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[2006/12/27]
 介護予防基準を4月から緩和

<介護予防基準を4月から緩和、対象者集まらず>
厚生労働省は27日、介護保険の「介護予防事業」の対象者を拡大する方針を決めた。来年4月から、選定要件を緩和する。
同事業は、今年4月施行の改正介護保険法の目玉事業。高齢者が要介護状態になるのを防ぎ、給付費を抑制する狙いがあるが、現行の選定方法では対象者が予想以上に少なく、このままでは目的が達成できないと判断した。
介護予防事業は、介護サービスを使う前の虚弱な高齢者が対象。厚労省が作った基本チェックリストなどで市町村が選定し、希望者は筋力トレーニングや口腔(こうくう)ケアなどの予防事業に参加する。
厚労省は、65歳以上の全人口の約5%、事業初年度の今年度は約3%が該当すると見込んでいた。

(読売新聞より)

<コムスン複数事業所で介護報酬不正請求の疑い 都が監査>
人材派遣会社「グッドウィルグループ(GWG)」の子会社で訪問介護最大手の「コムスン」(東京都港区)が複数の事業所で介護報酬を不正請求している疑いがあるとして、東京都は、都内の同社事業所約50カ所に介護保険法に基づく一斉立ち入り検査(監査)を実施した。都は不正請求の事実が確認された場合、同社に返還を求める考えだ。
都福祉保健局などによると、コムスンは都内で訪問介護事業所など187カ所を展開。このうち53カ所について、今月18日から26日に立ち入り検査した。
都によると、検査の結果、ヘルパーが食事援助サービスなどで利用者宅を訪問した際、介護報酬を請求できない掃除や皿洗いにかかった時間を加算して請求したり、実際にはやっていないサービスを提供したように装っていた実態が確認されたという。
都は、同社がこうした手法を各事業所に指示するなど、組織的な不正請求を続けていた可能性もあるとみて調査を進めている。
GWG広報IR部は「都の定期的な実地指導には協力しているが、監査とは受け止めておらず、不正請求も行っていない」と話している。

(毎日新聞より)

<一律の打ち切りは不適切 リハビリの日数制限で通達 介護への円滑移行促す>
厚生労働省は26日までに、脳卒中などを患った人が必要とするリハビリテーションについて、医師がリハビリの日数制限を理由に「一律に打ち切らない」ようにし、利用者を医療から介護サービスへ円滑に引き継ぐよう求める通達を、出先機関や都道府県に出した。
同省は4月から身体機能の回復効果が高まるよう、発症直後からの短期・集中的なリハビリを重視する制度改革をした。半面、期限や目標があいまいで「漫然とした」リハビリを減らし、介護保険に引き継ぐため、特定の疾患と症状を除き、公的医療保険が使える日数を疾患別に制限(最大180日)。これに対し、国会などで「説明不足」「患者切り捨て」などの批判が起きた。
このため同省は通達により、利用者が新制度下でも、医療保険と介護保険で切れ目なく必要なリハビリを受けられるよう、医師はじめ関係者に促すことにした。
医療保険のリハビリには日数制限があるが、上限を超えて続ければ改善が見込まれる失語症や高次脳機能障害など50を超す疾患・症状には日数制限はなく、医師の判断で継続できる。
ところが、こうした新制度の内容が「医療現場に正確に伝わっていない」という指摘もある。このため通達は医師に対し、日数制限の例外となる疾患の正確な把握と改善が見込まれるかどうかの適切な判断を求め「リハビリを機械的に打ち切ることは適切でない」としている。
また医療保険が使えるリハビリ終了後、患者の意向に沿い、速やかに介護保険が使えるリハビリを受けられるよう「医療機関と居宅介護支援事業者等の連携強化」を求めている。医療機関は要介護認定の申請手続き、介護事業者への連絡などで患者を支援する。

◆リハビリの日数制限
リハビリの日数制限 2006年度の診療報酬改定に伴い、公的医療保険が適用される日数の上限が、呼吸器(90日)から脳血管疾患など(180日)まで4疾患ごとに設けられた。同時に1回のリハビリ時間を従来の1・5倍の120分に増やし、医療機関が身体機能の早期改善を目指し、急性期(発症後おおむね1カ月)と回復期(同3-6カ月)のリハビリを重点的に行うようにした。引き続き、維持期(同2-5年)は必要に応じ、介護保険が適用される居宅介護支援事業者が生活機能の維持・向上を目指すリハビリを行う。失語症などの特定疾患には日数制限はない。

(共同通信より)

<118病院をがん診療連携拠点病院に指定へ 全都道府県で1病院以上>
がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会(座長・垣添忠生国立がんセンター総長)は27日、118病院をがん診療連携拠点病院に指定することを決めた。これにより拠点病院の合計は286病院となり、47都道府県で1病院以上が整備されることになる。

<人頭払い方式導入に「絶対反対」 日医が国保中央会の提言を受け見解>
日本医師会は27日、国保中央会が後期高齢者医療制度体系に人頭払い方式(人数に応じた定額払い)の導入を提言していることについて、「フリーアクセスを阻害することには絶対反対」との見解を発表した。包括払いとすることで、かかりつけ医による高齢者の健康状態の把握や疾病予防指導などが促進するとの指摘に関しては、「医療として必要なことであるならば保険収載すればいい」とした。




[2006/12/26]
 後期高齢者の初期診療、登録主治医に制限を

<後期高齢者の初期診療、登録主治医に制限を・国保中央会提言>
国民健康保険中央会は25日、2008年度から75歳以上の「後期高齢者」に適用する新しい診療報酬制度に関する提言を発表した。高齢者全員が地域の診療所から主治医(かかりつけ医)を選び、初期診療は登録した主治医だけが担う内容。主治医が受け取る診療報酬はその診療所を登録した高齢者の人数に応じた定額払い方式とすることを求めた。
現行の医療制度では患者は医療機関を自由に選ぶことができるため、軽度の患者まで大病院に集中し、病院が入院医療など本来の役割に集中できない問題が生じている。提言では後期高齢者の初期診療を診療所に限定し、患者が事前に選んだ主治医が病状に応じて専門医がいる病院に患者を紹介する仕組みとする。

(日経新聞より)

<有床診の一般病床が基準病床としてカウント 医療法施行規則を改正>
2007年1月1日から第5次医療法改正によって有床診療所の新規の一般病床が基準病床に組み込まれることに伴い厚生労働省は25日、医療法施行規則の一部改正などを改正した。病床数や病床種別の変更を行う場合、都道府県知事の許可を必要としない「厚生労働省令定める場合」についてを定めた。

<2050年、日本の高齢化率はダントツの世界1位か>
2050年には、日本の高齢化率は、世界的にも飛び抜けてトップになるのか。今回の人口推計では、50年の人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は39.6%。04年に国連が予想した主要国の高齢化率と比べると、イタリアの35.53%、韓国の34.54%を大きく引き離して、最も高くなっている。
国連予想の中で05年の人口が100万人以上の153カ国でみると、日本は1950年では高齢化率4.94%で58位だったが、00年に17.21%で3位となり、50年には35.89%でイタリアをわずかに上回って1位となっていた。今回の推計は、国連の予想値よりもさらに3ポイント以上も上がる結果となっている。

(朝日新聞より)

<小児科・産科は集約化へ>
厚生労働省は都道府県からの緊急避難的医師派遣などに対応して動く機関を立ち上げた。12月21日、霞ヶ関で地域医療支援中央会議を開いた。会議は都道府県だけでは対応が困難な要請に対して、医師派遣・紹介等を検討する。
同会議は緊急避難的医師派遣に応えるほか、都道府県の医療協議会からの支援要請・協力要請に対する方策の提示。地域医療アドバイザーの派遣。医師確保等を含めた地域医療の確保に関する助言等を検討する機関。平成19年度予算案においては小児科・産科に関する医療資源の集約化に取り組み、小児科・産科をはじめ急性期の医療をチームで担う拠点病院づくりを行う。厚生労働省全体として医師確保対策には92億円を投じる予定。

◆未熟児診療が可能に
医療資源の集約化の事例としては、北海道中空知地域が提示された。滝川市立病院、砂川市立病院、市立美唄病院は従来、産婦人科医が1〜2名配置され、分娩を実施していたが、平成16年10月から砂川市立病院に産婦人科医を集約させ、医療機能を充実させることで診療レベルを上げることができた。他の2病院へは砂川私立病院から医師を派遣し外来を実施している。
また、大阪府豊能地域では4つの市の市立病院と1つの民間病院でそれぞれ24時間365日小児救急医療を行ってきたが、豊能広域こども急病センターを設置することで、各病院の一次救急患者の減少とセンターが担う一次救急と各市立病院が担う二次救急の役割分担が図られ、効率化が実現された。

