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[2007/02/27]
 高齢者施設、防火を強化 消防庁方針

<高齢者施設、防火を強化 消防庁方針>

総務省消防庁は、自力避難が難しい高齢者や障害者らが入所する福祉施設の防火基準を大幅に強化することを決めた。これまでスプリンクラーや自動火災報知設備などの設置義務がなかった大半の小規模施設で基準が強化される。政令改正し、09年4月から段階的に義務づけていく方針。少人数で家庭的なケアを掲げる施設が増える中、現場に影響を与えそうだ。

長崎県の認知症高齢者グループホームで昨年1月、入居者7人が火災で死亡したのを受けた対応で、認知症高齢者のグループホームや知的障害者のケアホームなど1万件以上の施設が基準強化の対象になる。

強化の内容は、(1)延べ面積1000平方メートル以上が対象のスプリンクラー設置義務を一般住宅並み(275平方メートル以上)に拡大(2)300平方メートル以上が対象の「自動火災報知設備」の設置義務を全施設に(3)500平方メートル以上が対象の「火災報知設備」の設置義務を全施設に(4)150平方メートル以上が対象の消火器設置義務を全施設に(5)入居者30人以上が対象の「防火管理者」の配置義務を10人以上にする――などだ。

ただ、一般住宅より大きい施設でも、(1)夜間も避難の補助に必要な職員が一定数いる(2)避難経路が複数ある――など一定の条件を満たすと消防機関が判断した場合は、スプリンクラーについては設置義務を免除する。

認知症高齢者グループホームは00年の介護保険法施行後に一般化したが、同年末に790だった施設が07年1月には8760施設へと約11倍に急増。現行でスプリンクラー設置義務のある福祉施設は全体の1割に満たない。昨年の火災があった「やすらぎの里さくら館」(延べ面積279平方メートル)では、スプリンクラーや防火管理者の設置・選任義務はなかった。

基準強化で防火設備を新設すると最大で300万円程度かかる見込みで、個人経営の小さな施設は資金難で閉鎖に追い込まれる恐れもある。

(朝日新聞より)

<リハビリ日数制限から1年 治療求めさまよう患者>

身体機能を回復させるリハビリテーション医療の現場が大きく揺らいでいる。医療制度改革の一環として、厚生労働省が昨年4月、保険診療で受けられるリハビリに日数制限を導入した。ところが、日数制限後、リハビリ継続が必要な患者の受け皿となる訪問リハビリや病院外施設の整備、専門職の育成が進んでいない。このため、「リハビリ難民」とも呼ばれる患者が生まれ、治療打ち切りに対する不安や悲痛な叫びが広がっている。
脳梗塞(こうそく)で右半身がまひする仙台市の男性(62)は憤る。「リハビリは生きる上での頼みの綱。なぜ打ち切られなければならないのか。個人の力では何もできないのに」
男性は、地域の中核病院からリハビリ中止を告げられ、1月末に治療を打ち切られた。病院は「介護保険の方で何とかして」と言ったきり、特別なアフターケアもなかったという。
偶然、知人を通じてケアマネジャーを紹介され、介護保険で利用できる短時間型の通所リハビリを受けるようになった。右脚に体重をかけられるようになり、歩行訓練に励む。「ここに来られなかったら、体は全然動かなかったと思う。命拾いした」と男性は繰り返した。
全国保険医団体連合会が昨年9―11月実施した調査では、全国でリハビリを打ち切られた患者は、推計で4万5000人に上る。「状態の改善度合いは個人差がある。一律に区切るのは間違いだ」と制度改正を訴える。
厚生労働省が、リハビリ患者の受け皿とみていた介護保険適用のリハビリサービスは、認知症予防や自宅に引きこもりがちな高齢者のレクリエーションが中心だ。「身体機能の回復を目指すものになっていない」と指摘する関係者は多い。
リハビリに特化した通所介護事業所を運営する「フォーレスト」(仙台市宮城野区)の千葉博信社長は「退院後の療養が保障される環境は整っていない。地域でのケア体制が不十分だと言わざるを得ない」と言う。
宮城県の訪問リハビリ指定事業所数は5カ所(1月末現在、医療機関除く)。介護保険指定事業所全体の約0.2%にすぎない。まして40歳未満の患者は介護保険も使えない。仙台市内の総合病院のリハビリ科の医師は「若者の受け皿などほとんどない。治療を打ち切らざるを得ない」と打ち明ける。
東北では専門職の人材難も際立つ。介護保険事業所で勤務する理学療法士数(04年10月1日現在)は、人口10万人当たりで、青森3.9人(47位)、岩手8.0人(29位)、宮城5.9人(40位)、秋田4.4人(46位)、山形7.3人(33位)、福島5.7人(41位)と、6県とも全国平均8.6人を下回っている。
東北文化学園大(仙台市青葉区)の佐直信彦医療福祉学部長(リハビリ科)は「郡部ほど機能回復のリハビリ病院がなく、地域格差は激しい。病院と地域の診療所、介護事業所などが連携し、継続的なケアができる体制の構築が急がれる」と話している。

◆リハビリの日数制限

2006年4月の診療報酬改定で、脳血管疾患は180日、運動器と心大血管は150日、呼吸器は90日以内と定められた。高次脳機能障害や重度の頸椎(けいつい)損傷などは例外とされた。

(河北新報より)

<末期がん治療 家族意向を優先>

がん患者の終末期の治療方針を決める際、患者より先に家族の意向を聞いて判断している病院が46・6%に上ることが、厚生労働省研究班の全国の病院調査で明らかになった。

患者本人の意向を重視するのは、ごくわずかで、がんの終末期医療の現場では、家族の意見が尊重されることが浮き彫りになった。研究班長の松島英介・東京医科歯科大助教授が25日に都内で開かれた会合で発表した。

調査は、厚労省が公表した終末期医療に関する指針案が、医療現場の現状を反映しているかどうかを調べるため、昨年11〜12月に、末期のがん患者などが入院する全国の4911病院を対象にアンケートを実施。1499病院から回答を得た。

指針案では、意思表示できる患者の治療方針の決定を尊重することが規定されたが、調査では、「患者のみに確認」としたのは、0・8%にとどまった。「患者とは別に必ず家族の意向も確認」と答えたのは48・7%に上った。

家族の意向を重視する理由(複数選択)については「患者だけで判断すると、家族から不満が出る可能性がある」が70・6%と最も多く、「本人に説明しないことを家族に懇願された」(64・8%)が続いた。

この背景には告知の問題があると見られ、がん告知は65・9%の病院で行われていたものの、余命告知はその半分にも満たなかった。

松島助教授は「近くまとまる指針作成には、患者の意思が二の次となる日本の状況を踏まえて、議論すべきだ」と話している。

(読売新聞より)

<終末期は出来高と定額併用 75歳以上の医療で日医提案>

日本医師会は26日までに、75歳以上を対象に2008年度から導入される後期高齢者医療制度に対する意見をまとめた。終末期医療の診療報酬について「出来高払い」と「包括払い」(定額制)の併用を提案、厚生労働省が来月中にもまとめる同制度に対する基本的な考えに反映させたい意向だ。

現行の診療報酬は、診察や投薬など診療行為を積み上げる出来高制が主流。これに対し、一部の入院患者に適用されている定額制は、病気の種類などで決められた価格しか払わず、医療費抑制に効果があるとされ、厚労省は後期高齢者医療制度について定額制を中心とする方針を固めている。

日医の提案では、容体が安定している慢性疾患の終末期は定額とするものの、脳卒中や心筋梗塞などの急性疾患や慢性でも症状の急変時は出来高とする。

(共同通信より)

<出産時の医療事故の救済 来年度中の制度導入めざす>

出産に伴う医療事故の被害者を救済する「無過失補償制度」の創設をめざす準備委員会(委員長・近藤純五郎弁護士)の初会合が23日、東京都内で開かれた。医療関係者や法律家ら約20人が参加。今後、補償対象の範囲や再発防止につなげる仕組みづくりなどについて議論を進め、07年度中の制度創設をめざすことを確認した。

同制度は、出産時の医療事故で産科医の過失が認められなくても、脳性まひの障害を負った被害者に補償金が支払われる「保険」。制度化をめざす自民党の検討会が昨年11月、医療機関が負担する保険料を財源とするなどの制度の枠組み案を提示。これに基づき、日本医療機能評価機構(東京)に設置された準備委員会で、制度を運営する組織の体制などを決めることになった。

初会合では、今後、補償対象となる脳性まひ児の発生率調査を実施するほか、運営組織に再発防止策を検討する「事故分析委員会(仮称)」を設置することなどが提案された。4月以降、委員会の下にワーキングチームを設け、患者や産科医にも意見を聞きながら、制度の詳細を議論していくという。

(朝日新聞より)



[2007/02/26]
 福祉の職場の人手不足 悲鳴上げる介護現場

<福祉の職場の人手不足 悲鳴上げる介護現場>

福祉現場が直面している人手不足。景気回復に伴う雇用情勢の改善を受け、厳しい労働条件が敬遠されていることなどが原因で、兵庫県内だけでなく、全国的にも同様の現象が起きている。特に顕著なのが介護福祉の現場。関係者からは「早く手を打たないと人手不足はさらに深刻化する」と悲鳴が上がっている。

◆人が集まらない

「一昨年くらいから職員を募集しても、人を集めるのに一苦労するようになった。退職者の補充のため昨年、中途採用をしようとしたが応募はゼロ。問い合わせが二件あっただけ」

伊丹市の特別養護老人ホーム「K―maisonときめき」の施設長武内伸泰さんはため息をつく。同施設では昨年、三人が退職したが、職員の補充ができず、残った職員は負担が増した。夜勤は、多くても週に一回だったのが、少なくて一回、多いときには二回に。通常、現場に出ない管理職も食事や風呂の介助をするようにもなった。

景気回復に伴い、福祉分野の全国有効求人倍率は年々上昇。二〇〇五年には全産業を上回り、その後も上昇を続けている。中でも老人・介護分野の数値が高くなっている。

06年11月の兵庫県の福祉分野の有効求人倍率は3・22。全国の数値よりも1・6ポイント高いが、「兵庫は人口に占める介護福祉施設の割合が高く、全体の倍率が押し上げられているのでは」と中央福祉人材センター(東京)。

◆結婚できない

なぜ福祉、そして介護の現場に人が集まらないのか?

