泉政権は社会保障のサービス充実に必要な財源を消費税率や保険料の引き上げで確保することを避け、逆に高齢者の自己負担増を進めてきた。その当然の帰結であり、前政権を支持した国民はそれを選択したとも言える。

(朝日新聞より)



[2006/10/10]
 アルツハイマー薬、研究を加速

<アルツハイマー薬、武田が研究を加速>
武田薬品工業はアルツハイマー病関連薬の研究開発を加速する。独の創薬ベンチャーから新薬候補化合物の開発権を取得し、アルツハイマー病に伴う睡眠障害改善薬の臨床試験(治験)も米国で本格化させた。中枢神経領域の主力薬と位置付け、2015年以降の新薬発売を目指す。
独エボテック・ニューロサイエンシーズと共同発見したアルツハイマー病の発症メカニズムに作用する分子化合物2つの開発権を取得した。金額は10億円弱とみられる。

(日本経済新聞より)

<住友信託、有料老人ホーム「格付け」へ>
住友信託銀行は、民間の福祉関連事業者とともに全国の1000以上の有料老人ホームの事業内容などを調べ、独自の「格付け」作業を始める。介護サービスの充実度をまとめてデータベースをつくり、全国の支店で顧客に情報提供する。高齢化とともに信託銀行間では介護関連ビジネスの競争が激しさを増しており、高齢層の関心が高い有料老人ホームについての情報を充実させて、他行との差別化を図る。
住友信託と取引のある個人顧客の平均年齢は、約60歳。「有料老人ホームの情報があればありがたい」との声が顧客から多く寄せられたため、独自評価に乗り出した。
ホームの財務内容を詳細に調べるほか、介護サービス充実度や将来性などを総合的に評価する。年明けにはデータベースを完成し、全国の支店に配備する計画。集めたデータは個人客に、相談に応じる形で提供する。

(朝日新聞より)

<小規模多機能事業所は185ヶ所に、外部評価結果の公表制度は年1回>
◆評価項目コンパクトに
10 月5日に開かれた地域密着型サービス外部評価担当者会議で平成 18 年4月末で、 55 ヵ所の小規模多機能型事業所が、8月末時点では、185事業所の指定があったことが明らかになった。自己評価や外部評価はこれまでグループホームに義務づけられており、小規模多機能型事業所についてはこのスキームとほぼ同様とし、評価項目については自己評価項目を142項目から100項目に、外部評価項目71項目から30項目にコンパクトにすることも分かった。
自己評価は東京の品川区ほかで行われ一定の評価を得ており、今回組み込まれる内容は職場全体で評価に取り組み改善点を明確にする。評価を具体的な改善にむけた契機となると見込まれており、外部評価は、家族アンケートを実施し評価の参考とし、訪問調査や書面調査に基づく評価を行う。
サービスを評価する狙いどころは、事業所が良質なサービスの水準を確保することによって、利用者の安心と満足を図ること。一定水準のケアサービス維持すること。一年に一回の継続的な評価がケアの向上を促す効果を持つことなどだ。

◆結果公表は3月に、スケジュール明示
平成 18 年4月に開設した小規模多機能型事業所は今年度内に自己評価と外部評価の結果公表が必要とされ、その準備状況についても示された。実施の要綱と自己評価、外部評価項目を含んだ通知の発出は 10 月半ば、実施方法についてのガイドラインは 10 月末を予定している。 11 月初旬に、都道府県は市町村、事業者、評価機関へ「通知、ガイドライン」を周知し、 11 月中旬に評価機関を選定する事としている。自己評価の実施は1月上旬から中旬。評価機関の外部評価の実施は1月から2月にかけて行い、外部評価結果の公表は3月に予定されている。
評価機関の評価調査員の研修は 11 月から 12 月にかけて行われる。

◆評価機関はワムネット、事業者はホームページに公表
評価機関の結果の公表は独立行政法人福祉医療機構が運営するワムネットを利用して自己評価と外部評価を公開する。事業者の評価結果の公表は、?利用申込のあった者やその家族に対する説明の際、?事業所内に掲示、ホームページに掲示、?利用者、家族への提供、?指定を受けた市町村に提出、?運営推進会議において説明する、ことになっている。これにより利用しようとする者は事業所のホームページやワムネットにアクセスし、必要な情報を取得することが出来る。

◆利用者を混乱させない関係づくり
同日、小規模多機能型居宅介護の実践例として宅老所・グループホーム全国ネットワーク代表世話人川原秀夫氏が熊本市小規模多機能ホーム「きなっせ」を紹介した。冒頭、小規模多機能サービスはなかなか理解してもらえない。と、衝撃発言。集まった都道府県の担当者も一瞬凍りついたかたちだ。小規模多機能は「デイサービス+ホームヘルプサービス+ショートステイ」の単発のサービスを組み合わせれば良いと考えている人がいかに多いかと訴えた。 24 時間365日、その人の暮らしを支える。小規模多機能は在宅で安心して暮らしていくためのツールと強調した。
利用者はほとんどが認知症。認知症を家族の都合で、今日はA施設でデイサービス、土日はB施設でショートステイでは混乱するのは当然で、「通い」を中心にしたデイサービスでなじみの関係を構築する中で「泊まり」を可能とする施設運営ができるのは小規模多機能と訴えた。

<要介護認定1次判定見直しへ>
要介護認定の1次判定の見直しに向け厚生労働省は10日、専門家が技術的な助言を行う要介護認定調査検討会を開いた。要支援が1と2に分かれるなど介護保険制度が見直されるなど状況が変化する中、より精度の高い1次判定に改めるねらい。12月頃から施設を対象に新たな認定調査票で要介護高齢者と提供されているサービス内容を調べ1次判定のロジックを組み立てる。



