
<価格の不思議、レンタル「質」も見極めて>
介護保険での福祉用具のレンタル料金は、事業所が自由に決められる。定価分を数か月で回収できる料金設定もあり、自治体などから、「高すぎる」「事業所ごとの差が大きい」といった批判も聞かれる。利用者も、事業所を選ぶ目を養いたい。
◆料金差13倍
「この業者は、ちょっと高いなあ」。東京都板橋区で居宅介護支援事業所「スマイルケアプラン」を営むケアマネジャーの高橋勉さんは、新たな利用者がそれまで使っていた福祉用具のレンタル料金に困惑することがある。
相場が月1万2000円(利用者負担1200円)程度の電動ベッドを、ある利用者は1万6000円(同1600円)で借りていた。自己負担の差は月400円だが、事業所の収入だと月4000円、年間4万8000円の差だ。
「高いのに問い合わせへの対応が遅いなどサービスが悪い場合もある。何を基準に料金が決まるのか不明」と、高橋さんは話す。
介護保険での福祉用具のレンタル料金は、事業所が自由に決められる。このため、全く同じ製品でも事業所ごとに違う。
東京都が2005年に行った調査では、定価25万5000円の電動ベッドの場合、1か月のレンタル料金は最低4500円から最高5万8500円まで13倍もの差があった。定価8万円の車いすでは、最低3000円から最高2万5000円まで8倍以上の差。
自由料金制は、業者間の競争による料金の低下とサービスの質の向上を狙って導入された。しかし、こうした競争原理が働いているとは言い難いのが実情だ。
都福祉保健局の角田康一・介護保険課長は、「ケアマネは料金やサービスの違いなどの情報を利用者に提供できていないし、利用者もケアマネ任せ。また、自己負担は1割なので、利用者が料金差を実感しにくい」と説明する。
◆様々な経費
最近では、極端に高い事業所はさすがに減りつつある。しかし、「本体価格からみて高すぎる」との批判は根強く残る。
これに対し、福祉用具レンタル最大手、ヤマシタコーポレーション(本社・静岡市)の山下一平社長は、「福祉用具のレンタルは、単なるモノではなく、サービスの提供。料金の8割程度は、搬送、保守点検、消毒、保管など様々な経費が占める」と説明する。
同社では、利用者宅にレンタル品を届けた後、10日以内に担当者が訪問して使用状況を確認。3か月ごとに定期訪問する。事業所に配置する福祉用具専門相談員らの質を高めるため、社内で独自の試験制度も実施している。「合わない福祉用具は状態を悪化させる場合もあり、保守点検が不十分だと事故につながる。安さだけを追求すれば、困るのは利用者です」と、山下社長。
◆認定制度
利用者には見過ごされがちだが、保守点検や消毒の体制は、事業所ごとの差が大きい。消毒については、シルバーサービス振興会が基準を満たす施設の認定制度を設けている。中堅業者ジェー・シー・アイ(本社・仙台市)が同市内に持つ整備工場も、認定施設のひとつ。東北6県に展開する事業所のレンタル品を同工場に集め、消毒と点検整備を行っている。
消毒は、高圧洗浄、スチーム洗浄、オゾン殺菌の3段階。点検整備は、電動ベッドなら46項目のチェック事項があり、1台に約3時間かかる。「同料金でも同じサービスとは限らない。振興会の認定などを参考にしてほしい」と、同社の和田勲専務取締役は話す。
福祉用具のレンタル料金については、厚生労働省も実態調査に乗り出した。利用者も、ケアマネを通じて相場を把握し、料金とサービス内容を見比べて事業所を選ぶことが大切だ。
(読売新聞より)
<64歳以下、月2000円台に=来年度の平均介護保険料−厚労省>
40〜64歳の介護保険料(労使折半)の1人当たり負担見込み額(平均年額)が2007年度に4万9476円となることが、厚生労働省の算定で21日分かった。前年度から4.0%増加し、単純計算だと自己負担分の平均月額は2062円と初めて2000円を超える。
介護保険給付費は税と保険料で半分ずつ賄っており、40〜64歳の第2号保険料は全体の31%を負担。実際の各自の保険料は加入する医療保険や収入などで異なり、医療保険と一緒に徴収される。
(時事通信より)
<老人虐待 無届施設と判明 厚労省実態把握へ>
千葉県浦安市の介護施設「ぶるーくろす癒海館(ゆかいかん)」が入所者を虐待した疑いがある問題で、厚生労働省は同県を通じ、実態把握に乗り出した。同施設は市のガイドブックで「有料老人ホーム」とされているが、老人福祉法が定める県への届け出は行われておらず、届け出の報告義務違反として30万円以下の罰金を科せられる可能性もある。
老人福祉法の有料老人ホームの定義は、昨年4月の法改正までは常時10人以上の高齢者に対し食事の提供など日常生活に必要なサービスをしている施設だった。改正後は定義が拡大され、1人でも同様のサービスをしていれば有料老人ホームとみなし、都道府県に届け出義務が課せられた。
この改正を受け、同省は都道府県に届け出義務を徹底するよう周知していた。しかし、「(今回の施設のように)若年の障害者なども入居している場合には、届け出義務の対象外」と解釈している自治体もあり、実態はほとんど把握されていない。
