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[2007/05/31]
 広島の発言2007:開かれた被爆者の施設に

<広島の発言2007:開かれた被爆者の施設に 柿木田勇さん/広島>

◇原爆養護ホーム「矢野おりづる園」施設長・柿木田勇さん(62)
原爆養護ホーム「矢野おりづる園」(安芸区矢野東2)は、広島市内3カ所目の原爆特別養護ホームとして4月1日に開所した。定員は100人。先にあった特養ホームの「神田山やすらぎ園」(東区牛田新町1)と「倉掛のぞみ園」(安佐北区倉掛3)とは異なり、広島では初めての「民設民営」方式での運営になる。一般の高齢者福祉施設などの経営を手がけてきた社会福祉法人「広島常光福祉会」が運営する。広島市の一般公募で選ばれた。
「最初に特養施設を開いてから20年近くになりますが、矢野おりづる園で受け入れるのは『被爆』という重い体験を背負った人ばかり。これまでの経験を生かしながらも、特別な配慮を意識しなければいけない。被爆者を対象にした施設を手がけたいと考えていたので、事業者に決定する前から被爆者団体の方を招いて、法人内で勉強会を開いていた。公募で選ばれた施設であることを自覚し、民間ならではの知恵を出していきたいと考えています」
施設長と法人理事長を兼任する柿木田さんは、被爆者健康手帳を持っている。原爆投下翌日、家族を探すため母の背中に負われて被爆直後の爆心地付近に入った「入市被爆者」だ。
「これまで被爆者であることを特別に意識してきたわけではありません。ただ、こうして開所したからには、『最後の仕事をやり切る』という思いで臨んでいます。事業者に応募する際には、法人内部で慎重意見もありましたが……。『矢野おりづる園』という名称は、被爆者の立場に立った平和の思いを込めて付けました。8月6日は入居者の人たちにとって大切な日。どんな追悼のあり方が良いか思案しています」
こだわるのは「開かれた施設」であること。
「私はカメラメーカーの営業担当を辞めて福祉の世界に飛び込みましたが、見学や視察に応じてくれない施設が少なくなかった。自分が手がける施設では、そういう姿勢は取りたくなかった。矢野おりづる園では1人からでも見学者や慰問の要望に応じます。既に修学旅行の小中学生や地域のボランティアの人たちを受け入れています」
施設の玄関ロビーには、今年のひろしまフラワーフェスティバルで約50基登場した高さ2メートル近い「折りづるみこし」の1基が飾られている。故岡本太郎さんが描いた巨大壁画「明日の神話」を広島に誘致するよう訴える作品だ。フェスティバル実行委員会にお願いして、展示のため1年間借りることができた。
「平和をアピールし、大勢の方々に集まってもらえる施設でありたい。そして入居される被爆者の人たちに必要なことを100%提供しながら、民間ならではの無駄を省いた経営に努めたい。そうして特色を作り上げていこうと考えています」
◆人物略歴(かきだ・いさむ)
1945年1月生まれ。カメラメーカーを退職し、社会福祉法人「広島常光福祉会」を88年9月に創設。89年7月、出身地の東区福田に特別養護老人ホーム「ふくだの里」を開所し、老人保健施設やグループホーム、在宅介護事業、介護タクシーなども運営している。

(毎日新聞より)

<介護報酬で不正 請求額は計4億円超>

訪問介護大手「コムスン」(東京)など3社が介護事業所の不適切な運営で介護報酬を過剰請求していた問題で、返還すべき不正請求額が3社合わせて約4億2600万円に上ることが29日、分かった。うち東京都の検査対象以外の事業所についても、3社による自主点検の結果、新たな不正請求額は約2億円強に上る。3社は今後、都内の各自治体に返還する。
都の検査で不正請求額が確定したのは、コムスンのほか、ニチイ学館(同)、ジャパンケアサービス(同)。都によると、3社は実際には勤務していないヘルパーを事業所の常勤として届け出たり、介護保険法で認められていない散歩などのサービスを介護報酬として請求したりしていた。
不正請求の内訳は、コムスンが167事業所、計2億260万円▽ニチイ学館が90事業所、計8540万円▽ジャパンケアサービスが80事業所、計1億3830万円。都は既に3社に対し、業務改善勧告や文書指導をしており、現在は改善されているという。

(産経新聞より)

<老健施設の医療機能強化を検討>

療養病床から介護施設への転換を進める厚労省は、転換先の老健施設に医療サービスを提供する必要があると判断し、検討を始めた。

厚労省は療養病床の再編にあたって、医療療養病床、介護療養病床では約5割程度は医療の必要性の低い患者が入院しているため、療養病床を老健施設など介護施設へ転換し、適正化を進めるとしていた。そのため必要となる療養病床数の算定式も示してきた。

ところが一転、転換先の老健施設に入所する医療必要度の低い医療区分1や医療区分2の者にも急性増悪により、状態が不安定で、緊急対応を要する者や喀痰吸引、経管栄養などの日常的な医療処置を必要とする者がいると判断し、患者の状態像、老健施設の人員配置基準について検討を始めた。

◆医療必要度は高い

平成18年10月に行った「療養病床アンケート調査」によると、患者の状態像は、全体で経管栄養が28.2%、医療区分1で17.9%、医療区分2で33.8%となっている。介護療養病床に限ってみると、医療区分1で24.5%、医療区分2で47.8%。喀痰吸引では、全体で22.3%、医療区分1で8.3%、医療区分2で30.2%。介護療養病床に限ってみると、医療区分1で10.8%、医療区分2で41.4%である。医療処置の必要性がある患者は介護療養病床の方が幾分高い傾向が見える。

現行では老健施設の人員基準は、医師100:1以上で常勤医師1人以上。看護職員は3:1、介護職員は3:1となっている。夜勤帯では医師は配置されず、看護・介護職員は40:1で、2人以上となっている。このため、老健施設は医師、看護職員が日勤帯の配置を夜間、必要な医療を提供できる体制を整備することが必要となる。

5月18日、「介護施設等の在り方に関する委員会」において、厚労省の示した老健施設の医療サービスの強化の必要性の考え方は、現在の療養病床の入院患者のうち、医療の必要性が必ずしも高くないが急性増悪になった場合、急性期病院への転院が必要となる可能性があり、医療の確保がなければ介護施設等への転換が進まないということ。老健施設に入所する者の状態像、必要な医療サービスの検討だ。

◆看取り・夜間の対応必要

強化すべき医療サービスは、日中・夜間を通じて必要となる医療であり、医療区分1及び2の者の中には、先述のように、急性増悪で状態が不安定で緊急対応を要する者、喀痰吸引、経管栄養等の日常的な医療処置を必要とする者が一定程度いると考えられるからだ。したがって、夜間も適切な医療提供が行われることが必要というもの。ただし、夜間の医師による医療提供は常勤医のオンコールや他の医師の往診で対応もできるのではないかとしている。

看護職員については、3日間の夜勤帯で1.9人程度急性増悪が発生するため、夜間に看護職員の配置が必要。また、看取りについては、1月あたり1.4人の死亡者数があるため、看取り体制が必要。現行の老健施設では死亡退所率は約2%と少ないが、入所者の看取りを行う体制整備が必要と言うもの。そのほか老健施設の本来業務であるリハビリテーションの充実を進めるべきとしている。

老健施設の体制整備については、六月に明らかになる地域ケア整備構想の進捗ととともに明らかにされる予定。

<2035年 「老年人口3割超」44都道府県>

◆地方の高齢化加速

国立社会保障・人口問題研究所は29日、2035年までの都道府県別将来推計人口を公表した。同年には愛知、滋賀、沖縄を除く44都道府県で老年人口(65歳以上)の占める割合が30%を超え、最も高い秋田は41・0%に達する見込みだ。

推計は、同研究所が05年の国勢調査などをもとに、今後30年間の人口を5年ごとに予測した。それによると、35年の推計人口は05年の86・6%にあたる1億1068万人で、東京、沖縄を除く45道府県で人口が減少。このうち19道県では8割以下になり、秋田は68・3%にまで落ち込む。

老年人口の割合は、05年の時点では島根の27・1%が最も高いが、20年には30%を超えるところが31道県、30年には42道府県、35年には44都道府県に達する。全国平均も05年の20・2%から35年には33・7%に上昇することが見込まれており、高齢化の進展が一層加速することをうかがわせる。