芦屋女子短期大学(芦屋市)文化福祉学科教授の杉本章さんは「仕事のきつさに対して、正当な評価や処遇を得ていないから」と指摘する。

介護労働安定センター(東京)が05年に実施した調査によると、介護職員全体の月間実質賃金は平均十七万二千四百円。非正社員が七割強を占めるヘルパーの場合は、月平均86.8時間働いて11万1,500円だ。

大阪市西成区の特別養護老人ホーム「白寿苑」の施設長新田正尚さんは「特に若い職員は『こんな労働条件では結婚できない』といって辞めていく」と漏らす。「賃金をアップしたいのはやまやま。しかし、それには介護報酬の引き上げが必要で、そうなれば介護保険料が上がるのは必至」と、新田さんは頭を抱える。

◆学生も介護離れ

人員不足は介護福祉士を養成する短期大学や専門学校にも及ぶ。厚生労働省の調査では、04年時点で専門学校の約七割が定員割れの状態になっている。

芦屋女子短期大学は05年度、文化福祉学科を開設したが、入学者は2年連続で定員の25%に当たる10人だ。同学科教授の杉本さんは「少子化も一因だが、介護現場の厳しい現実が知られるようになったことが、入学志望率の低下につながっている」と分析する。

白寿苑施設長の新田さんは「福祉現場の人手不足は、景気回復による他業種への人材流出に加え、高齢化に伴い増え続ける介護需要、実態に見合わない低報酬など複合的な問題が要因となっている。施設の実態を正しく理解してもらい、行政、地域を交えて議論した上で、早急に対策を打つことが急務だ」と訴える。

〈有効求人倍率〉 

該当月の前月までに繰り越した求人数と、該当月の求人数を足した数を、同様の求職者数で割った値。該当月のみの新規の求人数を、新規求職者数で割った新規求人倍率よりも数値の変動が少ない。

(神戸新聞より)

<ぶるーくろす癒海館問題 入所者の大半退院患者>

浦安市の民間施設「ぶるーくろす癒海館」の入所者身体拘束問題で、県高齢者福祉課は23日、入所者27人(21日現在)のうち、25人が病院を退院して入所していたことを明らかにし、「医療サイドの対応が必要なことから拘束になっていったと思う」との見解を示した。

県内の健康福祉センターの監査指導課長を集めた会議が千葉市中央区で開かれ、事実関係を報告する中で明らかにした。退院者の内訳は精神科病院が11人、一般病院が14人だった。6人ほどが認知症という。

高齢者虐待防止法に基づき16日、県が施設を調査した際、80代の男性が布で両手をベッドに縛り付けられているのを確認。施設側は、鼻から栄養分を送り込む管を抜いてしまうため両手を縛った、と説明していた。

会議終了後、会見した同課の吉田邦仁施設福祉推進室長は「身体介護よりも医療面のニーズが必要。福祉施設というより(常勤医師が必要な)介護老人保健施設の印象を受けた」と話した。

施設は2003年7月に廃止された診療所の入院患者を引き継ぐ形で営業を開始。19床だった診療所のベッド数を、部屋の収容人数を増やすことで27床まで増やしており、「込み合っている印象を受けた」と述べた。

会議では今後、県が老人福祉法に基づく有料老人ホームとしての届け出や身体拘束の廃止、施設運営や職員体制の整備などを指導していく方針を確認した。しかし、出席者からはそれぞれの地域の無届け高齢者施設に関する情報は1件も寄せられず、あらためて情報提供を求めたにとどまった。



[2007/02/23]
 無届老人ホーム、全国625件

<老人ホーム:無届老人ホーム:無届け全国625件>

千葉県浦安市の無届け有料老人ホーム「ぶるーくろす癒海館(ゆかいかん)」で入所者への虐待の疑いが持たれている問題で、毎日新聞は20日、全国47都道府県に緊急調査を実施した。その結果、34道府県が実態調査して計625件の無届け施設を把握していたことが判明。しかし、その後の指導で届け出ていたのは、うち243件にとどまることが分かった。さらに問題の施設のように若年の障害者も入居している場合、「老人ホーム」とみなすかどうかで判断がばらついている現状も浮かんだ。

34道府県の多くは昨年4月の改正老人福祉法施行で定義が拡大されたのを機に、市町村を通じて調査していた。残る13都県は調査していない理由について、「定義が難しく、調査の手法も見当がつかない」(福岡県)、「無届け施設があるかどうかも分からない」(秋田県)などと説明している。

今回問題となったケースのように、若年者も入居している施設をどう判断するかでは大きなばらつきがあった。内訳は多い順に「ケース・バイ・ケース」(20都県)▽「老人ホームとは見なさない」(17道県)▽「高齢者が一人でもいれば老人ホーム」(5府県)−−など。「ホテルや下宿という区分になる」(青森県)、「単なる民間アパート」(群馬県)との回答もあった。

改正法は、入所高齢者の人数に関係なく食事の提供サービスなどをしている施設を有料老人ホームと定義している。しかし、高齢者以外も入居出来る施設について、厚生労働省は改正法施工後、都道府県に「基本的には有料老人ホームにあたらない」などと説明していた。このため徳島県のように「指針があいまい」と、国により明確な対応を求める声もあった。

無届け施設でトラブルが発覚したケースもあった。沖縄県では、虐待が疑われるとの情報があった施設1件を調べたところ、無届けだったので届け出るよう指示していた。茨城県や熊本県では、一部屋に国の基準を超える人数を入所させていた施設が見つかり、改善後に届け出ていた。

(毎日新聞より)

<介護保険との一体化に障害者団体反論>

介護保険制度の普遍化を審議している「介護保険制度の被保険者・受給者範囲に関する有識者会議」は2月5日、障害者8団体にヒアリングした。介護保険の普遍化には各団体とも態度を保留した。障害者自立支援法の実施から間もないところから、介護保険の普遍化にはついていけないとする各団体の意見だ。

団体が発表した意見は、自己選択・自己決定による自立を理念とする障害者福祉と本人、家族のための要介護を目的とする介護保険は理念、手法、内容とも異なる制度であるため、介護保険と障害者福祉は異なる制度と、真っ向から対立する意見や、障害者施策の介護保険への吸収に成りかねないとの危惧を表す団体もあり、介護保険に組み入れられた際の障害程度区分の上限設定などへの不安が陳述された。障害者自立支援法の施行によって、障害者の地域生活が後退することを懸念し、問題解決を提起され、障害者の地域生活のためのサービス基盤整備の飛躍的な充実が進められるよう財源確保を要望する意見もあった。こうした意見は制度や財源の違いから相容れないとする意見であり、制度論で構える論理展開では結論が見えない様相だ。

障害者福祉施策と介護保険制度のサービスの違いから、上乗せ、横だしサービスは若年の障害者が加わることによる変化が見えにくく、障害者福祉サービスの絶対量が不足している現状や、権利擁護システムの未確立の問題も明らかにされた。

◆共生型サービスの全国展開

ヒアリングの第二点である「共生型サービス」については高齢者と障害者が同一施設内でサービスを受けるとやりたくなくてもレクに参加しなければならないとの不満やサービス提供の際の制限、施設基準や運営基準で縛られるサービス提供のあり方などの提案が出された。

厚生労働省は、共生型サービスについて、高齢者や障害者が、年齢や障害の種別に関わらず、一つの事業所で相互にサービスが利用できるもので、特区事業として普及しているとしており、すでに昨年7月の第3回と11月の第4回に紹介されている。総合ケアマネジメントについては、年齢や障害の種別に関わらず、すべての人に対応できる総合相談体制を整備し、愛知県高浜市埼玉県東松山市で自治体独自に地域ケアを進めているとしている。

全国的に著名な「このゆびとーまれ」では、通所介護、身体障害者デイサービス、知的障害者(児)デイサービス、生きがい対応デイ、在宅障害者デイケア、学童保育、乳幼児一時預かりと制度の枠を超えたサービス拠点を運営している。定員は18人と小規模でありながら多機能な拠点である。又、千葉県の東金市の「オアシスデイサービスセンター」は介護保険の下で通所介護、訪問介護、障害者自立支援法の下で身体障害者デイサービス、知的障害者(児)デイサービスがあるといった具合だ。宮城県白石市の「グループながさか」は認知症高齢者通所介護、障害者自立支援法下の共同生活援助の運営にあたっている。

こうした小規模で多機能なサービス拠点は財源の課題はあるにせよ、厚生労働省は「このゆびとーまれ」、「オアシスデイサービスセンター」などは全国展開可能としている。



[2007/02/22]
 価格の不思議、レンタル「質」も見極めて

<価格の不思議、レンタル「質」も見極めて>

介護保険での福祉用具のレンタル料金は、事業所が自由に決められる。定価分を数か月で回収できる料金設定もあり、自治体などから、「高すぎる」「事業所ごとの差が大きい」といった批判も聞かれる。利用者も、事業所を選ぶ目を養いたい。

◆料金差13倍

「この業者は、ちょっと高いなあ」。東京都板橋区で居宅介護支援事業所「スマイルケアプラン」を営むケアマネジャーの高橋勉さんは、新たな利用者がそれまで使っていた福祉用具のレンタル料金に困惑することがある。

相場が月1万2000円(利用者負担1200円)程度の電動ベッドを、ある利用者は1万6000円(同1600円)で借りていた。自己負担の差は月400円だが、事業所の収入だと月4000円、年間4万8000円の差だ。

「高いのに問い合わせへの対応が遅いなどサービスが悪い場合もある。何を基準に料金が決まるのか不明」と、高橋さんは話す。

介護保険での福祉用具のレンタル料金は、事業所が自由に決められる。このため、全く同じ製品でも事業所ごとに違う。

東京都が2005年に行った調査では、定価25万5000円の電動ベッドの場合、1か月のレンタル料金は最低4500円から最高5万8500円まで13倍もの差があった。定価8万円の車いすでは、最低3000円から最高2万5000円まで8倍以上の差。

自由料金制は、業者間の競争による料金の低下とサービスの質の向上を狙って導入された。しかし、こうした競争原理が働いているとは言い難いのが実情だ。

都福祉保健局の角田康一・介護保険課長は、「ケアマネは料金やサービスの違いなどの情報を利用者に提供できていないし、利用者もケアマネ任せ。また、自己負担は1割なので、利用者が料金差を実感しにくい」と説明する。