神奈川県では06年春にインターネットや新聞広告などで無届け施設の数を調べ、69施設を確認した。同年6月にはこれらの施設を対象に、届け出を促すための説明会を開催。その結果、十数の施設が届け出たり手続きを進めているという。県高齢福祉課は「今回、千葉で問題になった施設のように、入居料30万円、月額15万円のような安い施設は県内では聞いたことがない」と話す。
埼玉県は02年と05年に市町村を通じた調査を実施、計70の無届け施設を確認した。このうち48施設が昨年9月時点でも無届けのままという。
東京都は現在、無届けで運営を続けている3カ所の高齢者施設に対し、届け出をするよう行政指導を続けている。しかし業者はいずれも「職員はボランティア状態でやっている。届け出をすれば利用者に負担増を求めることになる」と、いまだに届け出をしていない。都施設支援課は「市町村から情報が入らなければ把握できない」といい、これまでに指導した業者数の統計もないという。
◆女性事務長代行「虐待という認識はない」
千葉県浦安市の介護施設「ぶるーくろす癒海館(ゆかいかん)」の中原規容子事務長代行(36)は20日、報道陣に入所者の身体拘束について「虐待という認識はない」と繰り返した。
施設内での入所者拘束は「オリではなく、ベッドの周りに柵を置いた。体格がいい人で、ほかの患者さんをベッドから引きずり下ろしてしまい手を焼いていたので1日だけ試した。すぐに柵を壊してしまい、以降はやめた」と述べた。また、金属の金具で入所者をベッドに固定していたことも「試しに1回やってみた」とし、ともに短期間で「家族の了解を得ずにやった」と語った。
同施設は県に介護施設としての届け出をしていない。事務長代行は「診療所から介護施設に移行する際、届け出が必要と知らなかった」とした。そのうえで「先週、県に確認したら、老人以外の入所者もおり、老人施設に当たらないかもしれないということになり、区分の確認が取れ次第、届け出るつもりだった」と説明した。
(毎日新聞より)
<利用者が大幅減で6億円超余剰 京都市、本年度の介護保険料>
京都市が徴収した本年度の介護保険料が、サービス利用者が当初予測より大幅に減った結果、6億円以上余る見込みであることが、21日の普通予算特別委員会で明らかになった。市は余った保険料を基金に積む方針だが、本年度から65歳以上の保険料を基準月額で約1000円値上げしたばかり。委員からは「値上げの幅が大きすぎたのでは。試算が甘い」などの批判が出た。
市保健福祉局によると、2000年の制度開始から昨年度まで予測以上に利用者が増え、サービス事業者に支払う介護保険給付費が急増。65歳以上から徴収する保険料収支は6年間で26億円の累積赤字が出ている。
このため、市は本年度から基準月額(4760円)の2割以上の値上げに踏み切る一方、本年度当初予算で要介護認定者数を前年度より4500人増の5万7700人と見込み、給付費も前年度より22億円増の799億2700万円を計上した。
ところが、認定者は5万4400人(昨年9月末)で前年度より1200人増えたが、当初予測に比べて3300人少なく、給付費も抑制できることになった。本年度介護保険事業特別会計で国や府の負担金と、余る見込みとなった市の保険料6億2200万円などを含め36億円減額する補正予算案を提案した。
市が徴収した保険料が余るケースは初めてで、同局では健康教室など介護予防施策の効果や事業者の不正請求が減ったことなどを理由に上げている。予算特別委では委員から「これだけ余るなら、値上げ幅を抑制できた」「余った分は負担軽減に還元すべきだ」などの指摘が出た。市側は「基金に積み立て、借金返済に充てたい」と説明した。
(京都新聞より)
<テルモが「模擬病院」、医師らが医療機器の扱い方実習>
テルモは21日、医師や看護師らが医療機器の使い方を実習できる国内初の「模擬病院」などを備えた新施設を、4月に開設すると発表した。手術室や病棟などがあり、医療現場と同じ環境で機器を扱うことができる。医師らに自社製品に慣れてもらうことで販促につなげる狙い。医師らから使い勝手など改善点の意見を吸い上げ、新製品開発にも役立てる。
テルモの研究開発拠点である湘南センター(神奈川県中井町)内に建設した。2002年6月に開設した医師向け研修施設に隣接しており、地上2階地下1階で延べ床面積は7000平方メートル。総投資額は約19億円。
手術室や集中治療室(ICU)を備えた模擬病院のほか、腹膜透析器など在宅医療で使う機器の性能検証などができる「模擬住宅」と、脳動脈瘤(りゅう)など難しい手術手技を独自開発の訓練機器を使って学べる実習室の3区画で構成する。医療機関などと契約、機器に不慣れな医師が医療事故を起こすのを防ぐ医療安全教育の場として活用してもらう。社員の研修にも活用し、営業力の強化にもつなげる。
(日経新聞より)
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