同研究所人口構造研究部は「地方は人口減が加速し、地域格差がさらに拡大するだろう」と分析している。

◆老年人口 

15歳未満の「年少人口」、15〜64歳の「生産年齢人口」に対し、65歳以上の人口を指す。総人口に対する割合は年々高まっており、2000年の国勢調査で、少子化で減少を続ける年少人口を逆転。05年の国勢調査で初めて20%を超え、4分の1の市町村では30%以上を占めた。

(読売新聞より)

<株式会社立病院の全国展開を検討へ>

構造改革特別区域(特区)に限定されている株式会社などの医療機関開設について、全国展開に向けた検討が始まった。政府の構造改革特別区域推進本部評価・調査委員会(委員長・樫谷隆夫日本公認会計士協会理事)が5月29日の初会合で了承した。民間企業などから寄せられた制度の見直しに関する要望についても合わせて検討する

<薬剤師の養成増にストップも>

2028年までの薬剤師需給を予測する厚生労働省の薬剤師需給の将来動向に関する検討会はこのほど、初会合を開いた。医薬分業が一段落した一方で、相次ぐ薬科大学・薬学部の開設で薬剤師は増加の一途を辿っており、将来過剰となるとの指摘がある。議論の内容によっては、養成増にストップがかけられることになりそうだ。

<12県で新たな事業者負担 更新制度導入 手数料有料化、拡大へ>

介護保険制度改正で事業所の更新制が今年度から始まるのを機に、これまでは無料だった事務手数料を徴収する動きが広がっている。事務量が増大するというのがその理由だ。本紙の5月30日現在の聞き取り調査では、九州全県と沖縄、奈良、広島、高知、香川の12県で新規の指定申請、更新の申請の際に手数料が必要になる。このほか検討中も八県あり、全国に広がりそうな勢いだ。
◆手数料有料化、拡大へ
改正介護保険では、これまで無期限だった指定の有効期間を6年とし、事業所が事業を継続する場合は更新手続が新たに必要になった。悪質な事業所を更新時点で排除するのが目的だ。
今年度は、2000年4月1日付けまでに指定を受けた事業所が対象になる。施行直前の時期であり、準備のため既存の事業所に加え、新規参入組が指定に動いた。こうした事業所が今年度の更新申請には殺到することが予想されている。
本紙が5月30日までに全国の都道府県に聞き取り調査を行ったところ、今年度から更新手数料を有料とすることがほぼ確定しているのは奈良・広島・香川・高知・沖縄と九州全県だ。いずれの県もこれまで無料だった新規の申請手数料も有料化に踏み切っている。 
最も先行したのは高知で昨年10月からまず新規指定を有料化した。福岡と佐賀については、2月議会での条例制定が間に合わなかったが6月議会には提出される見込みになっている。西日本中心なのは、最も積極的だったされる福岡に「右へならえ」した事情があるようだ。さらに「周りの状況を見ながら、今年度中に導入可能かを検討している」とした都道府県も八カ所あった。将来的な検討事項とする都道府県も多く、「有料化」は全国的に広がる気配を見せている。

(シルバー新報より)


[2007/05/29]
 1000人あたりの医師数最下位に

<1000人当たりの医師数、2020年にOECDで最下位に>

◇日本福祉大教授が試算

人口1000人当たりの日本の医師数が、2020年には経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国中最下位に転落する恐れがあることが、近藤克則・日本福祉大教授(社会疫学)の試算で分かった。より下位の韓国など3カ国の増加率が日本を大きく上回るためだ。日本各地で深刻化する医師不足について、国は「医師の地域偏在が原因で、全体としては足りている」との姿勢だが、国際水準から懸け離れた少なさが浮かんだ。【鯨岡秀紀】

OECDによると、診療に従事する03年の日本の医師数は人口1000人当たり2人。OECD平均の2・9人に及ばず、加盟国中27位の少なさで、▽韓国1・6人▽メキシコ1・5人▽トルコ1・4人----の3カ国を上回っているにすぎない。

一方、診療医師数の年平均増加率(90-03年)はメキシコ3・2%、トルコ3・5%、韓国は5・5%に達する。日本は1・26%と大幅に低く、OECD各国中でも最低レベル。「医師が過剰になる」として、養成数抑制政策を続けているためだ。

近藤教授は、現状の増加率が続くと仮定し人口1000人当たり診療医師数の変化を試算した。09年に韓国に抜かれ、19年にメキシコ、20年にはトルコにも抜かれるとの結果になった。30年には韓国6・79人、メキシコ3・51人、トルコ3・54人になるが、日本は2・80人。

近藤教授は「政府は医療費を抑えるため、医師数を抑え続けてきたが、もう限界だ。少ない医師数でやれるというなら、根拠や戦略を示すべきだ」と批判している。

(毎日新聞より)


[2007/05/25]
 若手医師を地方に誘導

<若手医師を地方に誘導 臨床研修の定員削減 政府、与党が検討>

地方の医師不足の一因になっていると指摘されている臨床研修制度をめぐり、政府、与党が受け入れ病院の総定員を削減する方向で検討していることが24日分かった。研修医が集中している大都市圏の定員を減らすことで、研修医を地方へ誘導する狙い。地方も削減される可能性はあるが、現在でもかなりの定員割れの状態で問題は生じない見込み。

現在、受け入れ先の定員の合計は研修を予定する医学生らの約1.3倍と多め。このため大都市圏では定員通り確保している病院が少なくないが、研修医が1人もいない地方の指定病院もある。定員減で大都市部での受け入れ数が減れば、その分地方に研修医が回るためで、併せて研修後も定着することを目指す。

2004年に現在の形となった臨床研修制度では、研修予定者、厚生労働相が指定した受け入れ病院双方の希望を擦り合わせて研修先が決まる(マッチング)。ことし4月からの研修先を決めた昨年10月のマッチングでは、病院の受け入れ定員計1万1306人に対し、登録した医学生は8402人、研修先が決まったのは8094人だった。

定員のうち配置が決まった割合(充足率)を都道府県別にみると、高いのは東京90・1%、京都88・8%など。一方、低いのは新潟39・8%、鳥取40・0%などだった。

定員は、医師数や患者数に応じて厚労省が上限の基準を設定。これに基づき各病院の診療科やコースごとに決める仕組みで、基準の見直しなどで削減は可能だ。

日本医師会は、医師不足の原因について「臨床研修制度が一番大きな問題だ」と指摘し、定員の3割削減を提案している。

厚労省が昨年春に臨床研修を終えた医師を対象に実施した調査では、大都市圏に多い市中病院は「雰囲気がよい」「症例が十分」などの理由で満足度が高かったが、大学病院は「雑用が多い」「待遇が悪い」など不満の方が多く、大都市部に集中する傾向を裏付けた。

▽医師臨床研修制度

医師臨床研修制度 医学生が医師免許を取得した後の2年間、医療の現場で診療経験を積む制度。将来の専門分野にかかわらず一般的な負傷や病気に対し適切に対応できるよう基本的な能力を身に付けることを目指す。厚生労働省は2004年度から義務化。従来の制度では出身大学の医局に残る例が多かったが、臨床研修制度導入に際し学生と病院の希望に応じて研修先を決める制度「マッチング」を導入した。

(共同通信より)

<終末期医療に歯止めとの誤解を招く 日医 財務省の姿勢を非難>

財務省が5月16日に「死亡前1カ月の平均医療費は112万円で、1年間にかかる終末期医療費は約9000億円」などと報告したことを受けて、日本医師会は23日、「終末期医療費が過大でありガイドラインを設けて終末期医療に歯止めをかけなければならないかのような誤解を招く」と財務省の対応を批判した。

<急性期リハの評価を要望 日病協が診療報酬改定で>

日本病院団体協議会は25日、2008年度の診療報酬改定要望書を取りまとめた。急性期リハビリテーションの評価、外来看護加算の新設、精神入院基本料の評価などを求めている。7対1入院基本料に関しては救急医療への取り組みなどを算定要件に組み入れることを要望する。DPCでは、救急や新薬についての取り扱いで見直しを求める5月末から6月初旬にかけて、厚生労働省に提出する。


