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[2006/11/30]
 病院の経常利益はマイナス

<病院の経常利益は前年度比23.9%減 TKC全国会調査をもとに 日医総研が算出>
日本医師会は11月29日、TKC全国会が集計したデータを日医総研が分析したところ、医療機関の2006年4〜6月(以下、同)の経常利益は前年同期比で、診療所(個人)−3.8%、病院(法人)−23.9%だったことが分かったと発表した。

<社会医療法人の医療業に対する法人税は非課税求める 厚生労働省>
厚生労働省は2007年度税制改正要望で、来年4月に創設する社会医療法人の法人税について、医療業については非課税、収益業務に関しては22%の軽減税率を求めていることが明らかになった。また、特定医療法人についても要件を見直した上で、医療業については非課税を求めている。


[2006/11/28]
 介護福祉士の新養成カリキュラム

<介護福祉士の新養成カリキュラム案提示>
厚生労働省は20日、社会保障審議会福祉部会(部会長=岩田正美日本女子大学教授)に、介護福祉士の新養成カリキュラム案を提示した。新カリキュラムは現行の1650時間を150時間上回る最低1800時間以上。科目や教育内容についても、実際に介護現場で求められている業務に対応した内容とするため、「介護技術」と「こころとからだのしくみ」の科目を新設し、介護計画の立案からサービス提供までの一連のプロセス、介護技術の根拠となる医学的知識などの習得を大幅に強化する内容だ。厚労省は、来年の通常国会で介護福祉士法を改正し、国家試験の受験を全員に義務付ける。従来は3年以上の実務経験で受験資格を得られたが、養成施設での一定の教育を受けることを国家試験の受験要件とする方針で、その受講時間は600時間とした。また、改正介護保険で今年度から始まった介護職員基礎研修の修了者には2年の実務経験で受験資格が得られるようにするが、新カリキュラムの内容を踏まえ、基礎研修のカリキュラムも見直す必要があると提起している。

(シルバー新報より)

<介護保険の対象拡大全国市長の9割「後ろ向き」>
介護保険制度の対象を拡大し障害者施策と統合することについて、全国の91%の市が「統合すべきではない」「慎重に議論すべき」と考えていることが全国市長会の調査から分かった。対象年齢の引き下げについても87%が「慎重に議論」「引き下げるべきではない」と回答としており、現状では市レベルでは受給者・被保険者の範囲拡大には否定的な見方が強いようだ。
調査は今年9月、特別区を含む802の全市を対象に実施。746市の回答があった。

(シルバー新報より)

<薬局のサービス公表義務づけへ 夜間対応、カード可>
どの薬局で薬を調剤してもらうかを選ぶ参考にしてもらおうと、厚生労働省は07年度から全国約5万の調剤薬局に、開局時間や休日・夜間対応、サービス内容など28項目の情報開示を義務づけることを決めた。薬局は都道府県に届け出をし、都道府県がインターネットなどで公表する。
改正医療法で、薬局も診療所などと同様に、医療提供施設として位置づけられたことを受けての措置。これまで薬局の情報公表は、それぞれの薬局の判断に任されていた。
開示するのは(1)薬剤師の数や特定分野の薬に詳しい専門薬剤師がいるか(2)緩和ケアなどに使用する麻薬調剤が可能か(3)クレジットカードが使えるか(4)患者の満足度調査をしているか、など。
薬局が情報開示を拒んだり、虚偽の報告をしたりした場合は、都道府県知事が是正命令を出せる。
厚労省は近く、国民に意見を聞くパブリックコメントを実施し、年内に省令を改正する予定。

(朝日新聞より)

<有床診療所、地域医療連携体制の枠組みに>
厚生労働省では11月21日、全国医政関係主管課長会議を開き、今後の医療提供体制について説明した。有床診療所は、先の医療法改正で入院にかかわる48時間規制が撤廃され病院の病床と同様に基準病床数制度の対象となった。
有床診療所の療養病床は、長期入院を対象とする病床であるため制度が異なるが、有床診療所の一般病床はこれまで入院期間を48時間とする規制、人員配置標準の規定がなく、医療計画の基準病床数制度の対象外とされていた。ところが、へき地の入院施設や高度な手術を行う施設があり、48時間規制が実態と合わなくなったということがその理由だ。改正は医療安全の確保策として、他の医療機関の医師との連携、患者の緊急時に対応する体制確保を管理者に義務づける。さらに、情報開示を通じた医療の質の確保として、医療従事者の配置等一定の情報について、医療情報の都道府県への届出制度の届出対象となり、院内掲示が義務づけられる。改正は12月にも発出される政省令改正を受けて来年1月1日から施行される。
病床過剰地域で設置できる有床診療所の病床は
○在宅医療の推進のため必要とされる有床診療所として医療計画に記載されるもの
○へき地において医療を提供する有床診療所として医療計画に記載されるもの
○小児医療、周産期医療その他の地域において良質かつ適切な医療が提供されるために必要な診療所として医療計画に記載されるもの
上記の診療所の一般病床は届出制となる。

◆4疾病5事業に対応した医療連携体制
国は2月に示した「医療計画作成ガイドライン」を改めて示し、来年4月から始まる改正医療法施行に伴う新しい医療計画制度の本格的な検討の準備を始めるよう指示した。新しい医療計画制度は、これまでの医療計画とは異なっている。がん、脳卒中、急性心筋梗塞及び糖尿病に対応した医療連携体制、さらに、救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期及び小児医療(小児救急医療を含む)(「4疾病5事業」という)に対応した医療連携体制を構築する。
都道府県は、当面の5年間を念頭におき、4疾病5事業について、他の関係計画との整合性を勘案し数値目標を設定することになっている。
医療計画は、地域の医療提供体制の整備を促進するため、医療資源の効率的活用、医療関係施設間の機能連携などの確保を目的としたもの。これまで、医療計画には医療圏の設定や基準病床数に関する事項、地域医療支援病院や療養型病床群の整備の目標に関する事項、医療関係施設相互の機能の分担および業務の連携に関する事柄が定められていた。
今回の医療法改正で医療計画に「4疾病5事業」別の医療連携体制を位置付け、「地域連携クリティカルパス」により、早期に在宅生活へ復帰できるように在宅医療の充実を図ることが大きな目玉になっている。
クリティカルパスは良質な医療を提供する診療計画表で、診療の標準化、根拠に基づく医療の実施、インフォームドコンセントの充実、業務の改善、チーム医療の向上などの効果が期待されている。



[2006/11/27]
 南和歌山で院内助産院を開設

<院内助産院を開設 南和歌山医療センター>
田辺市たきない町の南和歌山医療センターは12月1日から、助産師が出産を扱う「院内助産院」を県内で初めて開設する。同センターでは助産師が出産前後や更年期の介護を担当する助産師外来も開いており、妊婦検診から出産、育児相談まで継続して母子を支援していく。全国で産科医が不足している中、医師不足を補う効果が期待されている。
助産師は、看護師が半年以上の教育を受けて受験できる国家資格。看護師ではできない妊婦の内診や出産の介助、へその緒の切断ができる。
開設する院内助産院では、助産師7人が交代で勤務し対応する。助産師が妊婦の検診を行い、正常な状態で出産できる場合には、妊婦の分娩(ぶんべん)を助ける。院内助産院で分娩するには妊娠中に3回以上の医師の診察が必要で、同センターの非常勤医師が担当する。
紀南病院(同市新庄町)の産婦人科医が嘱託医を務める。出産時には電話で医師に情報を連絡するとともに、帝王切開が必要になるなど、状況が変わった場合は同院に搬送する。また、検診時に妊娠中毒症など、正常な出産が難しいと推測される場合は、同院が診察する。
出産費用は、入院日数など個人によって異なるものの、市内の病院などとほぼ同等。5日間の入院で約32万円。
出立加代子看護師長(42)は「それぞれの妊婦が『自分らしい出産』をできるように、時間をかけて支援していきたい。出産だけでなく、女性の生活を支えられるよう育児などの相談にも応じていく」と話している。
同センターは、医師の派遣元となる徳島大学が産科医の派遣を見直したことから医師数が減り、8月末で分娩の取り扱いを休止した。10月以降は同センターに常勤医師を置いていない。これを受けて、紀南病院は医師数を3人から5人体制にし、機能を集中させている。
同センターでの出産件数は2005年度で358件あった。このうち308人は正常出産で、帝王切開など異常出産は50件だった。

(紀伊民報より)

<呼吸器外しの指針を明文化 秋田赤十字病院>
脳死と判定された患者の終末期医療について、秋田市の秋田赤十字病院(宮下正弘院長)は「本人の意思が確認できる場合に限って人工呼吸器を取り外すことができる」と定めた指針を策定していたことが26日、わかった。こうした指針を病院独自で明文化したことは珍しいという。国も終末期医療を巡る法律や指針の明文化について検討している。
指針は、脳出血や頭部外傷などの急性疾患で、手術などのあらゆる治療を施しても回復せず、死期が迫った状態の患者が対象。外部委員を含む同病院の倫理委員会で策定し、9月から運用を始めた。

家族が、患者本人が延命治療を望んでいないことを示す「申し出書」と、延命治療の中止を求める「申請書」を病院長に出す。病院長が承認後、臓器移植に必要とされる「法的脳死判定」と同じ基準で脳死を判定する。脳死と判定できない場合は、呼吸器の停止は選択できないとした。
11月に、家族が人工呼吸器の停止を求めるケースがあったが、本人の意思がはっきりしなかったため、見送ったという。
策定にかかわった同病院の皆河崇志脳神経外科部長によれば、これまでは、現場の医師が個人の判断を迫られることがあったが、明文化されたことで、責任の所在も含めて対応しやすくなったという。
終末期医療を巡っては北海道立羽幌病院で呼吸器を取り外した医師が殺人容疑で書類送検された例や、富山県の射水市民病院で呼吸器を取り外された後に7人が死亡した例が明らかになっていた。
がんなどで病状が進み、緩和治療が必要な場合については、現在検討しているという。

(朝日新聞より)

<犠牲者相次ぐ院内感染>
院内感染が各地の大学病院などで相次ぎ、犠牲者が後を絶たない。これまで問題となっていたMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)以外の細菌や、従来になかった新たな感染ルートが次々と判明し、事態は深刻化している。だが、感染の拡大防止やルートの調査などの専門家が不足し、対策が追いついていない。(医療情報部 鈴木敦秋)

◆セレウス菌
今年9月、自治医大病院(栃木県下野市)は、数か月前に死亡した患者2人と、片方の目を失明した1人がセレウス菌に集団感染していたと発表した。自然界に広く存在する菌で、健康な人には危険はないが、病気などで抵抗力が落ちた人には、強力な病原体になる。重症患者が集まる大病院ほど危険は大きい。 1か月前の8月、同大感染制御部長の森澤雄司助教授(40)は、コンピューター画面を見て首をひねった。
「多いな……」
毎日800件以上の検体データを点検するが、血液培養で何らかの菌が出た十数件のうち3、4件にセレウス菌がある。従来はこれほど頻繁ではなかった。
森澤助教授や検査技師、看護師ら4人の感染制御チームが調べた結果、患者8人が感染した疑いが浮上した。点滴チューブを毎回交換するルールが守られず、感染要因になった可能性があった。感染源として、患者の体をふくおしぼりやタオルに焦点が当たった。
森澤助教授らが、病院から洗濯を委託されていた工場で、タンクローリーのような洗濯機を検査したところ、内部から通常の100倍程度のセレウス菌が検出された。工場は80度で10分間滅菌する規定通りの処理をしていたが、セレウス菌はこの温度では死なない。盲点をつかれた形だった。

◆多剤耐性緑膿菌
高知大病院(高知県南国市)は今年5月、多剤耐性緑膿(りょくのう)菌(MDRP)に60歳以上の5人が感染したと発表した。抗生物質が効かないやっかいな細菌だ。死亡した患者から採取したものと同じ遺伝子型の菌が、発熱した別の患者から見つかり、集団感染が判明した。
「あっ、まさか。これかもしれない!」
感染源を調べていた感染管理認定看護師の有瀬和美さん(45)は、汚物処理室で、プラスチック容器に入った、ぬれたスポンジブラシを見つけ、息をのんだ。
看護師が患者の簡易トイレをブラシで洗い、そのまま戻していた。ブラシを通じて他の簡易トイレや患者に感染が広がっていた。だが、国立大学病院で作る協議会の対策指針にも、掃除器具の扱いに関する項目はない。高知大病院はブラシを廃棄し、簡易トイレを小型のものに替えて自動洗浄機で洗うようにした。
この菌を巡っては、東京医大病院(東京都新宿区)でも先月、がん患者5人が感染、4人が死亡していたことが分かった。感染経路は特定できていない。
感染制御の専門家は「今後も様々な感染ルートや新しい耐性菌が出現することは間違いない。ルートの特定や感染拡大の防止を行う専門家の養成が必要」と口をそろえる。

◆対策
自治医大や高知大では、感染対策の専門スタッフによって原因が突き止められた。だが、そうした職員がいない病院も多く、検査体制が不十分で、複数の患者が死亡しても集団感染に気づかない例さえある。感染原因の調査に不可欠な疫学の専門家も、国立感染症研究所の専門コースを修了した医師は20人程度だ。
MRSAやMDRPは、約500の医療機関で定点観測され、検出件数はそれぞれ年間約1万8000件と約700件。しかし、うち何件が院内感染だったか調査はなく、実態は不明だ。
「感染の情報を報告、共有する仕組みが必要」。そう指摘する賀来満夫・東北大教授(53)らは、東北地方の医療機関や高齢者施設、保健所など約200施設で感染対策ネットワークを作った。大学の専門スタッフが施設に出向き、感染の拡大防止や原因究明の支援、人材育成に取り組む。
厚生労働省は一昨年、大学病院など特定機能病院に専任の院内感染担当者の配置を義務づけ、中小病院からの相談にも応じるモデル事業を始めた。
賀来教授は「病院、診療科の壁を超えて感染は広がる。感染症は社会の共通リスクと認識してほしい」と医療従事者、患者双方の意識改革の必要性を訴える。