◆最大10人の医師養成
全国の医師数の傾向は不足しているとも充足しているとも言われている。医師確保対策については、医療施設に従事する医師は平成10年23・7万人で平成16年には25・7万人に増加している。医師国家試験の合格者は7600〜7700人程度あり、死亡等を除くと毎年3500人から4000人程度が増加している。このままいくと医療施設に従事する医師の数は平成34年には30・5万人となり、需要と供給がバランスし、マクロ的には必要医師数が充足されると予想される。マクロでみた医師数は充足されるが、地域間の医師数の格差は解消されない。東北地方は平均で地域間の偏在状況をみると西高東低の傾向にある。対人口10万人あたりで指標化すると東北地方平均で187・6人で全国平均は211・7人である。一番多い県は徳島の282・4人、最低は埼玉の134・2人である。地域差のほか診療科間の偏在もある。小児科は総数で増加している(平成10年13989人、平成16年14677人)。産科は減少傾向で出生1千人当たり数は横ばいとなっている(平成10年9・4人、平成16年9・5人)。このため国は平成20年度から最大10年間の期間限定で、宮城を除く東北5県と新潟、山梨、長野、岐阜、三重の計10県に医師養成数の上乗せ計画を決めた。

◆卒後臨床研修制度の功罪
医師不足の背景には医師の意識に起因するものが多く、特定の病院の診療科の激務や訴訟リスクに耐え難く、魅力あるキャリアパスを示す医療機関に職を替える傾向が増加している。
また、平成16年度から卒後臨床研修制度が実施され、大学病院の研修医数の激減(平成13年71・2%、平成18年44・7%)や大学の独立行政法人化や研修医の指導体制の確保のため、中堅医師を確保することなどから、大学は従来のような医療機関からの医師紹介機能が果たせなくなってきたことも原因とされている。
これに対応して平成19年度予算では医局に代わる都道府県中心の医師派遣体制を構築する。県を中心とした大学、公的医療機関、地域の医療機関等が参画する協議会で医師をプールし、不足病院に派遣するというもの。すでに長崎県では離島を中心にした医療機関からの医師派遣要請に応じている。
国は病院関係者からなる地域医療支援中央会議を設置し、都道府県の医師派遣などの取り組みをサポートする。先述した緊急避難的医師派遣にも対応する。さらに、すでに行われている小児救急電話相談事業を充実し、小児初期救急センターの整備に5・7億円。小児科・産科をはじめ急性期の医療をチームで担う拠点病院づくりに5・8億円を計上した。



[2006/12/22]
 特養の介護士、入所者を殴る

<盛岡の特養ホーム介護士、90歳代女性入所者を殴る>
盛岡市乙部の特別養護老人ホーム「希望の里」(竹沢哲三施設長)で、30歳代後半の男性介護士が90歳代の女性入所者を殴り、1週間のけがを負わせたことが21日、分かった。
同施設を運営する社会福祉法人希望(のぞみ)会(佐々木達人理事長)によると、2日午前7時20分ごろ、施設内の集会室で、介護士が女性の食事介助をしていた際、女性がおかゆを吐き出したのに怒り右手で女性の額を1度殴った。介護士は「イライラして手を出してしまった」と話しているという。4日付で依願退職した。
介護士は今年3月から同ホームで勤務していた。女性はアルツハイマー病でほぼ寝たきりの状態だった。

(毎日新聞より)

<「7:1に算定要件を」 日病協が要望へ>
日本病院団体協議会(日病協、竹内正也議長)は1月中旬開催予定の中央社会保険医療協議会で、7対1入院基本料に算定要件を設けるなどを謳った要望書を提出する。2006年12月22日の代表者会議で決定した。

<「精神病院」→「精神科病院」で関係省令を告示>
厚生労働省は22日、2006年6月16日に成立した「精神病院の用語の整理等のための関係法律の一部を改正する法律」が12月23日に施行することを受け、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則」や診療報酬の施設基準などに出てくる「精神病院」を「精神科病院」に改め、関係省令などを告示した。

<年金見込み水準、人口減で破たん>
◆48%と試算「経済が上向けば」厚労省、防戦に懸命
20日公表された日本の将来推計人口で、合計特殊出生率の将来見通しが大幅に下方修正された。公的年金の給付水準について、政府は「現役世代の収入の50%以上を確保する」と約束しているが、出生率を新推計に差し替えて単純計算すれば、給付水準は48%を下回る見通しだ。
少子化対策も効果をあげておらず、政府は様々な面で少子高齢化への対応策を練り直す必要に迫られている。

◆厳しい結果
「厳しい数字だ。しかし、年金の崩壊を意味するわけではなく、あらゆる手段で少子化対策を行っていきたい」。安倍首相は20日、首相官邸で記者団に答えた。
公的年金の給付水準は、平均的な会社員と専業主婦(モデル世帯)の受給額が、現役世代の平均収入の何%に当たるかで表示される。現在65歳の世帯(年金月額23万3000円)の給付水準は、現役世代の約59%だ。給付水準は今後しだいに低下するが、政府は2004年の年金改革で、約20年後に50%割れ直前で下げ止まると想定していた。
だが、出生率の将来見通しは、04年改革で見込んだ1・39から、1・26に下方修正された。厚生労働省は「04年改革の前提に今回の出生率を当てはめれば、給付水準は50%を割り、最終的に48%程度まで落ちる」(幹部)と見ている。
しかも、新推計は平均寿命が従来の想定より延びると予想している。高齢者が年金を受給する期間が長くなるため、給付水準はさらに下がる見通しだ。
新推計について議論した20日の社会保障審議会・人口部会では、委員の有識者から「男性のほうが年金受給額が多いので、男性の平均寿命の延びが、年金財政に大きく影響しそうだ」という指摘が出た。
04年の年金改革法は、向こう5年以内に50%割れしそうになった場合に、給付と負担の見直しを行うと規定している。消費税率を引き上げて財源に投入する案など、抜本改革を検討する必要性が、さらに強まったことは確かだ。

◆経済前提も見直し
厚労省は「直ちに給付と負担を見直す必要はない」として、防戦に懸命だ。出生率や平均寿命だけでなく、将来の日本経済に関する想定も見直せば、50%を割るとは限らないと強調する。
例えば、公的年金積立金の運用利回り(年3・2%と想定)を今より0・5ポイント高く見積もると、給付水準は約2ポイント高くなる。現役世代の賃金上昇率(年2・1%と想定)も、高めに修正すれば保険料収入が増える見通しとなるため、給付水準を押し上げる要因になる。
厚労省は来年1月にも、年金財政への影響の試算を公表する予定だ。「04年改革より、将来の経済成長を高めに見込むことになる。給付水準は50%を維持できるという結果になる可能性が高い」と話す幹部もいる。

◆問われる根拠
こうした厚労省の姿勢に対し、疑問の声もある。
駒村康平・東洋大教授(社会保障論)は、「政策を動員して短期的に経済成長率を引き上げたとしても、少子化の加速は、長期的に経済成長の足かせになるはずだ」と指摘する。
試算で経済の見通しを楽観的に変えた場合、「50%割れを避けるため、恣意(しい)的に設定した」という批判が出ることも予想される。
新推計は年金だけでなく、医療保険や介護保険などの社会保障制度にも影響を及ぼしそうだ。特に、医療保険制度は今年6月に関連法が成立したばかりだが、医療費抑制のための追加策が今後、政府・与党内で議論される可能性がある。

◆合計特殊出生率 1人の女性が生涯に産む子供数に近い推計値。15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を足し合わせて算出する。人口を維持するには2.07以上が必要とされるが、1975年に2.0を下回って以来、低下を続け、05年には1.26に落ち込んだ。