[2006/10/08]
 介護予防で大腿骨骨折

<介護予防で大腿骨骨折、厚労省が安全徹底を通知>
4月にスタートした介護保険の介護予防サービスに伴う事故で80歳以上の高齢者1人が骨折していたことが分かり、厚生労働省は6日までに、各都道府県に安全確保の徹底などを通知した。
同省によると、介護予防サービスを受ける前に実施される体力測定の片足立ち時間測定の際、高齢者が転倒。大腿骨の付け根を骨折していた。転倒が直接の原因か、骨密度の低下から既に骨折していた部分に負荷が掛かって転倒したのかは不明だという。
同省は事故のあった地域や高齢者の性別など詳細を明らかにしていない。これ以外の事故は把握していないとしている。
都道府県への通知では「片足立ち測定の際に対象者のそばに立って安全を確保する」などマニュアルを徹底するよう求めた。マニュアルには(1)本人が不安を訴える場合は無理をしない(2)体調に異変があった場合は速やかに医師などに伝える−などの注意事項もある。
介護予防は、4月から要介護度の低い要支援1、要支援2の人を対象に、心身の状態の悪化を防ぐために始まった。

(東京新聞より)

<生活保護、過去最多の104万世帯 05年度の月平均>
05年度の1カ月平均の生活保護世帯数が、104万1508世帯と初めて100万世帯を超え、過去最多となった。92年度の58万5972世帯を底に増加の一途をたどっている。景気回復に伴い、伸び率は鈍化しているが、厳しい状況が続いている。
厚生労働省が6日発表した社会福祉行政業務報告でわかった。月別では04年10月に100万世帯を突破。05年度に入っても100万世帯を超える水準が続いている。新たに保護を受け始めた世帯は前年度より8.1%減ったが、経済的に自立して保護の対象から外れる世帯が少ないために、増加傾向は止まっていない。
保護世帯のうち最も多いのは夫婦ともに65歳以上の高齢者世帯で、全体の43.4%を占め、障害者・傷病者世帯(37.4%)が続く。母子世帯(8.7%)は前年度より3053世帯増え、9万531世帯だった。
受給者数は147万5838人で、5万2450人増えた。伸び率は3.7%で、前年度より2.2ポイント下がった。世帯数の伸び率(4.3%)よりも受給者数の伸び率が低いことから、母子家庭など一人親の世帯や中高年の単身者が増えているとみられる。
保護内容は、医療費にあたる医療扶助が前年度比4.6%増。食費や光熱費などの生活扶助が同3.7%増だったのに対し、高齢者の増加に伴い、老健施設などに入る費用の補助である介護扶助が11.4%増と大幅に伸びた。
生活保護を受け始めた理由は、「傷病」が42.8%(2.7ポイント増)と最も多く、「収入の減少・喪失」は0.9ポイント減の19.5%だった。
保護世帯の増加について、厚労省保護課は「働き口が少ないため、保護を受け始めた世帯がそのまま受け続けざるを得ない状況が続いている。失業率が改善すれば、受給者が減少に転じる可能性もある」とみている。

(朝日新聞より)



[2006/10/07]
 リハビリ打ち切り、実態調査へ

<リハビリ、医療保険打ち切り 厚労省が実態調査へ>
医療保険で受けられるリハビリの期間が、今年4月の診療報酬改定に伴い、最長180日間で原則打ち切られた問題で、厚生労働省は制度の見直しを視野に、その後の患者の状況について実態調査に乗り出すことを決めた。月内に調査を始めて年度内に結果をまとめ、中央社会保険医療協議会(中医協)に報告する。
厚労省は専門家を交えた委員会を作り、調査・分析方法を検討した上で、大手シンクタンクの三菱総合研究所(東京都千代田区)に調査を委託する。リハビリを実施している病院・診療所を抽出し、打ち切られた患者の状況などを調べる。結果を受けて中医協が検討し、改正が必要と判断した場合は08年度の診療報酬改定に反映される見通し。
06年度の改定では、1日に医療保険が適用されるリハビリ時間を増やす一方、一部の難病を除いて▽脳卒中などの脳血管疾患180日▽骨折など手足の損傷150日▽肺炎など呼吸器疾患90日――など疾患別に保険適用期間の上限を設けた。厚労省医療課は「(回復までの)急性期には医療保険を使い、その後の維持期は介護保険で介護施設を利用してほしい」としている。
しかし、患者らからは介護保険の利用について、施設や専門職の不足などから不十分という声が強い。医療保険の上限撤廃を求めて、これまでに44万人を超える署名が国に提出されている。
署名の呼びかけ人の一人、兵庫医科大の道免和久教授(リハビリテーション医学)は「患者は一人ひとり違う。医療で大事なのはその個別性だ。上限が過ぎてリハビリを受けられず、疾病の悪化が懸念される患者が出始めている。一日も早く見直すべきだ」と話している。

(毎日新聞より)

<終末期医療のあり方が焦点 後期高齢者の診療報酬の検討始まる>
2008年4月からスタートする後期高齢者医療制度における診療報酬の在り方に関する検討が厚生労働省の社会保障審議会後期高齢者医療の在り方に関する特別部会で始まった。当面は入院医療や外来医療、在宅医療などに関して、関係者からヒアリングを行い意見集約を目指すが、終末期医療の在り方が焦点になりそうだ。ただ、終末期医療に関しては、厚労省の他の検討会で検討することもあり、整合性をどう図るかなどが課題となる。来年3月までに基本的な考え方を取りまとめ、夏〜秋にかけて診療報酬体系の骨格をまとめ、中央社会保険医療協議会に報告する。