◆抗生物質乱用が助長
日本は、医療機関で検出される黄色ブドウ球菌のうち、抗生物質の効かないMRSAの割合が約65%と、世界一高い国の一つだ。
薬の過剰使用が大きな要因だ。多くの細菌に効く「万能薬」とされるカルバペネム系の抗生物質は、日本が世界の使用量の2分の1を占める。他の抗生物質も、軽い風邪や切り傷などで安易に使われている。
こうした薬の乱用が耐性菌を出現させる危険性は以前から指摘されてきたが、薬剤を処方するだけ医療機関の報酬が増える「出来高払い」の医療体制のため、改善は進まなかった。
オランダでは、MRSAが検出されると、感染者を個室に隔離し、専門チームが感染ルートを素早く遮断するシステムが普及、MRSAの比率を1%未満に抑えている。病床の稼働率が65%程度であることがこの対策を可能にしているが、病床が常に満床に近い日本では、保菌者がいても、個室に移すこともなく、他の患者に知らせずに治療することが少なくない。
米国でも感染予防策や専門家の研修システムを確立し、院内感染の専門看護師を病床250床当たり1人置くよう勧告している。

◆感染管理認定看護師 
感染防止のため日本看護協会が2000年に始めた制度。半年間約600時間の講義と現場経験により、約400人が認定された。感染対策を行う医師の認定制度もあるが、学会推薦で、4780人いる。

(読売新聞より)



[2006/11/24]
 経済諮問会議で厳しい意見

<喫煙者 男41.3%、女12.4%、合計は11年連続最低更新>
日本たばこ産業(JT)が22日発表した「全国たばこ喫煙者率調査」によると、成人でたばこを吸う人の割合を示す喫煙者率は、男女の合計で前年より2・9ポイント低い26・3%となり、11年連続で過去最低を更新した。
喫煙人口も推計2733万人と過去最低となり、「たばこ離れ」が進んでいることが裏付けられた。
男性の喫煙者率は4・5ポイント低い41・3%と15年連続で下がり、女性も1・4ポイント低い12・4%と2年ぶりに低下した。10年前と比べると、男性で16・2ポイント、女性では1・8ポイント低くなった。
年代別で最も喫煙者率が高いのは、男性が30歳代の48・7%、女性は20歳代の18・8%だった。1日当たりの平均喫煙本数は、男性は22・3本(前年比横ばい)、女性が16・3本(同0・3本増)だった。
JTは、昨年までは調査票を社員が訪問して回収していたが、今年から郵送での回収に切り替えた。調査対象は、全国20歳以上の男女計3万2000人と、昨年の2倍に広げ、うち58%の人から回答を得た。

( 読売新聞より)




[2006/11/22]
 経済諮問会議で厳しい意見

<経済財政諮問会議で厳しい意見、削減策続く医療介護分野>
11月10日経済財政諮問会議が開かれ、診療報酬体系の見直し、医療のIT化の推進、後発医薬品の使用推進、公立病院の高コスト体質の是正等を柱とした「抜本的な社会保障改革について」を民間委員が提出した。社会保障改革は「基本方針2006」で示された2011年までの5年間に国1・1兆円、国と地方あわせて1・6兆円の伸びを抑制しようというもの。平成19年度予算では2200億円の歳出抑制を実施する予定になっている。
平成19年度予算においては失業保険で1800億円の削減、生活保護の削減。平成20年度には介護報酬、診療報酬を削減する予定。
医療給付費(国から出る公的支出)の将来見通しをみると、改革実施前では平成18年度で28・5兆円、国民所得比は7・6%、2010年度で33・2兆円、国民所得費7・9%〜8・2%、2025年度で56兆円、国民所得費で10・3%にもなる。国民所得の1割以上を医療につぎ込むのだけは避けたいというのが政府の姿勢だ。そこで昨年12月には政府与党で「医療制度改革大綱」がまとめられた。2025年度の56兆円を厚生労働省は48兆円に縮減策を提案、経済財政諮問会議は42兆円を提案した。諮問会議の提案は免責制度の導入や診療報酬を今後20年間で10%削減するというものだ。こうしたなか、2011年までの5年間に1・1兆円を削減することとなった。

◆新たに診療報酬体系改革
同日、諮問会議の民間議員から厚生労働大臣に課された課題は、医療では、国の医療給付費1・1兆円の削減努力を5年間でどれだけ達成できるかの数値目標を明らかにし、?包括払いを原則とした診療報酬体系の見直し、?電子カルテ化、レセプトオンライン化、ネットワークの推進などのIT化を徹底し、医療の標準化に向けたデータ整備を行うこと、?重複、不要検査の是正や後発医薬品の使用を促進する、?公立病院の高コスト体質の是正、?社会的入院の解消などが上がった。
介護では、?介護施設経営への参入促進と社会福祉法人の改革、?介護専門職の業務内容の高度化・省力化が上がった。

◆進まぬ医療の情報化
甘利明経済産業大臣から、?電子カルテの普及などIT化の推進、経営人材を育成し医療経営を効率化すること。?医薬品・医療機器分野でのイノベーションを活性化させることが提案された。電子カルテの導入率は18年2月現在で14・6%とITの活用が遅れている。医療の情報化のグランドデザインでは平成18年までに「400床以上の病院及び全診療所の6割以上に電子カルテを導入」との目標があったが、今年度中に「U−JAPAN重点計画2006」において新たにグランドデザインを策定する。
医療機関の情報化と医療機関間の連携の促進には異なるメーカーのシステム間での情報が円滑に流通するための「標準化」が必須条件だが、病名をはじめとする医療情報の用語コードやデータベースフォーマットの標準化が進んでいないため医療のIT化の進捗が遅い結果となっている。医療関連法の改正によって医療機関の地域連携が必須となってきたのだが、地域における医療情報データベースの構築がなければ連携できないためこれも早急に着手を要するところだ。また、医療分野では個人情報を扱うため、医療従事者の個人認証を可能とする保健医療福祉分野の公開鍵基盤整備が必要とされている。
また、医療機関の経営効率化を図るため、医療機関において会計、財務を含めた経営手法に通じた人材を育成し、合理的な経営管理手法の導入が必要だとしている。具体的にはBSC(バランス・スコアカード)などを使い、今後10年余り続く「病院冬の時代」において生き残りをかけた病院経営が望まれている。

<老人ホームの無資格職員が医療行為 宮城県が改善命令>
全国に有料老人ホームを展開する「ベストライフ」(本社・東京)が仙台市内で運営するホームで、糖尿病患者に対するインスリン注射などの医療行為を介護職員が無資格で行っていたとして、宮城県から改善命令を受けていたことが分かった。専門家は「医療の専門知識がない人間では緊急時に対応できない」と危険性を指摘する。
無資格の医療行為が行われていたのは、仙台市内にある「ベストライフ仙台」(泉区)、「同仙台西」(青葉区)、「同仙台南」(太白区)の3施設。
医師法や保健師助産師看護師法などによると、医療行為を業務として行えるのは、厚生労働省の通知などで示された行為を除いて、原則として医師または医師の指示を受けた看護師などに限定されている。糖尿病患者本人や家族は、医師や看護師からインスリンの取り扱い方や注射器の使い方などの詳細な指導を受けてインスリン注射を行っている。
県長寿社会政策課によると、05年12月に無資格の医療行為について県に連絡が入った。施設に立ち入り調査したところ、3施設で6人に対して介護職員がインスリンの注射などの医療行為を行っていたことが判明した。施設長らは「朝食前など看護師が不在の時間帯に、家族の一員との認識で、やむにやまれずやった」と説明したという。
県は同月、介護職員による医療行為の即時中止と、看護職員の勤務体制の変更などを求める改善命令を出した。恒常性、悪質性は低いと判断し、刑事告発は見送った。
糖尿病が専門の岡芳知・東北大大学院医学系研究科教授は「医師や看護師ら以外の医療知識がない人間だと、もし昏睡状態になった際など緊急時に対処できない可能性がある」と話す。
同社は「他の施設では行っていない。今は勤務体制などを整え、適切に行っている」と説明している。

(朝日新聞より)

<自己負担割合の統一化、保険免責制が改革の柱か>
財務省は医療費を抑制する方策として、年齢に関係ない自己負担割合、一定額まで全額自己負担する保険免責制、医薬品の先発品の保険給付見直し、ビタミン剤の保険給付の見直しなどを中心に進めていく考えだ。
医療費の自己負担割合に現在、一般が3割、高齢者は2割または3割、高齢者の自己負担は少なく設定されている。財務省によるとフランス・ドイツでは年齢に関係なく同一の自己負担割合となっており、日本でも自己負担割合の統一化を検討課題に挙げるべきとしている。また、現在は70歳以上の高齢者、2008年度からは65歳以上の高齢者が対象になる療養病床における食費と居住費負担についても「若人と高齢者で取り扱いが違うということをどう考えるのか」として、年齢の違いによる負担の違いの合理性についても検討課題としている。
保険免責制については、「フランスは外来医療費は3割負担だが、診療1回あたり1ユーロは自己負担となっている。アメリカのメディケアは外来医療費は年間110ドルまでは全額自己負担」として、保険免責制導入の検討の必要性を指摘している。

<7:1届出は全体の15%に>
一般病棟入院基本科の7:1を届け出た病院は10月1日現在で549施設となり、全一般病棟入院基本科の約15%を占めることが日本看護協会の調査で分かった。
5月1日時点では7%だったが、5ヵ月間で届け出割合が大きく増加していた。
久常節子会長は「現場の看護管理者たちのさまざまな工夫や努力によって着実に配置が進んでいる」と評価した。
調査によると、一般病棟入院基本科(特定機能病院入院基本科)を届け出た全国の5810病院・78万4552床のうち、10月1日現在で7:1だったのは549施設、12万1545床で、総届け出病床数15.5%を占めていた。5月1日時点の291施設・5万4213床・6.9%から、8.6ポイント増えていた。特定機能病院の7:1の届け出割合は24.0%(5月現在(15.3%)、一般病棟は14.8%(同6.2%)だった。
都道府県別で届け出病院数が多いのは東京都60施設、北海道42施設、福岡県37施設、大阪府と埼玉県31施設など。三重県、滋賀県、山口県、鳥取県ではわずか1施設しかなかった。首都圏や病床数が多い県で届け出が多く、東北や北陸、近畿で少なかった。




[2006/11/21]
 小規模多機能事業所、神戸市内77地区に整備へ

<小規模多機能事業所:神戸市内77地区に整備へ>
神戸市の矢田立郎市長は20日の記者会見で、市内の各中学校区(77区)に要介護者のための「小規模多機能型居宅介護事業所」を整備する方針を示した。今年度中に14事業所を整備する。
小規模多機能型居宅介護事業所は、要介護者の状態や希望により、通所や宿泊、訪問介護などを受けることができるサービス。中・重度の要介護者でも在宅での生活を継続できるように支援するもので、1事業所の登録定員は25人以下となる。事業所には介護・看護職員が配置される。今後、77の市内中学校区に事業所が整えば、さらに事業所を増やしていく方針にしている。

(毎日新聞より)

<慶応大と共立薬科大、合併へ 08年4月めどに>
慶応義塾大(東京都港区)と共立薬科大(同)は20日、合併する方針を決めたと、発表した。08年4月をめどに、慶大は共立薬大を統合する形で薬学部と大学院薬学研究科を設置する。少子化で、計算上は大学・短大の入学志願者数と入学者数が同じになり、選ばなければ全員が入学できる「大学全入時代」が07年度にも到来するとされる。すでに経営破綻(はたん)する私大が出てくるなかで、今後再編の動きが加速しそうだ。
両大学によると、合併に踏み切った要因は、06年度入学者から導入された「薬学部6年制」の影響が大きいという。
薬剤師になるためには、これまでの4年から、原則6年の履修が必要になった。このため、学生の間では学費の負担感が強まった。一方、ここ数年続いた薬学部人気で大学や学部の新設も相次いだ。全国の私立薬科大は06年度、前年度より大幅に志願者を減らしたものの全体の学生数は増えたため、実習先の医療機関の確保も課題となっていた。
薬剤師国家試験の合格率が高く伝統がある共立薬大でも、04年度に約10倍だった志願倍率は、06年度は約5倍に落ち込んだ。さらに、今後少子化で18歳人口が減り続け、現在の経営状況を悪化させないようにするため、キャンパスの近い慶大との合併に踏み切ったとみられる。
健全な財政基盤を持つ共立薬大との合併は、医学部や看護医療学部を持つ慶大にとってもメリットは大きい。薬学の研究が多様で高度になるとともに、医学、医療分野とも連携できる。
18歳人口の減少によって、とくに昨年以降、私大を中心に合併や破綻などの再編の動きが加速している。
今年1月には関西学院大と聖和大(いずれも兵庫県西宮市)が合併を前提に話し合いを始めた。一方、昨年6月には山口県萩市の萩国際大が定員割れによる経営難で破綻、今年8月には福岡市の東和大も学生の確保が難しいとして、07年度の学生募集停止を発表した。
同日、記者会見した安西祐一郎・慶大塾長は「研究水準の向上が期待でき、質の高い学生の確保など私立大学が直面している競争に有利になる」。共立薬大の橋本嘉幸理事長は「総合大学となる利点は非常に大きい。慶応と一緒になることでグローバルな視点も広がる」と話した。
共立薬大は07年度まで学生を募集する。在籍している学生が卒業する際にどちらの卒業生となるか、合併の形態をどうするかなどの点については、今後両大で検討するとしている。

(朝日新聞より)

<看取りは在宅療養期間を含めて分析を〜後期高齢者医療の在り方特別部会>
10月26日に開催された社会保障審議会後期高齢者医療の在り方に関する特別部会のなかで、厚生労働省は介護3施設の看取りの状況を報告した。
同報告によると、入院・入所者の死亡が予想される場合の基本方針は、介護療養病床の場合では「療養病棟内で看取る」は約5割、「自院の一般病床へ移す」は約30%だった。一方、老人保健施設の場合は「施設で看取る」が約6%、「病院に移す」が約83%、特別養護老人ホームは「施設内で看取る」が約20%、「他の病院へ移す」が約55%と、医療機関である療養病床とそれ以外の施設で対応に大きな違いがあることがわかった