◆「人口減前提の政策を」実らぬ少子化対策
今回の人口推計により、政府・与党による従来の少子化対策が効果をあげていないことがより鮮明になった。
政府が少子化対策を前面に押し出したのは、1994年12月の「エンゼルプラン」が最初で、保育サービスの充実に主眼を置いていた。99年の新エンゼルプランでは、女性の雇用環境の改善なども含めた多角的な対策が始まった。
2004年には子ども・子育て応援プランを策定し、若者の収入を安定させる正社員化の促進や小児医療の充実などにも着手。06年には猪口邦子少子化相(当時)が中心となり「新しい少子化対策」を決定し、07年度予算から乳幼児(0〜2歳)への児童手当の拡充が決定した。
国立社会保障・人口問題研究所によると、社会保障給付費に占める少子化対策や出産など家族関連予算の総計は、1980年度の1兆1197億円が2004年度に3兆906億円と約2・8倍に増加した。だが、年金や医療費を含めた高齢者関連予算は80年度の10兆7514億円から04年度の60兆6537億円と5・6倍以上に増加した。政府が様々な少子化対策を始めても、予算の配分上は、高齢者重視に大きな変化はなかった。
日本総合研究所の藤井英彦主任研究員は、「教育関係の支出も日本はGDP(国内総生産)比で3・6%程度。米国の5・6%、フランスの5・7%など、先進国中で最低クラスだ。予算の配分を抜本的に見直す必要がある」と指摘する。
ただ、政策研究大学院大学・松谷明彦教授(マクロ経済学)は「これから少子化対策を進めても、少子高齢化と人口の減少という問題の解決は難しい」と言う。松谷氏は「人口の増加を前提とした従来の政策は180度転換する必要がある。公的年金もその一つで、給付が下がる年金だけで高齢者は支えられないことを前提に、高齢者向けの月1万円程度で住める住宅の整備など、多角的な政策で安心を確保する必要がある」と主張する。
ニッセイ基礎研究所の石川達哉主任研究員は「日本は少子高齢化では世界の先頭走者で、独自の社会作りを目指す必要がある」と語る。

(読売新聞より)

<「医療補助対象外」厚労省が見送り パーキンソン病など>
厚生労働省は20日、潰瘍(かいよう)性大腸炎とパーキンソン病の軽症者について、医療費補助対象から除外する案の実施を見送ることを決めた。
都道府県と国は、治療困難で患者数の少ない「特定疾患」について、医療費の自己負担分の全額か一部を補助している。潰瘍性大腸炎とパーキンソン病は患者数が増加したことから、厚労省の特定疾患対策懇談会が軽症者を対象から除外するよう提言していた。しかし、自民、公明両党から補助継続の申し入れがあり、厚労省は方針を転換した。

(読売新聞より)

<看護師募集、来春15%増・私大病院など全国452施設>
厚生労働省は20日、都道府県立病院や公立・私立大学病院など全国452施設の来春の看護師募集は今春の15%増の1万4592人と、中央社会保険医療協議会(中医協)に報告した。
国立大学病院など423の大病院では、1.5倍となっていることが分かっている。いずれも看護師配置が手厚い病院に報酬を上乗せした4月の診療報酬改定の影響とみられ、採用拡大の動きが広がっていることが浮き彫りになった形だ。
内訳は、私大病院が16%増の7516人、県立病院が18%増の3546人など。内定を出していない病院もあるため、内定者は今春並みにとどまっている。
中医協では、町立病院などの中小病院の看護師不足が強まることを懸念する医療機関から(中小病院の)実態調査を求める意見があったが、厚労省は「大病院ほど先に採用が決まる傾向があり、中小病院の調査をする時期ではない」としている。

(共同通信より)

<老健の医療提供検討を>
高齢者の住まいについて議諭した15日の介護施設等の在り方に関する委員会(委員長・大森東京大学名誉教授)で、漆原委員(全国老人保健施設協会会長)は療養病床再編で介護療養病床に入院する患者が介護老人保健施設(老健)に移行することに触れ「老健と療養病床は明らかに機能も違うし、患者も違う。施設の担当者には不安がある」との思いを明かした。療養病床と老健では人員配置をはじめ異なる点が多いことから「老健の医療行為などについても考えないといけない」と、老健の人員体制や医療提供などについても検討する必要があるとした。
介護保険三施設の在所者を要介護度別でみると、介護老人保健施設の平均要介護度は3.17であるのに対し、介護療養病床は4.27となっている(いずれも2005年10月1日現在)。漆原委員は「療養病床に入院する患者が変わって(要介護度が軽度化して)老健にくるのか、老健の機能を(重度要介護者を受け入れられるように)変えるのか。そこが見えないため、施設担当者としては不安がある」と、これからの方向性が見えず不安感があるとした。また、老健では医師や看護師の人員配置が薄く、胃ろうなどの医療処置が十分にできないことなどが問題となっているとした。



[2006/12/19]
 脳血管疾患系患者420人リハビリ打ち切り

<脳血管疾患系患者420人 リハビリ打ち切り 京都府内22病・医院>
今春の診療報酬改定でリハビリが発症から最長180日に制限されたことに伴い、京都府内22の病院・医院で脳血管疾患系の患者420人がリハビリを打ち切られていたことが、府保険医協会のアンケート調査で分かった。医療機関からは「必要なリハビリを打ち切らざるを得ず、症状の悪化した患者もいる」と批判が出ている。
府保険医協会は10月、脳血管疾患を対象とする「リハビリ1」を実施している府内の33の医療機関にアンケート調査した。29の病院・医院から回答があり、うち22の病院・医院で脳卒中、脳こうそくの後遺症やパーキンソン病に悩む患者計420人のリハビリを日数制限で打ち切っていた。
病院側は「症状の改善は見られなくても、制限日数以降もリハビリを継続すれば患者の現状維持は可能だ。打ち切りで、回復した機能を維持できなければ、暮らしの質が低下する患者が数多くいる」とし、症状改善だけを評価するのではなく、維持目的のリハビリの重要性を指摘する声が目立った。
打ち切り後、介護保険制度でのリハビリの対象外となる40歳未満の人が25人いた。また▽自主訓練を本人・家族に指導▽(理学療法士や医師でなく)病棟で看護師がリハビリに対応−などの回答があり、専門的なリハビリを継続できていないことが分かった。
医療機関でのリハビリ終了後の患者について、厚生労働省は介護保険制度での通所リハビリや訪問リハビリに移行して対応するとしている。これに対して「リハビリ診療報酬改定を考える会」や全国保険医団体連合会が「生命の質を守ることができず、寝たきりになる人も多い。必要なリハビリを打ち切ることは生存権の侵害だ」として、約40万人の署名を集めて国に見直しを求めている。
第二岡本総合病院(宇治市)の高橋守正リハビリテーション科部長は「介護施設での通所リハビリは集団リハビリが主で、病院での一対一の個別リハとは質が違ううえ、訪問リハも理学療法士が少なく十分ではない。受け皿を作らないで日数制限という制度を実施したことから混乱が生じている」と指摘している。

(京都新聞より)

<リハビリ「最長180日」制限、専門医の56%問題視>
今春の診療報酬改定で公的医療保険によるリハビリテーションの日数が「最長180日」に制限された問題で、日本リハビリテーション医学会が会員のリハビリ医らにアンケートしたところ、半数以上が「適切でない」と答えていたことが分かった。厚生労働省は制限にあたり、同学会などの意見も参考にしたとしているが、現場との考えの違いが浮き彫りになった。
同学会は、リハビリにかかわる医師や看護師などで構成し、会員は約1万人。アンケートは8月に、同学会評議員の医師と無作為抽出した専門医計400人に実施した。回答率は56.5%。
国民健康保険など公的医療保険を使って受けられるリハビリの日数が、発症から90〜180日に制限されたことについて、「適切でない」としたのは56%で、「妥当」は7%だけ。「設定は必要だが、日数に問題」も33%あった。
リハビリの内容を、脳血管疾患▽手足の骨折など▽呼吸器疾患▽心臓や血管の疾患、という4疾患に分けたことについても、69%が「見直しが必要」とした。
上限を超えてリハビリを継続する例外規定として厚労省が挙げた「身体機能に向上がある場合」という条件についても、「維持で可」が37%、「低下の程度を軽減できれば可」が26%と、反対意見が過半数を占めた。
上限を超えてリハビリが打ち切られたり回数が削減されたりした患者がどれだけいるか、との問いには、全患者の「75%以上」が16%、「75%〜50%」が17%、「50%〜25%」が35%だった。
また、制限は最大で9月末まで猶予期間が設けられていたが、8月の段階で45%が「長期外来患者にはすでに中止または回数削減」していた。
アンケートを担当した昭和大医学部教授の水間正澄理事は「障害は一つでないことが多く、リハビリは横断的にしないといけないのに、できなくなったことへの不満が大きかった。学会として、厚労省に見直しを求めていきたい」としている。

(朝日新聞より)

<介護予防の効果検証を開始 07年から実態調査>
介護予防事業や新予防給付の介護予防サービスの効果を検証する厚生労働省の介護予防継続的評価分析等検討会が18日、初会合を開いた。2007年1月から全国の市町村で開始する介護予防の実態調査の結果を基に、介護予防サービスの効果を分析・評価して、09年の次期介護報酬改定などの制度設計に反映する。