[2007/05/22]
 介護福祉士の養成校で定員割れ続出

<あえぐ福祉:横浜市内の介護福祉士の養成校で定員割れ続出 /神奈川>

横浜市内で介護福祉士を養成する専門学校4校すべてで定員割れが起き、06年度は専門学科の総定員の6割余り、182人しか卒業していなかったことが分かった。このうち、実際に福祉分野に就職した学生はさらに少ない146人だった。横浜市は約4000人もの特別養護老人ホーム(特養)の待機者などを解消するため、大幅な施設増設計画を進めるが、実現には介護現場に毎年約500人ずつ新規人材を確保しなければならず、計画の行き先に早くも「黄信号」がともっている。
毎日新聞の調べでは、横浜市内で介護福祉士を養成する学科を備える専門学校4校のうち、最も大きな定員割れを起こしていた学校では、定員90人に対して52人しか卒業していなかった。同校の教員は「施設の人が頻繁に求人に足を運ぶが、ここ2〜3年は少しずつ入学者が減っている」と打ち明ける。
横浜市ばかりではない。県介護福祉士養成施設協議会事務局の小林根さんによると、横浜市を含めた県内の介護福祉士養成学校の総定員は790人あるが、1年で資格取得できる専攻科で定員割れが著しく、4年制大学を除くと充足率は約20〜70%という。横浜市健康福祉局の担当者は「就職事情がよくなり、学生が他の就職先に流れている。『福祉でも』と考えた人がいなくなってきた」と分析する。
一方、政令市で最多人口(約362万人)を抱える横浜市は06年、特養の待機者を減らすため、特養を大幅に増設する「中期計画」を策定した。06年4月現在で8812床(93施設)ある特養に加え、10年度までに約4500床増設する。1年当たり900床ずつ増やしていく計算だ。
さらに並行して、介護老人保健施設を年間約600床ずつ増やす計画も立てており、1年で約1500人の老人を受け入れることになる。介護保険制度上、入所者3人に最低でも職員1人が必要になるため、少なくとも年間約500人ずつ新規の介護職員が必要とされている。横浜市内での人材確保が難しくなった分、青森県や徳島県などから参入した事業者が市内で特養を経営するケースも見られるが、地方の職員が家賃の高い横浜市内で働くことは難しく、人材確保の解決には至っていない。

(毎日新聞より)

<障害者福祉との介護保険制度統合、09年度実施を断念 厚労省>

介護保険制度の被保険者・受給者の範囲について検討する厚生労働省の有識者会議(座長、京極高宣国立社会保障・人口問題研究所長)は21日、中間報告をまとめた。保険料を支払う年齢を現行の「40歳以上」から、(1)財政安定化などのため「30歳以上」に引き下げる(2)障害者福祉と統合し、年齢を問わない普遍化した制度にする----の2案を提示したが、結論を絞り込むことができず、同省が目指していた09年度実施は見送られる見通しとなった。

範囲拡大は、介護保険財政安定化と障害者福祉との統合が目的。(1)は障害者福祉と統合せずに年齢だけを引き下げる案。(2)は障害者福祉と統合する案で、年齢を問わずにすべての人に保険料負担を求める一方、要介護状態になった理由や年齢を問わずにサービスを受給できるようにする----という内容。収入のない学生などへの給付は「家族給付」と位置づける、などとした。

会議では、(2)を支持する意見が多数だったが範囲拡大に慎重な意見も強く結論を出せなかった。

現行制度では、被保険者負担は40歳以上、受給者は一部特定疾病などを除き65歳以上に限られている。

(毎日新聞より)

<DPC対象病院1000を目標の大臣発言に激震走る>

5月15日に開かれた財政諮問会議で柳澤厚労大臣はDPC支払対象病院を平成24年度までに360か所から1000か所を目標にすると発言。これを受けて医師会などから反発の声が上がった。

平成24年度は療養病床の再編成が終了する時期、「骨太の方針2006」で1兆1千億円を5年間で削減するとした目標年だ。平成19年度予算では1年分の削減目標である2200億円が盛り込まれたが、諮問会議では柳澤大臣に平成19年度の削減目標の道筋を示すようにとの要望が出された。

従来、年度予算を立てる際、予算の大枠を財務省が示し、それぞれの官庁が予算獲得に回るという構図であったが、「小泉政権下では、経済財政諮問会議によるトップダウンで、「骨太の方針」により大枠が決められ、各官庁は粛々とそれに従わざるを得ない構造が確立した。」(藤井賢一郎 別冊厚生サロン2007??号)安倍政権下では小泉政権が作り上げた経済財政諮問会議のスタイルを踏襲し、「骨太の方針2007」による予算大枠を決めていこうとするもの。

◆民間議員は1兆円削減を提示

諮問会議の当日、民間委員からは平成19年度の目標達成が強く要望されたほか、医療・介護サービスのコスト構造改革の試算が発表された。1つは後発医薬品の使用促進、次に公立病院の人件費改革、3つめがレセプト完全オンライン化による医療費の削減だ。後発医薬品の使用促進により、後発品のシェアを30%に倍増し、5000億円、40%ならば8800億円の削減効果があり、公立病院の人件費の構造を見直し、1400億円の削減、民間病院への譲渡、レセプトのオンライン化により事務費の113億円の削減、しめて1兆円の削減効果を示した。

一方、柳澤大臣は医療・介護サービスの質向上・効率化プログラムを提出し、生活習慣病対策、介護予防推進、平均在院日数の短縮、在宅医療の推進、地域連携クリティカルパスの実施、診療ガイドラインの推進、後発医薬品の使用促進、DPC支払対象病院を当面1000か所を目標、健康ITカード導入に向けた結論を得ること、公立病院の機能分化と連携などを示した。

◆後発品使用促進へインセンティブありか

このプログラムをめぐって、翌16日に開かれた中央社会保険医療協議会でも論議があり、DPC支払対象病院を1000か所に増やす件については、医師会側から「DPCは医療の質を上げることにある。対象病院を3倍に増やすというのはどこから出てきたのか。支払を包括することによる歳出削減ではないか」と拡大を疑問視する意見が述べられた。

後発品使用促進に関しては、「チェックがない限りは後発品を使用する」と諮問会議での文言を受け、後発品使用には不安感が拭えないとして、「効果」、「安定供給」について6割以上が「問題あり」とし、「薬剤の情報提供」に至っては8割以上が「問題あり」とするアンケート結果が示された。支払側委員からは、「後発品を使用しないようにしていないか。後発品メーカーに対する安定供給の体制強化や、薬局のサポートなど、インセンティブが必要」と方向性を示す意見も噴出した。

<はしかワクチン2日で16万本減 自治体など一斉購入か>

厚生労働省は21日、はしかワクチンの在庫が18日までの2日間で約45万本から約29万本に急減したと発表した。関東地方を中心とする流行を受け、自治体が一斉にワクチン確保に動いたことが原因とみられる。ただ、はしか・風疹の混合ワクチンは5月中に数万本の追加出荷が予定されており、同省は「当面、在庫が底をつく心配はない」(血液対策課)としている。

同省は、16日時点の在庫をはしか単独ワクチン11万本、混合ワクチン34万本と公表していた。ところが、東京都が17日、高校生や小中学生に予防接種を促す緊急のはしか

(朝日新聞より)

<医療法人に特養設置許可 厚労省検討>

厚生労働省は18日、病院や診療所を運営する医療法人に、現行制度では認められていない特別養護老人ホーム(特養)の設置を認める方向で検討を始めた。

療養病床から特養に転換してもらい、同省が進める療養病床の削減を促すのが狙い。病床削減で退院を迫られる高齢者が、利用料の安い特養で生活できるという利点もある。

同日開かれた同省の「介護施設等の在り方に関する委員会」で、今後の検討課題として示された。6月までに一定の結論が出れば、特養の設置主体を規制している老人福祉法の改正手続きに入る。同法によると、特養運営が認められているのは社会福祉法人などで、医療法人には認められていない。大規模病院の場合、社会福祉法人を設立して特養を運営する例も多いが、診療所や小規模病院の場合、資金面などで負担が大きいとされている。療養病床の削減計画では、現在の約35万床を、2011年度末までに約15万床に減らす方針で、廃止される病床の移行先として、国は老人保健施設などを想定している。

(読売新聞より)


[2007/05/18]
 DPC拡大は総枠抑制につながる

<DPC拡大は総枠抑制につながる〜日医が懸念>

DPC病院を1000病院に拡大する方針などが盛り込まれた「医療・介護サービスの質向上・効率化プログラム」が15日の経済財政諮問会議に提出されたことについて、日本医師会は16日、「DPCが拡大すると、調整係数を操作することで実質的な医療費の総枠抑制が行われる恐れがある」との懸念を示した。

<40〜74歳男性の4人に1人は該当者 メタボリックシンドロームで> 

厚生労働省が16日に発表した2005年国民健康栄養調査の結果によると、40〜74歳の人口のうち、メタボリックシンドロームが強く疑われる(診断基準の)該当者は男性の25.5%、女性の10.3%、メタボリックシンドローム予備群は男性25.0%、女性9.5%で、合わせると男性の2人に1人、女性の5人に1人が、メタボリックシンドロームのリスクを抱えていることが分かった。