<療養病床ある病院、7割が収入減 新診療報酬で>
病状が安定したお年寄りが長期入院する療養病床を減らすために7月から新たな診療報酬が実施されたことに伴い、療養病床がある病院の7割が収入減となっていることが4日、日本病院会(2702病院加盟、山本修三会長)の調査で分かった。同会は「経営が成り立たない療養病床が閉鎖され、行き場を失うお年寄りが続出するおそれがある」としている。
調査は会員の1015の病院を対象に実施、216病院から回答があった。今年7月の病院収入を昨年同期と比べると、療養病床のうち医療保険から支払われる病床をもつ病院の68.5%で収入が減っており、約2割は20%以上の減収だった。
今回の診療報酬改定では、患者を医療の必要度で三つに区分し、病状が重い人の入院料を引き上げる一方、病状が軽い人の入院料は大幅に引き下げた。このため、病状の軽い人の割合が多い、療養病床を持つ病院が収入減となったとみられる。
療養病床には、医療保険から支払われる「医療型」と、介護保険から支払われる「介護型」があり、合わせて全国に約38万床ある。厚生労働省は医療費削減のため、12年度までにこれらの約6割を削減する方針で、リハビリを中心とした介護施設への転換を狙っている。
同会は「厚労省の基準で病状が軽いとされた入院患者でも、多くは持続的な治療が必要だ。療養病床の廃止によって医療の質が低下するのは確実だ」としている。

(朝日新聞より)

<HCR2006 介護ベッド最新動向> 
国保中央会の今年四月の審査分で、全国の介護保険レンタルの費用は約160億円。そのうち、63%を介護ベッドとその付属品が占める。要介護1以下の高齢者へのベッド貸し出し費用は全体の38%を占めており、軽度者への利用制限が業界に与える影響は深刻だ。
初日のオープン直後から最大手のパラマウントベッドの展示スペースは黒山の人だかりができた。
新商品としては、1モーターでシンプルなデザインの「アウラ電動ベッド」を展示した。価格は13万7000円と廉価に抑えた。在宅向けでは主力の「楽匠」シリーズとは差別化し、保険外レンタル用や購入者向け製品としてラインナップに位置付けし直したものだ。「保険が利用できなくなる人が出ることで、今は廉価な製品のニーズがある。今後事業の主力にとは考えていない」。あくまでも緊急避難的な対応と佐藤泉営業本部部長はいう。
一般市場向けに従来の高級シリーズとは別バージョンの二モーターベッドの販売も開始するが本格的な対応は今後のニーズを見極めてからという。利用制限のあおりで、今年4月から6月の売り上げは、前年同期に比べ半減。これに伴い、四半期の経常利益は89%減の1億6400万円まで落ち込んでいる。奇しくも、26日付で100人規模の希望退職者の募集を公表したところだ。
介護保険を追い風に順調にシェアを伸ばしてきたシーホネンスは、中重度者向けの商品を高機能化することで軽度者向け減少分に対応するという。

(シルバー新報より)

<介護支援専門員7割 困難事例「経験あり」>
経済的な理由で介護保険サービスが利用できなかったり、本人や家族がサービスに拒否的で必要な支援を受け入れてもらえないケースが潜在化していることが立命館大学の研究グループの調査でわかった。「介護保険の限界」をあきらかにしたかたちだ。
調査を行ったのは、立命館大の「高齢者の援助拒否・社会的孤立・潜在化問題研究会(代表・小川栄二教授)。05年の11〜12月にかけて介護支援専門員へアンケートを実施し、426件の回答を得た。
介護保険施行以降に対応に困った事例があると回答した介護支援専門員は72.6%あった。困難事例にあたるとされたのは総数で1530件だ。具体的な内容について7項目の選択肢から複数回答で選んでもらったところ、最も多かったのが「食事・清潔・室内の整頓など日常生活の内容が極端に悪化していた例」で64%があげた。そのほか、「認知症などの問題行動で対処に困った」「経済的困窮」が五割を超える。

(シルバー新報より)



[2006/10/05]
 診療報酬、75歳以上に定額制を検討

<診療報酬、75歳以上に「定額制」厚労省が検討へ>
厚生労働省は75歳以上の人の診療報酬(治療費)について、08年4月から病気の種類や病状に応じた「定額制」とする検討に入った。社会保障審議会に5日、「後期高齢者医療のあり方に関する特別部会」を発足させ、具体案の検討を始める。現行の「出来高制」は医療費増大の要因とされ、定額制が導入されれば医療費の抑制につながるだけでなく、お年寄りの自己負担も減る。ただ、医療機関を適切に評価する制度がない現状では、高齢者医療の切り捨てにつながりかねない危険性もはらんでいる。
出来高制の下では、医師が患者を「薬漬け」にし、収益を上げることも可能。定額制なら過剰診療分は医療機関の出費となり、ムダな治療に歯止めをかける効果はある。同省は「医療費のかかる75歳以上を対象にすれば抑制効果が大きい」と判断した。
具体案は部会で今年度中に詰めるが、厚労省は入院治療について、脳腫瘍(しゅよう)や白内障など個別の病気それぞれに薬剤、検査費まで含めたワンパッケージで価格を設定する考えだ。同じ病気でも投薬量、検査回数など治療の必要度に応じ、複数の定価を設ける。
厚労省は外来や終末期医療への導入も検討しているが、日本医師会は「必要十分な治療ができず、過小診療を招く」と強く反発。小規模診療所まで対象にすれば収入減となる可能性が高く、議論の混乱も予想される。
今年成立した医療制度改革関連法は、75歳以上を対象とした新健康保険創設(08年4月)を盛り込んでいる。同省は、75歳以上の診療報酬も高齢者の特性に応じた独自の体系に再編する必要性を主張していた。