<国保保険料の上限56万円に 高所得層対象に4月から>
厚生労働省は18日までに、国民健康保険(国保)の年間保険料の上限額を、2007年4月から3万円引き上げて56万円にすることを決めた。高所得層の負担を増やし、加入者の7割を占める中所得層の負担を軽減する。
負担増となるのは、国保に加入している約2500万世帯のうち、所得上位の5%に当たる約124万世帯。厚労省の試算では、自営業の2人世帯で事業所得が約660万円以上の場合、最大3万円の増額となる。
国保の保険料は、加入者の所得や世帯人数などに応じて各市町村が算定式を決める一方、上限は国が一律で設定している。厚労省は市町村に対し、上限引き上げによる増額分を中所得層の保険料引き下げに充てるよう求めていく考えだ。

(共同通信より)



[2006/12/18]
 老人ホームで変死

<老人ホーム変死 妻が首絞められ 夫は意識不明>
16日午後4時45分ごろ、千葉県八街市の老人ホームで、入所者の郷原千恵子さん(67)が倒れているのを介護士が発見。直後に千恵子さんの夫(72)が倒れているのが見つかった。千恵子さんは首に絞められた跡があり死亡、夫は意識不明の重体。警察は、夫が千恵子さんを殺害後、自殺を図った疑いがあるとみている。

(毎日新聞より)

<50例目の脳死臓器移植 1例目の高知赤十字病院で>
高知市の高知赤十字病院で17日、入院中の成人女性が臓器移植法に基づく脳死と判定、心臓などの臓器が摘出された。97年の法施行後、脳死臓器移植としては50例目、脳死判定は51例目となる。また、今年になっての脳死提供数は10例目で、年間最多となる。
同病院では99年2月、初めての脳死判定が行われている。
日本臓器移植ネットワークによると、女性は臓器提供意思表示カードを持っており、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓(すい・ぞう)に丸をつけていたという。肺が東北大で40代の女性に、左の腎臓が岡山大で40代の男性に移植されたほか、心臓は国立循環器病センター(大阪府吹田市)で30代女性に、東北大で膵臓と右の腎臓が30代男性に、肝臓が40代男性に移植される予定だ。
提供が脳死判定より1例少ないのは、00年6月に愛知県の藤田保健衛生大学病院で60代の女性が8例目の脳死と判定された後、医学的理由から移植が断念されたため。
脳死判定51例目までの移植患者は、心臓39、肺30、肝臓35、膵臓4、膵腎同時26、腎臓57、小腸1の計192人。50例目までの生存率は、心臓95%、肺66%、肝臓74%となっている。
提供が年間最多となったことについて、移植ネットの菊地耕三あっせん対策本部副本部長は17日、厚生労働省であった記者会見で、「提供病院への情報提供や社会への普及啓発で、少しずつ脳死移植への理解が深まった」と話した。

(朝日新聞より)

<ノロウイルス警報、45都道府県に拡大 患者1000万人の予想も>
ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の流行が拡大している。
厚生労働省が「警報」を発した都道府県は45に上り、この冬は1981年の調査開始以来、最大の流行だ。15日には、松山市内の病院で今月に入り、感染性胃腸炎が原因とみられる症状を訴えていた、72〜100歳の入院患者4人が相次ぎ死亡していたことも判明。国立感染症研究所では、「今がピーク」としているが、なお警戒が必要だ。
同研究所は、全国約3000か所の小児科医療機関から、感染性胃腸炎の発生状況の報告を毎週受けている。全国の570保健所の管轄区域ごとに、1医療機関当たり1週間で、平均20人以上の患者が出ると、厚労省は保健所に注意喚起のための警報を発している。この患者数の全国平均が先月下旬、19・83人となり、過去最高となった。
今シーズンは、10月初めに九州で警報が出された後、東へ向かって急速に広まった。今月初めには、青森、沖縄を除く45都道府県にある293保健所に警報が出されている。
ノロウイルスは、カキなどの二枚貝を生食した場合の食中毒が知られるが、むしろ多いのは、患者の吐しゃ物などを通じて感染するケースだ。
東京・池袋のホテルで今月初め、宿泊客ら347人が感染した事例では、客の吐しゃ物の処理が不十分だったことが原因だったとみられている。吐しゃ物を、紙でふき取ってから、中性洗剤でふいていたが、ノロウイルスは塩素系の漂白剤でなければ死滅しない。さらに、乾燥して空気中に舞い上がっても、10日間程度は感染力が残り、ウイルス数個でも感染するという。
松山市のケースは、同市高井町の松山リハビリテーション病院(友岡康雄院長)で発生。死因は、急性心不全や多臓器不全などだった。市や病院によると、隣接の介護老人保健施設で11月末、感染性胃腸炎とみられる集団感染が発生。うち2人が別の病気の治療で同病院に移った後、院内で感染が拡大した。
学校や高齢者施設などでは、患者1人いれば、ドアノブや手すりについたウイルスを通じて、感染がどんどん広がってしまう。
同研究所感染症情報センターの松野重夫主任研究官は、「このままだと、患者数は1000万人くらいになるのでは」との見方も示している。同センターでは、食事前とトイレの後の手洗いの徹底を呼びかけている。

(読売新聞より)



[2006/12/15]
 育児休業給付、50%に引き上げ

<育児休業給付、50%に引き上げ 厚労省方針>
厚生労働省は14日、少子化対策の一環として、育児休業期間中の会社員らに支給される育児休業給付を賃金の40%から50%へと引き上げる方針を固めた。
厚労省は雇用保険法など関連法改正案を2007年の通常国会に提出し、07年度後半の実施を目指す。給付率の引き上げは6年ぶり。
育児休業給付は、出産や育児で仕事ができない期間も一定の所得を保障し、育児と仕事の両立を支援するのが目的だ。原則として子供が1歳になるまで、育休中は賃金の30%が支払われた後、職場復帰から半年後をめどに残りの10%相当がまとめて支給される。
育児休業給付は06年度予算で約1000億円。財源は、労使折半の雇用保険料が8分の7を占め、国庫負担が8分の1。給付率を50%に引き上げると、新たに約250億円の予算が必要となる。

(読売新聞より)

<東洋大教授、診療報酬不正受給指南の疑い 警視庁が捜査>
東洋大学(東京都文京区)の法学部教授(50)が都内の漢方薬局と三つの診療所に助言し、診療報酬などを不正に受給させていた疑いのあることが、関係者の話で分かった。この教授は弁護士も兼業し、医薬業に関するコンサルティング会社(渋谷区)の実質経営者。警視庁はこの会社を通じて不正受給の方法を指南したとみており、会社や診療所などの関係先を医師法違反の疑いで家宅捜索し、捜査を本格化させている。
警視庁生活環境課の調べや関係者の話では、豊島区内で漢方薬局を経営する女性(51)は、薬局を訪れた患者を診察、自らの判断で患者に薬を出していたとされる。
この薬局が患者に売った薬に見合う処方箋(せん)を出していたのは、渋谷区、港区、千代田区の三つの診療所。3診療所は実際には患者を診察しておらず、薬局の求めに応じて処方箋を渡したうえで、その診療報酬を不正に審査支払機関に請求し、健康保険組合などから報酬をだまし取っていたという。
薬局の行為は薬事法違反や詐欺の疑いがあり、3診療所も詐欺や医師法違反の疑いがある。
診療所から薬局に架空の処方箋を融通させる方法は、大学教授が指南していたとみられる。コンサルティング会社は医薬業に関する指導が中心で、薬局や3診療所は一連の診療、調剤報酬の不正受給の手口について、助言を受けていたという。
朝日新聞の取材に対し、教授は「お話しできません」としている。
千代田区の診療所の医師は取材に対し、代理人を通じて「薬局の依頼で患者を実際に診察したケースもあるが、電話やカルテだけで処方箋を出したこともあった。猛反省している」と答えた。
薬局やほかの診療所は取材には応じなかったが、同課の調べなどに対し、「経営指導を受けていた教授の指示だった」と容疑をおおむね認めているという。

(朝日新聞より)



[2006/12/13]
 高齢者にもわかりやすい情報提供の推進を

<「高齢者にも分かりやすい情報提供の推進を」 がん対策の意見交換会>
がん対策の推進に関する意見交換会(座長・垣添忠生国立がんセンター総長)は13日、19のがん関連患者団体からヒアリングを行った(うち1団体は資料提出のみ)。インターネットの活用に偏りがちながんに関する情報提供を高齢者にも分かりやすい形で促進していくべきといった考えが出されたほかや、腫瘍専門医の確立、がん診療連携拠点病院の整理などが要望された。