<DPC病院3倍、後発品シェア2倍に 厚労省方針>

DPC病院を3倍、後発品シェアを2倍、保険医療機関の個別指導年間8000カ所。厚生労働省は15日、新たな医療の効率化施策を打ち出した。政府の2008年度予算編成の中で具体化していく。柳澤伯夫厚生労働相は経済財政諮問会議で「医療・介護サービスの質向上・効率化プログラム」を明らかにした。これによって、必要なサービスの確保と質の医事、効率化による供給コストの低減を目指す。計画期間は08年度から12年度までの5年間。

<介護サービス情報公表 22サービスを追加 来年度から厚労省方針>

厚生労働省は「介護サービスの情報公表」の対象に来年度から、介護予防サービスなど22サービスを追加する。今年度はモデル事業を実施するが、介護サービスとダブルで指定をとっているところが多いことに配慮し、調査を同じ日に行ったり、共通部分の作業の手間を省くことができるかをモデル事業で検証する。介護給付では、新たに特定福祉用具販売とショートステイ、認知症デイなどが対象に追加される。すでに第三者評価が導入されていることで、情報の公表と整理がつかないでいる認知症グループホーム、小規模多機能型居宅介護が最後に残ったかたちだ。
今年度のモデル事業について、同省は14日に都道府県担当者会議を開き説明した。新たに対象となるサービスは訪問介護や通所介護など今年度までに施行されている介護サービスに対応する予防部分と、介護給付では特定福祉用具販売、認知症対応型通所介護、短期入所生活介護・療養介護、さらにこれらに対応する予防部分で全22サービスだ。

(シルバー新報より)

<2012年度までにDPCを1000病院に>

柳沢伯夫厚生労働相は15日、経済財政諮問会議へDPC病院を現在の3倍の1000力所まで増やし、後発医薬品のシェア倍増で医療費5000億円を削減するなどとする新たな医療の効率化施策「医療・介護サービスの質向上・効率化プログラム」を示した。必要なサービスの確保と質の維持、効率化による供給コストの低減を目指す。計画期間は2008〜12年度の5年間。政府の08年度予算編成の中で具体化する。

プログラムの基本は08年度からスタートする医療費適正化計画。生活習慣病対策や平均在院日数の短縮目標は医療費適正化計画に沿っており、DPCや後発医薬品などの数値目標を新たに組み込んだ。

現在360病院あるDPC病院を12年度には1000病院に増やす。一般病床の約4割をカバーすることになる。このため、当面DPC導入の影響評価や制度の精緻化を進める。

慢性期入院医療はかなりの部分で包括化か進んでいるが、一層進める。

経済財政諮問会議の民間議員からは「DPCは1日当たりの包括だが、1入院単位の包括となるDRGを検討するべき」などとの意見が出ており、柳沢大臣も検討する考えを示している。

08年度からは後期高齢者医療制度が始まるが、この診療報酬体系について民間議員は「はじめから包括にするべき」として、包括払いを基本にするよう求めている。

<不正請求防止の個別指導は8000件>

医療機関の不正請求防止などにも力を入れる。保険医療機関の指導・監査をより強化し、個別指導については、毎年8000伴の実施を目指す。

05年度個別指導実績は保険医療機関・保険薬局の合計が2878件、保険医などが5816人だった。監査実績は保険医療機関・保険薬局が104件、保険医などが252人となっており、返還金の総額は61億円に上っている。

一般診療所の役割も検討する。開業医の役割として、往診・訪問診療、休日・時間外診療を重視する方向性を明確にする。外来診療では診療所が一時的な地域医療の窓口を担い、病院は専門的な外来医療を基本として、役割分担する。

05年10月現在の一般診療所数は9万7442施設あるが、このうち往診を実施し いるのは2万6626施設にとどまる。また時間外診療を実施しているのは土曜日の18時以降は3558施設、日曜日の18時以降は1197施設、休日の18時以降は1233施設となっており、月曜日の18時以降の2万5642施設に比べると10分の1程度にとどまった


[2007/05/17]
 浦安老人施設 虐待認定

<浦安老人施設 法務局が虐待認定、勧告…手錠などで拘束>

千葉県浦安市の無届け有料老人ホーム「ぶるーくろす癒海館(ゆかいかん)」の入所者虐待疑惑で、千葉地方法務局などは16日、入所者へのペット用の柵や手錠などによる身体拘束を虐待と認定し、「人権を著しく侵害した」として、同施設運営会社「ぶるーくろす健康開発協会」(東京都中央区)と管理者の女性事務長に再発防止などを勧告した。県も老人福祉法などに基づく立ち入り調査の結果、身体拘束などは「虐待行為にあたる」として再発防止を通知した。
同局などは2月の毎日新聞の報道を受けて調査していた。「勧告」は捜査機関への告発、関係官庁への「通告」に次ぐ措置となる。
同局と県の虐待認定によると、昨年11月下旬ごろ〜今年1月下旬ごろ、漂白剤を誤って飲んだ精神障害のある60歳前後の入所者男性に金属製のU字工具を両手首に取り付けた。そのうえで、工具をひもで結び付けて固定し身体拘束した。また、入所者にトイレに物をつまらせたり、他の入所者をベッドから引きずりおろそうとした精神障害者がいた。このため、昨年12月7日ごろ〜同24日ごろ、対応策として車いす使用の入所者男性(35)を高さ約1メートルの金属製のペット用の柵で囲い、夜間は柵の扉を固定して行動を制限した。
同局は東京法務局、法務省人権擁護局と共同し8回、県は同市などと6回にわたり立ち入り調査し、ホーム職員らの証言などから虐待を事実認定した。勧告は「入所者への不当な身体拘束は人権を著しく侵害する」とし、県の調査結果も「当該行為は人としての尊厳を著しく損なう」としている。また、夜間に介護職員を配置していないなど県の指針や老人福祉法にも反していたが、罰則規定がないため、刑事告発などは見送った。
一方、同協会の中原健次郎社長(72)は「時と場合によって身体拘束も必要で、家族から同意を得ていれば問題ない。虐待ではない」としている。

(毎日新聞より)

<診療科を半分近くに再編 医師不足解消の思惑も 厚労省>

厚生労働省は、医療機関が名乗ることができる診療科を、現在の38科から20科程度に再編する方針を固めた。細分化して患者にわかりにくくなっている診療科を廃止する一方で、幅広い病気を診断できる医師に公的資格を与え、その医師がいる医療機関には「総合科」(仮称)を名乗ることを認めることなどが柱だ。患者が医療機関を選びやすくするほか、医療機関ごとに初期診療と専門医療の役割分担を明確にし、医師不足の一因とされる大病院への患者集中を緩和する狙いもある。

厚労省は今月21日、医道審議会に診療科名について検討する専門部会を立ち上げ、再編案を決めていく。08年度からの変更を目指す。診療科の見直しは96年以来。

現在、医療機関が名乗れる診療科は医科33、歯科4のほか、一定の臨床経験を要件に国が許可する麻酔科がある。学会の要望などで細分化が進んだが、患者からは「花粉症だが耳鼻科とアレルギー科のどちらを受診するか迷う」「神経科と神経内科の違いが分かりにくい」などの声があった。

見直しは、各学会による専門医の認定制度を調整している日本専門医認定制機構が定める18の基本診療科をもとにする。内科、外科、小児科など20科程度に絞る方針だ=表。アレルギー科、神経内科など19科の廃止や、「救急科」など4科の新設を検討する。「内科(呼吸器)」といった得意分野の併記は認める。

現在は1人の医師がいくつでも診療科を名乗れるが、あまりに幅広すぎると批判があり、医師が1人の診療所では名乗れる診療科を2科までに制限する方向だ。

見直しの目玉は「総合科」の新設。患者が最初にかかる初期診療で高い能力を持つ医師に、麻酔科のように国が公的資格を与え、その医師がいる医療機関に「総合科」を名乗ることを認める。体調の悪い人がどの診療科に行ったらいいか迷う場合、まず総合科にかかるようになれば軽症患者がいきなり大病院に行くことが減り、大病院の混雑解消や、多忙のあまり医師が大病院を辞める医師不足の改善につながると厚労省は期待する。