<利用者の状況踏まえない「画一的なサービス」提供は不適正>
厚生労働省は18日、地域包括支援センター・介護予防に関する意見交換会のなかで、介護予防サービスの実施上の留意点を提示し、介護保険の予防給付で導入された通所、訪問介護の包括報酬の運用について、利用者の状況等を踏まえない「画一的なサービス」を提供することは、是正指導の対象となることを明らかにした。
介護予防サービスの提供は、月単位の定額制サービスを導入しており、具体的なサービス提供方法や回数は介護予防サービス事業者が利用者の状況や目標の達成度を踏まえて、柔軟に決定するべきものである。これにより、利用者の状態の改善や利用者の自立が進み、訪問介護員が実施していた家事を本人自らが行うようになれば、結果的に当初の想定よりもサービス提供の回数や時間が少なくなることが想定され、この場合については、サービス提供量が減ったとしても適切なサービス提供による効果であると評価できる。
しかし、利用者の状況や目標の達成度を踏まえない一律のサービスカット、利用者の状態がなんら変化していないにもかかわらず、一方的にサービス提供の回数や時間を減らす「過少サービス」や、例えば、第1週から4週まで週1回一律時間のサービスを提供し第5週は一律にサービス提供をしないといった、利用者の状況を踏まえない「画一的なサービス」を提供すること等は、いずれも不適正なサービス提供であり、是正指導の対象となるものであることとしている。
また、介護予防サービス提供の状況については、介護予防支援事業者(地域包括支援センター)が確認しなければならず、利用者の状態等を踏まえない過少サービスや画一サービス等の不適正なサービスが行われている場合には、これを迅速に把握し、早急に介護予防サービス事業者と調整のうえ、適正なサービス提供がなされるよう措置を講じ、改善が図られない場合は、保険者や都道府県に指導してもらうよう求めた。



[2006/11/20]
 休職ママさん医師「再教育」

<休職ママさん医師「再教育」 大学病院が復職支援策>
出産や育児などで医療現場を離れた女性医師の復帰を支援する「再教育」に、大学病院が取り組み始めた。産婦人科などの医師不足解消のため、休職中の女性医師活用を目指す人材バンクが各地にできているが、「ブランクがあって最新の医療技術についていけない」などの理由で、復職に結びつかない例が多いためだ。大学側には、再教育した女性医師を、医師が足りない自らの病院で雇用したいとの意向もある。
東京女子医大(東京都新宿区)は11月、女性医師再教育センターを開設した。診療経験が2年以上あることが条件で、すでに2人の内科医から応募があった。研修期間は半年〜1年を想定、登録料1万円以外は無料で研修が受けられる。
対象は外科や小児科など全科で、松山市や鹿児島市の協力病院でも研修できる。研修内容は各自の希望による「オーダーメード」方式。現場ですぐに使える上手な採血法や内視鏡検査技術などの技術を学ぶ。
同大が卒業生の女性医師約500人を調べたところ、卒業から3年目までは9割が常勤勤務だが、それ以降は5〜6割。副センター長の川上順子教授は「再就職しながら『勘』を取り戻すのは大変で、再教育の場が必要だ」と話す。
信州大(長野県松本市)も10月から女性医師の再教育プログラムを開始。信州大病院や関連病院で研修する。担当の片井みゆき医師は「病児保育なども実施し、働き続けられる職場環境を作るのが最終目標」という。
山形大(山形市)は来年度から、定年医師の再訓練と併せ、女性医師の再教育を実施する。終了後は大学病院の勤務や、地域医療への貢献を期待している。
厚生労働省によると、04年の医師全体に占める女性医師の割合は16%だが、最近の医師国家試験は合格者の3割以上を女性が占めている。

(朝日新聞より)



[2006/11/18]
 情報公表サービスは事業所の評価せず

<情報公表サービスは事業所の評価せず>
厚生労働省は10日の「全国介護サービス情報の公表制度担当者会議」で、介護サービス情報公表制度は利用者の介護サービス事業所選択を支援することが目的だとして、事業所の評価・格付け・画一化かどは行わないことを強調した。
また、事業者が公表情報の調査事務と情報公表事務の手数料を負担することについては、「全国の事業者から不満の声が挙がっている。都道府県は条例で適正な手数料額を検証・設定してほしい」とした。
介護サービス情報の公表制度は、介護サービスの供給量が増加している一方で、利用者への情報提供が不足しているとの指摘を受け、2006年の介護保険制度改正時に創設した。情報の中立性・公平性を保つため、都道府県が指定する「指定調査機関」が事業所を訪問調査し、「指定情報公表センター」がインターネットを通じて情報を公表する。06年4月から介護老人福祉施設や介護老人保健施設など9種類の介護保険サービスで開始しており、07年4月からは訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、介護療養型医療施設でも実施する予定だ。残る26サービスについても体制整備を行い順次実施する。
情報の公表は都道府県などから「具体的な内容が分からない調書に意味があるのか」などの批判がある。これについて、厚労省担当官は「介護保険サービスの質の確保には第三者評価、指導監査、情報の公表の3種類がある。第三者評価は運営内容などの良否を、指導監査は最低基準の遵守状況を確認・指導している」として、「情報の公表は事実を確認し、ありのままを開示するものだ」と理解を求めた。
調査事務と情報公表事務の手数料を事業者が負担することに関しては、「利用者の選択に資する情報を公表することで適切な事業者が選ばれることになり、最終的には事業者の受益となる」とした。
手数料は、今年3月に厚労省が示した「介護サービス情報の公表制度における手数料に関する指針」に沿って都道府県が条例で決定することになっている。しかし厚労省では、同一所在地にある複数の事業所を1人の調査員が同日内に調査する場合などで、手数料単価の減額・免除を行えるよう、同指針を近く改訂する考えも説明した。

◆合計手数料の平均は5万4901円
同日は、介護サービス情報の公表制度の施行状況に閲する都道府県アンケートの結果が報告された。調査事務手数料・の全国平均は4万2041円で、内訳は介護老人福祉施設の4万3306円が最も高く、居宅介護支援の4カ891円が安かった。情報公表事務手数料の平均は1万2860円で、サービス形態による差はなかった。手数料の合計は、平均5万4901円となった。         
手数料を都道府県別にみると、鹿児島6万7000円(調査事務手数料5万2500円、情報公表事務手数料1万4500円)、北海道6万6300円(同5万2200、1万4100円)、岡山6万6000円(同4万9000円、1万7000円)などで高い。安いのは、群馬、岐阜、京都でいずれも4万7000円(同3万6000円、1万1000円)だった(鹿児島県の調査事務手数料は各介護保険サービスの平均。その他の都道府県は全サービスで同一金額)。

<米国の医療事故・対応マニュアル翻訳 HPで公開>
東京大学医療政策人材養成講座で学ぶ現役の医師ら有志17人が、米国で広まりつつある「医療事故 真実説明・謝罪マニュアル」を翻訳し、16日からホームページで公開を始めた。
マニュアルの原本は、今年3月にハーバード大学の関連16病院で作り、導入されたもの。医療事故が起きたとき「隠さない、逃げない、ごまかさない」を原則とし、「患者や家族にきちんと説明し、きっちり謝罪する」方法が示されている。
翻訳に参加した東大医学部付属病院の内科医、渡辺清高さんは「事故を起こした医師のケアやサポートなども書かれている。日本でも医療現場に広がってくれれば」と話している。アドレスはhttp://www.stop-medical-accident.net/

(産経新聞より)



[2006/11/17]
 夜間対応型訪問介護 全国で40ヶ所

<夜間対応型訪問介護 全国で指定は40カ所>
4月の制度改正で、地域密着型サービスとして新たに導入された夜間対応型訪問介護が低空飛行を続けている。WAMNETの事業者情報によると11月15日現在で全国の指定事業所数は40カ所にとどまっている。サービスをスタートさせた事業所でも、利用者数が伸びず経営が厳しいとの声が挙がっている。
夜間対応型訪問介護は、夜間の定期巡回サービスに利用者の求めに応じた随時の訪問サービスを組み合わせたサービス。介護保険の弱点のひとつと指摘されていた夜間の介護ニーズに対応する。利用時間は午後10時から午前6時まで。利用者からの通報に一括で対応する「オペレーションセンター」方式の「特型」と訪問介護員が直接通報に対応する「監型」がある。

(シルバー新報より)

<39人からノロウイルス 名古屋の介護老人施設入所者ら>
名古屋市緑区横吹町の介護老人保健施設「みどり」で、今月4日から17日までに、入所している高齢者や職員計39人がノロウイルスによる感染性胃腸炎にかかっていたことがわかった。下痢や嘔吐(おうと)の症状を訴えた人もいたが、全員が快方に向かっているという。
市健康福祉局によると、ノロウイルスが検出されたのは入所者192人中31人と、職員8人。入所者の感染者の大半は施設2階に集中しており、集団感染したものとみている。最初に症状が出たのは今月4日で、その後の緑保健所の調査で感染が判明した。同保健所は施設に消毒などを指導したという。

(朝日新聞より)

<一般病床の平均在院日数19.5日 06年4月の病院報告>
厚生労働省がまとめた2006年4月の病院報告(概数)で、一般病床の平均在院日数は19.5日で、前月より0.2日伸びたことが分かった。精神病床は317.7日(前月比9.9日延伸)、結核病床71.5日(同5.6日延伸)、医療療養病床164.0日(同3.5日短縮)で、病院全体では35.2日(同0.4日延伸)となった。介護療養病床は269.2日(同3.6日短縮)した。

<出産時事故、患者に「無過失補償」導入へ 民間保険を活用>
政府・与党は17日、新生児が脳性まひで生まれてくるなど出産時の事故に関し、医師の過失を立証できなくとも患者に金銭補償する「無過失補償」制度を、07年度に創設する方針を固めた。民間保険を活用、保険料負担は医師に求めるが、負担増対策として健康保険から支払う、現在35万円の出産育児一時金を2〜3万円増額する。新生児1人につき2000万〜3000万円の一時金を補償する方向で調整する。
財源に関し、日本医師会は税負担を求めているが、与党は「国が直接かかわる話ではない」として、親に支払う出産育児一時金を活用することにした。一時金を増やせば、やがて出産費がアップし、その分医師の収入増につながるため、医師に保険料を負担してもらう構想だ。
民間保険会社に新たに「無過失補償」の商品を企画してもらい、産科医が任意加入する形をとる。保険料の決め方などの詳細は今後詰める。先天性異常の場合は、補償対象としない。将来的には、自動車損害賠償責任保険のような強制加入の制度に移行することを想定している。
政府は、出産育児一時金を37万円にアップすれば、医師全体で約200億円程度の増収となり、事故一件につき2000万円の補償が可能になるとみている。政府は補償金に税投入はしないが、民間保険会社の支払い審査、原因分析といった事務費の半額、数億円を「少子化・医師不足対策」名目で税負担する。
医療事故に絡む民事訴訟件数は年々増えており、04年は1110件と10年前に比べ倍増している。なかでも産科(143件)は、件数こそ内科などに次ぐ4位だが、医師1000人当たりでは11.8件と最も多い。このことが産科医のなり手不足を招いている、との指摘がある。無過失補償をすることで、被害者の救済に加え、医師不足対策にもなるというのが政府・与党の判断だ。

(毎日新聞より)



[2006/11/16]
 訪問介護、GHなど営利法人経営が5割超

<訪問介護グループホームなど、営利法人経営が5割超>
全国の訪問介護事業所や認知症高齢者のグループホームで、株式会社などの営利法人が経営する割合が初めて5割を超えたことが15日、厚生労働省が行った介護サービス施設・事業所調査で分かった。
介護ビジネス市場が拡大する中、民間企業の旺盛な進出ぶりが浮き彫りになった形だ。
各施設・事業所の経営主体に関して、昨年10月現在の実態を調査した。営利法人が開設した事業所は、訪問介護では全2万618事業所のうち53・9%にあたる1万1105事業所に上った。グループホームでは、営利法人による開設は50・5%を占めた。
これらの在宅サービスは、かつては主に自治体が提供していたが、2000年の介護保険創設を機に、営利法人にも開放された。01年調査時は、訪問介護、グループホームとも、営利法人による開設は3割前後だったが、今回初めて過半数となった。

(読売新聞より)

<5年で10倍の7000カ所 認知症グループホーム>
厚生労働省が15日発表した2005年介護サービス施設・事業所調査結果によると、認知症グループホームは前年比30%増の7084カ所で、介護保険制度が始まった2000年に比べて10倍に増加。入所者も前年比35・3%増の9万4907人となり、2000年の17倍となった。
厚労省認知症対策室は「グループホームは認知症患者の新しい住まいとしてニーズが高く入所待ちの状況があり、必要性も高い」と分析。本年度の認知症患者は約170万人と推定されており、今後も患者は増加するとみている。
また認知症専門棟を備えている老人保健施設は2000年の1・7倍の1089カ所に増え、全老健施設に占める割合は33・2%となった。
調査は各年の10月1日時点のデータ。

(河北新報より)

<女医バンク、福岡市に設置 子育てで引退、復帰サポート>
出産や子育てで第一線から退いた女性医師を医師不足に悩む病院に紹介する「日本医師会女性医師バンク西日本センター」が福岡市の県医師会館に設置される。地方都市では医師不足が深刻化しており、医師会は「女性医師が生活に合わせて無理なく力を発揮できる環境を作ることは医師不足の対策にもなる」と話している。
県医師会によると、センターは厚生労働省が福岡と東京に設置し、日本医師会が運営する。子育てなどが終わって復帰を望む女性医師に登録してもらい、コーディネーターが専門などを調べたうえで医師不足に悩む病院に紹介する。また、現役の女性医師の悩みを受け付けたり、妊娠や子育てをしている女性医師に合わせた勤務体系を病院に提言したりするという。
県医師会によると、正確な統計はないが、出産や子育てを機に離職する女性医師は多く、医師不足の原因の一つになっているという。

(毎日新聞より)



[2006/11/15]
 要介護者 増加へ

<1・7倍の780万人に 2025年度の要介護者>                         厚生労働省は14日までに、団塊の世代全員が75歳以上の後期高齢者となる2025年度に、要介護認定を受ける高齢者が本年度の1・7倍の780万人に上るとの推計を明らかにした。
65歳以上に占める要介護者の割合も18・4%から22・3%に上昇、介護保険給付費は2・6倍の17兆円に膨らむ見通し。
2000年度の介護保険制度導入以来、毎年二けた前後で増えている要介護者や給付費を抑制するため、今年4月から筋力トレーニングなどの介護予防が導入された。しかし、今のところ予防教室などに積極的に通っている高齢者は多くはないことなどから、推計は要介護認定の高齢者を抑制する効果は限定的とみているとみられる。
現行のままだと、給付費の半分を支出する国と自治体の負担増や、40歳以上が負担する介護保険料の引き上げは必至。このため介護サービス利用料の自己負担割合(現行1割)の引き上げを含めた一層の給付抑制策や、保険料負担年齢の引き下げといった財源問題が今後、議論されそうだ。
推計によると、介護予防を除く25年度のサービス利用者は、特別養護老人ホームなど施設系が100万人、訪問介護など在宅系が500万人。事業者に支払われる給付費は1人当たり施設系が月額41万円、在宅系が同20万円。
高齢者に占める要介護者の割合が高くなるのは、団塊世代は他の世代に比べて人数が多く要介護状態になりやすい後期高齢者も増えるため。
また、後期高齢者は65歳以上74歳以下の前期高齢者に比べ要介護度が重くなることや、介護労働者の賃金上昇などで、給付費の伸び率が要介護者の伸び率より高くなるとしている。
さらに団塊世代は働くために地方から首都圏などの都市部へ出てきた人たちが多く、今後は都市部での高齢者人口の伸び率が比較的高まると予測されるという。
15年度については、本年度の1・3倍の約620万人と推計。04年の推計では、14年度に認定者は640万人としたが、今年の介護予防導入などの影響も勘案したことで今回の推計による認定者は20万人少なくなった。