<後期高齢者医療制度 年明けから本格議論へ>
社会保障審議会後期高齢者医療の在り方に関する特別部会は12日、3人の有識者から終末期医療に関するヒアリングを行った。ヒアリングはこれまで3回開いておりこれで4回目になった。これでヒアリングを終了し、年明けの次回からヒアリングの結果を基に論点を整理し、具体的な後期高齢者医療の在り方に関する議論を始める。



[2006/12/12]
 長崎大病院でノロウイルス感染か

<長崎大病院で患者ら70人食中毒 ノロウイルス感染か>
長崎大学医学部・歯学部付属病院は12日、入院患者と職員の計70人が下痢や吐き気、発熱など、ノロウイルスが原因とみられる食中毒の症状を訴えたと発表した。全員が快方に向かっているという。江口勝美院長は記者会見し、「非常に遺憾。感染経路を特定し、再発防止に努めたい」と謝罪した。
病院によると、今月10日から12日にかけて、9〜95歳の男女70人が症状を訴えた。うち67人は入院患者で、14あるすべての病棟にいた。残りの3人は病院職員で、患者向けの食事の検査などを担当していた。
全員が9日、病院の朝食でメロンと牛乳を口にしており、朝食にウイルスが含まれていた可能性が高いとみられる。

(朝日新聞より)

<老人施設で101人が食中毒症状 ノロウイルスを検出>
兵庫県宝塚市山本丸橋2丁目の介護老人保健施設「エスペランサ」(入所者137人)で、入所者70人、利用者9人、職員20人が下痢や嘔吐を訴え、このうち27人からノロウイルスを検出したと11日、県が発表した。全員が6日昼に給食会社「神戸メディカルサービス協会」(神戸市兵庫区)が作った給食を食べており、調理者2人も腹痛を訴えうち1人からノロウイルスが検出されたため、県は原因を給食と断定。同社による施設内での給食提供について、11日から3日間の営業停止命令を出した。

(朝日新聞より)

<パーキンソン病と潰瘍性大腸炎 公費負担「軽症外す」>
厚生労働省の特定疾患対策懇談会(座長=金沢一郎・国立精神・神経センター総長)は11日、治療費が公費負担の対象となっている難病のうち、パーキンソン病と潰瘍(かいよう)性大腸炎について、症状の軽い患者を対象から外すよう提言した。難病の「患者数が5万人未満」という要件を大幅に上回っているため。厚労省は提言を踏まえ、早ければ来年10月にも支援対象を見直す可能性がある。懇談会は今年度中に、新たな対象疾患を追加するための議論に入る予定だ。
懇談会は、パーキンソン病(約7万3000人)と潰瘍性大腸炎(約8万人)について、「5万人を上回り、希少性を満たさなくなった疾患を対象とし続けることは、それ以外の難病との公平性を欠く」と指摘。潰瘍性大腸炎の対象は「臨床的重症度が中等症以上」に、パーキンソン病は、5段階の重症度で3度以上から4度以上に引き上げるとした。
厚労省の推計では、提言通りだと、潰瘍性大腸炎は66%、パーキンソン病は51%の患者が補助対象から外れるという。
懇談会は一方で、厚労省に対し、軽症者の症状が悪化した際は迅速に支援すること、認定基準が適正に運用されているかを評価すること、難病治療の研究費を確保することなどを求めた。
懇談会を傍聴した潰瘍性大腸炎などの患者団体・IBDネットワークの藤原勝世話人は「患者がいかに苦しんでいるか、実態が分かっていない」と猛反発。全国パーキンソン病友の会の斎藤博会長も「国が作った案を懇談会に認めさせたに過ぎない。絶対に納得できない」と怒りが収まらない様子だった。
72年創設の「特定疾患治療研究事業」は治療費の自己負担分の全額または一部を公費負担しており、現在は45疾患(約54万人)が支援対象。患者数の増加で公費負担が膨らんだため、厚労省は今夏から、97年に定めた(1)患者数おおむね5万人未満(2)原因不明(3)効果的な治療法が未確立(4)生活への長期の支障――の4要件を基準に、対象の見直しを進めていた。

(朝日新聞より)

<生活習慣病患者は1306万6千人、生活習慣病対策で25%削減は?>
がん患者数は142万3千人、糖尿病患者数246万9千人であることが平成17年10月に調査した「患者調査」で明らかになった。全国の病院と診療所1万3千施設の患者を対象にしたもので、総患者数の疾病別推計は継続して治療を受けている者を算式から割り出した数字である。高血圧性疾患患者数は780万9千人、脳血管疾患患者数は136万5千人であり、生活習慣病対策の対象となる疾患患者数は1306万6千人となった。生活習慣病対策の対象となる患者数のうち、入院患者は「がん」16万9800人、「糖尿病」は3万300人、「高血圧性疾患」は1万1600人、「脳血管疾患」23万3600人となっている。外来患者は「がん」20万4600人、「糖尿病」20万2400人、「高血圧性疾患」64万4200人、「脳血管疾患」12万2900人となっている。
なお、健康フロンティア戦略では生活習慣病の現状は「糖尿病」有病者で740万人、予備群で880万人。「高血圧症」で有病者3100万人、予備群で2000万人。「高脂血症」で有病者3000万人。脳卒中の死亡者数は13万人(年)、心筋梗塞の死亡者5万人(年)、がん死亡者数31万人(年)と推計している。このうち平成17年からの十ヵ年戦略で「がんの5年生存率を20%改善」、「心疾患対策で死亡率を25%改善」、「脳卒中対策で死亡率を25%改善」、「糖尿病対策として発生率を20%改善」することとしている。厚生労働省は18年度予算で1億5800万円をつぎ込んでいる。
一方、先頃公表された平成16年度の国民医療費の統計では一般診療医療費が明らかになっている。「がん」は2兆7676億円。「循環器系」5兆4603億円で、それぞれ平成15年度では2兆9724億円、5兆3039億円と「がん」では2048億円増、「循環器系」では1564億円増となっている。
平成18年4月から7月までの医療費総額の伸び率は前年同期比で、総計としては0%の伸びにとどまった。診療報酬改定による受診行動に変化があったためと考えられるが、外来の医療費がマイナスになっている程度である。

◆退院可能な入院患者は2割
「患者調査」では、病院に入院する患者のうち19・2%(28万2千人)は「受入条件さえ整えば退院可能」な入院患者としている。65歳以上ではさらに増え、21・9%、75歳以上では23・7%に増加する。
療養病床の患者で「自立」状態の患者は48・6%と約半数であり、こうした調査結果からも療養病床から介護保険適用施設への転換が進む材料となるのだろうか。
在宅医療を受けた推計患者数は6万5千人、病院は1万3千人、一般診療所は4万9千人、歯科診療所は3千人となっている。このうち「往診」は2万5千人、「訪問診療」3万5千人、「医師以外の訪問」6千人となっている。年齢が高くなるにつれて在宅医療を受ける割合が増加し、65歳以上の外来患者307万8千人の1・8%が在宅医療を受けている。在宅医療を受けている患者の85・3%が65歳以上となっている。



[2006/12/11]
 ノロウイルスQ&A改訂

<ノロウイルスQ&A改訂 厚労省が集団感染予防強化>
厚生労働省は8日、全国で流行中の感染性胃腸炎の原因とみられるノロウイルスについて、対処法などをまとめたQ&Aを改訂し、集団感染を防ぐための注意事項を追加した。病院や福祉施設、学校での流行を防ぐのが目的。Q&Aは厚労省のホームページで見ることができる。
改訂版には▽吐物や便は乾燥しないうちに処理し十分に換気▽汚物がついたシーツや枕カバーはもみ洗いの後、85度の湯で1分以上洗濯▽感染者が使った食器類のほかドアノブやカーテンも消毒――など、集団生活をする施設で発生した際に気を付ける点を追加した。

(朝日新聞より)