◆出来高制と定額制
現行の診療報酬は、手術、検査など診療行為ごとに点数が決められ、その合計を治療費とする出来高制が基本。医療機関は点数を積み上げるほど収入が増え、過剰診療を誘発すると指摘されている。一方、過剰診療にも決められた価格しか払わないのが定額制で、医療費抑制策の切り札とされる。その半面、差額を浮かすことを狙った過小診療の呼び水となる危険もある。厚労省は06年度、360病院で定額制を試行している。

(毎日新聞より)

<「腎臓売買」病院に診療報酬返還請求へ>
腎臓移植の臓器売買事件の舞台になった宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)で行われた手術の多くが、診療報酬請求の要件を欠いていた疑いが強まったとして、愛媛社会保険事務局は4日、返還請求の方向で調査に入ることを決めた。
腎移植を含む24分野の手術を健康保険で行うには、病院で手術を受けるすべての患者に文書による説明が必要だが、同病院は生体腎移植手術で口頭の説明しかやっていなかった。調査で確認されれば、返還額は手術料だけで数千万円にのぼるうえ、腎臓以外も含めた多くの手術が保険でできなくなり、病院経営に大きな影響が出そうだ。
今年4月に改定された診療報酬制度では、腎移植、肺がんなど24分野の手術について、保険適用の条件として〈1〉その施設で行う手術すべてで、患者に文書を交付して内容を説明する〈2〉各分野の手術の1年間の実施件数を見やすい場所に掲示する――など4項目の施設基準を定めている。これらをすべて満たし、社会保険事務局へ届けた施設でないと手術料を請求できない。

(読売新聞より)

<介護支援のロボットを開発>
松下電器産業の大坪文雄社長は4日、千葉市で開催中の家電や情報技術(IT)の展示会「シーテック」で講演し、介護支援ロボットやリハビリ用スーツの開発に取り組んでいることを明らかにした。
介護者が65歳以上の「老老介護」が増える中、支援ロボットは寝たきりの高齢者らをベッドから車いすに移す作業を介護者の後方から補助。ロボットの2本のレバーを操作するだけで簡単に人を持ち上げ、移動させることができるという。
大坪社長はロボットについて「現在の実験機よりもっと小型、軽量化し操作性も高め、家庭でも使ってもらえるようにしたい」と述べ、早期の実用化に意欲を示した。
リハビリ用スーツは病気で体にまひが残った際の使用を想定。左腕のリハビリをする場合、センサーで感知した健常な右腕の動きを、左腕に取り付けた人工筋肉に伝え、右腕と連動し曲げ伸ばしができるようにする。
松下は交通事故防止システムの開発も進めている。歩行者との追突などを防ぐため、車に搭載した小型カメラやセンサーで運転手が気付くより早く危険を予測する。「近い将来、総合的な安全運転支援システムを実現したい」(大坪社長)という。

(共同通信より)

<地域密着型サービスの評価項目案を提示 厚労省>
厚生労働省は5日、自己評価と外部評価の実施が義務づけられている地域密着型サービスについて、具体的な評価項目の案を示した。中旬に通知を出して来年1月から実施する。今年4月に指定された事業者については来年3月中に公表する予定だ。

<7月の診療費 6割の病院で減収>
今年7月の診療費総額が前年同月に比べ減収となった病院は6割で、とくに療養病床でその割合が高いことが、日本病院会民間病院部会の調査でわかった。医療療養病床に医療区分に応じた診療報酬体系が組み込まれたことが減収の要因となっていそうだ。

<日医がテレビCMを開始 イメージアップを図る 7日から>
日本医師会は7日から、日本の医療が直面する問題を国民に広くアピールしつつ、日医のイメージアップを図る内容のテレビコマーシャルを毎週土曜日の朝と夜に放映する。「高齢者医療」「学校保健」「医師の心ない一言」をテーマにした3編(30秒・60秒の各2バージョン)を、2週ずつ放映していく予定だ。




[2006/10/04]
 終生、無償で看護を約束

<「終生、無償で看護」約束 医療過誤裁判で和解 愛知>
昏睡(こんすい)状態になったのは愛知県半田市の市立半田病院が適切な外科手術をしなかったためだとして、寝たきりで同病院に入院している同県知多郡内の50歳代の男性と家族が、同市を相手取り、1億7000万円の損害賠償を求めた訴訟は2日、名古屋地裁で和解が成立した。市は、慰謝料など8200万円を支払うほか、「終生にわたって無償で適切な看護、医療を受けさせる」と、条項に盛り込んだ。
同病院は「家族の意向をできるだけ受け入れた」という。条項ではまた、病院が将来、閉鎖するなどした場合も、市が転院先を確保し、無償提供するなどとした。
訴状によると、男性は98年7月、自宅で下血して近くの医院で胃潰瘍(かいよう)と診断。同月31日夜、半田病院に入院した。担当医は内視鏡で止血したが、男性は数日間、吐血を繰り返した後、植物状態に陥った。男性の家族は、病院は外科手術をすべきだったと主張。同地裁が今年1月、和解を勧告していた。
財団法人「日本医療機能評価機構」裁定委員で、医療過誤で子を失った勝村久司さんは「今後、被害者をどう助けていくかを明確にした理想的な和解で、とても珍しい」と話した。

(朝日新聞より)