◆様々な経費

最近では、極端に高い事業所はさすがに減りつつある。しかし、「本体価格からみて高すぎる」との批判は根強く残る。

 これに対し、福祉用具レンタル最大手、ヤマシタコーポレーション(本社・静岡市)の山下一平社長は、「福祉用具のレンタルは、単なるモノではなく、サービスの提供。料金の8割程度は、搬送、保守点検、消毒、保管など様々な経費が占める」と説明する。

同社では、利用者宅にレンタル品を届けた後、10日以内に担当者が訪問して使用状況を確認。3か月ごとに定期訪問する。事業所に配置する福祉用具専門相談員らの質を高めるため、社内で独自の試験制度も実施している。「合わない福祉用具は状態を悪化させる場合もあり、保守点検が不十分だと事故につながる。安さだけを追求すれば、困るのは利用者です」と、山下社長。

◆認定制度

利用者には見過ごされがちだが、保守点検や消毒の体制は、事業所ごとの差が大きい。消毒については、シルバーサービス振興会が基準を満たす施設の認定制度を設けている。中堅業者ジェー・シー・アイ(本社・仙台市)が同市内に持つ整備工場も、認定施設のひとつ。東北6県に展開する事業所のレンタル品を同工場に集め、消毒と点検整備を行っている。

消毒は、高圧洗浄、スチーム洗浄、オゾン殺菌の3段階。点検整備は、電動ベッドなら46項目のチェック事項があり、1台に約3時間かかる。「同料金でも同じサービスとは限らない。振興会の認定などを参考にしてほしい」と、同社の和田勲専務取締役は話す。

福祉用具のレンタル料金については、厚生労働省も実態調査に乗り出した。利用者も、ケアマネを通じて相場を把握し、料金とサービス内容を見比べて事業所を選ぶことが大切だ。

(読売新聞より)

<64歳以下、月2000円台に=来年度の平均介護保険料−厚労省>

40〜64歳の介護保険料(労使折半)の1人当たり負担見込み額(平均年額)が2007年度に4万9476円となることが、厚生労働省の算定で21日分かった。前年度から4.0%増加し、単純計算だと自己負担分の平均月額は2062円と初めて2000円を超える。
介護保険給付費は税と保険料で半分ずつ賄っており、40〜64歳の第2号保険料は全体の31%を負担。実際の各自の保険料は加入する医療保険や収入などで異なり、医療保険と一緒に徴収される。

(時事通信より)

<老人虐待 無届施設と判明 厚労省実態把握へ>

千葉県浦安市の介護施設「ぶるーくろす癒海館(ゆかいかん)」が入所者を虐待した疑いがある問題で、厚生労働省は同県を通じ、実態把握に乗り出した。同施設は市のガイドブックで「有料老人ホーム」とされているが、老人福祉法が定める県への届け出は行われておらず、届け出の報告義務違反として30万円以下の罰金を科せられる可能性もある。
老人福祉法の有料老人ホームの定義は、昨年4月の法改正までは常時10人以上の高齢者に対し食事の提供など日常生活に必要なサービスをしている施設だった。改正後は定義が拡大され、1人でも同様のサービスをしていれば有料老人ホームとみなし、都道府県に届け出義務が課せられた。
この改正を受け、同省は都道府県に届け出義務を徹底するよう周知していた。しかし、「(今回の施設のように)若年の障害者なども入居している場合には、届け出義務の対象外」と解釈している自治体もあり、実態はほとんど把握されていない。
神奈川県では06年春にインターネットや新聞広告などで無届け施設の数を調べ、69施設を確認した。同年6月にはこれらの施設を対象に、届け出を促すための説明会を開催。その結果、十数の施設が届け出たり手続きを進めているという。県高齢福祉課は「今回、千葉で問題になった施設のように、入居料30万円、月額15万円のような安い施設は県内では聞いたことがない」と話す。
埼玉県は02年と05年に市町村を通じた調査を実施、計70の無届け施設を確認した。このうち48施設が昨年9月時点でも無届けのままという。
東京都は現在、無届けで運営を続けている3カ所の高齢者施設に対し、届け出をするよう行政指導を続けている。しかし業者はいずれも「職員はボランティア状態でやっている。届け出をすれば利用者に負担増を求めることになる」と、いまだに届け出をしていない。都施設支援課は「市町村から情報が入らなければ把握できない」といい、これまでに指導した業者数の統計もないという。

◆女性事務長代行「虐待という認識はない」
千葉県浦安市の介護施設「ぶるーくろす癒海館(ゆかいかん)」の中原規容子事務長代行(36)は20日、報道陣に入所者の身体拘束について「虐待という認識はない」と繰り返した。
施設内での入所者拘束は「オリではなく、ベッドの周りに柵を置いた。体格がいい人で、ほかの患者さんをベッドから引きずり下ろしてしまい手を焼いていたので1日だけ試した。すぐに柵を壊してしまい、以降はやめた」と述べた。また、金属の金具で入所者をベッドに固定していたことも「試しに1回やってみた」とし、ともに短期間で「家族の了解を得ずにやった」と語った。
 同施設は県に介護施設としての届け出をしていない。事務長代行は「診療所から介護施設に移行する際、届け出が必要と知らなかった」とした。そのうえで「先週、県に確認したら、老人以外の入所者もおり、老人施設に当たらないかもしれないということになり、区分の確認が取れ次第、届け出るつもりだった」と説明した。

(毎日新聞より)

<利用者が大幅減で6億円超余剰  京都市、本年度の介護保険料>

京都市が徴収した本年度の介護保険料が、サービス利用者が当初予測より大幅に減った結果、6億円以上余る見込みであることが、21日の普通予算特別委員会で明らかになった。市は余った保険料を基金に積む方針だが、本年度から65歳以上の保険料を基準月額で約1000円値上げしたばかり。委員からは「値上げの幅が大きすぎたのでは。試算が甘い」などの批判が出た。

市保健福祉局によると、2000年の制度開始から昨年度まで予測以上に利用者が増え、サービス事業者に支払う介護保険給付費が急増。65歳以上から徴収する保険料収支は6年間で26億円の累積赤字が出ている。

このため、市は本年度から基準月額(4760円)の2割以上の値上げに踏み切る一方、本年度当初予算で要介護認定者数を前年度より4500人増の5万7700人と見込み、給付費も前年度より22億円増の799億2700万円を計上した。

ところが、認定者は5万4400人(昨年9月末)で前年度より1200人増えたが、当初予測に比べて3300人少なく、給付費も抑制できることになった。本年度介護保険事業特別会計で国や府の負担金と、余る見込みとなった市の保険料6億2200万円などを含め36億円減額する補正予算案を提案した。

市が徴収した保険料が余るケースは初めてで、同局では健康教室など介護予防施策の効果や事業者の不正請求が減ったことなどを理由に上げている。予算特別委では委員から「これだけ余るなら、値上げ幅を抑制できた」「余った分は負担軽減に還元すべきだ」などの指摘が出た。市側は「基金に積み立て、借金返済に充てたい」と説明した。

(京都新聞より)

<テルモが「模擬病院」、医師らが医療機器の扱い方実習>

テルモは21日、医師や看護師らが医療機器の使い方を実習できる国内初の「模擬病院」などを備えた新施設を、4月に開設すると発表した。手術室や病棟などがあり、医療現場と同じ環境で機器を扱うことができる。医師らに自社製品に慣れてもらうことで販促につなげる狙い。医師らから使い勝手など改善点の意見を吸い上げ、新製品開発にも役立てる。
テルモの研究開発拠点である湘南センター(神奈川県中井町)内に建設した。2002年6月に開設した医師向け研修施設に隣接しており、地上2階地下1階で延べ床面積は7000平方メートル。総投資額は約19億円。
手術室や集中治療室(ICU)を備えた模擬病院のほか、腹膜透析器など在宅医療で使う機器の性能検証などができる「模擬住宅」と、脳動脈瘤(りゅう)など難しい手術手技を独自開発の訓練機器を使って学べる実習室の3区画で構成する。医療機関などと契約、機器に不慣れな医師が医療事故を起こすのを防ぐ医療安全教育の場として活用してもらう。社員の研修にも活用し、営業力の強化にもつなげる。

(日経新聞より)



[2007/02/20]
 高額医療・介護合算:新制度の収入、年齢別の上限定める

<高額医療・介護合算:新制度の収入、年齢別の上限額定める>

08年4月から、医療、介護保険をセットにして自己負担額に上限を設ける「高額医療・高額介護合算制度」がスタートするが、厚生労働省は19日、新制度の収入、年齢別の年間上限額を定めた。70〜74歳で一般的な所得(夫婦世帯で年収520万円未満)の人は、現在の年額約103万円が62万円に下がる。

現行制度では、医療、介護とも個別に上限額が設定されており、合算はできない。75歳以上(一般所得)の人の上限額は、医療約53万円、介護約45万円で、年間自己負担額は最高約98万円に達する。しかし、厚労省は昨年、75歳以上(同)の場合、医療、介護を合わせて56万円を超せば、超過分を払い戻す制度を作ることにした。

19日はこの基準を年齢、収入別に11区分した。69歳以下で一般所得なら、上限額は今の約109万円から67万円に下がる。収入別(75歳以上)では、▽現役並み所得者(夫婦世帯で年収520万円以上)=67万円▽住民税非課税世帯=31万円▽年金収入80万円以下などの低所得者世帯=19万円−−など。同様に70〜74歳は19〜67万円、69歳以下は34〜126万円とした。

厚労省は昨年の医療制度改革で、06年10月に70歳以上の現役並み所得者の医療費窓口負担割合を2割から3割へアップしたほか、08年4月以降は70〜74歳(現行1割)を2割とするなど、お年寄りの負担が増える医療政策を相次いで打ち出している。合算制度は、医療制度改革の「高齢者いじめ」のイメージを払しょくする狙いもある。

(毎日新聞より)

<介護ベッド 4月から利用制限緩和>

昨年の介護保険法改正で保険給付の対象から外された軽度者の介護用ベッドのレンタルについて、厚生労働省は、医師の判断などを条件に、4月から利用を認める方針を決めた。19日に開かれる全国自治体の介護保険担当課長会議で報告する。