<入院日数、格差2倍 厚労省が全国調査>
都道府県別の平均入院日数は、山形県が28.4日と最も短かったのに対し、石川県は58.7日と最も長く、全国で2倍以上の差があったことが、厚生労働省の「平成17年患者調査」でわかった。慢性疾患の高齢者が主に利用する療養病床や精神病床の人口当たりの数が多い県は、入院日数も長くなる傾向があり、厚労省は療養病床の数を減らして医療費を抑制する方針を打ち出している。
調査は3年に1度あり、今回は昨年9月の1カ月に退院した患者の平均入院日数を比べた。全国6594病院の患者の73%、212.8万人を無作為に抽出した結果をもとに全体を推計した。
全国平均の入院日数は39.2日と、前回調査の02年に比べて0.9日減った。
1カ月間だけの調査のため、前回60.6日だった三重が05年は44.5日に大幅に減るなど、変動が大きい県もある。ただ、最も短かった山形は99年、02年も全国最短だった。今回、山形に次いで短いのは長野の28.6日で、神奈川、東京、滋賀と続く。一方、長いのは、石川、佐賀、高知、愛媛、鹿児島の順。50日を超える8県のうち7県が、九州、四国地方だった。
病床の種類別の入院日数は、主に急性期の患者が利用する一般病床が平均22.5日に対して、療養病床は203.2日、精神病床は372.1日と長い。
05年の医療施設調査によれば、人口10万人あたりの療養病床と精神病床の合計は全国平均で559床。入院日数最短の山形は452床、長野は416床、神奈川と東京は300床台と、平均を下回る。逆に、入院日数が長い石川は777床、佐賀は1077床、高知は1516床と多い。療養・精神病床数の人口に対する比率が、平均入院日数に影響しているとみられる。
厚労省は、療養病床の利用者の多くは病気の程度が軽く、医療の必要性は低いとみている。このため医師の配置が少なくて済む介護保険の老人保健施設やケアハウスへの転換を進め、現在38万ある療養病床を12年度までに23万床削減。医療費を抑制する計画だ。
その一環として今年7月から、軽度の患者の割合が多い療養病床の診療報酬を引き下げたが、医療現場からは「急激な引き下げで療養病床の経営が成り立たなくなり、行き場のない高齢者が多数出るおそれがある」と反発が出ている。

(朝日新聞より)

<「お墨付き」制度伸び悩み 病院の安全性や質を評価>
病院の安全性や医療の質を第三者の立場から評価し、「お墨付き」を与える財団法人・日本医療機能評価機構の認定制度が伸び悩んでいる。これまでに全国4分の1の病院が認定されたが、新たに認定を求める病院数は04年度をピークに減少している。審査手順の煩雑さなどが理由とみられ、同機構は「このままでは制度が形骸化してしまう」と見直しに乗り出した。
制度は97年、医療事故が相次ぎ、医療への不信が高まる中で、患者が病院を選ぶ目安にしてもらうため、国と日本医師会の肝いりで始まった。
同機構の委託を受けた医師や看護師、病院事務経験者らが、申請があった病院を訪れ、医療体制やサービスの質などを審査して認定証を発行する。認定を受けた病院は「お墨付き」を看板などで患者にアピールできる。全国約9000病院のうち、認定病院は11月20日時点で2238病院(24.8%)ある。
申請数は、開始からしばらくは年120〜130件だった。01年3月に規制緩和で認定病院を広告掲載できるようになったことや、翌年の診療報酬改定で一部の認定病院に加算が認められたことなどから増え始め、04年度は465件に上った。だが、05年度は341件、06年度は170件程度と一転して減少傾向になった。
背景に、病院側の負担感がある。審査開始から認定まで、最短で4カ月程度かかる。評価項目は病院運営から患者の安全確保など約500に上り、原則すべてが5段階で3以上の評価が必要となる。基準に達しなければ、最初から審査を受け直さなければならない。
このため同機構は来年度から、病院側の負担軽減のため訪問審査から4〜6週間で中間結果を病院側に示し、最終結果の前に改善してもらう。必要なら、補充審査も受けられるようにした。
同機構は「診療報酬の引き下げなど病院を取り巻く環境が厳しさを増し、制度離れが進んでいる。手続きを効率化して少しでも多くの病院に浸透させていきたい」としている。

(朝日新聞より)

<株式会社の病院経営解禁を見送りへ・規制改革会議>
政府の規制改革・民間開放推進会議(草刈隆郎議長)は7日、今月下旬にまとめる最終答申に盛り込む方向で検討していた株式会社による病院経営の解禁を断念する方針を固めた。厚生労働省など医療関係者は、利潤を追求する企業の参入は医療機関の経営にそぐわないなどと反発、会議側との調整が合意に至らなかった。同会議は来年1月にも発足する後継機関に議論の継続を求める方向だ。
企業の医業経営解禁は、同会議の前身である総合規制改革会議が2001年に発足して以来の課題。企業の経営手法を通じて医療の効率化につなげる狙いがある。小泉前政権では自由診療に限り株式会社病院を認める構造改革特区制度の設置にとどまり、今回も営利目的の企業に対する医療界の強い抵抗を崩せなかった。

(日経新聞より)



[2006/12/09]
 65歳以上の患者、過去最高

<65歳以上の患者、過去最高 厚労省の05年調査>
全国の医療機関で昨年、外来や入院で診療を受けた65歳以上の患者は推計で1日約401万6000人で、過去最高に達していたことが7日、厚生労働省の患者調査で分かった。
調査は3年ごとに実施。全国の病院(20床以上)や診療所(19床以下)で昨年10月中の1日を対象に、患者数を集計した。
患者数は「入院」が約146万3000人、「外来」が約709万2000人で、ともに前回調査(2002年)から微増。このうち65歳以上が占める割合は、入院が64・1%(93万8000人)、外来が43・4%(307万8000人)だった。
65歳以上が入院で6万2000人、外来で36万5000人増加したのに対し、ゼロ−14歳、15−34歳、35−64歳は入院、外来のいずれかで減少傾向を示した。
入院患者の平均在院日数は、多い順に精神及び行動障害が298・4日、神経系疾患が66・6日、循環器系疾患が56・0日。
「往診」「訪問診療」などの在宅医療を受けたのは6万5000人。年齢が高いほど受診率が上がり、65歳以上は外来患者の1・8%に上った。
国は高齢者の増加に伴い、今年10月から70歳以上の一部の自己負担割合を引き上げるなど、医療費抑制策を打ち出している。

(東京新聞より)



[2006/12/07]
 女性医師の再就職支援へ

<女性医師の再就職支援へ「バンク」 来年1月から>
日本医師会は6日、出産や介護などを機に現場を離れた女性医師の再就職を支援する「女性医師バンク」を、来年1月末に始めると発表した。厚生労働省からの委託事業で、東京と福岡に事務局を置き、再就職前の研修支援も行う。女性医師を対象にしたバンクは各地にあるが、国のバンクは初めて。
勤務先を求める女性医師は専用のホームページなどで、希望する勤務内容や勤務時間などを登録。医療機関が寄せる求人情報と共にデータベース化し、医師であるコーディネーターがあっせんする。就職後の相談も受け付ける。
医師国家試験の合格者に女性が占める割合は約3分の1だが、女性医師は男性医師に比べ、出産などで現場を離れるケースが多い。長時間勤務などで育児と仕事の両立が難しいうえ、育児休暇をとることができても、研修などの機会が少ないため、復帰が難しいとされている。

(朝日新聞より)

<在宅医療ピンチ 訪問ステーションの看護師、大病院へ>
お年寄りの在宅医療を支える「訪問看護ステーション」で看護師の人材難が深刻になっていることが、関係財団の調査で明らかになった。今年度中に退職する看護師がいるステーションが6割近くにのぼり、病院に再就職する人が多い。看護師の大病院集中を招いている4月の診療報酬改定の余波とみられ、休止や閉鎖に追い込まれるステーションも出ている。医療費抑制のため「病院から自宅へ」の流れを進める厚生労働省だが、今回の改定が裏目に出て、在宅医療を危機に陥れている格好だ。
看護師が自宅などに出向いてケアにあたる訪問看護ステーションは、医師が往診する「在宅療養支援診療所」とともに在宅医療を支える両輪と位置づけられる。厚労省は04年度までに全国で9900カ所と見込んでいたが、経営と労働環境の厳しさから今年4月で5700カ所にとどまる。
調査は「看護師が集まらない」との現場の声を受け、日本訪問看護振興財団が10月に実施。看護師の離職状況について1210カ所にアンケートし、503カ所から回答があった。
それによると、4月以降に辞めた看護師がいるのは181カ所(36%)。今年度内の退職予定者がいる105カ所(21%)と合わせると、計57%で今年度中の離職者・離職予定者がいた。
再就職先が分かっているケースのうち、最も多かったのは病院の38件。病院で訪問看護を「続ける」は1件のみで「続けない」が31件だった。診療所は計18件で訪問看護を「続ける」3件、「続けない」11件。別の訪問看護ステーションへの再就職は26件だった。
人材流出の理由としては「診療報酬改定で病院の看護師確保が激しくなり影響を受けている」など、今春の改定を挙げる答えが目立った。
膨らむ医療費の伸びを抑えるため、発症後間もない「急性期」の医療を充実させて長期入院患者を減らす一方、受け皿として在宅医療を整備し、自宅で療養したり最期をみとったりできるようにするのが厚労省の方針。春の改定では急性期医療充実をめざし、看護師を増やすと高い報酬が得られるようにした。
この改定後、都市部の大病院などが待遇や研修態勢を整えて全国から看護師をかき集めており、中小病院だけでなくステーションもこのあおりを受けた形。自宅で安心して医療が受けられる仕組みをめざす厚労省自らが、結果的にその実現を阻害している構図だ。
同財団によると、05年度の1カ所あたりの看護師数は平均3.81人(常勤換算)。収益の7割強を占める介護保険では「看護職員2.5人(同)以上」が基準で、これに達しなければ休止せざるを得ず、1人でも辞める影響は大きい。
財団の佐藤美穂子常務理事は「予想以上に厳しい結果。患者・家族への影響が心配だ」と話す。
厚労省保険局は「今春の改定で現場に急速すぎる変化が起きているのは認識している。急性期医療の充実と同時に在宅医療の推進もめざしており、バランスがとれるようさらに検討したい」としている。