<給付費、初の3カ月連続減 介護保険、家事援助制限で>
介護保険から支払われる給付費が、4月以降、2000年度の介護保険制度導入後、前年同月比で初めて3カ月連続で減ったことが3日、国民健康保険中央会(国保中央会)の調べで分かった。
政府は制度発足以来、毎年2けた前後で伸びている介護保険給付費を抑制するため、4月から要介護度が軽い人に対する家事援助の利用を制限、その効果が早くも表れた格好だ。ただ要介護度が重くなるのを防ぎ中長期的な給付抑制につなげることを狙って始めた筋力向上トレーニングなどの介護予防サービスは給付費全体の1%程度にとどまった。
国保中央会によると、給付費は4月が4537億円で2・8%減、5月は4830億円で0・4%減、6月も4767億円で1・2%の減少。このうち介護予防は、導入直後の4月が13億円、5月が39億円、6月は64億円と伸びているが、全体に占める割合は6月分で1・3%。
このほかのサービスを6月分で見ると、家事援助などを含む訪問介護やデイサービスなどの居宅サービスが7・3%減。特別養護老人ホームなどの施設サービスは、昨年10月に食費、居住費が自己負担となった影響で7・7%減少した。
厚生労働省によると、4月の制度変更で、これまで要介護1だった人の6−7割は、それより要介護度が軽い要支援2となる見通し。最も軽い要支援1を含めた要支援の人が介護予防の対象で、筋トレのほか栄養改善の指導などが受けられる。訪問介護では、ホームヘルパーによる調理や洗濯などの家事援助が減らされた。
介護給付費は施設サービスの負担増があった昨年10月に減少、12月、今年1月にも減ったが、2、3月は増加に転じていた。



[2006/10/03]
 静岡県立病院機構で3病院を運営

<静岡県立3病院/2008年度から「静岡県立病院機構」で運営>
静岡県は、2008年度をめどに所管の県立3病院を一般(非公務員型)地方独立行政法人に転換する方針を決定した。県立病院での本格的な非公務員型による地方独法化は、全国で初めて。公務員型の独法化は、すでに大阪府が進めている。ただ、02年9月に地方公営企業法の全適で開院した県立静岡がんセンターは、段階的な開棟計画を進めており、当面はフルオープンに向けて注力する。今後、3病院の状況を踏まえてフルオープン後に、運営体制を検討することにし、今回の地方独法化に同がんセンターは含めないことにした。

◆ほかの経営主体の病院への医師派遣も可能に
静岡県立3病院(県立総合病院・県立こども病院・県立こころの医療センター)は現在、地方公営企業法の一部適用で運用されている。しかし、地方公営企業法の一部適用では、地方自治法や地方公務員法が適用となり、県立病院から医師不足のほかの医療機関への医師派遣(災害派遣は除く)や、看護師などの人材確保などに制約を受けてしまう。そのため、県内医療機関の中核病院として、柔軟かつ迅速な対応を図ることができない状況が続いていた。
その一方で06年度の医療制度改革では、都道府県単位でも生活習慣病対策に基づく医療費削減や、医師確保対策などに取り組む方向が打ち出され、これまで以上に地域医療が果たすべき役割が鮮明となっている。
こうした地域医療を取り巻く環境の変化に対応していくため、静岡県では昨年末から検討会を設置し、協議を行ってきた。その結果、「県立3病院を1つの一般地方独立行政法人で運営する形態に移行することが望ましい」との提言を今夏に受けた。
これを受け同県は、08年度中に県から独立した地方独立行政法人「静岡県立病院機構」(仮称)を設置する方針を決定。今後、法人組織体制の具体化や、定款の制定、関連条例の制定、出資財産に係わる調査、評価委員会など所定の準備作業を開始する。そして、総務省の認可を得ていく計画だ。
今回の検討では、地方独立行政法人化以外の選択肢として指定管理者制度あるいは地方公営企業法の全適についても検討された。指定管理者制度については、県立3病院の継続性や、近隣に管理者とするに足りる事業者がいないとの判断から選択肢から外された。全適については、県立静岡がんセンターが、今後も全適で運営される。同検討会では、県立3病院と同じ運営形態の地方独法化を検討すべきとの考えも示されている。

◆業務実績が反映できる給与体系などに移行
非公務員型の地方独立行政法人化を進める具体的な効果について同県では、現場に人事管理、予算編成・執行の権限を委譲することで、病院としての意思決定が迅速に行えるとした。また、業務実績(病院の医業収入など)が反映できる給与体系が構築でき、職員の配置も病院の企業戦略に合わせることが可能になるなどとしている。このほか、法人化によって評価委員会が設置され、運営の透明性が向上し、外部識者の意見も反映されるようになるとしている。
その一方で今回の独法化は、非公務員型となっているため、病院職員への改革の意義に関する周知徹底が、法人化後の病院事業の成否を決める鍵になる。同県では今後、法人化の意義について、末端の職員にまで十分理解してもらうための説明を行っていく計画だ。
同県では「福岡県では、県立病院を一気に民営化にもっていける地域医療環境にあった。当県では、県立病院に対する地域医療ニーズが増えており、経営的に余裕がある今こそ、改革を進めるチャンスと判断している。病院職員とは、十分話をすれば理解してもらえると考えている」と話している。
また同県では、事前に福岡県・大阪府の病院改革をリサーチしており、地域における医療資源、地域医療の中での位置付けなどが異なると判断。「当県の県立病院改革は、地方独立行政法人化で行うことになった。今後は、法人化改革と平行して個々の県立病院が、機能向上に向けた取り組みを、計画に従って進めていく」としている。

◆個々の県立病院の機能拡充も推進
個々の県立病院の目標で県立総合病院は、来年4月にDPC準備病院への手挙げのほか、同年度中に地域医療支援病院の承認を目指す計画だ。すでに同院では、今年2月から整形外科・泌尿器科・腎臓内科の3科で完全紹介外来制を試行し、一定の成果を得ている。
今後は、対象の診療科を増やしていく計画だ。機能の拡充では、今年10月から静岡PETイメージングセンターの開設、08年6月には循環器病センターの開設を予定している。
さらに、県立こども病院では、来年6月に周産期センターを立ち上げ、08年度中には「こどもと家族のこころの診療センター」(仮称)を開設する計画だ。「こころ」から「からだ」まで、高度で専門的な小児医療を総合的に提供できる診療体制を確立することを目指している。