モーターで上半身を起こすことができる介護用ベッドは、介護保険導入時は、ケアマネジャー(介護支援専門員)が必要と判断すれば借りられた。その後、介護給付費が膨れ上がったことなどを背景に、昨年4月の法改正により、「要介護1」「要支援1、2」の軽度者は原則としてベッドが使えなくなっていた。

軽度者のベッド利用は、2006年3月に約27万6000台だったが、見直し後の06年10月に約1万4000台に激減。しかし、軽度者にも時間帯により体が動かなくなる病気の患者や、激しい発作を起こすぜんそく患者など、ベッドが必要とみられる高齢者が多数いることが、自治体関係者などから指摘されていた。

利用が可能になるのは、「時間帯によって必要」「状態が急速に悪化する見込みがある」「症状の重篤化を回避できる」などの場合。ただし、高齢者やケアマネジャーらの申し出を受けて医師が必要と判断し、適切な介護計画が立てられていることを市町村が確認していることが条件になる。

昨年11月の同省の調査では、ベッドが必要と判断される軽度者は、確認されているだけで全国で約1700人。軽度者の約1割にベッドが必要と判断している市もあることから、利用できる軽度者はさらに多くなる見通しだ。

◆介護ベッド モーターを使い、上半身を起こしたり、高さを変えたり出来るベッド。介護保険でのレンタル費用は、1か月1万5000円程度で、利用者は1割負担で借りられる。見直し前は、利用者の約4割を軽度者が占め、「高齢者の自立を妨げる」「無駄遣い」という批判があった。

(読売新聞より)

<療養通所介護の対象 難病・がん末期以外にも拡大>

厚生労働省はこのほど、訪問看護ステーションで実施する療養通所介護について、対象者を医療ニーズが高い重度要介護者全体に広げることを決めた。

これまで難病とがん末期の患者に対象を限定していた。都道府県介護保険担当者に9日付けで連絡した。

昨年4月の介護報酬改定で創設した療養通所介護は、対象者を「難病等を有する重度要介護者又はがん末期の者であって、サービス提供に当たり常時看護師による観察が必要な者」と規定している。今回の事務連絡では、療養通所介護の利用者の疾患が「難病等」に当たるかどうかについて、「利用者に対する療養通所介護の提供の適否の観点から主治医を含めたサービス担当者会議において検討の上、適切に判断されたい」として、「難病等」が難病に限ったものではないとの解釈を示した。

厚労省は「難病等」の解釈で、指定基準の趣旨が徹底されるまでは難病とがん末期の状態のみに限定していたが、制度施行後一定の期間が経過して趣旨が徹底されたと判断した。療養通所介護の事業所数は対象者が少ないためなかなか増えていないが、対象拡大によって増加していく可能性もある。



[2007/02/19]
 感染症対策、厚労省が本腰

感染症対策、厚労省が指定医療機関整備に本腰
新型インフルエンザや生物テロなどの感染症対策を強化するため、厚生労働省は、患者の発生時に直ちに対応する地域の指定医療機関の整備に本腰を入れ始めた。高度な設備や専門医の配置が必要な「第1種指定医療機関」は、99年の感染症法施行で各都道府県に設置を義務づけたが、設けたのは22都府県のみ。厚労省は総務省と調整したうえで今春にも、指定候補の国立大学病院などに都道府県が財政支援しやすい仕組みを整えることで整備を促す方針だ。指定医療機関は「特定」「1種」「2種」に分類される。厚労省は、未知の感染症に対応する「特定」を東京と大阪、千葉(成田)に整備した。しかし「1種」の指定は遅れ、昨年11月時点で山形、千葉、東京、愛知、大阪、福岡など22都府県の25施設(47床)。指定がない北海道、栃木、京都など25道府県の大半は指定のめども立っていない。

1種には、ウイルスを外部に漏らさない「陰圧病室」の設置や、感染症の治療経験がある医師の常勤など厳しい条件が課される。医療機関は、高価な設備を整えた病室を常に空けておかなければならず、都道府県が頼んでも同意しない病院が少なくない。基準をクリアできるのは、地方では国立大の付属病院などに限られているのが現状だ。

ところが、国の機関に対しては、地方財政再建促進特別措置法(地再法)で都道府県は原則、財政支援できない。自治体から国に資金が還流するのを防ぐためだ。厚労省は、これが1種指定が進まない原因と判断。地再法の適用について総務省と協議を進め、今春にも感染症の指定医療機関に限り、自治体が国の機関に財政支援できるよう見直すことを目指している。 一方、2種の医療機関の整備は順調だ。全国約370の医療圏に1カ所ずつの整備を義務づけたが、すでに314施設(1645床)が指定済み。さらに4月の改正感染症法の施行で、結核患者を受け入れてきた医療機関のうち約300施設が2種と同等に格付けされるため、大幅に増える見込みだ。

厚労省は都道府県に対し「医療機関の整備に続き、近隣県と協力する体制も整えてほしい」とも呼びかけている。

(朝日新聞より)

<がんの痛みHPで相談>

緩和ケアの専門医らで作る非営利団体「ジャパン・パートナーズ・アゲンスト・ペイン(JPAP)」は、がん患者やその家族が抱える痛みの相談を受け付ける「痛みの相談室」をホームページに開設した。ホームページ上に相談を書き込み、同団体に所属する12人の専門医が交代で毎月2回、回答する。相談は回答と合わせだれでも閲覧できるようにしている。ただし、相談者の名前などの個人情報は伏せる。

JPAPによると、「がん患者が医師などに遠慮して痛みを正確に伝えなかったり、医師側が治療を優先して、患者の痛みを軽視してしまうことがある」という。

JPAPは「痛みの相談室」とともに、「痛みのチェックシート」もホームページに掲載。シートを印刷し、必要事項を書き込んで医師などに見せれば、具体的に痛みを伝達できる。

ホームページのアドレスは、http://www.jpap.jp/gen/

(読売新聞より)

<可能わずか165事業所>

サービスの効果を報酬で評価する初めての仕組みとして改正介護保険で導入された「事業所評価加算」が算定できる予防通所介護・リハ事業所は、全国で165カ所とごくわずかにとどまっていることが、本紙の聞き取り調査で分かった。加算が算定できる適合事業所になることは「優良事業所」の証明だったはずだが、申請したのも指定事業所全体の3割にも満たず、算定可能となった事業所からは「選ばれてびっくり」「なぜうちが」と困惑の声も。評価基準に対する疑問も相次いでいる。改めて検証する必要がありそうだ。
サービスの効果を報酬に反映させる、いわゆる「成功報酬」は介護保険導入時も議論されたテーマだ。事業者を報酬で評価すると、努力をした本人の負担が高くなると根強い反対もあって見送られたが、良いサービスを提供した事業所を評価する仕組みの導入を求める現場の声は少なくない。長年の懸案だったが、介護保険の改正で始まった予防給付はあらかじめ目標を決めてサービスを提供する「目標指向型」であることから、効果測定の仕組みも必要だとして予防通所で初めて試験的に導入された。

(シルバー新報より)



[2007/02/15]
 介護保険で「個別短時間型リハビリ」導入へ

<介護保険で「個別・短時間型」リハビリ 厚労省導入へ>
昨年の診療報酬改定で医療機関でのリハビリテーションが原則として最長180日に制限され、リハビリを受けられない人が出ている問題で、厚生労働省はその受け皿として、介護保険を使ってリハビリだけを集中して行う新たな「個別・短時間型」サービスを始める方針を固めた。制限後、厚労省は受け皿に想定していた介護保険との連携がうまくいっていないと認めていたが、実際に介護保険制度を見直すのは初めて。3月中にモデル事業をつくり、09年度の介護報酬改定で導入を目指す。
脳卒中などの病気や事故からの回復には、医療保険と介護保険のリハビリがある。同省は医療費抑制のため昨年、医療保険のリハビリを、発病直後は手厚くする一方で、期間を原則最長180日に制限。それ以降は介護保険による「通所リハビリ」の利用を求めていた。
しかし、医療のリハビリが専門家によって個々人の体調にあわせて実施されるのに対して、現行の通所リハビリは、一時預かりの役割が大きい。ほとんどが半日コース。集団体操やレクリエーションをリハビリの代わりにする施設も少なくない。そのため、医療保険の上限後もリハビリを必要とする人の受け皿にならない問題点が指摘されていた。
厚労省が新たなモデルとして想定しているのは、この通所リハビリの個別・短時間型。
現在の通所リハビリの設置基準が、「利用者20人に対し専従2人」「サービス時間のうち理学療法士や作業療法士など専門職がつく必要があるのは5分の1以上」と緩いのを、個別対応のリハビリもできるように、全サービス時間を通して専門職をつける。
また、仕事をしながらリハビリに通えるように、利用時間は2時間程度、自力で通える人には送迎義務を外すなどを検討している。
同省は、通所リハビリの個別・短時間型の研究費として約1000万円(今年度分)の予算をつけた。委託先の日本リハビリテーション病院・施設協会は、3月末までにモデル事業の内容を策定。新年度から利用者1000人規模で効果や問題点を調査する。効果が確認されれば、09年度の次期介護報酬改定に盛り込み、個別・短時間型を通所リハビリの新たな核として位置づける方針だ。
課題も残る。理学療法士らリハビリ専門家は大半が病院勤務。新サービスを受け皿として整備するためには、現在の理学療法士数の4倍以上必要という試算もある。新サービス開始までの2年間をどうするかも問題だ。
同協会常務理事の斉藤正身医師は「医療でのリハビリ制限を受け、もっと個別性の高いリハビリができるようにするためには何が必要なのかをまず探りたい」としている。

(朝日新聞より)

<看護必要度の実態調査を開始 厚生労働省 7対1看護で>
厚生労働省は9日、全国の病院のうち一般病棟7対1入院基本料を算定している施設を対象に「急性期入院医療における看護職員配置と看護必要度に関する実態調査」に着手した。1月31日、中央社会保険医療協議会は7対1看護は手厚い看護を必要とする患者が多い病院に限って届け出が可能になるよう、厚生労働大臣に建議したこををうけたもの。調査は2月18日までに協力の有無を届け出、同25日、27日に看護必要度に関する研修会を実施し、3月20日までを調査日とする。入院患者のアセスメントは3月5日から12日の8日間を対象にする。