(共同通信より)

<厚生年金 パート拡大適用「週20時間以上」>
与党は14日、厚生労働相経験者らで作る「与党年金制度改革協議会」の会合を開き、パート労働者への厚生年金適用拡大について、従来の「週20時間以上」という労働時間の条件に加えて、〈1〉勤続期間が一定以上〈2〉時給水準が一定以上――などの条件を設け、対象を絞り込むことを決めた。
厚生労働省は年内に厚労相の諮問機関「社会保障審議会年金部会」を開き、関連団体などから意見を聴取したうえで、条件を具体化する考えだ。
現行制度では、勤続期間に関する厚生年金の適用の条件は「2か月超」となっている。パートへの適用拡大に際しては、半年から3年程度とする方針だ。このほか、時給換算で正社員並みの給与をもらっていることなども適用条件にする方向で調整する。雇用情勢の悪化で正社員になりたくてもなれず、パートのまま正社員並みに働く若者も少なくないため、社会保険の適用対象として格差是正を図る狙いがある。
パートへの年金適用の拡大は、安倍首相が進める再チャレンジ推進の政策の柱となる。パートは現在1200万人以上(2005年)に上るが、現行制度では、正社員の標準的な労働時間の4分の3以上にあたる「週30時間以上」働いたパートだけに厚生年金が適用されている。

( 読売新聞より)

<病院3割「火の車」、診療報酬下がり経営悪化>
4月からの診療報酬引き下げなどの影響で、民間病院を中心に約3割の病院で経営が悪化し、医療行為にかかわる医業収支が赤字に陥っていることが、全日本病院協会の調査で分かった。とくに都市部の病院が厳しく、東京都では約6割が赤字。同協会は「診療報酬改定に加え、看護職員確保のための人件費増加などが経営を圧迫している」と分析している。
調査は、協会に所属する約2200病院の中から500病院を選び、5月時点の経営の収支状況などを調べた。226病院(回答率45・2%)が回答した。
それによると、医療行為にかかわる収支状況が赤字とした病院が27%を占め、前年同月より4ポイント増えた。地域別にみると、都内の23施設のうち赤字は61%で前年より14ポイント増。政令指定都市でも19%と前年より9ポイント増えたのに対し、その他の地域では24%で前年とほぼ同じだった。
今回の診療報酬改定では、医療費抑制のため過去最大の引き下げ幅となった一方で、看護職員を手厚く配置すると高い収入が得られる仕組みになった。同協会は「病院間で看護職員の奪い合いが激化しており、首都圏を中心に人件費が上がっている」とみている。

(朝日新聞より)





[2006/11/14]
 ドナーの本人確認「特にせず」

<ドナーの本人確認、腎移植施設の2割「特にせず」>                     全国の腎移植施設のうち、生体腎移植に際して臓器提供者(ドナー)の本人確認について「特別な確認はしていない」施設が約2割もあることが日本移植学会(田中紘一理事長)のアンケートで分かった。このため、同学会は13日の臨時理事会で「健康保険証や写真付き公的証明書による本人確認を徹底する」など3項目を学会の倫理指針に追加することを決めた。
アンケートは、宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)での生体腎移植に絡む臓器売買事件を受けて実施した。腎移植実施機関238施設のうち204施設が答えた(回答率86%)が、うち41施設(20%)がドナーの本人確認をしていなかった。
ドナーが親族かどうかの確認は165施設(81%)が「自己申告」。11施設(5%)は倫理委員会が「ない」と回答し、施設長の承認や診療科の判断で倫理審査を行っていたとした。腎臓の提供が自発的かどうか文書で確認を求めている施設も105施設(51%)にとどまった。
この結果などを受け、倫理指針には本人確認の徹底のほか「ドナーの自発的意思は倫理委員会が指名する精神科医など第三者が確認する」「金銭の授受などが疑われた場合は即座に移植を中止する」ことを盛り込んだ。当面は生体腎移植に限るが、いずれは生体移植全般に広げる方向だ。
移植学会は14日、臓器売買事件に関する声明を同学会員あてに送る。国内外を問わず、すべての移植医療で倫理指針の順守を会員に求めるとともに、同学会に所属しない医師による移植手術を認めないよう各医療機関に求める内容になる見込みという。

(朝日新聞より)

<看護師不足を把握へ日本医師会が調査>
日本医師会は今月下旬から来月にかけて、特に地方で深刻化しているとされる看護師不足の現状を把握するため、全国の病院と看護学校などを対象に看護師の需給状況を調査する。結果を、診療報酬などを審議する中央社会保険医療協議会(中医協)に提出する予定。
2006年度から看護師を手厚く配置した医療機関の診療報酬が値上げされたことに伴い「都会の大学病院が全国各地に大規模な求人を出している」(日医)ため、地方の病院では最低限の人員確保も困難との指摘が出ている。
調査の対象は病院3209施設、看護学校など1388校。調査項目は病院に対し、病床数と看護師・准看護師の数についての現状と将来的な予定。看護学校は、求人の変化、直近3年間の卒業生の進路など。

(共同通信より)

<リハビリ収支 明暗はっきりと>
4月の診療報酬改定で疾患別に再編されたリハビリテーション料について収入の増減を日本病院会が調べたところ、22.5%の病院で前年同月から25%以上落ち込んでいた一方で、26.9%の病院では20%以上の伸びを示していることが分かった。リハビリの内容によって収入に大きく格差がついたことがうかがえる。

<介護療養病床は診療所に転換意向か>
◆医療区分2・3に約4割の転換意向
日本病院会の民間病院部会がまとめた「医療制度改革および療養病床に関するアンケート調査」によると、介護療養病床を持つ病院は4割近くが診療所へ転換するか、その他の道を進む意向を示していることがわかった。
同調査は平成18年8月から9月にかけて行われた「医療制度改革に関する調査」と「療養病床に関する調査」のアンケート調査の結果を集計したもの。回収はそれぞれ666件と216件。
療養病床の再編で平成24年3月までに廃止となる介護療養病床216件に今後の展望を聞いたところ、医療療養病床へ転換する意向を示す病院が「医療区分2・380%以上看護配置20:1介護配置20:1」に18・2%、「医療区分2・340〜80%以上看護配置25:1介護配置25:1」に18・2%となったが、いずれにも属さない「その他」とする病院が36・4%と最多となった。「一般病床、有料老人ホーム、介護保険準備病棟、病棟閉鎖」のいずれの選択肢でもないため、診療所への転換を図る病院が多くなるのではないかと危惧する向きもある。

◆医療療養病院は医療区分2・3の選択が8割
医療療養病床を持つ病院666件では「医療区分2・380%以上看護配置20:1介護配置20:1」に30・5%、「医療区分2・340〜80%以上看護配置25:1介護配置25:1」に47・7%と「医療区分2・3」だけで約8割となったが、「回復期リハビリテーション病棟への転換」14・8%、「一般病床への転換」19・5%、「その他」13・3%という結果になった。
医療療養病床と介護療養病床をあわせもつミックス型も同様に医療区分2・3への転換が8割を超えている。「医療区分2・380%以上看護配置20:1介護配置20:1」に40・0%、「医療区分2・340〜80%以上看護配置25:1介護配置25:1」に44・3%で、「介護保険準備病棟」10・0%、「回復期リハビリテーション病棟」12・9%、「その他」20・0%となった。「医療療養病床」を持つ病院より「医療区分2・380%以上看護配置20:1介護配置20:1」を選択する割合が高くなっている。
調査結果からは療養病床について中央社会保険医療協議会「慢性期入院医療実態調査」(平成17年11月資料)で示された調査結果では、医療療養、介護療養ともに約5割は「医師による医療提供の必要がない患者」とされていた点からすると、医療区分の2・3を中心とした入院患者が多いとの印象を受ける。

◆診療費7月期で7割が減収
医療療養病床の診療報酬改定の影響を平成18年7月の診療費総額と前年同月期と比較したところ68・5%の病院が100%未満と減収であった。1割の減収である90%未満とする病院が48・2%に達し、75%未満とする病院が13・0%となっている。
介護療養病床の収入総額について前年同月比をみると、100%未満であるところが全体の75%を占めており、医療療養病床ほどの落ち込みはなく、対前年比の落ち込みが5%程度にとどまっている病院が3割を占めている。

◆夜勤72時間以内の対応状況
7月の時点で看護職員1人あたりの月間夜勤時間72時間以下に対応できている病院は、一般病床では73%、医療療養病床では79%、介護療養病床では77%の病院となっており、全体に厳しい内容となった。
喫緊の経営上の課題については「看護師の充足」を挙げる病院が最も多く72・2%に達した。ほぼ同様に「医師の充足」も71・5%となった。
病院の将来像をどう描いているかについての項目では、今後の方向性として、「DPCへの参加意向」を聞いたところ、協力病院として申請を済ませたところが約3割を占めている。また、参加意向を持って準備している病院3割を加えると6割に上っている。
将来の不安要因については「医療費抑制策の続行」が約9割となっており、同様に「塵埃確保」が8割をしめ、「医師の充足」、「看護師の充足」を反映するものとなった。

急性期病床として生き残りをかける
医療制度改革に対しての対応としては77%の病院が「急性期病床」と回答し、「福祉施設への転換」1・5%、「有料老人ホームへの転換」は0であった。「急性期病床」を選択した病院に「地域医療支援病院」を目指すかどうかを聞いたところ、半数以上が目指すとしている。

◆社会医療法人への移行は難渋の道か
来年4月から社会医療法人への移行が可能となるが、国公立・独立行政法人以外の病院に社会医療法人への移行を尋ねたところ、移行を考えている病院は1割以下であり、移行を考えていないところが半数以上になっている。ただ、医療法人だけを取り出してみると、移行を考えている病院は多くなり、「制度の詳細によっては移行する」をあわせると5割以上が前向きになっている。移行の理由としてあげているのは、「税負担の軽減」挙げる病院が7割を超えている。



[2006/11/13]
 社会保障費削減

<社会保障費削減、年度内に5カ年計画・経済財政諮問会議>                政府は10日、首相官邸で経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、来年度予算編成の具体化に向けた議論に本格着手した。公共事業費は今年度当初予算比3%減とすることで合意、6年連続の減額が固まった。社会保障は医療や介護の高コスト体質を是正するため、新たに5カ年計画を今年度中に策定する方針を決めた。小泉前政権の歳出削減路線を踏襲した形だが、来夏に参院選を控える与党との調整は難航が予想される。
首相は同日の諮問会議で「小泉政権では公共事業費をかなり削減したが、ここが踏ん張りどころだ。(改革を)引き継いでいきたい」と述べた。諮問会議は今月末に来年度予算編成の基本方針をまとめ、閣議決定する予定だ。

(日経新聞より)

<脳卒中リハビリ、「やる気」次第?>
脳卒中後のリハビリで、患者の「やる気」が回復具合にどう影響するのかを調べる日米欧の共同研究が、今冬からスタートする。脳卒中は後遺症でうつ病になる患者も多く、うつになると回復も悪いことが知られているが、意欲との関連はよくわかっていない。研究では、リハビリ後に励ましの言葉などをかけ続けた患者と、何もしなかった患者とで半年後の回復ぶりを比較する。
国際神経リハビリテーション学会連合に参加する日本、米国、英国など25地域のリハビリ病院などが参加、全世界で750人程度の症例を集める。日本からは、森之宮病院(大阪市)などが参加する。2年後をめどに結果をまとめる。
脳梗塞や脳出血で倒れた35歳以上の患者で、まひなどの後遺症があり、歩行訓練をしている人が対象。2グループに分け、どちらにも通常のリハビリを受けた後、10メートルの距離を歩いてもらう。一方の集団には毎回タイムを知らせ、「よくがんばりましたね」などと励ましの言葉をかける。もう一方には、何もしない。こうした取り組みを約半年続けた後、15メートルの歩行速度と3分間の歩行距離を比較する。
研究に参加する森之宮病院の宮井一郎院長代理は「ただ漫然とリハビリを続けるより、やる気を持った方が成果が出ると証明できれば、患者の意識も変わってくるはず。リハビリの現場も変わってくる」と話す。

(朝日新聞より)



[2006/11/11]
 高齢者サービス減に悲鳴

<改正介護保険法施行7ヵ月 高齢者サービス減に悲鳴>                   介護予防を重視した改正介護保険法が4月に施行されて7カ月がたった。「要介護」と「自立」の中間に当たる「要支援」に認定され、筋力トレーニングなどに取り組むお年寄りがいる一方、体調は変わらないのに利用してきた介護サービスが受けられなくなったケースも多い。仙台市内で制度の課題を探った。
仙台市宮城野区で独り暮らしのA子さん(71)は要支援に認定され、9月から週2回、下半身を鍛えるデイサービスに通っている。
春に股関節を手術し、つえを手放せない生活だったが、ケアマネジャーの勧めでマシンを使った筋トレに励んだ。室内ではつえなしで歩けるまでに回復した。
「手術後は一人で何もできないと落ち込む時も多かったのですが…。今は百貨店で買い物できるようになるのが目標です」とA子さんは話す。

◆家事援助は「妨げ」
介護保険法改正で、状態の改善が見込める「要支援」者には、機能向上トレーニングなどの新サービスが創設された。増え続ける給付費を抑える国の狙いがあり、家事援助などは「自立の妨げとなる」として利用量が制限された。
青葉区で独り暮らしのB子さん(86)は10月、要介護1から要支援2に変わり、利用できる介護サービスが大幅に減った。
週6回の家事援助は3回に減り、通院介助や介護タクシーが使えなくなった。これらを自費で賄うため、出費は月7万円ほど増えたという。
B子さんは「体はよくなっていないのにサービスを減らされ、お手上げです」と困り顔だ。
仙台市で「要支援」と認定された人は9月末時点で、4940人。市介護保険課によると、要介護1だった人のほぼ半数が「要支援」に認定されたという。