総合科を名乗れる具体的な要件は専門部会で議論する。へき地での一定期間の診療経験などが要件の一つとなる可能性もありそうだ。

一方で、専門志向が強い医師界で総合科をいかに浸透させるか、初期診察の能力の高さをどう判定するのか、など課題は多い。日本医師会は「厚労省の構想は初期診療を総合科医に限定するもので、患者が医療機関を選ぶ自由を阻害する可能性がある」と反対の姿勢。厚労省は、総合科を診療報酬で優遇することなども検討していくことになりそうだ。

(朝日新聞より)


[2007/05/15]
 都道府県は地域にあった計画策定を

<都道府県は地域に合った計画策定を〜厚労省・考えを日医が非難>

厚生労働省が4月17日の医療構造改革に係る都道府県会議で提出した資料「医療政策の経緯、現状及び今後の課題について」に関して日本医師会は9日、「医療機関の集約化や病床削減によりフリーアクセスの権利を侵害する内容だ」と不快感を示した。

その上で、都道府県は国の考えをうのみにせずに、医療現場との緊密な連携により地域の実情を反映した各種計画を策定すべきと主張した。

厚労省資料で時間外や夜間の診療をしている診療所数が減少傾向にあるために、在宅療養支援診療所を中心とした診療所による24時間対応の必要性が挙げられたことについて、「午後6時以降に通常診療をする診療所は増加している。『時間外』の定義が多様化していることを考慮すべき」と反論した。

▽在宅当番医制ネットワークを構築し休日・夜間の救急センターに交代出務▽時間外でも携帯電話で造絡がとれるようにする▽在宅療養支援診療所として24時間体制での対応が求められる−などの方向性については、「そうなれば今度は開業医が疲弊し地域医療は完全に崩壊する」と危ぐした。

「フリーアクセスが原因で患者は大病院でも専門病院でも直接受診が可能であるため、病院勤務医に過度の負担がかかっている」などと、フリーアクセスを一部制限すべきとの考えが展開されたことに関しては、「勤務医疲弊の原因は医療費抑制政策の結果として起きた医師不足にある」と反論した。公的病院をマグネットホスピタルとして位置づけ、これまでの大学医局に代わって医師の供給調整機能を担わせる考えに対しては、「十分な医師数を確保しなければ派遣元の急性期病院も共倒れとなる。これを防ぐためには財源の投入が必要だが、財政の中立性を考えた場合、民間病院の財源が抑制されることになる」と見通した。民間病院が公立公的病院の下請け化し、さらにアクセスポイントが縮小するため、結果としてフリーアクセスが崩壊すると懸念した。

<総合科創設は認めない>

厚労省は開業医を中心とした診療科目として、地域医療の窓口として軽度の症状の診療を原則的に担う「総合科(仮称)」を新設する方針を固めたと一部で報じられたことでは、「後期高齢者医療制度創設に向けた議論の中で出ている在宅主治医の考え方につながるおそれがある」として、断固反対していく姿勢を明示した。

記者会見した中川俊男常任理事は、「最新の情報を持ち、状態に応じた患者の専門病院への振り分け、心のケアができる医師が必要との認識はある。日医内でそうした開業医の養成カリキュラムも作っている」と基本的な考え方には同調した。しかし、初期診療が総合科医に限定されるとフリーアクセスが制限されることになり、地域格差も助長されるとして、「認められない」との立場を明確にした。政府や厚労省の審議会に諮ることなく、唐突に総合科創設の考え方が浮上したことについても、「諮問機関を軽視し、ないがしろにしている」と批判した。

<医療費「5年で5千億円削減」 諮問会議、試算提示へ>

経済財政諮問会議の民間議員が厚生労働省に示す医療費の削減案が明らかになった。後発医薬品(ジェネリック医薬品)を今の2倍に普及させると、5年間に5000億円の医療費が削減できるとしている。

民間議員は15日の同会議で社会保障について提言し、医療コストの削減に伴う財政効果を試算として示す。それによると、後発品の普及率を現在の16.8%(04年度)から30%に拡大すると医療費の削減額は5000億円、ドイツ並みの40%にすると8800億円の削減が可能だとしている。また、公立病院の運営で、収入に占める人件費の割合を現在の54.5%(05年度)から、民間病院並みの52.1%に引き下げると、5年で1400億円の医療費削減効果があるとしている。

政府は昨年の骨太方針で国と地方の社会保障費を5年で1.6兆円削減する方針を決定。現在、厚労省が具体的な削減策を検討している。15日は柳沢厚労相も後発医薬品の倍増目標などを盛り込んだ医療・介護分野の効率化計画を示すが、削減額は明示しない方針だ。

(朝日新聞より)


[2007/05/14]
 高齢者の介護保険料、ボランティアで軽減
<高齢者の介護保険料、ボランティアで軽減 活動ポイント化し“換金”>

厚生労働省は、介護支援のボランティアを行った高齢者の活動実績をポイント化し、介護保険料を軽減する「介護支援ボランティア制度」の導入を決め、全国の市町村に通知した。高齢者にボランティアへの参加を通じて「やりがい」をもってもらい、介護が必要な状態になるのを防ぐことになれば、保険給付金の減額にもつながるとみている。
制度の対象は原則65歳以上。定年退職した人たちのボランティア活動への参加意欲を高める効果も期待している。
介護施設入居者の話し相手や、レクリエーション指導などの介護支援ボランティアに参加すると、実績に応じてポイントが与えられる。ポイントがたまれば、介護保険料の支払いや介護サービス利用時の自己負担分に充てることができる。
介護保険法の「地域支援事業」の一環として市町村が運営し、ボランティア登録やポイントの管理・換金といった実務は地域の社会福祉協議会などが行う。運営費や軽減分の保険料は国の交付金でまかなう。
介護支援ボランティアでは、平成17年に東京都千代田区と同稲城市が厚労省に、ボランティア活動に参加した高齢者の介護保険料を年間5000円程度減額する制度の創設を要望。厚労省も当初は前向きだったが、一部自治体から「報酬的な性格が強く、ボランティア本来の意義が薄れる」「減額で保険料収入が下がり、結果的にほかの人の保険料が増え、適当でない」などの反対が相次いで、断念した経緯がある。
稲城市は18年に構造改革特区での介護支援ボランティア制度導入を申請。厚労省も「介護保険料値下げは難しいが、ポイント化して介護保険料に充てる制度は可能」として制度導入に踏み切った。稲城市は今年度中にボランティアを募集し、20年度から制度を本格スタートさせる予定だ。

(産経新聞より)

<医療機関の診療科名を4割強廃止・08年にも厚労省>

厚生労働省は医療機関の診療科名を4割強廃止し、20程度に絞り込む方針を固めた。アレルギー科や心臓血管外科といった専門性が高く分かりにくい科名をなくし、一般の患者がイメージしやすい皮膚科や外科などに名称変更させる。

厚労省は21日に開く医道審議会(厚労相の諮問機関)の専門部会で検討を始め、年内にも医療法の関連政省令を改正したい考え。早ければ2008年にも施行する。

(日本経済新聞より)


[2007/05/12]
 コムスン、架空介護員使い申請

<コムスン:架空介護員使い申請、事業所指定 弘前城東ケアセンター/青森>

青森県は10日、グッドウィル・グループ(GWG)の訪問介護最大手「コムスン」(東京都港区)が運営していた「コムスン弘前城東ケアセンター」(弘前市城東中央5)が、雇用していない訪問介護員を勤務していると偽って申請し、事業所指定を受けていたと発表した。コムスンの不正は東京都や岡山県でも発覚しており、県はこれまでに支払われた介護報酬の全額を市町村や被介護者に返還するよう指導する。
県は介護保険法に基づいて同センターの事業所指定を取り消す手続きを進めていたが、7日になってコムスンから同センターの廃止届が提出されたため、受理した。
県高齢福祉保険課によると、同センターは昨年7月、常勤介護員1人と非常勤介護員3人を雇用するとして指定申請したが、実際には非常勤介護員の1人を雇っておらず、その後も勤務していなかったという。同センターが昨年8月から今年2月までの間に受け取った介護報酬は、被介護者数人分に当たる約90万円。同課は今後、3〜4月の介護報酬も調べ、さらに返還を指導する方針。
コムスンをめぐっては、今年4月に東京都で不正請求が確認されたことから、厚生労働省が都道府県に不正請求の有無を確認するよう指示していた。GWG広報IR部は「内定者の入社が遅れたまま、新たな人材を確保し変更申請することを怠っていた」と説明している。

(毎日新聞より)