<健診情報を電子化・厚労省08年度から>
厚生労働省は医療・介護の効率化に向けたIT(情報技術)の活用計画をまとめた。診察内容と医療費を記した診療報酬明細書(レセプト)や、健康診断の結果といった情報を電子データで管理し、患者や医療機関などが活用できるようにする。患者や病院が入手する情報を透明にして、同じ検査を何度も実施するといった無駄を排除するのが狙いだ。
厚労省がまとめたのは医療費などを効率化する総合計画(グランドデザイン)の原案。医療・介護・福祉分野のIT活用の将来構想と、その実現に向けた2010年度までの5年間の行動計画を盛り込んだ。健診情報の電子化は08年度から着手、国民の健康管理の向上に役立てる旨をうたった。政府の「IT新改革戦略」の社会保障分野の具体策として3月中に正式決定する。

(日経新聞より)

<有料老人ホーム34・5%増 05年、厚労省調査>
厚生労働省が13日に発表した2005年の社会福祉施設等調査結果の概況によると、主に営利法人が運営している有料老人ホームは前年の1045から361増えて1406となった。前年比34・5%増。入所者数は、同1万4406人(26・0%)増の6万9867人。施設の増加率は04年の50・6%を下回った。
介護保険制度が導入された2000年からでみると、施設数は350から約4倍、入所者数で2万6616人から約2・6倍になった。
厚労省は、都道府県の指定を受けた場合は有料老人ホームも介護保険の給付対象となったことが施設数増加の背景にあるとした上で「高齢者の1人暮らしや高齢夫婦世帯の増加で需要が増えた。今後は施設の経営安定やサービスの底上げが課題」としている。また、特別養護老人ホームは4・6%増の5535で、有料、特養のほか軽費
老人ホームなどを含む老人ホーム全体は7・0%増の9871。

(共同通信より)

<全国に認知症モデル地域 徘徊者の捜索も 在宅患者を支援07年度から厚労省(1)>
厚生労働省は14日までに、認知症患者が在宅でも安心して暮らせるよう地域ぐるみで支援してもらうため、都道府県ごとにモデル地域を1-2カ所ずつつくる事業を2007年度から行うことを決めた。はいかいして迷子になった患者の捜索や家族からの相談などを想定、事業を統括する専門員を置く。
モデル地域での認知症への取り組みを通じ、全国的な認知症対策を底上げする狙い。将来250万人に達すると見込まれる患者を、認知症グループホームや特別養護老人ホームなどで受け入れるには限界があり、自宅での介護に頼らざるを得ない事情も背景にあるとみられる。
事業には07年度予算案で、各都道府県への補助金として約5億4000万円を計上した。
モデル地域は都道府県が指定し、全体的な調整を担当する専門のコーディネーターを選任。何人でもいいが、患者のケアに従事した経験があることが条件で、介護福祉士や看護師、医師などが想定されるという。
取り組み内容は基本的に地域に任されるが、厚労省は、住民や介護サービス事業者、消防などが連携して、はいかい患者を捜す模擬訓練の実施や、認知症についての相談にコーディネーターが助言を行ってくれるよう促す考え。
また、介護サービス拠点や病院など認知症に対応できる施設などがどこにあるかが一目で分かるような「地域資源マップ」も製作してもらう方針で、患者本人や家族、それぞれのサービス機関や地域住民とのネットワークを強化させていく方針。
厚労省の計画では、08年度中にモデル地域がそろい、具体的な支援活動の実践例が蓄えられていることが目標。09年度からモデル地域を参考とした対策を他の自治体に本格的に広げる。

▽認知症
認知症 アルツハイマー病や脳血管障害などで脳の細胞が死んだり働きが悪くなったりして物忘れなどの症状が出る。根本的な治療法は確立されていない。患者数は、2005年度に65歳以上で介護が必要と認定を受けた人だけで推定170万人。15年度には250万人に増えると予測され、予防や対策が高齢化社会の課題となっている。64歳以下で発症する若年性認知症も数万人いると推定される。厚生労働省は04年度に「認知症対策推進室」を設置。自治体の中にも、一般住民に認知症を理解してもらうための講習などを行うところもある。

(朝日新聞より)



[2007/02/13]
 医療用麻薬、規制を緩和

<75歳以上に在宅療養支援プラン=新高齢者医療制度で−厚労省検討>
厚生労働省は11日、2008年度からスタートする75歳以上の後期高齢者を対象とした医療制度で、「在宅療養支援プラン」を導入する方針を固めた。高齢患者が入院中の急性期の医療を担う主治医らが、退院後の身体機能や生活環境を見通してプランを作成、最適な医療サービスなどを患者に提示する。
住み慣れた地域や家庭で療養し最期を迎えたいと望む日本人は多いが、家族の負担や病状急変に対する不安から、7割近い国民が実現は難しいと考えている。このためプランは、病院から在宅へと円滑に橋渡しし、安心して自宅療養できるようにするのが狙い。

(時事通信より)

<病院向け公的融資、削減へ 福祉医療機構が5年かけ2割>
病院や福祉施設に公的な融資を行っている独立行政法人「福祉医療機構」は、現在約4000億円の年間融資額を2008年度から段階的に減らし、12年度までに2割削減する方針を固めた。機構は医療・福祉分野の融資では国内最大手だが、政府が掲げる「官から民へ」の路線に沿って業務を縮小する。今後、病院への融資は、救急医療など公共性の高い医療を担う病院に限られることになり、多くの病院の資金調達計画に影響が出る可能性がある。
機構は07年度中につくる中期計画(08〜12年度)に2割削減の数値目標を盛り込む。
計画では、500床以上の大病院について08年度以降、救急医療や小児・産科、がん治療などの分野で、病院が、地域の医療ネットワークに組み込まれている場合などに融資を限定する。都道府県が策定する医療計画に基づいて判断し、一般の病棟建て替えや医療機器の購入には融資しない。
また、中小病院や福祉施設に対しても公共性が認められる融資を優先し、民間金融機関と共同で融資している場合は機構の融資比率を引き下げる。また、機構が行っていた開業医の後継者探しの支援事業を07年度末で廃止するなど、業務のスリム化も進める。
国内の医療・福祉分野への融資残高総額は約10兆円で、機構が約3分の1を占める。05年度は医療機関向けに1852億円、福祉施設向けに2174億円が融資された。
機構の融資は、政府の信用力で調達する財政投融資が原資になっている。民間金融機関には太刀打ちできない長期・低利の融資ができるため、「民業圧迫」との批判もくすぶっていた。
小泉前首相は「小さな政府」を掲げ、郵政民営化や政府系金融機関の統廃合を決めた。その流れで政府は05年末、福祉医療機構や日本学生支援機構などの独立行政法人の公的融資についても縮小の方針を決定。これを受け、福祉医療機構を所管する厚生労働省が昨年末、融資規模の縮小を柱とした機構の見直し案を打ち出していた。

(朝日新聞より)

<「白い巨塔」変わる? 国立大病院の院長選で投票権拡大>
医局の教授が人事などで絶大な権限を持ち、山崎豊子の小説「白い巨塔」の舞台になった国立大学病院。そのトップを決める院長選挙に、教授、助教授らの教員だけでなく、看護師や技師、事務職員も参加できるように投票資格を拡大する動きが広がっている。国立大の法人化で大学経営の透明性が求められるなか、教員だけによる選挙は「派閥争いの温床」「閉鎖的で現場軽視」との批判が強いためだ。投票権の「門戸開放」で、国立大病院の体質は変わるのか?
大阪大医学部付属病院(大阪府吹田市)は1月初め、院長選の予備選挙にあたる「1次選挙」を実施した。従来、講師以上の約550人だけが投票できたが、今回初めて、課長級以上の事務職員、看護師長、技師長ら約60人が加わった。
1次選挙は教授の名前を自由に書いて投票する。このうち上位3人が教授会での「2次選挙」に進む。開票の結果、大学院医学系研究科の林紀夫教授(59)が院長に選ばれた。選挙に初めて参加した事務職員は「1次選挙だけとはいえ、教員だけで決められていた院長選びに、私たち現場の職員が関与できるようになった意味は大きい」と話す。
04年の国立大学法人化で、学長を選ぶ「学長選考会議」に外部の人間を参画させることが定められたことなどを契機に、同病院でも従来の院長選のあり方を再検討。「閉鎖的」との批判が根強かった選挙制度を改めることにした。
ある教員は「院長選のたびに、教員同士の多数派争いが起きるなどの弊害があった。体質を根本的に変えるためにも、一般の事務職員にもさらに投票資格を広げてほしい」と話す。
こうした動きは他の国立大病院にも広がっている。大学関係者によると、国立大病院の半数程度が何らかの形で投票権を拡大しているという。
院長選が終わったばかりの名古屋大医学部付属病院では、今回から係長級以上の職員、看護師らに加え、「勤続5年以上のパート職員」も1次選挙の有権者に追加。この結果、有権者は従来の2倍近い約千人になった。病院関係者は「教員だけの投票なら、ある程度動向がつかめたが、有権者が増えたので予想がつきにくくなった」という。
東北大病院は04年の前回院長選から、1次選挙に看護部長や事務部長ら、教員以外の部長級職員の参加を認めた。北海道大病院では、05年の前回選挙から、課長補佐級以上の事務職員や看護師らに門戸を拡大した。
東大病院では、院長候補者を医学部代議員会に推薦する「執行諮問会議」に、各診療科の責任者ら一部の教員のほか、事務部長や看護部長、技師長も加わる方式をとっている。
投票資格を教授に限定している京都大医学部付属病院は来年に院長選を控え、「投票資格の拡大も含めて検討中」としている。
医療ジャーナリストの和田努さんの話 投票資格の拡大は、広く病院全体の声を選挙に反映させる上で有益だ。いずれは医学部の学生が選挙に参加するようなこともあっていい。ただ、投票資格の拡大で、多数派工作が大がかりになるだけでは、という懸念もある。公正さを担保するルールづくりが欠かせない。

(朝日新聞より)

<フィリピン人看護師・介護士の受け入れ、来年にずれ込み>
日本が昨年締結したフィリピンとの経済連携協定(EPA)で決まったフィリピン人看護師と介護士の受け入れが来年にずれ込む見通しとなった。フィリピンの上院が8日に休会し、同国での批准は7月に再開した後になることが決まったためだ。
フィリピン上院はテロ対策法案などの審議を優先。関税撤廃項目に有害廃棄物が含まれていたことへの国内世論の反発もあって、批准審議を5月の議会選挙後に先送りした。上院は経済連携協定を再開後の審議の優先課題と位置づけているが、批准には時間がかかる可能性がある。
協定は昨年9月に締結し、日本は昨年末に国会で承認。今年春からの2年間でフィリピン人看護師と介護士を合わせて1000人を受け入れる準備を進めていた。