◆訪問看護ステーション
数人程度の看護師らが所属してお年寄りの家庭などに出向き、医師と連携して健康状態の観察や在宅リハビリ指導、人工呼吸器の管理や痛みのコントロールなどをする。訪問看護は病院や診療所も行ってきたが、在宅医療を進め、ケアの質を高める目的で92年に制度化。今春の介護保険見直しでは、特別養護老人ホームやグループホームとの連携が強化された。

(朝日新聞より)

<社会福祉士は見送りへ 社保審部会が制度見直しで取りまとめ>
厚生労働省社会保障審議会福祉部会(部会長=岩田正美日本女子大学教授)は4日、介護福祉士の資格取得方法について、養成施設での教育課程の受講と国家試験をセットで義務付けることを柱とした、制度見直しに関する意見書を全会一致で取りまとめた。見直しに伴い、現在特養ホームの介護職員などに限定されている実務経験者の範囲や国家試験の出題基準、実技試験のあり方などについても早急に見直すべきとしている。これを受けて厚労省は、来年の通常国会に改正法案を提出する準備に入る。懸念されている専門職確保については、年明け以降に同部会で始める福祉人材確保指針の見直し議論の中で総合的な対策を検討していくとした。一方、社会福祉士資格については、一般養成施設の教育課程を拡充する案などが示されたが、「養成カリキュラムよりまず仕事の範囲や役割を明確に整理すべき」などとする意見が委員から相次ぎ、最終的な意見取りまとめには至らなかった。
同部会は、今年7月に「介護福祉士のあり方及び養成プロセスの見直しに関する検討会」(厚労省中村秀一社会・援護局長の私的検討会)の報告書を受け、9月から4回にわたり具体的な見直し内容を審議してきた。同じ法律に基づく社会福祉士についてもあわせて検討してきた。

(シルバー新報より)

<通所看護参入進まず 訪問看護・在宅ケア交流集会開く>
「本気で重症者を地域へ戻すと考えているならきちんとした報酬を」。11月24・25日の2日間、日本訪問看護振興財団と日本看護協会の共催で行われた訪問看護・在宅ケア研究交流集会のシンポジウムでは、中重度者の在宅生活を支える位置づけの在宅療養支援診療所、療養通所介護(通称・通所看護)などの事業者が会して実施状況を報告した。通所看護は4月に制度化されたばかりだが参入が進んでいない実態が浮き彫りになった。
「医療費や介護費をいかに必要なところにかけ、不要なところを削るか」
シンポジウムの冒頭で厚生労働省医政局の山田雅子在宅看護専門官は今後の課題をこう強調した。年間170万人が亡くなる時代を前に、同省は費用のかかる急性期の病床ではなく、施設や在宅で最期を迎える方向への誘導を行っている。そのためのサービスとして、今年度から24時間体制で在宅患者を支える「在宅療養支援診療所」や、がん末期など中重度の在宅患者が通所して看護・介護を受ける「療養通所介護」を介護保険で創設したと話した。

(シルバー新報より)



[2006/12/05]
 医療機関の機能分化の役割明確化

<医療機関の機能分化の役割明確化>
医療提供体制は本来どうあるべきか。この疑問を解く鍵は医療法改正で行われた医療提供体制のシフトチェンジにある。主要事業(4疾病5事業)ごとに地域医療連携体制、かかりつけ医と地域連携拠点病院のように病診連携を作ることだ。医療提供体制は次期医療計画で診療所は安定期に入った患者の在宅医療を担い、かかりつけ医機能を持つ医療機関となり、病院は高度に専門特化した機能を持つ病院と、主要事業が担えるような拠点病院、慢性期の病院に分けられる。地域医療連携体制は診療情報の電子化とともに進める。厚生労働省は次期医療計画の中で平成25年までに地域医療連携体制づくりの数値目標を決める意向だ。
医療提供体制の見直しについては平成17年12月8日にまとめられた社会保障審議会医療部会の「医療提供体制に関する意見」の中で次の事柄が検討課題として挙げられた。?地域医療支援病院制度の必要性があるかどうか、?地域医療支援病院制度に求められる機能と要件、?特定機能病院制度の必要性の有無、?特定機能病院制度に求められる機能と要件、?特定機能病院制度と医育機関(大学病院)との関係、?病院の外来患者数に基づく医師数の配置基準、?医療連携体制の構築に際してかかりつけ医の果たすべき役割と機能、?プライマリケア、病診連携その他地域の医療連携のあり方、?救急、へき地医療等に必要な医師の確保方策との関係における医療施設の役割。
特定機能病院は現在81病院。大学の医学部付属病院と国立がんセンター、国立循環器病センター、大阪府立成人病センターのみである。特定機能病院は平成4年の第二次医療法改正で制度化された。承認要件は、高度医療の提供、開発及び評価、並びに研修を実施する能力があること。他医療機関からの紹介率30%以上を維持すること。病床数は400床以上。人員配置は医師が通常の病院の2倍程度の配置。薬剤師は入院患者数÷30が最低基準。看護師等は入院患者数÷2(外来については患者数÷30)が最低基準。管理栄養士1名以上配置となっている。設備として集中治療室、無菌病室、医薬品情報管理室が必要となっている。

◆特定機能病院の承認要件を見直しも
11月20日に開かれた「医療施設体系のあり方に関する検討会」では特定機能病院について審議された。大学病院のほとんどが特定機能病院で、医学部生や研修医の教育機関であるため、高度な医療を求める患者との間でギャップが生じていること。また、医業経営を考えるあまり、一般的な手術の実施が増加している。外来に力を削がなくても病院が十分やっていけるような診療報酬にすべきである。特定機能病院のほかに高度な機能を持つ病院はないのか。高度先進医療の取り扱いが平成17年度で平均3・7件というのは少なくないかなどの意見が出た。大学病院という医育機関であることがかえって高度な機能を阻害していないか。高度先進医療も実施されていないのではないかという論点だ。
したがって承認要件を再評価することも必要ではないかとする意見だ。極端なものとしては、「医師の基礎教育を行う大学病院が特定機能病院であることはこのあたりでやめるべきだ」という意見だ。また、「がん」で病院にかかる際、大学病院、がんセンター、がん診療拠点病院の選択があるわけだが、分かりやすい役割分担が必要ではないか。という見解もあった。特定機能病院制度の見直しについては、承認要件、高度先進医療のあり方など意見の整理を進め、来年夏には中間まとめを予定している。



[2006/12/04]
 たん吸引行為、ヘルパーへの解禁を検討会で是非判断

<たん吸引行為、ヘルパーへの解禁を検討会で是非判断>
のどや気管にたまった「たん」の吸引行為について、ヘルパーなどへの解禁が可能かを検討するため、厚生労働省は、医療や福祉の専門家による検討会を年明けにも設置することを決めた。
暫定措置として3年前から認められている、ヘルパーによる吸引の実施状況などを検証した上で、医師、看護師にしか本来認められない医療行為を恒常的に行うことの是非を判断する。
吸引は、医療職以外は本人と家族にしかできなかったが、2003年、病状の進行により人工呼吸器が必要になるALS(筋委縮性側索硬化症)患者に、家族以外の介護者が行うことが、「在宅療養の環境が整うまでのやむを得ない措置」として認められた。主治医や訪問看護師との連携が条件で、05年には、ほかの在宅療養者・障害者にも適用された。