<療養病床 厚労省が削減数縮小へ 老健施設転換遅れで>

厚生労働省は9日、慢性病のお年寄りが長期入院する療養病床を11年度末までに6割減らし15万床とする削減計画について、今年秋に下方修正し削減幅を緩和する方針を固めた。医療機関などに削減する病床の受け皿となる老人保健施設への転換を促しているが、思うように進んでいないため軌道修正もやむを得ないと判断した。修正幅に関しては、終末期の高齢者が滞在できる新型の老健施設を認めるなど受け皿の幅を広げ、3万床程度にとどめたい考えだ。
厚労省は療養病床について、「入院者の半分は治療の必要がない」として、ピークだった06年2月、当時38万床あった病床を5年間で15万床に減らす方針を打ち出した。
しかし、療養病床の入院者の主な移転先として想定した老健施設は、病院から自宅療養に移る前の一時入所施設の位置付け。療養病床を抱える医療機関は経営上の不安感などから老健施設への転換に難色を示している。このため、療養病床数は06年末現在でピーク時から3万床減の35万床にとどまっており、削減計画の達成が困難視されている。
こうした事情に加え、厚労省は療養病床のうち、在宅復帰を促す回復期リハビリ病床(2万床)について「増やした方が医療費の抑制につながる」と判断。同病床を削減計画の対象から外して増床し、療養病床全体の削減幅を緩和する方針に転じた。
ただ、計画の修正幅については最小限にとどめる考えで、老健施設に、看護師配置基準(現行は入所者100人に対し9人)や介護報酬を手厚くした永住タイプの新型を認め、療養病床の代替機能を高める。
最終的な削減幅は、秋までに、都道府県に75歳以上の人口増加率やリハビリ強化による重症化予防効果などを盛り込んだ療養病床目標数を設定させたうえで確定させる。
同省は、療養病床削減によって給付費を3000億円削減し、5100円と見込まれた第4期介護保険事業計画(09〜11年度)時の月額平均保険料を4400円に抑える方針だった。削減計画緩和と新型老健の創設に伴い、同保険料が4400円を上回るのは避けられない情勢だ。

(毎日新聞より)

介護福祉士、廃止事業所の経験>

「10年間同じヘルパー事業所に勤めていたのに証明書がもらえないという人もいたんです」
高齢・障害者ヘルパーの養成研修や相談活動などを行っている全国ホームヘルパー・ガイドヘルパー協議会(大阪市)の事務局長・野村俊一さんのもとには、この1カ月の間だけでも20件くらいの相談が寄せられたという。いずれも介護福祉士の受験申請の際、以前の勤務先が廃業していて実務経験証明書がもらえなかったケースだ。
介護福祉士の受験資格は、3年以上の在職期間と実際に介護業務に従事した日が540日以上あることが要件だ。期間と日数は「実務経験(見込)証明書」で勤務先の事業者に証明してもらわなければならないが、転職などで勤め先が変わった場合、以前の事業所からも証明してもらうことになる。だが、廃業していた場合はこれが困難だ。
社会福祉振興・試験センターでは、代替策として日雇用保険の離職票、月退職共済の加入証明、給与明細書、訪問介護の記録書類、年金加入期間証明書、のいずれかでも確認できるとしているが、登録ヘルパーでは保険に加入している人も多くなく、給与明細を3年分保管しておく人はあまりいない。野村さんが相談を受けた人の中でも、「日数」を示せるものを持っている人はいなかったという。
「事業所の廃止は、経営の行き詰まりや代表者の急死、指定取り消しなどさまざまですが、いずれにしても本人の自己責任ではないこと。現実に見合った運用に緩和すべきではないでしょうか」
試験センターでも、「受験資格の問い合わせはここ一年ほどで確実に増えている」(試験室業務第一部)という。現時点では、既に廃業してしまった事業所の勤務証明は、前記の代替策しかなく根本的な救済策はない。将来の受験を考えている場合、退職の際にあらかじめ実務経験証明書をもらっておくことで予防できるという。実務経験の要件を満たすようになった時その事業所が廃業していたとしても証明書は有効になる。

(シルバー新報より)

<診療報酬明細、3年内に8割電子化・厚労省>

社会保障費の抑制のために厚生労働省がまとめた医療・介護分野の効率化計画の全容が11日明らかになった。医療機関が健康保険組合に出す医療費の請求書である診療報酬明細書(レセプト)の電子化を2010年3月末までに8割達成する数値目標を掲げた。このほか割安な後発医薬品のシェアの倍増や7年以内に介護が必要な高齢者の比率を1割に減らす目標も盛り込んだ。

効率化計画は社会保障費の抑制と質の向上の両立を求めた安倍晋三首相の指示でつくったもので、15日の経済財政諮問会議で柳沢伯夫厚労相が提示する。6月に決める経済財政運営の基本指針(骨太方針2007)にも反映させる方針だ。

(日経新聞より)

<運用開始の朝、赤ちゃんポストで相談相次ぐ>

様々な事情で子育てできない親から新生児を匿名で預かる「赤ちゃんポスト」の運用が10日正午から、熊本市の慈恵病院(蓮田晶一院長)でスタートした。「命を救える」「育児放棄を助長する」。昨年11月の構想発表以来、全国初の試みに賛否両論が渦巻く中での運用開始だ。この日は朝から、病院に相談の電話が相次いでいる。

病院側はポストを「こうのとりのゆりかご」と名付けている。病棟1階にある「新生児相談室」の外壁に扉(高さ55センチ、幅60センチ)を設け、その内側に24時間保温の保育器を置いた。新生児を託し、扉を閉めると施錠され、再び扉を開けることはできない。新生児の安全確保のため保育器の監視カメラはあるが、親の匿名性を守るため、外にいる利用者は撮影されない仕組みだ。

病院側は産婦人科の看護師、助産師ら17人で24時間対応。新生児が保育器に置かれれば、保護するとともに熊本市や熊本県中央児童相談所、熊本県警に連絡する。

ただ、ポストはあくまで、出産に悩んだ末の「産み捨て」や「捨て子」を防ぐ緊急避難的な措置。扉のわきには相談用インターホンを設け、看護部長や看護師長が応じる。保育器内には「気持ちが変わったら連絡してほしい」などと呼びかける手紙を置く。

病院側にかかった相談などの電話は、この日の朝からだけで、すでに10本を超えた。蓮田太二理事長(71)は「うれしい一方で緊張感もある。預けるより、できるだけ相談してきてほしい。それが母子の大きな救いにつながる。ともに悩んでゆきたい」と話す。

熊本市も7日から、24時間対応の電話相談窓口を開設するなど、行政側も相談体制の強化を図っている。

(朝日新聞より)

<「カプセル内視鏡」、飲むだけで小腸診断 全国販売へ>

小型カプセルにビデオカメラを内蔵した「カプセル内視鏡」を、丸紅と医薬品卸のスズケンが共同で輸入、5月末から全国の病院に販売する。患者は検査中、病院にいる必要はなく、麻酔をしたり、バリウムをのみ込んだりするなどの負担もない。欧米ではがんの早期発見など利用が広がっており、日本でも厚生労働省が初めて認可した。

胃や大腸の診断はできても約6メートルの小腸を診断するのは難しく、チューブ型の内視鏡を無理に差し込めば腸壁を傷つける恐れもある。そんな課題を解消する。

長さ26ミリ、直径11ミリ、重さ4グラムのカプセルをのみ込めば自然に体外に排出されるまで1秒に2枚、約8時間かけて最大5万7千枚撮影し、患者の腰に取り付けた受信機に送信する。

米ナスダックに上場するイスラエルの医療機器メーカー、ギブン・イメージング・リミテッドが開発。同国のミサイルに採用されている、撮影した画像を圧縮し電送する技術を応用した。

独協医科大学の寺野彰学長は「暗黒大陸と言われるほど小腸疾患の診療が遅れていたが、未来が切り開かれる」と期待を寄せる。日本でもオリンパスや、医療・映像機器メーカー、アールエフ(本社・長野市)が開発に乗り出している。

(朝日新聞より)

<試験落ちても資格 「准介護福祉士」新設へ>

お年寄りなどの介護を中心的に担ってきた介護福祉士とは別に、国家試験の必要がない准介護福祉士という新たな資格が誕生する見通しになった。この資格の新設を盛り込んだ関係法の改正案が、今国会で成立することになったからだ。フィリピン人介護者を受け入れやすくするとの判断もある。現場からは准介護福祉士について「専門職としての位置づけがあやふやで、混乱する」との批判も出ている。