◆赤字覚悟で提供も
今年は住民税や国民健康保険料が上がり、高齢者の負担感はただでさえ大きい。市内のベテランケアマネジャーは「要支援に“落ちた”人に、制度の趣旨を理解してもらうのがひと苦労だ」。通所介護施設職員も「従来のサービス提供を一方的に断るわけにもいかず、赤字覚悟でデイサービスを受け入れることもある」と打ち明ける。
市介護保険審議会会長で東北大大学院の関田康慶教授は「介護予防の方向性は間違っていないが、介護判定が実態に合っていないなど問題点もある。要支援者へのきめ細かい指導が期待される地域包括支援センターも十分に機能していない。新制度が浸透するには、しばらく時間がかかるだろう」とみている。

[メモ]要介護1で16万5800円(利用者負担は1割)だった1カ月のサービス利用上限額は4月から、要支援2で10万4000円(同)、要支援1で4万9700円(同)に削減された。要介護1、要支援1、2に対する電動ベッドなどの福祉用具の貸与も原則的に保険の適用外となった。

(河北新報より)

<フィリピンの看護師・介護士受け入れ 今国会中に正式承認>
フィリピンから看護師・介護士の候補者1000人を日本に受け入れ、滞在・就労を認めることを盛り込んだ日比経済連携協定(EPA)の条約締結をめぐる審議が8日、衆議院外務委員会で終了し、10日にも通過する見通しとなった。今国会会期中には正式に承認されることになりそうだ。条約は両国でそれぞれ国会の承認を得ることが必要なため、実際に発効するのは来年以降になると考えられるが、日本の厚生労働省を始めとする所轄官庁では具体的な受け入れ条件の整備が本格化する。厚労省では現在、フィリピンの介護士候補者らが国家資格取得までに就労する介護施設の条件を検討中。過去に不正行為を行ったことがないこと、日本語や介護の知識・技術のほか、職場への適応を促進する研修体制を整備していることなどを受け入れ条件とする方向だ。
「経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定」(日比経済連携協定=EPA)は、2002年5月にアロヨ大統領からの提案で交渉がスタート。輸出入に関するさまざまな規制緩和の一部として初めて「人(労働力)の移動」が盛り込まれ、その対象となったのが医療介護分野への専門職の受け入れだ。受け入れ条件の枠組みなどについて交渉が続けられ、今年九月九日に首脳間で正式に合意・署名された。これを受け、国会で条約の承認を求める議案の審議が進められている。

(シルバー新報より)

<レンタル判断基準 過剰抑制事例を調査 厚労省 年度内には見直し>
厚生労働省は介護保険の福祉用具レンタルで示している判断基準が適正かどうか都道府県を通じて調査を実施する。現行の判断方法では、利用ができない人の中にも、介護ベッドのレンタルが必要と思われる高齢者がいることから判断方法を見直すべきとする要望が一部の自治体から上がっていた。
必要がないのに不適切な利用を行っているケースが多いとして、4月から要介護1以下の高齢者では介護ベッドなど五種類の福祉用具について原則的には使用できないことになった。例外的に給付を認める場合として「判断基準」を国が示している。

(シルバー新報より)

<高齢者生活実態調査:「自宅で介護を」66% 在宅志向強まる−都調査結果/東京>
都福祉保健局が昨年実施した「高齢者の生活実態調査」で、介護が必要になった場合に自宅での介護を希望する高齢者は66%と、5年前の前回調査に比べ14ポイント増えたことが分かった。対照的に、高齢者福祉施設での介護を望む人は全体の1割で前回より半減した。同局は「ホームヘルパーの利用など介護保険制度が浸透した結果、在宅志向が強まったのではないか」と分析している。
調査は昨年11月1日から1カ月間、都内に住む65歳以上の高齢者6000人を対象に実施。4583人から回答を得た。同様の調査は5年ごとに行われ、前回は介護保険制度が始まった00年度だった。
日常生活で入浴時などに何らかの世話が必要な高齢者は全体の1割程度だった。「主に世話をしている人」は「家族」が最多の56・2%。介護保険制度の普及を受け、「ホームヘルパー」と答えた人は28・1%で前回の倍以上に増えた。
世帯構成では、「高齢者のみ」が80年度の調査開始以来増え続け、今回は52・4%と初めて半数を超えた。うち3分の1は「独り暮らし」だった。高齢者本人の年収は「200万円未満」が前回より2・1ポイント増の48・9%で、高齢者の低収入化が進んだ。
特に女性の場合、「独り暮らし」は4人に1人で、「年収200万円未満」が7割を占め、老後の生活は男性より厳しい実態が浮かび上がった。
また、認知症などで判断能力が不十分な人の財産管理などを後見人が代理する成年後見制度について、「言葉も内容も知っている」との回答は3割にとどまり、高齢になるほど知らない人の割合が高かった。

(毎日新聞より)

<赤ちゃんポスト設置へ 熊本市の慈恵病院、全国初>
事情があって親が育てられない新生児を受け入れる「赤ちゃんポスト」(通称・こうのとりのゆりかご)を、熊本市の慈恵病院(蓮田晶一院長)が年内にも設置する計画を進めていることが9日、分かった。ドイツですでに導入されているが、実現すれば国内初となる。
同病院は「あくまでも緊急措置で、捨ててもらうのが目的ではない。新生児の産み捨てや、不幸な中絶を少しでも減らしたい」と説明している。
計画によると、病院の窓を外部から開けられるようにした箱型の「ポスト」を設置。内部は保育器と同じ状態に保たれ、新生児が入れられるとナースステーションで警報が鳴る仕組み。
新生児の引き取り先として、岡山県医師会に全国から登録している約160組の里親に、行政を通じて紹介する特別養子縁組制度の適用などを検討しているという。
同病院の蓮田太二理事長(産婦人科)が2004年にドイツを視察、「赤ちゃんを育てられないと悩む人が、匿名で預けるところがあれば」と、準備を進めてきた。ドイツにならい、ポスト内には考え直した親が子どもを引き取りに来た際の手続きを書いた紙なども入れるという。
蓮田院長は「保護責任者遺棄罪との関係では熊本県警から問題ないと言われた。保健所の許可が下りればすぐに工事を始めたい」と話す。
熊本市保健所地域医療課は「これまで想定していなかったケースだが、病院は赤ちゃんの健康チェックが可能で、命を守る立場。医療法上、抵触することはない」としている。

(共同通信より)



[2006/11/09]
 患者殴打とカルテ改ざん

<患者殴打とカルテ改ざん PTSD医師と国に賠償命令>                   国立精神・神経センター国府台病院(千葉県市川市)で心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療を受けた千葉県の女性が診察中に医師から殴られて難聴になったなどとして、医師と国に計約895万円の賠償を求めた訴訟の判決が8日、東京地裁であった。野山宏裁判長は医師による殴打とカルテの改ざんを認定。医師と国に約153万円の支払いを命じた。
賠償を命じられた医師は同センター精神保健研究所の金吉晴・成人精神保健部長。国内のPTSD治療の第一人者で、関係学会の会長も務めた。
判決によると、金医師は02年12月、診察中に身体感覚がまひして「解離」状態になりそうになった女性から「たたいてください」と言われ、顔を平手で強打。難聴などの障害を負わせた。センターの内部調査終了後の03年4月以降、カルテに診断名や治療法などを書き加えて改ざんした。
国立精神・神経センター国府台病院は「カルテに追加記載はしたが改ざんではないと主張していた。判決内容を十分検討したい」としている。

(朝日新聞より)

<厚労省笛ふけど、都道府県踊らず 医療費の抑制計画>
各都道府県で医療費抑制のための医療費適正化計画を検討し、実行するように、厚生労働省が各自治体に首長クラスを長とする推進組織の設置を求めているにもかかわらず、知事、副知事をトップにしているのは6府県にとどまっていることが分かった。厚労省は都道府県を医療費抑制の「実行部隊」と位置づけるが、「笛吹けど踊らず」の状態だ。
今月1日の時点で知事を長とする組織を発足させたのは岩手のみで、副知事が山形、大阪など5府県。青森は知事がトップの組織設置を検討している。
東京や福岡など32都道府県は組織自体はつくったが、トップを務めるのは健康福祉部長などナンバー3以下。神奈川や茨城など8県では組織自体がまだできていない。
適正化計画では、療養病床の削減数や健康保険の受診率について、国が示した数値目標に基づき都道府県が具体的な計画を策定、08年度から実施する。自治体側の協力が得られなければ、適正化計画自体が成り立たなくなる恐れもある。
6日に都道府県の担当者を集めて開かれた会議で、厚労省は「医療費の適正化計画には幅広い部局の協力が必要。改革が実現すれば都道府県の負担も08年度で500億円程度削減できる」として、知事・副知事をトップにすえた組織にするよう再検討を求めた。
これに対し、福祉保健部長がトップの広島県の担当者は「国も県も事務的な基礎づくりをしている段階。知事と話し合うことではない」。健康福祉部長を長とする愛知県は「部内の各課の連携で十分」と話した。

(朝日新聞より)

<08年度で5600万人、生活習慣病の健診対象者>
厚生労働省は7日、2008年度からスタートする生活習慣病対策の一環である健診の対象者数を、同年度時点で5618万人とする推計をまとめた。中高年を対象とした現在の一般的な健診の年間受診者数約2800万人のほぼ2倍に当たり、健診の態勢づくりが課題となりそうだ。
生活習慣病の健診は、先の医療制度改革で、08年度から保健指導とともに健保組合や市町村など公的医療保険の運営者(保険者)に義務付けられることになった。受診率が低い場合は保険者に対するペナルティーの導入も検討されており、保険者にとっては実際に健診を受け入れる医療機関などの確保が課題となる。保健指導に当たる保健師ら指導員の不足も懸念される。
一方、受診者増を予想して、既に東京日動火災をはじめ民間企業が相次いで健診のアウトソーシングビジネスを狙って、契約先である企業の健康保険組合の加入者や家族へサービスを始めるなどの動きも出ている。
厚労省の推計による保険者別の受診者は、健康保険組合加入者では被保険者数688万人、被扶養者数355万人の計1043万人。市町村が運営する国民健康保険では2571万人(家族も含む)などとされる。

(共同通信より)

<医療情報の安全管理ガイドラインの見直しを開始>
政府の情報セキュリティ政策会議の「重要インフラの情報セキュリティ対策に係わる基本的考え方」で医療を重要インフラと位置づけられたことから厚生労働省は8日、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」の見直しを始めた。サイバーテロなどによるIT障害対策などを検討する。

<医療計画の指標案を提示>
医療計画のがん対策などの主要事業ごとに数値目標や医療連携体制を規定する見直しを2008年度に控え、厚生労働省は医療機能調査事業に乗り出した。このほど都道府県に主要事業ごとの指標案を提示し、各県の状況の報告を求めた。厚労省は各県の報告と別途指定するモデル地域での状況を踏まえて指標案を見直し、来春には大臣告示として医療計画の共通指標を示す方針だ。



[2006/11/07]
 フィリピン介護士にも国試義務づけ

<有料老人ホーム、介護大手が入居費用下げ>                         介護関連サービス大手が有料老人ホームの入居費用を引き下げ始めた。ジャスダック上場の業界大手、ツクイ、メデカジャパンなどが入居時に必要な費用を100万円前後と従来の半分以下に下げた。2000年の介護保険制度導入から6年たち、有料老人ホームが急増。入居者の選択眼が厳しくなり、サービス内容だけでなく、価格も競う時代に入った。
メデカジャパンは来年秋開業する埼玉県戸田市の施設の入居一時金を100万―200万円に抑える予定。従来の施設と比べると5分の1から10分の1の水準だ。今後も価格を抑えた施設を増やす。デイサービス、認知症高齢者が共同生活するグループホームなどを併設することで、介護職員の作業効率を上げる。ホームの入居率も高め、収益を確保する考えだ。
ツクイは入居一時金を原則80万円に一本化した。従来は80万円と180万円の2種類。「ザ・サンシャイン富士」(静岡県富士市)など新規施設は共用部分の無駄を排除。周辺に構える通所介護(デイサービスセンター)施設向けの食事をホーム内の厨房(ちゅうぼう)で調理し、運営費も抑えて対応する。
このところ価格競争が本格化し始めたのは、118施設を運営する大手企業のメッセージが、3月に開設した「アミーユレジデンス吹上」(名古屋市)から入居一時金をなくしたこと。同社の施設も従来は36万―53万円の入居一時金が必要だった。
有料老人ホームの利用者は最初に入居一時金を支払い、その後は毎月、管理費や食費などを支払うことが多い。入居一時金は終身利用権名目で運営会社が徴収し、建築費や設備費などに充てるのが一般的だ。一定の年数で償却し、期間が過ぎると退去しても返金されない。入居時に数百万円かかるため入居をためらう高齢者も多いとみて、介護各社は初期の負担を軽くすることで潜在的な需要を喚起する。

(日本経済新聞より)

<介護予防事業所、研修実績を開示・国が義務化検討>
厚生労働省は3日までに、改正介護保険法で4月から導入された筋力トレーニングなどの介護予防サービスを提供する事業所に対し、事故防止策や研修実績などの情報開示を義務付ける方向で検討に入った。利用者が事業所を選ぶ際に適切に比較検討できるようにするのが狙いだ。
介護予防をめぐっては、体力測定の片足立ちの際に高齢者が転倒し骨折していたことが10月に発覚。利用者が今後も増える見通しであることから、情報開示の必要性が指摘されてい。

(日本経済新聞より)