<パラマウントベッド、楽な姿勢取りやすい医療・介護用ベッド>
医療・介護用ベッド最大手のパラマウントベッドは2日、モーターを1台搭載した在宅介護用ベッド「アウラ電動ベッド」をリニューアルして発売した。手元のスイッチで背中が最大75度まで上がる。連動してひざが同8度まで上がるようにし、従来品に比べ背中を起こす際に体がずれにくく、楽な姿勢を取ることができる。
ベッドの高さが25センチメートルと32センチの2種類をそろえた。それぞれ組み立て時に4センチ刻みで3段階の高さ調整ができる。和室などでも違和感がない濃い木目調にした。
4月の介護保険制度の改正で軽介護者はベッドのレンタル費用が全額自己負担になった。制度改正を機にレンタルから購入に切り替える利用者の需要を見込む。価格は13万7000円。初年度3000台の販売を予定している。

(日経産業新聞より)

<がん治療費、「説明十分」は25% 自己負担年40万円>
がん治療の自己負担は年間約40万円で、医師から十分に説明を受けたと感じているのは患者の4人に1人――。東北大の濃沼信夫教授(医療管理学)らの調査でこんな実態が浮かび上がった。横浜市で開かれた日本癌(がん)学会で9月30日、発表した。
各地のがんセンターや大学病院など35施設の患者約4200人と、医師約700人に、年間の費用負担や医師からの説明状況について聞いた。
その結果、入院費だけに300万円近く払っている人も少数いたが、一時的な立て替えなどを含む支払総額の平均は93万1000円。収入や年齢で決まる自己負担の上限を超えた分の払い戻しや、民間のがん保険などの給付金が53万8000円あるため、「正味」の負担額は約40万円と推計された。
このうち健康食品や民間療法を取り入れていた人は6割。平均の支払額は20万8000円で、正味負担額の半分を占めた計算になる。
だが、こうした負担の説明を医師から「十分に受けた」と感じている患者は24.9%で、「なかった」が56.1%、「覚えていない」が14.9%だった。医師側は「あまりしない」「全くしない」が8割近く、「必ずする」は5.2%にとどまった。
濃沼さんは「医師側は治療法だけでなく、費用のことも十分説明して患者の同意を得ることが大切」と指摘している。

(朝日新聞より)

<出産育児一時金 医療機関への直接支払いに〜2日から新方式>
社会保険庁は2日から、政府管掌健康保険と船員保険における出産育児一時金の支払いについて、医療機関に直接支給する方式に改めた。これまで被保険者がいったん医療機関に費用を全額支払った後に一時金の支給を受けていたが、新制度では保険者が医療機関に直接支給するため、被保険者の費用負担が軽減される。
新たな方式では、医療機関から被保険者に対する分娩費用の請求額が35万円以上となる場合、保険者は一時金35万円全額を医療機関に支払う。被保険者は請求額から35万円を差し引いた金額だけ医療機関に支払えばよい。請求額が35万円未満の場合には、請求額分だけが医療機関に支払われ、35万円から請求顕との差額は保険者が被保険者に直接支給する。
被保険者は、分娩前に出産育児一時金請求書を保険者に対し提出する手続きとなる。その際、母子健康手帳や出産予定日を証明する書類の提示もしくは写しも添付する。医療機関側は分娩後に医療機関が分娩費請求書と出生証明書類の写しを保険者に送付すると、出産育児一時金が支給される。

<看護師不足解消に特例措置を要望>
2006年度診療報酬改定で7:1入院基本料が新設されたことや、看護職員の夜勤72時間規制が設けられたことなどにより看護師が不足している問題について、四病院団体協議会の総合部会は9月27日地域の実情などに応じた特例措置を求めていく必要性を確認した。具体的な方法や時期は未定だが、看講師の不足問題には地域や診療科、病院規模によって格差があるため、実情に応じた特例措置を求めていく方針だ。
この日記者会見した日本医療法人協会の豊田全長は「このままでは病院が地域での役割を果たせなくなる」との危機感を示し「看護師の絶対数が足りない。需給計画を見直す必要があるのではないか」と述べた。また、「看護学校やその定員を増加させてほしい」との考えも示し、医師不足が特に深刻な10県などで医学部定員を増加させる方針が打ち出されたことを挙げ「(看護師不足も)医師不足と同様。地域特性に応じた柔軟な対応が必要」と指摘した。



[2006/10/02]
 今日から高齢者医療の自己負担増

<今日から高齢者医療の自己負担増、出産一時金アップ>
医療、年金など国民生活に身近な社会保障分野の新制度が10月1日からスタートする。
医療分野では、現役並み所得がある70歳以上は窓口負担が2割から3割に上がる。
また、長期療養の療養病床で入院する70歳以上の患者は、食費や光熱費など居住にかかる費用が原則、自己負担になる。相部屋利用の場合、現在月額2万4000円(食材費に相当)が月額5万2000円となる。
ただ、難病や人工呼吸器が必要な患者は負担を据え置く。
少子化対策では、出産育児一時金が30万円から35万円にアップする。
一方、社会保険庁は来春スタートする離婚時の厚生年金分割制度により、離婚後の年金額を事前に試算するサービスを始める。対象は50歳以上で、社会保険事務所に年金手帳や戸籍謄本などを提出して申請する。

(読売新聞より)