現在、介護福祉士になるには、(1)大学や専門学校など指定の養成校を卒業(2)福祉系高校を卒業するか介護現場で3年以上働き国家試験を受ける、のいずれかの方法がある。しかし、国家試験はここ数年、合格率50%を割っていた。「難易度や質にばらつきが大きい」との批判もあったため、厚生労働省は昨年、見直しに着手し、どのコースでも教育時間を増やし、国家試験を課す「社会福祉士及び介護福祉士法」の改正案をまとめた。

問題をややこしくしたのが昨秋結ばれた日本とフィリピン間の経済連携協定(EPA)の影響。日本への介護者の受け入れを決めたが、日本で働き続けるには、4年間の滞在中に介護福祉士の資格を取ることが条件とされた。だが、試験が義務づけられると、協定時よりハードルが高くなる。

そこで、厚労省は改正法案に、養成校を卒業すれば国家試験を受けなくても落ちても「准介護福祉士」と名乗れるという妥協策を盛り込んだ。介護福祉士の「援護と助言」を受けながら働く。

一方で国が看護分野では、准看護師の養成コースをなくす方向で検討しており、関係者からは「同様な待遇格差を招くおそれがある」という意見が出ている。日本介護福祉士会の石橋真二会長は「現場では、現在でも介護福祉士、ヘルパー、無資格者と様々な人がいる。『准』が入れば、介護の専門性とは何かという疑問を持たれかねない」と心配する。改正法案は4月末、「准介護福祉士制度の5年以内の見直し検討」という付則をつけ、参院を通過し、現在衆院で審議中。

〈キーワード:介護福祉士〉 介護現場の中核的存在で、87年に国家資格となった。ただ、介護施設では看護師などと違い、雇用しても介護報酬への加算がなく、専門性の評価は低い。中央福祉人材センターの05年調査で正規職員求人の平均月収は16万6000円で、非取得の介護職よりわずか6000円高いだけだった

(朝日新聞より)

<厚生年金病院存続へ 社保病院も 整理機構が運営>

年金財政を改善させるため、10年度までに廃止または売却するとしていた全国10カ所の厚生年金病院について、厚生労働省はすべて存続させる方針を固めた。53の社会保険病院も一部を廃止する以外は残す考えだ。医師不足や病院の統廃合が進むなか、地域医療をいっそう空洞化させると判断した。いずれも独立行政法人に移管したうえで運営しながら、将来的には地域ブロックごとに売却する案も浮上している。

今後与党と調整し、連休明けから始まる社会保険庁分割・解体法案の国会審議で方針を示す。

厚生年金病院や厚生年金会館など、社保庁が年金の積立金で整備した256の年金福祉施設は、「年金保険料の無駄遣い」との批判を受け04年3月、独立行政法人の「年金・健康保険福祉施設整理機構」を通じて廃止して処分するか、施設ごと売却することで与党が合意。06年度までに、66施設を民間に売却している。

ただ厚生年金病院はレクリエーション施設とは性格が違うことから、与党合意で「地域医療に重要な病院は、医療態勢が維持できるよう十分考慮する」とされ、05年度に整理合理化計画を策定するはずだった。だが、社保庁改革の遅れや地元からの存続要望を受け、具体的な存廃の計画はいまだに策定されていない。

社保庁は、分割・解体される予定の10年1月より前に、年金病院を整理機構に現物出資し運営も同機構に委ねる。そのために、10年度に解散する予定だった同機構をそれ以降も存続させるよう関連法を改正する方針だ。

一方、中小企業向けの政府管掌健康保険の保険料で建てた社会保険病院も整理機構に移管する。ただし収益の改善が見込めず、地域のニーズも低い10カ所前後の病院は、移管後に廃止して跡地を売却し、収益を政管健保の財源に充てる。

05年度決算では、厚生年金病院は10カ所のうち9カ所、社会保険病院は53カ所のうち51カ所が黒字だが、国有施設で固定資産税を払っておらず、減価償却費も計上されていない。厚労省は民営化すればかなりの病院が赤字になり、個別に売却すれば買い手がつかず廃止になるところが出て、地域医療に支障が出ると判断。このため移管後、病院をいくつかのグループにまとめ、一括売却する案が出ている。

自民党内には経営状態のいい厚生年金病院の売却を先行させ、社会保険病院については個別売却を検討すべきだとの

(朝日新聞より)

<重度化対応加算の経過措置1年延長〜看護師不足に対応 2008年3月末まで>

3月29日の社会保障審議会介護給付費分科会は、介護老人福祉施設(特養)の重度化対応加算などについて、常勤の看護師を配置する基準を准看護師まで認める経過措置を1年延長する厚生労働相の諮問を了承した。これにより、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準の一部を改正する件」が3月30日に公布され、4月1日より適用されることとなった。
介護老人福祉施設及び地域密着型介護老人福祉施設における重度化対応加算と短期入所生活介護等における夜間看護体制加算については、常勤の看護師を配置する基準を看護職員でも可能とする経過措置を2007年3月31日まで設けていたが、3分の1以上の介護老人福祉施設で重度化対応加算が算定されていない状況。さらには、7対1看護創設などで、特養での看護師の確保が困難であり、重度化対応加算等が算定可能な介護老人福祉施設がさらに減少し、介護老人福祉施設体制の強化や見取り体制の整備が交代する恐れがある。このため、当初2007年3月31日までだった経過措置期間を2008年3月31日までとするとした。

<訪問介護労働者の移動時間とその把握のポイント示す〜厚労省>

厚生労働省は、訪問介護労働者等の労働基準関係法令遵守に関連し、移動時間の把握方法や労働時間との整合性についてのポイントを示した。それによると、移動時間とは「事業場、集合場所、利用者宅の相互間を移動する時間」をいう。この移動時間については、使用者が業務に従事するために必要な移動を命じ、当該時間の自由利用が労働者に保障されていないと認められる場合には、労働時間に該当。一方、労働者の自宅から事業場への移動は通勤時間で、ここでいう移動時間には該当しない。
介護事業者の中には、移動時間を把握し賃金を支払っている事業者がある一方、移動時間を把握しているが当該時間については最低賃金以下の賃金を支払っている事例や、移動時間を把握せずに賃金を支払っている事例等がある。今回まとめたポイントでは、訪問介護の業務に直接従事する時間だけでなく、移動時間、業務報告書などの作成時間、待機時間および研修時間について、「労働時間に該当するケース」を示し、使用者は適正にこれを把握すべきとしている。

<療養病床転換で施設基準を緩和〜介護給付費分科会が了承>

社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長・大森彌東京大学名誉教授)は3月29日、療養病床を介護老人保健施設(老健)などに転換する場合の施設基準の緩和措置などについて厚生労働相からの諮問通り答申した。
現在、老健への転換する場合の施設基準の緩和措置は、療養病床を持つ病院の廊下幅と床面積について講じられている。今回はこの措置を食堂と機能訓練室まで拡大(下記参照)。食堂の面積が1人当たり2?以上となっているのを1?以上に、機能訓練室は1人当たり1?以上を全体で40?以上にする。
さらに、緩和措置の対象については療養病床を持つ診療所、一般病床を持つ病院・診療所からの転換にまで拡大。診療所の場合は「食堂・機能訓練室の面積が1人当たり3?以上」か「食堂1人当たり1?以上、機能訓練室40?以上」のいずれかを選択。これにより、現行の施設基準のままでも転換が可能となった。
病院や診療所が介護老人福祉施設(特養)に転換する場合についても、床面積は1人当たり10.65?の特養の基準を採用するが、廊下幅と食堂、機能訓練室は老健と同様に緩和する。
これらの経過措置は、5月から施行され、老健への転換の床面積の緩和措置は2012年3月末まで限定、廊下幅と食堂、機能訓練室は2012年4月以降も続く。
■老健併設型で診察室の共用可
療養病床を老健に転換し医療機関と老健を併設する場合、診察室の共用を認められることとなった。これまで老健施設が医療機関と併設する場合は医療機関・老健別に診察室を設けなければならなかったが、1ヶ所で済むことになる。さらに、医療機関と老健でそれぞれ設置しなければならなかった出入り口や階段、エレベーターの共有も認められ、両施設間を行き来できるようになる。この経過措置についても5月から施行する。
また、医療法人の附帯業務の範囲を拡大し、高齢者専用賃貸住宅の運営も5月より可能となる。単に高齢者が住むだけではなく、生活相談や緊急通報、見守りサービスなどを実施する高専賃に限定する。
鈴木康裕老健局老人保健課長は同日の介護給付費分科会で、今回の緩和措置でハード面は概ね整備できたとの認識を示した上で、「ソフト面をどうするか、現場の意見を聴きながら検討したい」とし、第二弾の緩和措置として、人員などのソフト部分の検討を行っていく意向を述べた。厚労省の「介護施設等の在り方に関する委員会」が介護施設での医療提供や人員体制などの検討をしているが、この議論の内容を反映したものになりそうだ。