<病気で摘出の腎臓移植 宇和島徳洲会、過去に11件>
愛媛県宇和島市で起きた臓器売買事件の舞台になった宇和島徳洲会病院は2日、過去に実施した生体腎移植の中で、病気によって摘出した患者の腎臓を別の患者に移植したケースが計11件あった、とする調査結果を発表した。こうした移植は安全性に疑問があるうえ、同病院が移植の可否を検討する倫理委員会も置いていなかったことから、日本移植学会の倫理指針に明白に違反する。専門家からは「医療行為として問題が多い」と疑問の声が出ている。
病院側は当面、こうした移植を中止し、腎臓を摘出された患者が移植に同意していたかどうかを含め、外部の専門家を加えた専門委員会で詳しい調査をする方針。
同病院によると、04年4月から今年9月までに実施した生体腎移植は、今回の事件を除くと81件。このうち11件について、治療の必要性から摘出した腎臓を移植に使っていた。他人からの臓器提供も含まれているとみられる。すべての腎移植を執刀した万波誠・泌尿器科部長(66)は「これまでの移植は親族間だった」と話し、この説明とも矛盾するという。
泌尿器科の専門医によると、一般に腎臓の腫瘍(しゅよう)や腎臓周辺の血管が狭くなるなどの病気の場合は腎臓を摘出し、病変部を治療して患者に腎臓を戻すことはあるが、機能する腎臓を摘出して他人に移植する行為は通常、考えられないという。
81件のうち4件は患者の体内で臓器の位置を変える移植で、66件は当時の記録などから親族間の移植と推定される。ただ、この中の5件については、外国籍などの事情で親族関係が確認できなかったという。
今回の事件では、腎臓を提供してもらう見返りに現金などを渡した男女2人が臓器移植法違反容疑で逮捕、起訴され、臓器提供者(ドナー)の女性が略式起訴された。同病院は関係者の本人確認が十分でなく、倫理委員会も開いていなかった。

11件のうち3件の腎臓の摘出手術を執刀した万波医師の弟の廉介医師(60)は「摘出理由は腎臓がんや良性腫瘍、動脈瘤(りゅう)の疑いだった。術後の検査でいずれも良性と判断されたため、移植した」と説明。「摘出した腎臓を他人への移植に使うことについて、摘出患者の同意を得た」と話した。
病院側は「担当者がいないので、詳細は答えられない」としている。

(朝日新聞より)

<糖尿病治療中断した初期患者の指導徹底 厚労省方針> 
厚生労働省は、市町村や企業健保などの健康保険運営者(保険者)に加入者の健康診断データと診療報酬明細書(レセプト)の突き合わせをさせることで、治療を中断した糖尿病患者を把握し、保健指導を徹底する方針を固めた。患者の管理を強化して重症化を防ぎ、医療費を抑制するのが目的だが、個人情報管理面などで課題も残る。
厚労省は06年の医療制度改革で、生活習慣病予防による医療費抑制を打ち出しており、その一環の措置。08年4月以降、保険者に40歳以上の加入者や扶養家族への健診、保健指導を義務付け、初年度は5618万8000人を対象とする。
一方、11年度には医療機関から保険者に届くレセプトが電子化される。厚労省は健診データを電子化して蓄積すればレセプトとの照合が容易になる点に着目し、保険者に両データの突き合わせを求めることにした。
初期の糖尿病患者は自覚症状がないため、勝手に治療をやめ、症状を悪化させるケースが多い。このため、保険者に(1)健診データが改善していないのにレセプトでの医療費請求が途切れた人の把握(2)そのうえで対象者への面談などを繰り返し、食生活や体重管理などに関する集中指導を行うこと――をさせ、病状が心筋梗塞(こうそく)や脳卒中などに悪化するのを防ぐ考えだ。
厚労省は13年度から、保険者が負担する高齢者医療費への支援金を健診受診率、糖尿病患者減少率などの成績に応じ、10%を上限に増減させる。成績が悪いと支援金が膨らむ「アメとムチ」により、データの突き合わせの徹底をはかる。
ただ、健診や保健指導を民間委託する保険者は多数に上る見通し。改正健保法は個人情報漏えいに対する罰則規定を設けたが、効果は不透明だ。また、集中的な保健指導は「私生活への過干渉」との批判を招くおそれもある。

(毎日新聞より)

<先進医療の消費税を非課税に、患者負担を軽減>
厚生労働省は保険診療との併用を例外的に認める先端医療技術である「先進医療」の患者負担について、これまで課税対象としてきた消費税の取り扱いを見直し、非課税にすることを決めた。先進医療は条件が整えば将来は保険が使えることになっており、保険診療の非課税扱いを先取りして適用し、患者負担を軽くする。税務当局と調整し全国の社会保険事務局などに通知した。
先進医療は欧米で認められていても国内では未承認の技術などが該当する。昨年夏に制度が始まったばかりで件数はまだ少ないが、厚労省は100程度の技術を指定し、約2000の医療機関で実施することを目指している。今は「内視鏡を使った泌尿器腫瘍の手術」など9技術が指定されている。

(日経新聞より)



[2006/11/04]
 フィリピン介護士にも国試義務づけ

<比人介護福祉士にも国試義務づけ 中村社会・援護局長が意向>
1日の衆院外務委員会ではフィリピン人看護師・介護福祉士の受け入れなどを内容とする日比間の経済連携協定(EPA)について質疑が行われた。中村秀一厚生労働省社会・援護局長は、省内の検討会が介護福祉士の資格を取得する際に国家試験の合格を必須とする方向で検討していることについて「私たちとしてはフィリピン人も日本人も同等と考えている」と述べ、フィリピン人に対しても同様に義務づける考えをにじませた。

<総人口1億2776万7994人国勢調査確定値 前年比2万2000人減>
総務省は31日、昨年10月1日時点の日本の総人口は1億2776万7994人で、1年前より約2万2000人減ったとする国勢調査の確定値を公表した。
同省によると、今年10月1日の推計人口は1億2775万人とさらに約1万8000人減っており、昨年始まった、戦後初めての総人口の減少はなお続いている。総務省は、同じ国勢調査の速報値を昨年12月に発表している。今回は調査票を集計して算出した人口や世帯数の確定値を、第1次基本集計結果として公表した。
それによると、総人口は男性6234万8977人、女性6541万9017人で、女性が307万人多かった。年齢別では、65歳以上の老年人口が20・1%と1920年の調査開始以来、最高となる一方、15歳未満の年少人口は13・7%と最低を記録した。沖縄を除く全都道府県で、老年人口が年少人口を上回った。4分の1の市町村では、老年人口が3割以上を占め、6町村で5割を超えた。
また、昨年10月の時点で、日本在住(3か月以上)の外国人は155万5505人で、2000年の国勢調査に比べて18・7%増え、戦後最高となった。総人口に占める割合も1・2%に達した。国籍別では、〈1〉韓国・朝鮮(46万6637人)〈2〉中国(34万6877人)〈3〉ブラジル(21万4049人)〈4〉フィリピン(12万3747人)――の順だった。

( 読売新聞より)

<ボタンひとつで ヘルパー参上 多摩地区で初『要介護』対象>
お年寄りが夜間、急に介護を必要になった際、ヘルパーがいつでも自宅を訪問してくれる新しいサービスが、一日から八王子市の東北部地域(左入・大和田・中野地区)で始まる。四月の法改正を受けて創設された「夜間対応型訪問介護サービス」で、多摩地区では初の実施となる。
対象は要介護認定者。自宅に設置する通信機器のボタンを押すと、介護事業者の担当者と通話ができ、必要に応じてヘルパーらが派遣される。このほか、ヘルパーが夜間に自宅を定期巡回するサービスも受けられる。
サービスの提供時間帯は午後十時から翌朝の午前六時まで。利用希望者は介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談するなどして、介護サービス計画(ケアプラン)に盛り込む。
同地域を担当する事業者は、市内の「在宅ケア・サービスセンター」が運営する「いつでも安心介護センター」。既に利用を申し込んでいるのは五人だが、同センターは今後、三百人程度の利用者を見込んでいる。
市高齢者相談課によると、市内の他地域でのサービス開始は来年二月ごろの見込み。同課は「夜間、おむつ交換や寝返りなどの介護をしていた家族の負担軽減や、一人暮らしのお年寄りの不安解消につながれば」と期待している。

(読売新聞より)

<出足鈍い介護職員基礎研修、要綱決定6道県のみ>
介護保険法の改正で今年度から新たに導入が決まった「介護職員基礎研修」。研修事業者の指定は実施主体である都道府県が実施要綱を策定した後に始まるが、11月1日現在で要綱を策定済みなのは、北海道・福島・神奈川・愛媛・大分、宮崎のわずか六道県しかないことが本紙調査で明らかになった。最も多かったのが「年内」だが、いまだに目途が立たないとするところも少なくない。国の細則通知では科目ごとの受講時間数などは示されたものの、カリキュラムの内容や講師の要件など実際の運用の大部分は各自治体の判断に委ねられている。研修事業者が使用するテキストも出揃わない中で、手探りで進めざるを得ない状況に苦慮する声が多数だ。

(シルバー新報より)

<労働環境整備で定着 賃金より人間関係>
全国老人福祉施設協議会のシンクタンクである老施協総研はこのほど、介護施設職員の雇用実態調査結果をまとめた。介護サービス事業所では現在、職員の離職率の高さと人材確保が大きな課題となっている。調査は、離職率の割合が高い施設と低い施設で、退職理由や求人のサイクル、有資格者の採用状況、給与・待遇といった雇用条件を比較したものだ。離職率が高い施設ほど職場の人間関係を理由とした退職者が多く、逆に離職率15五%未満の低い施設は計画的に求人・採用を行っており、正規職員の求人・採用数も退職者数を上回って確保できている実態などが明らかになった。正規職員では初任給が高い施設ほど離職率も高い。女性職員が多い介護施設においては、賃金よりも人間関係や産休・育休などの子育て支援といった労働環境の整備が人材の定着と密接に結びついていると考察している。

(シルバー新報より)

<リハ診療打ち切りは10月末で6800人>
患者団体やリハビリに関わる専門職などからなるリハビリ診療報酬改定を考える会と全国保険医団体連合会(保団連)は10月26日、都内で今回の診療報酬改定で導入されたリハビリ日数の上限設定の撤廃を求める集会を開催した。保団連の調査によると288医療機関で6873人のリハビリが打ち切られている。患者団体やリハビリに関わる医師からは、個々人の状態像を考慮に入れず日数制限をすることへの批判の声が相次ぎ、制限の即時撤廃を求める集会決議が採択された。
4月からの診療報酬の改定で、医療保険で受けられるリハビリに脳卒中など脳血管疾患180日、呼吸器疾患90日など疾病別に日数制限が設けられた。患者の切り捨てとの批判もあり、6月にはリハビリ報酬を考える会が、厚生労働省にリハビリ日数制限の撤廃を求める44万人分の署名を提出していた。

(シルバー新報より)

<調剤薬局の情報開示義務付け・厚労省、ネットで公開>
厚生労働省は2007年度から全国に約5万店ある調剤薬局に対し、患者が薬局を選ぶうえで参考になる情報を開示するよう義務付け、インターネットで公開する。特定分野の薬に詳しい専門薬剤師がいるかどうかや、患者宅での訪問調剤ができるかなど28項目について都道府県への届け出を求める。
開示するのは休日・夜間に患者が緊急相談するための連絡先や、配置している薬剤師の人数・専門分野など。無菌室の有無やクレジットカードでの支払いが可能かどうかなども公開する。情報開示を拒んだり虚偽報告した場合には是正命令を出す。08年度末までに、都道府県ごとに専用ホームページで薬局を検索できるようにする。
厚労省は07年度から病院や診療所に対し、診察内容などに関する50項目の情報開示を義務付けることも決めている。

(日本経済新聞より)



[2006/11/03]
 介護予防、出足は低調

<介護予防、出足は低調 指定市0.2%>
将来、介護が必要になりそうなお年寄りに運動などをしてもらい、要介護状態になるのを防ごうと導入された介護予防事業で、都市部の「介護予備軍」の把握状況が国の目標を大きく下回っていることが朝日新聞の全国調査でわかった。厚生労働省は65歳以上のお年寄りの約5%を目安としているが、15の政令指定都市では、平均0.2%だった。事業がスタートして半年余り。参加者不足で予防教室が開けないなど、出足は順調とはいえない状況だ。
厚労省は、今年4月から3年かけて、「特定高齢者」と呼ばれる介護が必要になる可能性が大きいお年寄りの把握を進めたい考えで、今年度は、各自治体とも2〜3%を目標にしている。同省が一部の都道府県から集計した現時点の把握状況は平均0.9%(4〜8月分)だが、自治体側からは「人口の少ない自治体ではお年寄りの状態を把握しやすいが、都市部では難しい」との声が出ている。
このため、朝日新聞は7月から9月にかけてまとまった政令指定都市の状況を調べたところ、65歳以上人口に対する把握された「予備軍」の割合はいずれも国の目標を大きく下回っており、0.3%を超えているのが千葉、名古屋、京都の3市だけ。仙台、広島、北九州、福岡では0.1%にも満たない状況で、年間でも1%の達成は困難な状況だ。
また把握できても、「私はまだ元気」などの理由で、介護予防教室への参加を断る人も多く、参加率が5割を超えているのは札幌、仙台、名古屋の3市ぐらい。平均は約3割で、「教室の準備は出来ているが、希望者がいないので始まっていない」(広島)という例もある。
「介護予備軍」の把握が進まない大きな原因として自治体側が挙げるのが、厚労省の定めた基準の厳しさだ。25項目の基本チェックリストのうち、例えば運動機能なら「15分くらい続けて歩いていない」「転倒に対する不安は大きい」などのすべてに該当しなければ候補者にならず、「すべての基準を満たすようなケースは、予備軍というよりも介護が必要な人だ」といった声もある。
18日に開かれた自治体側と厚労省の意見交換会では、「現場が必要と思う人にサービスが提供できるようにもっと柔軟な仕組みにしてほしい」「基準に縛られて介護予防が出来ないのは本末転倒」などと、対象者を選ぶ基準の見直しなどを求める要望が相次いだ。
これに対し、厚労省は「集まりにくいから基準を緩めるというのでは、保険料を払っている人たちの理解も得られない」(老人保健課)と見直しには慎重。「今までのようにサービス希望者が来るのを待っているのではなく、必要としている人を見つけてサービスを提供する新しい取り組みに変わったと理解してほしい」として、自治体側の意識改革の必要性を強調する。

(朝日新聞より)

<福島医師:千葉・長柄にクリニック開院へ 全国展開を計画>
国際的に著名な脳神経外科医、福島孝徳さん(64)が千葉県長柄町に来年秋、脳神経外科専門の「塩田病院福島孝徳記念クリニック」(北原功雄院長)を開院する。30日、記者会見した福島さんは「私のもとには脳腫瘍(しゅよう)の患者約400人が手術を待っている」と話し、今後3年間で全国に同様の6クリニックを建設する計画だ。
同クリニックは医療法人公明会塩田病院(同県勝浦市)の長柄分院となる。成田国際空港に比較的近く、全国から患者を受け入れるという。福島さんは「やるからには日本一の医療施設にしたい」と意気込んでいる。
計画第1号の同クリニックは、約8700平方メートルの用地に鉄筋6階建ての施設を建設する。放射線治療室など最新の医療設備に加え、ヘリポートなど24時間の救急受け入れ態勢を整える。病床19でスタートし、増床していく。福島さんは同日、地元自治体や医師会に協力を要請した。
渡米16年の福島さんは現在、米デューク大など複数の大学教授を兼任し、南米などでも活動している。福島さんは「来年は毎月帰国することになるでしょう」と話している。