<ローソン、高齢者向けコンビニ拡大>
ローソンは高齢者に対応した新型のコンビニエンスストアを大幅に増やす。野菜や果物の品ぞろえや休憩スペースの設置などが特徴で、3年以内に現在のローソン8300店の3―4割を高齢者対応型に改装する。売上高の前年割れが続く既存店のテコ入れにつなげる。
佐賀市内で30日、同社で12店目、九州地区では初の高齢者対応店「ローソンプラス」を開店した。ローソンが持つ全国7支社の管轄地区のうち、関東を除く全エリアで同タイプの出店が完了した。

(日本経済新聞より)

<小規模多機能居宅介護、職員配置で緩和措置> 
厚生労働省は19日、地域密着型サービスの指定基準について、小規模多機能型居宅介護で新規に指定申請を行う場合、日中確保すべき職員数を通いサービスの利用定員の50%の範囲内で算定できるとするなどの緩和措置を盛り込んだ基準改正を通知した。
同サービスの指定基準では、訪問サービスを除く日中の従業者数は常勤換算で通いサービス利用者の3人に1人とし、利用者数は前年度の平均値をもとに算出することとなっている。その際、前年度に1年未満の運営実績しかなかったり、4月以降に新規で開設する事業所については新設から6カ月の間は宿泊定員の九割を利用者数として算定できるとしていたが、新規開設の事業所の場合は利用者が集まるまでに時間がかかることを考慮し、通いサービスの利用定員の50%の範囲内で日中の職員を配置することができるようにした。

(シルバー新報より)

<セコム「コンフォートガーデンあざみ野」開設>
セコムグループのメディカル事業の中核企業であるセコム医療システム(渋谷区、小幡文雄代表取締役社長)は10月1日、横浜市に介護付き有料老人ホーム「コンフォートガーデンあざみ野」を開設する。入居一時金の最多価格帯は7000万円台、最高2億円で同社自らが「ハイエンドクラス(最高級)」と位置づける。個室ユニットの介護専用居室のほか、介護居室に移り住むまでの重度のケアが必要のない人が日中、安心してゆったり過ごせるエリアを設け、自立から要介護状態まで切れ目なくサポートできるようにしたのが特徴だ。
セコムグループの有料ホームは、高級物件である「サクラビア成城」「ロイヤルライフ多摩」と、中堅層以上向けの介護専用型ホーム「アライブ」シリーズがある。これまでの運営ノウハウや在宅医療の実績を結集して、最高級クラスとして展開するのが新しい「コンフォート」シリーズだ。
高級タイプのホームの場合は、自立した高齢者が余暇を楽しむための設備、サービスに力を入れるところが多く、ケアはおまけになりがちだが、「介護があることを当たり前のこととして」力を入れているのが大きな特色だ。

(シルバー新報より)



[2006/10/01]
 障害区分、準備期間足りず認定遅れ続出

<障害区分、準備期間足りず認定遅れ続出 支援法1日施行>
10月1日に本格施行される障害者自立支援法に基づく障害程度の区分認定や新しい資格の研修が、多くの自治体でスタート時に間に合わない事態となっている。作業が遅れている自治体では当面、利用者が従来のサービスを変更しないで済むよう、「みなし区分」や「みなし資格」を活用する方針。ただ、こうした対応が逆に、新法が掲げる「サービス事業の新体系移行」にブレーキをかけている。
障害程度の区分認定は、身体・知的・精神障害者の障害状況について、要介護認定基準などを使った1次判定と、特記事項などを踏まえた2次判定によって6段階に分ける。同法が定める介護給付など、新体系でのサービス支給を決める指標となるため、施行前の認定が不可欠だった。
だが、1次判定を行う調査員が足りなかったり、2次判定に必要な医師の意見書の回収が進まなかったりして、対象者の多い大都市圏で9月末に間に合わないケースが続出。政令指定市では横浜、広島両市を除く13市で、障害者の約2〜48%が「未認定」のままだ。法成立から施行まで約11カ月と、00年施行の介護保険法(約2年5カ月)に比べて極端に短かったことが、影響したとみられる。
京都市の場合、対象者2500人のうち半分強の1300人しか認定作業が終わっていない。「すべて終了するのは12月になる見込み」(障害企画課)。川崎市の担当者も「1回3時間の審査会で60〜70件を審査するハイペースで進めているが、それでも10月末までかかる」と漏らす。
未認定者に対しては、どの自治体も1次判定の結果と現在のサービスの利用状況を踏まえて「みなし認定」し、同じサービスを継続する方針だ。
障害者の区分が変わればサービスの報酬単価も変わるため、施設側の経営に大きな影響を及ぼす。京都市内でグループホームなどを運営する社会福祉法人「京都ワークハウス」の理事は「厚労省が立てたスケジュールに無理があった」。
こうした指摘に、厚生労働省精神・障害保健課は「認定作業に遅れが出ているかどうか、把握していない」としている。
障害程度区分に見合った個別の支援計画を作成するための新資格で、グループホームなどへの配置が義務づけられた「サービス管理責任者」の研修も、施行前に終わったのは千葉、大阪、山口の3府県のみ。同省の都道府県向け研修が今月6〜8日と遅かったためだ。
大阪府は20〜22日に研修を実施し、約400施設が参加した。19日には福祉サービスの利用を助言する相談支援専門員の研修もあり、施設職員は4日間連続で研修に出ざるを得なかった。府障害保健福祉室は「必修の研修であり、施行に間に合わせる必要があると判断した」と説明する。
同府枚方市と交野市で二つのグループホームを運営する社会福祉法人「フォレスト倶楽部」は、研修参加のために臨時のパート職員を雇って対応した。横田美貴施設長(44)は「スタッフが代わり、利用者に負担をかけた。心苦しい」。
未実施の自治体は「5年以上の実務経験があれば、08年度末までに研修を受ければよい」とした経過措置を利用する。厚労省の担当者は「初めて設ける資格。研修プログラムの作成などに時間がかかった」としている。