(日経新聞より)



[2007/02/09]
 医療用麻薬、規制を緩和

<医療用麻薬、在宅で使いやすいよう規制を緩和 厚労省>
がんなどの痛みを和らげる医療用麻薬を、在宅でも使いやすくするため、厚生労働省は国の麻薬管理マニュアルを初めて改訂した。患者本人が手元で薬を管理できるようにするなど、規制を大幅に緩和した。がん対策基本法が施行される4月を前に、自宅で行える緩和医療を受けやすくし、患者の生活の質を高めるのが狙いだ。
モルヒネなどの麻薬は乱用防止のため、麻薬取締法で管理の仕方が厳しく制限されている。一方で、適切に使えば、意識を残したまま、痛みだけを取り除くことができ、医療用麻薬の需要が高まっていた。
このため、厚労省研究班が89年度、医療従事者向けに使用の注意点をまとめたマニュアルを作成。調剤や患者への受け渡し、管理、廃棄などの仕方をまとめた。ただ、薬は薬局やナースステーションで管理し、受け取りは患者本人か家族に限っていた。
しかし、胃で少しずつ溶ける飲み薬や、張り薬などが発売されたことなどから在宅使用が広がり、国内の使用量はこの15年間で約10倍になった。また、「在宅患者が増えた今、マニュアルの医療用麻薬の基準は厳しすぎる」という声が在宅ケアの現場などから出ていたことなどから、厚労省は、専門家による検討会を設置。マニュアルを昨年末に改訂した。
改訂後、患者自身が自宅で薬を保管できるようになった。患者が希望すれば看護師やホームヘルパー、ボランティアなどが薬を取りに行き、患者に届けられるほか、処方箋(しょほうせん)をファクスで送り、調剤を始めてもらえる。薬局などから患者が遠くにいる場合、書留便で送ることもできる。
厚労省は「緩和医療を適切に行う」と明記する、がん対策基本法の施行に合わせ、07年度中に医療従事者向けの講習会を開き、使用実態の調査なども行い、さらに適正使用を促す方針だ。
在宅ケアに携わってきた「ホームケアクリニック川越」(東京都墨田区)の川越厚院長は「独居や老人世帯の患者が増える中、ヘルパーなどに薬を届けてもらえるようになったのは画期的だ。夜に突然痛みを感じても薬剤師を起こすほどではないと我慢してきた患者が、自分の判断で使えるようになったという点でも意義は大きい」と話した。

(朝日新聞より)

<受講生確保に各社苦戦>
介護保険の改正で今年度から導入が決まった介護職員基礎研修が、今月から北海道・神奈川などで順次スタートすることが分かった。事業者指定が始まっている都道府県は全国でも限られており、現時点で受講者の募集を始めている事業者もまだほんのわずかのようだ。本紙が調べた範囲では、実習など免除科目のあるヘルパー1・2級の実務経験者を対象とした研修コースから始めるところがほとんどだが、受講料はヘルパー2級の150時間コースで7万円台〜20万円まで、500時間丸々コースでは30万円台〜50万円までとかなり開きがある。いち早くスタートしたものの申し込みが少なく開講を延期したなど、受講者確保に苦戦を強いられている声も相次いでいる。
介護職の質向上のためとして、改正介護保険で今年度から導入が決まった介護職員基礎研修は、講義・実習合わせて500時間以上が標準カリキュラムだ。現行のヘルパー2級研修130時間の約4倍。1年以上の実務経験があるヘルパー資格者の場合は実習なしで受講時間の半分は、通信学習も組み合わせることができるが、それでも介護職に従事する人にとっては新たな負担材料だ。

(シルバー新報より)

<アサヒサンクリーンがラ・プラスに全株譲渡>
訪問入浴サービスの大手アサヒサンクリーンは昨年12月、名古屋市で介護事業を展開する「ラ・プラス」に全株式を譲渡した。老舗企業だけに売却は業界にも波紋を広げている。引き金を引いたのは、本社のある東京での業績不振だ。「企業文化を残すことができるという意味で最良の選択だった」と話すのは新社長に就任した古川浩氏だ。前職は取締役名古屋支店長で、西日本での展開に貢献した。オーナー企業的体質から抜けきれないでいた組織をてこ入れし、今期中に黒字転換、「再生」をめざすと語った。

◆なぜ、売却か。
「業績や、後継者問題から以前から検討していたが、18年度決算で赤字になり、昨年8月から具体的に動き出した。介護保険の導入を機に進出した東北、名古屋を中心とする西日本は好調で、特に名古屋は80億円の売上げのうち、半額を占めるまでになっている。しかし、東京が振るわなかった。ピーク時の売上げは、半分に落ち込んでいるのに対し、コストは逆に増えている。10年ぶりに東京に戻ってきたが、自治体の委託だった時代に業界トップだったことに慢心していたのではないかと思う。恥ずかしい話だが、東京、名古屋、仙台がそれぞれ独立した企業のような状態で足並みが揃っていなかった」

(シルバー新報より)



[2007/02/07]
 障害者1600人が福祉サービス利用中止

<障害者1600人が福祉サービス利用中止 負担増響く>
福祉サービスに自己負担を求める障害者自立支援法による影響で、全国で約1600人が施設サービスの利用を中止し、4000人余りが利用回数を減らしたことが、厚生労働省の調査で分かった。昨年4月から10月までについて負担増を理由に利用を減らしたケースを同省が初めて全国調査した。政府は利用抑制が障害者の生活に与える影響を分析したうえで、負担軽減策を進める方針だ。
昨年4月に施行された障害者自立支援法は、福祉サービスを原則として「1割負担」にした。
厚労省によると、入所サービスと通所サービスについては都道府県を通じて施設に照会し、全都道府県の約22万人の利用者の状況について回答を得た。
それによると、約13万5000人の入所サービス利用者のうち598人(利用者の0.44%)が、約8万6000人の通所サービス利用者では1027人(同1.19%)が、負担増を理由に利用をやめていた。通所サービスの利用回数を減らしたのは、4114人(同4.75%)に上った。
また、ホームヘルプなどの在宅サービスについては、30府県から約22万5000人の利用者の状況について回答を得た。このうち849人(利用者の0.38%)がサービス利用を中止し、2099人(同0.93%)が利用回数を抑制していた。
調査結果について、厚労省は「『利用抑制』は、利用者負担の影響が出ていることが数値として示されたのではないか。サービスの必要な人が受けられないことがないように、フォローするよう指導している」としている。
政府は07年度から2年間で240億円の自己負担軽減策を計上する方針で、自己負担の上限額引き下げなどを盛り込んでいる。

(朝日新聞より)

<2006年度在宅医研修会 司法当局と法的ガイドラインの作成を>
日本医師会は4日、都内の日医会館で在宅での看取りをテーマに在宅医研修会を開いた。慶応大の池上直己教授は講演で、終末期ケアの課題として法的ガイドラインの作成や、在宅医の認定制度の確立などを挙げた。池上氏は、延命中止の要件を挙げた東海大病院安楽死事件の横浜地裁判決(1995年)を厳密に解釈すると、在宅で家族が看取った場合、家族が保護責任者遺棄罪に問われる可能性があるなど、突然死以外の在宅死が問題になる可能性があると指摘。今後は司法当局を含めて、在宅死の法的ガイドラインを作成する必要性を強調した。
昨年9月に厚労省が発表した「終末期医療に関するガイドライン(たたき台)」について池上氏は、病院での延命治療の中止を念頭に置いたもので、診療所に倫理委員会を設置できるかなどの問題点があると指摘。その上で、法的ガイドラインの私案を説明した。
私案では、患者に選ばれた在宅医が終末期の状態に対する相談と指導を長期間実施し、本人・家族と臨死場面の対応や、治療をしなかったり入院しない条件などについての意志を繰り返し確認し、合意することを求めた。さらに、在宅医とは別に在宅ケアマネジャーや看護師などのケアチームに、本人・家族の意向を確認してもらい、確認・合意内容を文書化し、終末期医療に関わる全員が署名した上で保存すべきとの見解を示した。
池上氏はまた、医師が終末期ケアを体系的に学んでいないとして、終末期の医療内容のガイドラインも必要とした。在宅医が扱う終末期ケアについては、認知症や脳卒中後遺症、老衰など5年以上の長い期間にわたって機能が徐々に低下する疾患のパターンが多い。そのため、回復できない状態の告知や、患者・家族の不安への対応、改善可能な選択肢に対する医学的知識などの内容を盛り込むことを提唱した。
池上氏は、法的な終末期医療のガイドライン以外で制度として必要な対応に、診療報酬による経済的な保証を挙げた。具体的には、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)など介護保険施設に対して、夜間の訪問看護を医療保険から給付することを提案した。

◆在宅支援診療所の支援を -地区医師会に野中氏
医療法人社団博腎会野中医院の野中博院長(日本医師会元常任理事)も在宅医研修会で講演し、在宅療養支援診療所を志向する診療所や、地域包括支援センターを支援するのが地区医師会の役割との認識を示した。
野中氏は、在宅療養支援診療所の要件の「24時間往診・訪問看護が可能な体制」を地区医師会が構築することを求めた。現行の在宅療養支援診療所約1万軒では日本中の在宅医療を担うのは不可能とし、緊急時や夜間の対応を含めて地区医師会が診療所を支援して、在宅療養支援診療所を志す診療所を増やすべきとした。
地区医師会に対して野中氏は、かかりつけ医が患者の生活機能が低下していると判断したときに、介護予防事業を行う地域包括支援センターに連絡する様式を作成するよう求めた。地域包括支援センターへの連絡方法を知らない医師もいるため、連絡する様式を作成し、医師が地域包括支援センターを利用しやすい環境をつくるべきとした。