(毎日新聞より)

<日医、療養病床の報酬見直しを要望 在宅・施設の受入整備も>
10月25日、厚生労働省で開かれた中央社会保険医療協議会で、日本医師会は療養病床の再編に関する調査を行い、要望事項をまとめ提出した。要望は3項目あり、一つは医療区分1の患者の約4割は退院可能だが在宅・施設の介護サービスが不十分なため、「介護難民」化する。受入体制整備をすべきだ。二つ目は医療区分1の患者の約2割は医療対応が必要なため、介護保険施設での医療対応が整備されるまで医療区分を上げるべきだ。3つ目は診療報酬の改定で医療療養病床は減収になった。診療の継続性を確保するための措置を講ずるべきというもの。
調査は7月に、医療療養病床の届出のある6186医療機関を対象に実施した。有効回答は2870医療機関だった。入院患者のうち医療区分1は 42 ・1%の2万9392人、このうち 63 ・4%(1万8628人)は「病状は安定しており、退院可能だった」。ところが、そのうちの約9割は自宅での受入困難、施設入所待機中の状態だ。医療区分1の人の約4割は退院後の行き場のない「介護難民」になるという。
医療区分1の患者の 30 ・9%は「病状不安定」で、「医学的管理を要する」 57 ・2%、「処置が必要」 11 ・2%であった。したがって医療区分1の約2割は医学的管理・処置が必要だというもの。

◆認知機能障害加算は200床以上で8割
病院のうち特殊疾患療養病棟入院料の算定は 10 ・1%であり、200床以上病院では 40 ・0%に達している。病床規模が少なくなるにつれ算定病棟が減少している。特殊疾患入院施設管理加算は病院の 18 ・7%が算定し、200床以上では 60 ・0%が算定していた。この加算も病床規模が少なくなるにつれ算定病床が減少していた。
特別入院基本料は病床規模が小さいほど算定する医療機関の比率が高い傾向にあった。小規模医療機関では看護配置基準に対応できない実態が表われている。
認知機能障害加算では病院の 45 ・3%、有床診療所 16 ・8%が算定し、200床以上病院では 81 ・8%に達することがわかった。
診療報酬請求の状況は、前年と比較して、平成 18 年7月の1ヶ月あたり点数は全体で、1551千点(前年比▲7・5%)、病院で2193千点(同▲7・2%)、有床診療所では167千点(同▲ 14 ・9%)であった。病床数を補正した後、前年比を見ると全体で▲ 10 ・9%、病院▲ 11 ・1%、有床診療所▲ 12 ・7%となった。患者1人当たり点数では全体で前年比▲ 10 ・1%、病床規模別では 50 〜 99 床▲ 10 ・7%で有床診療所は▲ 15 ・2%となり厳しい経営状況が明らかになった。

◆療養病床維持が7割超
医療療養病床の今後の対応については、「医療療養病床として維持」が 71 ・7%、「一般病床など医療保険の他の病床に転換する」が 23 ・4%となった。「介護保険移行準備病棟に転換する」は5・2%に止まる一方、有床診療所での「閉鎖」が 15 ・0%にのぼった。「老健への転換」は病院6・8%、有床診療所4・4%と少なく、「特定施設への転換」に至っては全体で2・1%に止まった。
介護療養病棟では「医療療養病床に転換する」が 41 ・7%、「介護老人保健施設に転換する」が 20 ・9%、「一般病床など医療保険の他の病床に転換する」が 17 ・9%であった。老健に転換する病院は 25 ・1%、有床診療所は 11 ・3%に止まった。「閉鎖する」有床診療所は 13 ・5%、病院4・5%となった。特定施設への転換は病院5・2%、有床診療所6・1%に止まった。
先に成立した健康保険法一部改正法の関連で療養病床 38 万床を 15 万床へ再編し、 23 万床は介護保険施設あるいは在宅・居住系サービスへの転換とする方針とのすり合わせが今後の課題になるものと見られる。

<手術件数などHP公開に 病院情報で厚労省>
病院を選ぶ際に参考となる情報をわかりやすく提供するため、厚生労働省は来年度から、都道府県を通じて、全国の病院や診療所に診療内容などの医療情報を公表するよう義務づけることを決めた。公表するのは診療科目のほか、疾患ごとの手術件数や差額ベッド代などで、都道府県のホームページなどに掲載する。ただし、死亡率など治療成績の数値は項目に含めることを見送った。

(朝日新聞より)



[2006/11/02]
 療養病床で介護サミット

<療養病床で介護サミット 11月、全国8都市で開催>
厚生労働省は30日、介護保険を運営する市区町村長との意見交換会(介護保険サミット)を11月に全国8都市で開催することを決めた。療養病床の再編について理解を求め、地域ケア、介護保険料の抑制に向けた取り組みなどについて、話し合う。
医療費削減のため政府が打ち出した療養病床の再編については、2011年度末までに療養病床38万床を15万床に削減、介護保険適用の老人保健施設などへの転換を促すことが決まっている。
だが、共同通信社がことし5−6月、全国の市区町村長を対象に実施したアンケートでは、患者の退院後の受け皿が不安であることを理由に、6割近くが再編に「反対」の考えを示すなど、消極的な意見が多く、現地に赴いて意見を交わす必要があると判断した。
意見交換会には、同省幹部が参加、病院から老健施設などに移行しやすいよう施設基準の弾力化や、既存病床の計画的な転換など「地域ケア整備構想」を策定して中長期的な受け皿づくりをどう打ち出すかなど意見交換し、首長らの不安を解消させたい考えだ。
介護保険料の上昇傾向についても、給付を抑制するためにコストがかかる施設介護から在宅介護へとどう取り組んでいくのか意見交換する。

(共同通信より)

<病院前の客待ちタクシー、禁煙車限定じわり進む>
客待ちするタクシーを禁煙車に限る病院が出てきた。健康増進法が施行されて公共施設の禁煙・分煙が進むなか、たばこのにおいがこもるタクシーの規制に病院が取り組み始めた。禁煙車はまだ少ないが、ビジネスチャンスとみて増やすタクシー会社もある。
「『禁煙タクシー』のみ許可致します」
東京都港区の虎の門病院の正面玄関前には、こんな看板がある。
今年1月に設置した。禁煙マークのないタクシーが入ってくると職員が注意する。
外来患者は1日に約3200人。ポスターによる告知など理解を得るための準備に2カ月かけ、優先的に禁煙車を回す国際自動車(港区)の協力で実現した。
「帰宅の際のことも含めて患者の方に対する医療サービスの一環と考えました。禁煙は時代の流れです」と吉村邦彦・呼吸器センター内科部長は説明する。
「禁煙車」とは車内で一度もたばこが吸われたことがなく、屋根の上やボディーに禁煙マークが付いている車をさす。
東京大学医学系研究科の中田ゆりさんの研究によると、車内で1人が喫煙すると粉じん濃度は通常の12倍に、2人喫煙すると31.6倍になる。「車内で吸わなくても、直前まで吸っていた人が乗ると肺に残っていた煙が吐き出され、粉じん濃度は約4倍になります」と中田さん。「車内で多くの人が受動喫煙を強いられていることを知ってほしい」と指摘する。
国際自動車は04年12月に禁煙車を導入し始めた。現在は全体の2割強にあたる約340台が禁煙車で、今年度内に500台まで増やす計画だ。
全国的には札幌市の札幌社会保険総合病院(秦温信(はた・よしのぶ)病院長)がいち早く禁煙車限定に踏み切った。保有する45台すべてが禁煙車という山崎自動車工業(北海道江別市)が協力している。
東京都中央区の聖路加国際病院も禁煙車以外の乗り入れ制限に踏み切り、昨年12月、都内のタクシー会社約60社に理解を求める文書を送った。しかし、通常車の乗り入れは続き、今年8月に再度申し入れた。
それでも時折は通常車を見かける。ある運転手は「並んでいるのが禁煙車ばかりだとためらうが、きょうはみんな通常車だった」と苦笑する。
03年に健康増進法が施行され、病院を含め、公共施設では分煙、禁煙化が進む。今年4月の診療報酬改定で禁煙指導に保険点数がつくようになり、施設内の全面禁煙がその条件になったことも禁煙化への取り組みを後押しする。
とはいえ国土交通省などによると、禁煙タクシーは05年度末現在で全国に5867台。前年度より2300台余増えたが、それでも全体の約3%に過ぎない。
「たばこを吸いたい客もおり、禁煙車にすると売り上げが減る」とタクシー会社が心配するためと東京乗用旅客自動車協会はみる。
昨年6月に禁煙車を導入し、現在は2割にあたる約150台が禁煙車の日の丸交通(文京区)も「今後増やすかどうかは社会情勢を見ながら決めたい」と慎重だ。神奈川県タクシー協会によると、加盟社が持つ約1万台のうち禁煙車はまだ約360台にすぎない。

今年8月から「禁煙車限定」を掲げた東京都文京区の順天堂医院。
タクシー乗り場にいた女性(42)は「禁煙車でないと、車内で窓を開けてもたばこのにおいが消えず、具合が悪くなることもあります。他の病院も禁煙車だけにしてほしい」と話す。
呼吸器内科の瀬山邦明助教授は禁煙外来も担当する。昼休みに職員十数人と見回り、医院の外の道で吸い殻を拾う。構内で通常車を見つければ、運転手に禁煙車限定の取り組みを丁寧に伝える。そうやって地道に働きかけていくつもりだ。

(朝日新聞より)

<タミフルと異常言動、関連性「なし」 厚労省研究班>
抗インフルエンザウイルス薬オセルタミビル(商品名タミフル)の服用者が異常言動で死亡した例などが報告されているが、「小児のタミフル服用と異常言動の関連性は認められなかった」という研究結果が厚生労働省の研究班(主任研究者、横田俊平・横浜市立大教授)の調査で分かった。
異常言動は、インフルエンザの合併症として多く発生する脳症の前にも出るとされるが、タミフルの服用が影響しているのか注目されていた。
調査は昨年度、全国12都県の小児科医を通して行い、2846件(99.5%が0歳から15歳まで)の回答を得た。発熱後7日間の服薬状況や肺炎や中耳炎の併発、けいれんや意識障害、幻覚やうわごとなどの異常言動があったか答えてもらった。
調査対象の患者の9割がタミフルを服用していた。服用した患者の異常言動発生率は11.9%。一方、服用しなかった患者の異常言動の発生率は10.6%だった。統計学的に意味がある差ではなかったという。
医師への調査とは別に、患者の親らにも調査票を配って調べたところ、2545件の回答があった。こちらもタミフル服用による異常言動の発生率の上昇はみられなかった。
厚労省によると、01年の販売開始から今年6月末までに、タミフル服用後に異常言動などで死亡した16歳以下の患者は15人。医薬品による副作用被害に救済金を支給する国の制度に申請した例もあるが、これまでのところ、副作用と認められたケースはない。
タミフルは、鳥インフルエンザが変異して起きるとされる新型インフルエンザの治療薬としても期待され、国や自治体が備蓄を進めている。
横田教授は「明確な結論を得るにはさらなる検討が必要で今年度も詳細な研究をする」と話す。

(朝日新聞より)

<看護師、上京ラッシュ 地方は流出に危機感>
地方の看護学生さん、都会の病院へいらっしゃい――東京の大病院が、地方から看護師の卵を連れて来ようと勧誘に精を出している。診療報酬の改定を機に増員を図る病院が多いためで、東大病院(東京都)は今秋、初めて地方で試験を行った。看護学生にも上京希望が強く、現代版「集団就職」の様相だ。人材を奪われる地方の病院は、最低限の態勢確保も危うくなると危機感を募らせる。
秋田県の北部、大館市にある秋田看護福祉大には今年、「学生さんをぜひうちの病院に」と東京やその周辺の病院の職員が頻繁に訪れる。昨年度の求人件数は262件だったが、今年は10月上旬の時点ですでに338件にのぼる。
10年前に短大として開校し、昨年4年制に改編したばかり。「うちのような新参者はこちらからお願いしなければいけないのに」と、就職担当の後藤忠志助教授は驚く。
東京の病院から続々と内定通知が届く。都内の大学病院に内定した学生(21)は「ずっと東北に住んでいたので、一度は東京で働きたい」と話す。別の大学病院に決まった学生(21)も「都会の大規模病院で最前線の救急医療を経験したい」。この病院には同級生4人も就職する予定だ。
東京の病院が採用活動に熱を入れる背景には、4月からの診療報酬制度の変更がある。
新たな基準に従って看護師をこれまでより手厚く配置すると、入院患者に対する診療報酬が従来より多く支払われるようになった。「人件費が増えるので利益は出ないが、高度医療と患者サービスにつながる」と東大病院の櫛山博副院長。
東大病院は来春、例年の約2.5倍の300人を採用する予定だ。9月30日には仙台や福岡など5カ所で地方試験を実施。教授らも、学会で訪れた地方の看護大などを回ってPRにいそしむ。
東京の大病院の攻勢を受ける地方の病院は厳しい状況に置かれている。
「都会の大病院に学生が流れてとても太刀打ちできない」。宮城県内で4カ所の病院を運営する宮城厚生協会の佐藤道子看護部長は頭を抱える。来春50人程度を採用したいが見通しが立っていない。12の訪問看護ステーションも運営しているがこちらの応募も減っており、病院部門から看護師を派遣して態勢を維持しているという。
東北医療の中心、東北大病院(仙台市)でさえ苦戦を強いられている。例年の倍近い190人程度の採用が目標だが、めどが立たない。「国立大の法人化で大学病院も競争の時代。他大学の行動を制限できないし」(病院総務課)と渋い表情だ。

(朝日新聞より)

<業務停止の介護老健施設、借金と内紛の果てに閉鎖>
介護老人保健施設として、全国で初めて介護保険法に基づく業務停止命令を受けた「すず
しろの郷(さと)」(東京都練馬区)が来月1日、閉鎖される。
都は経営主体の医療法人「杏稜(きょうりょう)会」についても、近く設立認可を取り消す。介護保険の導入で、経営体力も経験もない事業者が参入し、行政側もそれに目をつぶってきたという問題が背景にある。