(朝日新聞より)

<改正介護保険法施行から半年 政府の本音は給付費抑制>
4月の改正介護保険法施行から半年。行政が「軽い介護で済む」と認定した人へのサービスを、筋力トレーニングなどの「介護予防」中心に切り替えたのが改正法の柱で、筋トレには一定の身体改善効果もうかがえる。ただ、政府の本音は給付費抑制にあり、併せて導入した家事サービスの利用制限には、不安、不満の声が広がっている。

◆「予防」重視の成果は…要介護度「下げ」に不安の声
東京都大田区の松井正子さん(74)は週3回、つえをつき不自由な足を区内のデイサービス施設に運んでいる。「立つ時、おなかに力を入れないといけませんから」。そう言いながら、腹筋を鍛えるマシンに座った。松井さんはまだ新区分の認定を受けておらず、旧「要介護1」だ。体調がいま以上悪くならないよう心掛け、「(筋トレは)何より優先してやっています」と言う。
同じ施設に通う同区の宅明伸支郎(たくみょうしんしろう)さん(67)は、週2回の筋トレでしびれがある右腕などのリハビリをしている。「週1回だと体調が悪くなる。筋トレは現状維持にはなっている」と話す。
筋トレは専門家の指導に従い、計画的に取り組まないと逆に体を傷めてしまう危険もつきまとう。同施設では医師が事前に診察し、やる気があってしかも効果が見込めそうな人にだけ筋トレをさせている。そうした人に限ってではあるが、改善した人の割合は標準とされる1割を大きく上回っているという。
介護保険は00年4月の制度発足時、認定者数218万2000人でスタートした。しかし高齢化の進展で、06年3月末には456万人に増加。旧認定区分の「要支援」か「要介護1」と認定された、軽い介護で済むとされる人が84万2000人から224万人へと急増したことが要因だ。
背景には、高齢化に加え、民間参入を認めた介護保険ならではの業者による利用者掘り起こしがある。厚生労働省の推計では、14年度には軽度の人が320万人に達する。これに伴い00年度3・6兆円だった給付費は今年度6・5兆円となり、14年度には10・6兆円に膨らむ。65歳以上の人の平均月額保険料も今の3293円から6000円にアップする見通しだ。
そこで軽度の人へのサービスの重点を「介助」から「予防」に移し、より費用のかかる重度認定者になることを防ぐという発想に切り替えた。こうしたことで14年度の受給者は40万人少なくなり、給付費は8・7兆円に、保険料も4900円に抑えられるという。
具体的には、「要支援」「要介護1〜5」の6段階だった認定区分を「要支援1」「要支援2」と、「要介護1〜5」の7段階に再編。要介護1〜5の人には従来の介護給付をする一方、要支援1、2の人は新設の「予防給付」対象とした。予防給付はデイサービス施設などで、「筋力トレーニング」「栄養改善指導」「口腔(こうくうう)ケア」からいずれかを選び、心身の衰えを防ぐことが中心だ。
旧「要支援」該当者は、すべて要支援1か2に移すのが政府の方針。旧「要介護1」の人も大半は「要支援2」に振り分け、新「要介護1」に残る人は、認知症で介護予防の理解が困難な人などに限定した(新区分の人数は集計中で不明)。

◆在宅サービス費は大幅カット…「6万円以上」の例も
一方、予防給付の在宅サービス費は大幅にカットされた。要支援2の1カ月の支給限度額は10万4000円で、要介護1から移れば6万1800円の減額になる。サービスの提供回数や時間は減り、炊事などの家事はホームヘルパー任せでなく、利用者にも調理を手伝わせるなど、リハビリ的要素も加わった。
旧要介護1だった横浜市の独居男性(69)は今年5月、要支援2に変更された。それまでは週2回、2時間ずつ来ていたヘルパーが、1時間半で帰るようになった。腰を痛めているので、風呂掃除をしてもらえなくなったことが一番こたえるといい、「保険料を払っているのに、希望するサービスが受けられないのはおかしい」とこぼす。
制度改正の影響を調べるため、東京都社会福祉協議会は都内の事業所など約1000カ所で約3000人にアンケートをし、6月までに702人から回答を得た。その結果8割を超す575人が「何らかの不都合・不便がある」と答え、複数回答で「サービスの時間や回数を減らさざるを得なくなった」(346人)、「サービスを利用できなくなった」(277人)などが上位を占めた。「要介護度がどう変わるのか、不安ばかりを覚える毎日」「自己負担が異常に高くなった」といった記述も目立った。
回答者で制度変更後に認定を受けた人は248人。旧要介護1だった137人のうち79人は要支援2に、40人は要支援1にそれぞれ変更されていた。介護給付から予防給付に変わったのは87%で、政府が当初意図した割合に近い。調査を担当した同協議会福祉部の佐藤正紀さん(44)は「個々の人にとって何が必要なサービスなのか、もっときめ細かく配慮する必要がある」と指摘する。

新認定区分に対しては、「基準が厳しく、介護予防に向かない人も要支援1、2に回されている」といった介護現場からの批判も絶えない。厚労省は当初、今回の制度改正で07年度の平均月額保険料を3900円に抑えられると説明していたのに、市町村が細かく見積もったら4090円にアップすることも判明した。手探りで始まった介護予防だが、今後その効果への疑問や、サービス削減に対する批判がいっそう強まる可能性もある。

(毎日新聞より)