[2007/02/06]
 かかりつけ医など重視

<かかりつけ医など重視し検討=75歳以上の診療報酬で 厚生労働省>
厚生労働省は5日、75歳以上の後期高齢者を対象とする医療制度の創設に伴い、新たに導入する診療報酬体系について、検討のたたき台をまとめた。かかりつけ医による訪問診療など、在宅医療や安らかな終末期を迎えるための医療を重視した報酬設定を検討課題に挙げている。
同省はたたき台を、同日開かれた社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の特別部会に提示。在宅医療の推進では、複数の病気を抱え多数の医療機関で受診しがちな後期高齢者の傾向を踏まえ、総合的に診断する地域の医師の必要性も掲げた。

(時事通信より)

<医師派遣:地域の基幹病院へ重点配置 阪大が集約化検討>
医師不足が深刻化する中、大阪大医学部(大阪府吹田市)が、関連病院に広く医師を派遣していたこれまでの方式を改め、地域ごとに決めた基幹病院へ医師を重点配置する構想を検討していることが分かった。モデルケースとして来年度から、大阪府豊中市や箕面市など北摂地域で実施し、その後、府内の他地域に広げる方針。若手医師に対する教育の充実などを図る狙いだが、全国に約200カ所ある関連病院を、将来的には20カ所程度の基幹病院に絞る見通しで、自治体病院などで医師不足が加速する恐れもある。
大阪大医学部は従来、医局から自治体病院などに医師を派遣していた。しかし、研修する病院を自由に選べる「新医師臨床研修制度」が04年に始まり、学部を卒業したばかりの研修医が医局に入局しなくなるなど、医師不足に陥った。その結果、従来通り関連病院に広く医師を派遣する体制を今後も同様に維持することは困難と判断した。
構想では、府内の大阪市以外の地域を「北摂」「泉州」「河内」などに分割。各科に特色のある病院を基幹病院として選び出し、医師を重点配置する。派遣先の関連病院を絞ることで、派遣する医師の数は、例えば産婦人科の場合、これまでの1カ所3〜4人から、8人程度に増やす。派遣する医師の負担を軽減できるほか、関連病院での若手医師に対する専門教育の充実が図れるという。
関連病院との渉外担当を務める大阪大医学部の杉本寿教授(救急医学)は「大学が地域医療を守るという重要性は認識しているが、医師不足が深刻化する中、どの診療科も医師の派遣は難しくなっている。若手医師を育成し、過重労働による医師の病院離れを防ぐためにも、今後は、関連病院を絞り、医師の集約化を進めざるを得ない」と説明している。

(毎日新聞より)



[2007/02/04]
 妊産婦の死亡率、都道府県で格差5倍超

<妊産婦の死亡率、都道府県で格差5倍超 厚労省調査>
妊娠や分娩(ぶんべん)がもとで妊産婦が死亡する確率に、都道府県によって顕著な差があることが、厚生労働省の研究班の調べでわかった。過去10年間の平均をとったところ、最も低い広島が出生10万件あたり1.84人だったのに対し、最も高い京都は10.70人。一方、胎児や新生児の死亡率を同じ10年間の平均値で見ると、西日本は低くて東日本で高い東西格差が浮かび上がった。研究班は地域格差の原因を分析し、3月をめどに報告をまとめる。
毎年、全国で60人前後の女性が妊娠や出産が原因で死亡している。都道府県ごとに見ると、自治体によっては死亡数がゼロの年もあり、これまで指標として重要視されてこなかった。研究班は今回、国の人口動態調査を基に95〜04年の10年間の平均を割り出した。
妊産婦死亡率の全国平均は出生10万件あたり6.39人。低い広島と最高の京都では、5倍以上の差が生じた。京都は04年だけで妊婦6人が死亡したことが影響した。死亡率が低いのは、広島のほか、愛媛、鳥取、岡山、徳島と中・四国地方が集まる。高い地域には埼玉、千葉、茨城、東京など、関東周辺が目立つ。
一方、妊娠22週以降の胎児の死産と、出産から7日未満の新生児死亡を合わせた「周産期死亡率」についての平均値は、最低の広島は出産千件あたり5.01人、最高の山梨は7.23人で、約1.4倍の開きがあった。中・四国地方をはじめとする西日本が低いのに比べ、関東や東北など東日本が高い。
鹿児島のように周産期死亡率は低いのに、妊産婦死亡率が高い地域もある。逆に、青森や群馬などは周産期死亡率が高いのに、妊産婦死亡率の低さが目立つ。
こうした地域差には、医師数や搬送システムの整備状況、地理的条件など複数の要素が影響しているとみられるが、研究班は、都道府県の担当者や難しいお産を扱う全国の総合周産期母子医療センターにアンケートを実施するなど原因究明を進めている。
主任研究者の池田智明・国立循環器病センター周産期診療部長は「妊産婦死亡の格差の原因や、地域差があるのかどうかについて、各地域の事情を踏まえて分析し、妊産婦死亡率の低下につなげたい」と話す。

(朝日新聞より)

<医療法人関係の省令・告示は年度末に 厚生労働省>
厚生労働省は、15日に開催された厚生労働関係部局長会議のなかで、改正医療法の4月1日施行(有床診療所関係などを除く)に伴う改正事項のスケジュールを明らかにした。
改正法関連で最も議論が遅れている広告規制、医療法人の2項目に関する告示や省令は、2月以降にパブリックコメントを募集した上で3月下旬に出される予定で、医療法人については、医療法人が行える社会福祉事業の範囲や社会医療法人の認定要件などを盛り込むとしている。広告規制は1月から厚労省の検討会が検討を開始し、2月中のとりまとめを受けて提示することになっている。いずれの制度も4月1日に施行するが、国の方針がぎりぎりまで分からないことから、現場での混乱が予測される。
現在、パブリックコメントを募っているのは医療情報機能提供制度(省令・告示)と、医療安全義務(省令)、入院診療計画(省令)、医療対策協議会の構成員(省令)の4種類。いずれも29日に募集を締め切り、2月上旬に出す予定だ。
1月中にパブリックコメントの募集を始めるのは医療法に基づく基本方針(告示)、助産所嘱託医療機関(省令)、医師・歯科医師の再教育/臨床修練に係る申請手続き(省令)。いずれも、3月上旬に示す予定だ。
厚生労働省は、17日の中央社会保険医療協議会のなかで、診療報酬を算定するに当たり、施設基準の届出等が必要となる主な事項の各年7月1日現在(2006年は速報値)の届出状況を明らかにした。
このうち2006年度診療報酬改定で新設された項目を見ると、電子化加算は診療所で、53, 386施設、病院で、5, 026施設となった。
一方、在宅療養支援診療所は、9, 434施設、在宅時医学総合管理料は、診療所で14, 409施設、病院で732施設、在宅末期医療総合診療料は、診療所(在宅療養支援診療所)で、8, 177施設となっている。
さらに、検査項目でみると、コンタクトレンズ検査料1については、診療所で5, 595施設、病院で1, 353施設、ニコチン依存症管理料は、診療所で2, 362施設、病院で554施設となっている。
また、疾患別体系となったリハビリテーションを見ると、診療所では、運動器リハ(?)の2, 677施設が最も多く届出が出てている(詳細は、下記参照)。

◆リハビリテーションの届出医療機関数
心大血管疾患リハ(1) 心大血管疾患リハ(2) 脳血管疾患等リハ(1) 脳血管疾患等リハ(2) 運動器リハ(1) 運動器リハ(2) 呼吸器リハ(1) 呼吸器リハ(2)
診療所 1 14 49 1, 255 2, 677 643 69 175
病 院 160 123 1, 495 3, 589 4, 225 1, 169 2, 435 1, 016

(出典:2007年1月17日中央社会保険医療協議会)


<都市部と周辺部の医師数格差9.6倍 厚生労働省>
二次医療圏の人口当たり従事医師数の格差が、都道府県で最も大きかった東京都では9.6倍だったことが、厚生労働省のまとめで分かった。東京都以外でも、道府県庁所在地や医育機関がある医療圏に医師が集まり、郡部の医療圏では極端に医師が少ない状況であることが浮き彫りになった。これらの結果は、2004年の医師・歯科医師・薬剤師調査から作成され、15日に開催された厚生労働関係部局長会議のなかで提示された。
東京都の「区中央部」は千代田区、中央区、港区、文京区、台東区の、大学病院や大病院が集中する地域で、人口10万人当たりの従事医師数は1, 190.6人と、全国平均の201.0の5倍以上の医師が集中している。これに対し、青梅市、福生市、羽村市、あきる野市などのある「西多摩」は123.5人で、「区中央部」との格差は9.6倍だった。
他の道府県の人口当たり従事医師数の差を見ると、宮城県6.5倍、愛知県4.9倍、茨城県4.0倍などが高い。いずれも仙台(人口10万人あたり従事医師数291.6人)、尾張東部(317.1人)、つくば(322.2人)など、東北大、愛知医科大、筑波大といった医育機関がある医療圏で医師数が多く、黒川(45.1人)、尾張中部(64.2人)、常陸太田・ひたちなか(80.1人)などの郡部では少ない。
人口10万人当たりの従事医師数が100人を下回る医療圏のある自治体は、この3県のほか、北海道、青森、福島、埼玉、千葉、新潟、山梨、静岡など、東日本に多い傾向が見られた。

研修医、都会に集中 忍び寄る崩壊の足音/大阪>

◆広がる病院格差
1-2年目の研修医が各診療科を経験することを義務付ける「新医師臨床研修制度」の導入に伴い、地方大学出身の研修医が都会に流れ込む現象が起きている。
北陸地方出身で岡山県の大学を卒業した男性研修医(25)は、出身県の病院の合同説明会で、「研修医が来てくれない。願書を出すだけでもいいから」と勧誘するのを聞いて、地方の実情に衝撃を受けた。「医師の少ない病院は、当然雑用が増える。患者と接する時間があるのか、勉強できるのか」。友人とともに途中退席し、東京の大学病院を選んだ。現在の収入は月15万円程度だが、地元の病院ならその2倍で、ボーナスもあった。
大阪市内の病院で働く男性医師(26)は、04年春、生まれ育った四国を離れ、この病院で研修医としての第一歩を踏み出した。「新しい研修制度がなかったら、そのまま地元の大学医局に所属したかもしれない。でも2年間の研修で、都市部で働くメリットを感じた。近くに多くの大学や病院があり、腕を磨くには都会の方がいい」
大阪府内で研修医生活を送る佐賀大医学部出身の女性医師(32)は「地方に引き止めるなら、収入が格段に多いとか特別なメリットがないと誰も残らない」と訴える。
医療研修推進財団の07年度版「臨床研修病院ガイドブック」によると、研修医1年目の給料は、東京や大阪では月給30万円未満の病院の方が多いが、多くの県では30万円以上の方が圧倒的だ。だが、研修医は都会の病院を目指す。