◆〈「何だ、これは?」。出勤すると、職員食堂に紙が張り出されていた。理事長が、事務長ら4人を解雇したという内容だ。4人はこの日から姿を消した〉
理事同士の反目が表面化したのは、「すずしろの郷」が開設されてまだ4か月後の2000年5月。当時の職員のメモには、理由も示されないままの解雇騒ぎに、職場に動揺が広がった様子がつづられている。
「杏稜会」は「すずしろの郷」を経営するために1998年2月に設立された。関係者によると、土地を持っていた地元の農家が、「介護保険制度で毎月、理事報酬や地代が入る」と知人から持ちかけられたのが始まりだったという。
ところが、登記簿によると、土地は法人設立時には借金4億円の担保に差し出されていた。杏稜会は土地を買い取らざるを得なくなったうえ、施設建設のために「社会福祉・医療事業団」(現・独立行政法人「福祉医療機構」)などから計12億円の借り入れをした。
スタート時から金利負担が経営を圧迫。施設の開設許可は都から下りたものの、トラブルの種が、経営陣の深刻な対立を生むまでに時間はかからなかった。

◆異業種参入続々 施設数10年で3倍
介護保険が導入された00年4月当時は施設が足りず、行政は「負担あってサービスなし」との批判を懸念し、施設や法人の審査は甘くなりがちだった。
老人保健施設は95年に全国で1195か所だったが、昨年は3278か所と、10年間で3倍近くに増えた。異業種からの参入も相次ぎ、中には不適格業者も交じっていたが、その典型が「すずしろの郷」だった。
〈「施設の混乱に対し、都から指導できないのですか?」「都は医療法人にはできますが、現場への指導は練馬区の役割です」〉
職員のメモには、都や区に対し異常な実態を再三訴えた記録がある。都などが、形ばかりの改善指導を繰り返すうちに内紛はエスカレートした。
本来、置かなければならない常勤の医師がいないため、入居者の健康管理はおろそかになり、約1か月で10人が入院。皮膚病が発生したこともあった。負担が重くなったことに嫌気がさした看護師8人が次々に退職した。経営の逼迫(ひっぱく)で給食業者への支払いは遅れ、債権者を名乗る暴力団関係者とみられる人物も出入りするようになった。

◆今年4月に施行された改正介護保険法では、介護老人保健施設に対し、改善命令や業務停止に至らなくても改善を勧告できるようになり、行政がきめ細かな対応をできるようになった。
都福祉保健局では法改正直後に「すずしろの郷」への改善勧告を検討したが、結局、8月中旬まで見送られた。幹部は「月額3000万円近い介護報酬があり、何とか持ち直してほしいという期待があった」と打ち明ける。ところが、その介護報酬は、勧告を見送った直後に債権者から差し押さえられ、都の甘い期待はあっさりついえた。
すずしろの郷の土地・建物は、すでに競売開始が決定。申し立てた福祉医療機構は、新たな経営母体による施設再建を前提に、競売参加者を社会福祉法人や医療法人に限定するよう東京地裁に上申書を出したが、聞き入れられなかったという。
施設建設には都などの補助金約5億4000万円もつぎ込まれているが、戻ってくる見込みは薄い。老健施設として再生される可能性も限りなくゼロに近い、と都はみている。

◆情報開示不十分…移転先、自治体責任で
介護老人保健施設を巡っては、京都府の医療法人が運営していた2施設が虚偽の勤務表を提出したり、介護報酬約2億9000万円を不正受給したりしたことがわかり、府は今年3月、開設許可を取り消した。
しかし、この施設の運営は入居者や職員ごと別の医療法人に引き継がれ、再建されている。「すずしろの郷」のように施設自体が実質的に閉鎖させられるのは、介護保険法改正前を含めても極めて珍しい。
都福祉保健局によると、入居者72人の受け入れ先は決まったものの、リハビリの設備がない特別養護老人ホームを割り振られた人もいる。家族からは「代わりの施設には『3か月で出て』と言われた」といった不安も漏れる。また、通所リハビリの登録者109人については、ケアマネジャーが受け皿探しに奔走しているが、全員に代替施設が行き渡る見通しは立っていない。
入居者や利用者の立場で介護施設の経営実態をチェックすることは可能なのか。介護の質については今年4月に情報公表が義務付けられたが、経営面はいまだ不十分。介護保険法などを改正して一律に情報開示を求めることには、施設や自治体の負担が大きくなり過ぎるとして、「現実的でない」とする専門家が多い。
真野俊樹・多摩大医療リスクマネジメントセンター教授は「施設が自主的に公表するのが望ましい。赤字・黒字の状況や職員の離職率を、目指す介護のレベルと連動させて示せれば、信頼も得られる」と提案する。
介護報酬の減額で追い込まれる施設が増えている中で、経営状況を事前につかめれば突然退所を迫られる事態を避けられる。
田中滋・慶応大大学院経営管理研究科教授は「質の悪い施設が淘汰(とうた)されるのは、悪いことではない。ただ、自治体には、施設が閉鎖された際、利用者の行き場を確保する責任がある」と話している。

(読売新聞より)



[2006/11/01]
 4万人、介護難民恐れ 療養病床「削減」で調査

<4万人、介護難民恐れ 療養病床「削減」で調査>
長期入院患者のための療養病床を削減した場合、医療必要度の低い患者の約4割が介護施設などの受け入れ先が見つからない「介護難民」となる可能性が高いことが25日、日本医師会(日医)が病院を対象に行ったアンケート調査結果で分かった。日医は全国で約4万人が介護難民化する恐れがあるとみて、病院の空きベッド活用など受け入れ体制の整備を求めている。
療養病床は、平成23年度末までに介護保険適用の介護型病床13万床を全廃、医療保険適用の医療型病床も25万床から15万床に減らすことが決まっている。
アンケートは7月、療養病床のある全国6186病院を対象に行われ、46・4%から回答を得た。調査結果によると、「医療区分1」と呼ばれる医療必要度の低い患者のうち、63・4%にあたる1万8628人が「病状は安定しており退院可能」と診断された。
しかし、そのうち5割弱の人は介護にあたる家族が仕事を持っていたり、独り暮らしのため在宅介護が困難だという。また、それ以外にも退院可能と診断された人の2割弱が介護施設への入所を待っている。このため、全体の約4割が退院可能と診断されても行き場を失う可能性が大きいという。

(産経新聞より)

<リハビリは患者調査も 中医協検証部会>
中医協診療報酬改定検証部会は今年度は5種類の検証を行うが、このうちニコチン依存症管理料以外については調査設計をほぼ終え、10月末までには調査を開始する予定だ。また、リハビリテーションに関しては、医療機関のほか、患者についても調査を行うこととした。

<薬価の頻回改定は見送りか>
薬価の頻回改定(毎年改定)を見送る公算が強まった。中医協薬価専門部会は25日、前回の会合まで実施してきたヒアリングをもとに論点そって検討したものの、これから薬価調査を行い、その結果をもとに来年4月に薬価改定を行うことは無理があるため、実質的に改定を見送ることになりそうだ。次回会合で正式に決めるが、あわせて、来年度以降、頻回改定を実施するかどうかを決めることになる。

<16年度の社会保障給付費 過去最高の85兆6469億円>
■高齢者、初の60兆円台
平成16年度に国民に支払われた年金、医療、介護など社会保障給付費の総額が、過去最高の85兆6469億円に上ったことが27日、厚生労働省の社会保障・人口問題研究所のまとめで分かった。老人医療費など高齢者関係は、全体の70・8%を占める60兆6537億円で、初めて60兆円の大台を突破した。
給付費全体の伸び率は対前年度比1・6%で、過去3番目の低水準。雇用環境の改善で失業保険給付が大幅減となったことが主な要因。厚労省は「今後、高齢者人口の増加が見込まれ予断を許さない」としている。
保育など少子化関連支出を含む児童・家族関係は3兆906億円。ただ、三位一体改革に伴う権限移譲により今回から調査対象を外れた部分も含めると3兆4228億円となり、前年度比8・2%の大幅増となった。
児童手当の支給対象年齢拡大が影響したものとみられるが、給付費全体に占める割合は4・0%と高齢者関係の約18分の1にとどまり、高齢者関係への偏りが依然続いていることが分かった。
国民1人あたりの給付費は67万300円で、国民所得に占める社会保障給付費は前年度比0・21ポイント増の23・7%。部門別では(1)年金=45兆5188億円(前年度比1・6%増、全体の53・1%)(2)医療=27兆1537億円(同2%増、同31・7%)(3)失業対策関係=1兆4442億円(前年度比25・8%減)−だった。
収入総額は、資産収入がほぼ半減したことの影響で8・1%減の93兆206億円。このうち、社会保険料は53兆7541億円(全体の57・8%)、税は28兆6369億円(同30・8%)だった。

(産経新聞より)

<ツボの位置、WHOが世界基準決定へ>
はり・きゅうで使われる361か所のツボの位置が国際的に統一されることになった。世界保健機関(WHO)が茨城県つくば市で31日から開く国際会議でツボの統一基準を決める。
現在はツボの位置が国ごとに異なり、それぞれ効果はあるとされるが、国際的に効用などを議論する際に混乱のもとになっていた。
ツボを使った治療は2000年以上の歴史がある。それぞれのツボの位置や名称は治療が盛んな日本、中国、韓国の3か国でそれぞれ引き継がれていくうちに微妙に変化していった。
WHOは1989年に361か所のツボの名称を統一し、国際番号をつけた。さらに、2003年から日中韓の研究者からなる諮問会議を設け、位置の統一を検討してきた。

(読売新聞より)

<医療の介護保険範囲見直し 特養、老健施設で厚労省>
厚生労働省は25日までに、特別養護老人ホームと老人保健施設の両介護保険施設の役割や機能を全面的に見直すことを含めて将来像の検討に入った。介護保険で受けられる医療サービスの適用範囲や医師、看護師の配置基準見直しなどが重要課題となる。
もう一つの介護保険施設である介護型療養病床が2011年度末までに廃止されることに伴い、受け皿になることが期待されている両施設の見直しが必要と判断。加えて有料老人ホームや自宅でのみとりなどを含めた終末期医療全体のあり方についても議論を進める方針。
これら介護3施設は、療養病床が病気を抱えた長期療養者の施設、老健が入院は必要がないが自宅療養ができるまでのリハビリ施設、特養は日常生活で常に介護が必要な高齢者の生活施設、と役割が異なる。
医療については、人工的に栄養分を投与する「経管栄養」や、たんの吸引などはいずれの施設でも可能だが、医師の常勤が3人いる療養病床での処置は多い。常勤1人の老健、非常勤1人の特養では極めて少ない。
このため老健、特養が療養病床の受け皿となるには、看護師を含めた医療スタッフの拡大が必要との指摘がある一方、訪問診療や訪問介護で十分とする意見もある。
また介護保険は、療養病床が投薬や注射などに加え超音波検査やエックス線診断などまで使えるのに対し、特養はいずれも使えず、老健は投薬や注射などまでしか使えないなど、保険適用が複雑で分かりにくいとの指摘がある。
このため同省は社会保障審議会に新設した「介護施設の在り方委員会」で、これらの点の見直しについて議論する。次回09年度の介護報酬改定では体系が大きく変わる可能性もありそうだ。

(共同より)

<特養虐待疑惑、知事「多数の傷は不自然」と再調査指示>
岡山市下阿知の特別養護老人ホーム「阿知の里」の虐待疑惑に関し、石井正弘知事は25日の定例会見で、「短期間に入所者に多数の傷があったのは、不自然で介護ミスだけでは片づけられないと感じる」と述べ、同施設に対し再調査・報告を指示したことを明らかにした。
阿知の里の虐待疑惑では、県と市に対し施設側が、7月11日から10月4日までの間に、軽微なものを含めて41人計162カ所のあざや傷がみつかった、との報告書を提出。傷の原因としては、「介護技術の未熟さ」「入所者本人の過失」などを挙げ、虐待疑惑を否定した。
石井知事は「施設の報告は、外傷の因果関係など分析が不十分で、さらに精査する必要がある」と批判。傷の原因分析や発見後の処置状況などを報告するよう指示したことを明らかにした。
石井知事は「事実関係の究明に努め、仮に虐待や不適正な処置があれば、警察による捜査など推移を見守りながら、関係法令に基づき厳正に対処する」と話した。
また、一般論と断りながらも「短期間に160カ所もの外傷が出るのは不自然なものを感じる」と語った。
阿知の里をめぐっては、「虐待の疑いが強い」と元嘱託医が、県と市に通報。職員の1人は「報告書の内容は、幹部職員に強要されたものがある」と指摘した。
これに対し、施設側は「虐待はない」と強調。報告書作成の過程で強要があったとする職員を「施設をおとしめる行為であり、他の職員に対するパワーハラスメント(上下関係による嫌がらせ)もあった」として、懲戒解雇とした。

(産経新聞より)

<6873人がリハビリ打ち切り 保団連調査>
全国保険医団体連合会がリハビリテーションの算定日数制限の影響調査を行った結果、脳血管疾患等リハビリテーション?の患者6873人が日数制限で治療を打ち切られていたことが分かった。全国20都府県の228医療機関にのぼった。

<窓口支払い限度額のみに 来春から、高額医療費>
厚生労働省は26日、病院や診療所に入院して多額の医療費がかかった患者の窓口での支払い方法について、「高額療養費制度」で規定する自己負担限度額だけの支払いで済むよう、政令改正案をまとめた。来年4月から実施する。現在も70歳以上は限度額だけで済むが、改正で69歳以下にも適用される。
高額療養費制度は、いったん医療費の自己負担分(現役世代は3割)を医療機関の窓口で支払った後、健康保険組合や国民健康保険などから、限度額を超えた分が払い戻される仕組み。重い傷病では退院時に多額の出費を迫られる上、払い戻しまで3-4カ月かかるため、見直しを求める声が強かった。
例えば、胃がんの手術で入院して医療費が100万円かかったとすると、一般的な所得水準の人(月収53万円未満の住民税課税者)の場合、現在の手続きの流れは(1)3割負担の30万円を窓口で支払う(2)健保組合などに高額療養費支給を申請(3)自己負担限度額(約9万円)との差額の約21万円の払い戻しを受け取る-と複雑だった。これが来春以降、患者本人は病院窓口で限度額の約9万円を支払うだけでよくなる。
同制度では今月から、月当たりの自己負担限度額が「8万100円(高額所得者は15万円)+医療費総額の一定部分の1%」に引き上げられた。住民税非課税の低所得者は据え置かれ、定額の3万5400円。

(共同通信より)