(読売新聞より)

<足立の有料老人ホーム 職員不足ずさん介護 都と区が7施設一斉立ち入り>
東京都足立区に8つの施設を持つ介護付き有料老人ホーム「シルバータウン」(白十商事有限会社経営)で、大幅に職員が不足し、入浴制限など介護サービスの欠如が常態化していた疑いの強いことが分かり、東京都と足立区は1日、介護保険法および老人福祉法違反の疑いがあるとして、同区内に点在するシルバータウン7施設に対して一斉立ち入り検査に入った。同グループでは人員不足を補うため職員が隣接する他の施設を回り、介護を掛け持ちで行っていたとみられる。高齢者を食い物にするずさんな介護の一端が浮かび上がった。
シルバータウンは足立区内に8カ所の施設があり、定員は計1077人。1施設あたり72〜215人の定員で、平成17年度に入居した平均高齢者数は725人に上る。同施設の終身権利金は210万円。個人の生活費負担は、月額15万円と平均より5万〜10万円程度安いことを売り物にしている。
しかし、複数の関係者の証言では、おおむね3人の入居者に1人付くはずの職員がどの施設でも大幅に不足している疑いが浮上。このため、介護サービスの質が低下し、通常は週2回の入浴が10日に1回程度しか行われず、オムツやシーツ交換の回数が極端に少ないことなども問題となっているという。
また、介護付き有料老人ホームの多くが個室入居となるが、同施設はどの部屋も4人部屋。しかし、入居者同士を隔てるカーテンの仕切りはなく、プライバシーが守られていない状態が続いていたという。協力医療機関による過剰診療や、個人によっては身体拘束などの虐待が行われていたとみられている。
都などでは、シルバータウンでは施設を限定して介護を行う職員は少なく、職員の多くが徒歩5〜10分の距離にある同グループの複数の施設を自転車などで回り、掛け持ちで介護にあたっていたとの見方を強めている。
個別施設に対する都や足立区の検査時には、パート職員を常勤扱いしたり、架空の人物を職員とするなど「職員名簿」を偽装していた疑いもあるとみられ、都で実態解明を急ぐ。
同施設の元職員は「とにかく介護スタッフが少なく、入居者の抑制は当たり前だった。入浴もストレッチャーに乗せてシャワー浴ですませるなど、人として扱っていなかった。料金は安く、スタッフは頻繁に入れ替わっていた」と話した。
都内では今年9月、東大和市の特別養護老人ホーム「さくら苑」で職員が入居者に虐待発言をしていたとして、都が再発防止策を講じるよう勧告していた。
取材に対し、シルバータウンでは「責任者が不在でお答えすることはできない」と話している。

(産経新聞より)




[2006/12/01]
 大病院も看護師不足

<大病院も看護師不足 採用5割増、内定は7割>
全国の病院間で看護師の獲得競争が激化している問題で、国立大学病院など423の大手病院が来春採用を予定する看護師は前年比5割増の1万8740人に上る一方で、現時点の内定者数は予定の約7割にとどまっていることが厚生労働省の調査で明らかになった。大病院の看護師採用急増の影響を受け、中小病院では採用活動がさらに難航している可能性が高い。来春以降、相当数の病院が看護師不足に陥ることは避けられない情勢だ。
調査は看護師不足の実態を把握するため、厚労省が緊急に実施。29日の中央社会保険医療協議会(中医協)で結果を報告する。看護師を手厚く配置した病院に入院基本料を上乗せする今年4月の診療報酬改定が影響したとみられ、改定の再見直し論が浮上しそうだ。
調査結果によると、国立大学病院は今年の2.2倍、計5420人の採用を予定し、すでに8割の内定者を確保している。一方、日本赤十字病院は92施設中、28施設が内定者ゼロ。計4109人の採用を予定しているが、内定者数は約半分の2126人で、昨年の実績も下回っている。
大病院の中でも、勤務条件や仕事内容で就職人気の高い国立大学病院などに看護師が集まり、格差が生じている状況だ。
同省の推計では、全国の医療機関で今年必要な看護職員数は約131万4000人なのに対し、実際の就業者数は127万2000人。約4万人の看護師が不足している上に、新卒看護師が一部大病院に集中すれば、地域医療が看護師不足で立ちゆかなくなる懸念がある。
今年4月の診療報酬改定では、看護職員1人が受け持つ入院患者数で決まる入院基本料を変更。従来の患者15人、13人、10人の区分に加え、「7人」を新設し、急性期患者へのケアを手厚くして入院日数を短縮することを狙った。ただ、看護師の配置増が病院の収入に直結するため、各地の病院で採用予定を大幅に増やす動きが活発化した。
東京大学病院では、来春の「7人」達成を「病院あげての最重要課題」と位置づける。「7人」基準の達成で年間9億7800万円の増収が見込まれ、人件費などを差し引いても7500万円の利益増になるという。
医療関係者の間では「看護師の配置を手厚くするだけで増益になるのは問題」との見方もあり、一部病院への過度の看護師集中を避けるため、「7人」配置の診療報酬の見直しなどが検討される可能性も出てきた。

<介護士の受け入れインドネシアからも>
安倍晋三首相と、インドネシアのユドヨノ大統領は10月28日、看護師や介護福祉士の受け入れを含む経済連携協定(EPA)を結ぶことで大筋合意を行った。EPAによる外国人労働者の受け入れはフィリピンに続く2カ国目。インドネシアとの協定でも国家試験の受験や一定の受け入れ枠の設定を条件とする考えで、外務省としては来春の通常国会へ提出し、早期の協定発効を目指したい考えだ。
日本とインドネシアは昨年7月から協定内容の交渉を開始。今年10月までに6回の会合を重ねてきた。
28日は協定に盛り込む項目について大筋合意した。労働者の受け入れでは、看護師・介護士の受け入れの枠組みを構築すること、「研修・技能実習制度」の範囲を拡大して観光関連の研修生のホテル等での受け入れも前向きに検討するとの内容が盛り込まれた。

(シルバー新報より)

<7対1看護届出は544病院に>
4月の診療報酬改定で新設された一般病投入院基本科のうち7対1入院基本科を届け出ている病院が10月1日現在で544病院になったことが、厚生労働省のまとめで分かった。7対1入院基本科の新設に伴う看護師不足が深刻さを増す中で、国立大学付属病院が昨年の2倍以上の看護師を募集していることも明らかになった。こうした実態を踏まえ、中央社会保険医療協議会(上田武史部会長)は、看護必要度などの面から7対1看護の在り方を検討する方針だ。
厚労省のまとめによると、一般病棟入院基本科を届け出ている病院は5732病院、病床数は合計72万3484床。このうち7対1入院基本科を届け出ているのは544病院、10万3836床で、5月1日より264病院、5万9005床増加した。7対1入院基本料を届け出ている病院の一般病棟入院基本科を届け出ている病院数に占める割合は9.5%、病床数の14.4%となった。都道府県別の人口1万人当たりの7対1病床数でみると、青森が最も多く、続いて石川、東京、福岡、群馬、長崎などだった。
国立高度専門病院などにおける来年度の看護職員の募集定員は、国立高度専門病院全8病院合計582人で、本年度の458人より24人増、国立病院機構全146病院合計4500人で、本年度の3800人より700人増、国立大学法人45病院合計5420人で本年度の2455人の2倍以上となるなど、いずれも求人数を増加させていた。日赤、済生会、全社連も同様に増加させていることが分かった。
これらの結果について、11月29日の中医協で竹鴫康弘委員(日本医師会副会長)は「7対1看護は点数設定がほかに比べて特に高い。今後もこのような求人が続くと、地方の不安は大きくなる」として、7対1看護の見直しを求めた。
石井委員(日本病院会常任理事)は、「地方の病院は看護師不足で10対1を維持することさえ難しくなっている。ただ、国立大学病院は以前は定員が決まっており、必ずしも看護師数が十分ではなかった実態もある。医療安全のためにも人手が一層必要になっている」と、大学病院などへ理解を示した上で、平均在院日数のさらなる短縮や看護必要度による看護配置体制の検討を求めた。
邊見公雄委員(全国公私病院連盟副会長)は「病棟ごとに入院基本科を届け出られるようにすべき」と、届け出方法の見直しを要望した。
中医協は今後、7対1入院基本科を算定している病院の患者の実態などを踏まえ、あるべき方向性について検討していく考えだ。