◆約500床を持つ堺市立堺病院は、07年度の研修希望者が定員の9・8倍に達した。公立病院では、全国有数の倍率を誇る人気だ。地方を離れる研修医も多く受け入れており、30年以上前から国の臨床研修病院としてノウハウを蓄積したことが人気の秘密とみられる。
男性の研修医(29)は「この病院には医師を育てようという思いがあふれている。診療科の垣根も低く、研修医同士で知識を共有できる。ここで、医師としての下地を、と思った」と語る。
研修医に人気が高くても、大学医局の医師引き揚げで病院運営に少なからず影響が出た。小児科1次救急受け入れを昨春中止。こうした事情もあり、研修医にそのまま病院に残ってもらい、自前で医師を確保したいとの思いが強い。
田代扶美雄総務課長は言う。「医師不足を理由に診療科を縮小したり休診するのでは、患者に迷惑をかける。優秀な医師を採用することで、優秀な研修医も集まり、医師を自前で養成することにつながる。患者に病院を選んでもらうには、まず医療従事者に選んでもらう病院を目指すべきだ」
06年度採用の13人のうちの1人と、07年度採用の11人中2人が、堺病院で研修を積んだ医師だ。

◆卒業しても地方に定着せず、都会を目指す研修医たち。一方で、研修医を確保するのに力を注ぐ都市部の病院。
全国医学部長病院長会議で地域医療に関する専門委員会の委員長を務める岩手医科大の小川彰医学部長は「医師不足の現状を招いた最大の原因は新しい臨床研修制度にある。こんな状況が続けば、地方の医師不足は目を覆うほどになるだろうし、都市部でも医師を自前で育てるノウハウを持たない病院は、医師を確保できない。病院の格差はますます広がるのではないか」と警告する。



[2007/02/01]
 7対1医療機関への一律収入増を撤回方針

<7対1医療機関への一律収入増を撤回方針 厚労省>
厚労省は31日06年7月から「患者7人に看護師1人」の手厚い看護配置基準(7対1)を満たす医療機関に対し、収入を一律増としている現行策の撤回の方針を固めた。「看護必要度」を点数化し、総点数が一定以上の医療機関のみ収入が増えるようにする。今年度中に評価基準を作り、08年度の診療報酬改定に反映させる。

(毎日新聞より)

<昨年4−9月医療費横ばい、診療報酬3・16%下げの影響で>
昨年4月に診療報酬が3・16%引き下げられた影響で、医療費は伸びが抑制され、同年4−9月は前年同期と比べて横ばいになっていたことが31日、厚生労働省の調査で分かった。
医療の高度化や、現役世代の4−5倍の医療費が掛かる高齢者の増加などで、制度改正や診療報酬改定のない年の医療費の伸び率は「3−4%」と同省はみているが、今回は診療報酬の引き下げで1日当たりの医療費が0・9%増に抑えられ、患者数も0・8%減ったことで、伸び率が相殺された格好だ。
医療費は、病院が1日当たりで2・1%伸びたものの、患者数が減ったため全体では0・3%減ったのに対し、診療所はいずれも0・1%、0・2%とわずかながら増えた。
一方、3歳未満の入院医療費は7・0%と大きく伸びた。診療に時間がかかる上に検査や薬も少ないなど、病院の不採算部門と見られがちな小児科の入院に診療報酬を手厚くした改定の効果が出た。

(共同通信より)

<診療明細書:発行は55%、厚労省調査>
診療報酬点数が分かる明細書を患者に発行している医療機関は55%にとどまることが31日、厚生労働省の調べで分かった。明細書は診療内容が分かることから、患者への情報開示を広げる目的で、昨年4月の法令改正で発行が努力義務となっている。同省が病院と診療所、歯科診療所、保険薬局を各1000施設、計4000施設を無作為抽出し、昨年11月、調査票を郵送。回答した2182施設について調べた。

(毎日新聞より)

<医療クライシス:忍び寄る崩壊の足音/激務、重圧…増える退職>

◆見合わぬ待遇、良心も限界
「立ち去り型サボタージュ」。医療関係者の間で、こんな言葉がささやかれている。医療訴訟が増え、時には逮捕さえされる。しかも、病院勤務医の給料は過酷な業務に見合わない。耐えられなくなった勤務医が開業などへ流れ始めた現状を指す言葉だ。
30代後半の男性内科医は昨年、十数年勤めた東京都内の大学病院を辞め、診療所に移った。「訴訟恐怖症」になった大学病院。「どんな細かなことでも報告書を求められ、時間が取られるばかりだった」と振り返る。
新医師臨床研修制度にも悩まされた。以前は1年間は同じ研修医を指導し、半年ほどで独り立ちして仕事を助けてくれた。今は2カ月ごとに研修医が変わり、教えるだけで助けてはもらえない。診療や月3〜4回の当直をしながら、研修医からの質問も受けた。
大学の給与は年600万〜700万円。家族との時間も取れない。「『赤ひげ先生』を求められても難しい。責任の重さが収入につながらず、やってられないと思う医師が出ても仕方ない」とため息をつく。
現在は夜間の呼び出しがなく、収入は2〜3倍になった。「体が楽になり、家族との時間も取れる。しばらくはここで仕事をする」と語る。
関西で病院を辞めて開業した50代の男性産婦人科医も「産科を離れてよかった」と話す。当直明けに手術を何件もこなすと足がむくみ、目もかすむようになっていた。
開業して不眠症が治ったが、お産は扱わない。「場合によっては刑事責任を問われる可能性もある。我慢を重ねたが、立ち去るしかなかった」

◆看護師も同様だ。
都内の大学病院に勤める岡本幸さん(28)は3月で退職する。あこがれの職業だったが、本当に楽しいと思えたのは3年目まで。責任の重いリーダー役を任され、精神的な負担が増えた。医師の指示を受け、病棟の看護師をまとめる。看護師が交代で休憩を取る段取りをつけ、仕事が滞っていないか目配りする。
仕事が終わってもリーダー向けの研修などがあり、定時に帰れる日はほとんどない。リーダーを務める日勤が続くと、遊びに行く気力もない。
同じ病棟にいた同期5人は全員が職場を去り、身近な相談相手もいない。「看護の仕事は好きだし、職場の雰囲気も良いけれど、一度、離れてみようと思った」
日本看護協会の調査によると、病院に勤務する看護師の離職率は、94年度は9・9%だったが、05年度は13・1%(速報値)に上昇。新人看護師の1年目の離職率が10%近いことも課題だ。
同協会で新人看護師の離職防止に取り組む市川幾恵・昭和大病院看護部長は「事故防止などで看護師の責任が重くなる一方、医療の高度化などに伴って新人の教育にも時間がかかる。新人採用が増えても、現場にとっては人手が足りない。中堅看護師に負担となり、“燃え尽き”の一因になっている」と指摘する。

(毎日新聞より)

<福祉レンタル給付費前年同月比19%の大幅減>
国民健康保険中央会が1月25日に公表した昨年10月提供分の介護保険からの給付費の集計で、福祉用具レンタルの給付費が対前年同月比でマイナス19.1%と大きく落ち込んでいることがわかった。9月分ではマイナス7.1%にとどまっていた。1月で16億円の給付抑制になる計算だ。9月末で経過措置が切れ、10月から要支援、要介護1の高齢者への介護ベッド、車いすの利用が制限されるようになったことによる影響だ。
10月分サービス費として介護保険から支払われた保険給付の総額は4923億円で対前年同月比5.4%増。一昨年10月から介護保険施設で食住費が自己負担化されたことで、対前年比の給付費の伸びが低く抑えられていたが、1年がたち影響が解消したかたちだ。
一方、制度改正の影響が給付に大きく反映されるようになったのが福祉用具レンタルだ。要支援、要介護1の高齢者へのレンタルが原則的に「不可」となる規制の経過措置が9月末で終わり、10月から全面的に施行され、すでに利用していたベッドなども返さなければいけなくなったり、自己負担でのレンタルに切り替えるケースが続出していた。これらにより、給付費が大きく減少した。 10月分のレンタルの給付費は総額で114億5100万円。対前年同月比では19.1%と大きく減少した。前月の9月と比較すると約16億円のマイナス。一昨年10月分との差は27億円になる。

(シルバー新報より)

<ビジネストレンド ゆとり資金や有料 ホーム入居費用に>
自宅を担保にして生活資金を借り、死亡後に自宅を処分して返済する「リバースモーゲージ」をビジネスとして積極的に手がけているのが東京スター銀行だ。中堅層向けの設定が特徴だ。利用者のほとんどは融資額を一時金として受け取り、レジャーや趣味の活動にあてる「ゆとり資金」派で有料老人ホームの入居費用などにあてるケースもある。
「リバースモーゲージ」の利点は、住み慣れた自宅で暮らしながら、現金収入が得られる点だ。日本で初めて導入されたのは1981年。東京都武蔵野市が独自に行ったのが最初。資産があっても、現金がなく、生活費や介護サービスの利用料負担もままならない高齢者のために、自治体が下支えするかたちで始まった。都市部を中心に、自治体や金融機関も後追いしたが、バブル崩壊による不動産価格の下落で、担保割れも続出し、下火になった。
しかし、ここ数年、都心部を中心に地価上昇傾向が確実になってきたことから、商品化は徐々に増えてきている。2003年10月の旭化成ホームズ、2004年4月のトヨタホーム、2005年1月の中央三井信託銀行、そして同年9月には東京スター銀行が参入を果たした。国土交通省や厚生労働省が政策として採用したことも後押しとなった。
公的機関が手掛ける低所得者層向けのものと、富裕層をターゲットにしたものに二極化されていた中で、東京スター銀行の「充実人生」は中間層向けが特徴だ。
「総務省の統計から、高齢者世帯の平均資産額を参考にして、金融資産2000万円、住宅資産4000万円を所有する層というのを大体の目安としています」

開発にあたったリテールプロダクツグループ・コンシューマーローンチームのヴァイスプレジデントの堀晃一氏は話す。発売以来、毎月1500件の問い合わせがあり、既に数百件が契約に結びついた。

(シルバー新報より)