<診療報酬支払い期間の短縮も 規制改革会議>

政府の規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)は4月20日、2011年に義務化されるレセプトオンライン化を前倒して実施した医療機関に対して、オンライン化によって削減された手数料の一部を還元したり、診療報酬支払いまでの期間を短縮したりするインセンティブを与えることを提言する方針を固めた。5月にまとめる1次答申に盛り込む考えで、今後厚生労働省などと調整に入る。
2006年度診療報酬改定では、レセプト電算処理システムを導入しているなど一定の要件を満たしている医療機関に初診料を加算する「電子化加算」が設けられた。これに対し、松井委員(松井証券社長)は「国民が負担する保険料を財源としている」と批判を展開し、オンライン化で削減された手数料分を医療機関に還元する形でのインセンティブの有用性を強調。また、診療報酬支払いの早期化については、「今後金利が高くなれば、医療機関にとって資金調達面で大きなメリットになる」と述べた。


[2007/05/09]
 患者様ちょっと違和感

<患者様ちょっと違和感 患者さんに戻す病院も>

「患者様」という呼び方が病院ですっかり定着した。しかし、好きで病気になったわけでもないのに、違和感を感じる人もいる。もともと患者の立場を尊重した医療の実現などを意識して使われ始めた言葉だが、「日本語としておかしい」という指摘もあり、「患者さん」に戻す病院が出てきた。

京都大学病院(京都市)では、昨年末から掲示物やホームページなどの「患者様」という表現を「患者さん」や「患者の皆さま」に改める作業を進めている。院内放送を録音し直し、看板はすべて取り換えた。

呼称の変更は病院の幹部会議で決め、2000人余りの職員に文書やメールで周知した。「様」をつけていいのは「田中様」といった姓の後だけ。一山(いちやま)智・副院長は「院内で違和感があるという声は以前からあったが、患者自身からも『馬鹿にされている感じがする』という意見があった」と言う。

さらに変更の理由の一つに、院内で医療スタッフへの暴力や暴言が多発していることを挙げる。「『患者様』と呼ぶことが直接の原因ではないが、一部の人に誤った意識を助長しているような気がする」と一山副院長は話す。

「患者様」という言葉は、患者本位の医療やサービス向上を意識して一部の病院で使われ始めた。01年に厚生労働省が出した国立病院のサービスに関する指針に、「患者の呼称の際、原則として姓(名)に『さま』を付する」という内容があり、広まったらしい。

00年に「様」を導入した長野県東御(とうみ)市の東御市民病院では03年、「サンさま再検討委員会」が作られた。アンケートの結果、職員、患者とも「『さん』の方が身近で親しみを感じる」という意見が多かったことから、「さん」に戻している。委員長を務めた薬剤師の中山孝子さんは「患者と対等な立場になることが重視される中で、医療はサービスと称してへりくだった態度をよしとする思い違いをしてきたような気がする」と振り返る。ただ、公的性格の強い文書や掲示物では「様」という表現を残しているという。

一方、近畿地方のある大学病院の教授は「教授会で議論して『さん』が良いという結論にはなったが院内で徹底するのは難しい。医師と窓口の職員とでは考え方が違うようだ」と話した。

◇「患者様という言葉はおかしい」との指摘は、国語学者の故金田一春彦さんも自著でしている。「日本語を反省してみませんか」(角川書店)で、「『患者』という言葉自体がすでに悪い印象を与えるため、いくら『さま』をつけてもらってもうれしくない。(中略)いくら頑張っても敬うことにはならないのである」と書いており、医療関係者が見直しをするきっかけにもなった。

◇ 〈95年に全国に先駆けて「患者様」という言葉を取り入れた亀田総合病院(千葉県鴨川市)の亀田信介院長の話〉 言葉の使い方は本質的なことでない。病院ごとに決めれば良いと思う。うちはホスピタリティー(もてなしの心)の一環で「患者様」という言葉を使っているが、これは公的な場のことで、患者が知り合いの漁師なら、「どう、元気?」と切り出すこともある。状況に応じたパートナーシップを築けるのがプロの仕事だと思う。

(朝日新聞より)


[2007/05/02]
 開業医に「総合科」創設へ

<開業医に「総合科」創設へ 診療科の自由掲示縮小も>

厚生労働省は1日、家庭医のように高齢者などの初期診療に当たる開業医を対象に「総合科」(仮称)を創設する方針を固めた。一定の知識と技術を備えれば、総合科の表示を掲げることができるようにする。75歳以上が加入する後期高齢者医療制度がスタートする来年度の導入を目指しており、今後の診療報酬改定で大きな検討課題になりそうだ。

高齢者の在宅医療への転換を進める厚労省は診療所を地域医療の窓口と定め、質の高い医師を養成。「熱がある」「関節が痛む」などの症状がある人はまず「総合科」で診療を受け、必要なら専門医がいる病院を紹介してもらう。病院は入院治療や専門外来に特化。勤務医の負担を軽減させ、過剰勤務で病院を辞めるケースも多いとされる勤務医の偏在や不足を改善させる狙い。

現在、診療科目は麻酔科以外は内科、小児科など自由に掲示できる。しかし、総合科については、医師免許の取り消し・停止処分の権限を持つ医道審議会と厚労相の承認を必要とする方向で、診療科掲示に関する検討会を開き、認定条件などを決める。あわせて現在約30ある自由掲示の診療科目を減らす方向で見直す。

厚労省は、総合科の条件として、内科を中心に複数の疾患を診ることができるほか、認知症などの高齢者に介護サービス計画をつくるケアマネジャーと連携、終末期医療にも対応することなどを想定する。

現在、新卒医師を対象に実施されている在宅を中心とした地域医療の研修も充実させる。学会や日本医師会などと協力し臓器別の専門医でなく、へき地的な場所での実践を含めた総合的な診療を行えるよう養成システムを構築する。

現在、歯科を除く一般診療所は全国で約9万9000カ所。みとりや往診などに対応する在宅療養支援診療所は現在約1万カ所の届け出があり、総合科は在宅医療を進める要としたい考えだ。

▽診療科目の自由掲示

診療科目の自由掲示 日本では医師になって2年間の研修が終わると、麻酔科を除き約30種類ある診療科をどれでも自由に名乗って看板を出すことが可能。開業医は得意分野の診療科を掲げているケースが多い。この制度は日本独特なもので、戦後の医師不足が生んだといわれる。麻酔科は、生命の危険性に及ぶことなどから指導医の下で徹底した訓練と厚生労働相の承認などが必要となる。

(共同通信より)

<地域医療支援病院の評価手法も>

4月23日厚生労働省で開かれた医療施設の検討会で、地域医療支援病院の機能見直し、医療連携体制での役割、地域医療支援病院の評価などについて審議された。

地域医療支援病院は、二次医療圏に1か所、地域の中核病院としての機能を持つ、200床以上の病院を二次医療圏ごとに1か所指定する構想で、平成9年の第3次医療法改正で設けられた。平成19年3月末現在で153か所。必ずしも二次医療圏ごとに設けられていないことに加え、地域医療を担うかかりつけ医の支援、医療機器等の共同利用など、当初の創設目的が達成されていないことを踏まえ見直す。

地域医療支援病院の承認要件は、平成16年に見直され、開設主体に社会福祉法人、独法化した労災病院、エイズ治療拠点病院又はがん診療拠点病院が、従前の国、都道府県、市町村、特別医療法人、医療法人などに加わった。

他の病院、診療所からの患者の紹介率では、?80%超、?60%超、かつ逆紹介率が30%超、?40%超、かつ逆紹介率が60%超となっている。そのほか、救急医療の提供、医療機器の共同利用、研究・研修機能などがある。

◆地域医療連携いかにして

見直しの論点となっているのは、地域医療連携機能、地域医療連携に関する情報提供センターとしての役割。在宅医療のバックアップ機能を持たせ、承認要件に医師確保対策、在宅療養支援診療所との連携、地域連携パスの取組、平均在院日数の短縮などである。

 紹介率のあり方で指摘されたのは、紹介率を確保するため、いわゆる「門前クリニック」問題をいかにするか、地域医療支援病院の評価について手法を検討する項目も加えられた。

国の進める医療連携体制の構築は、患者が在宅での生活に復帰し、在宅医療を受けられる体制の充実が不可欠となっているが、地域医療支援病院の役割はその中核をなす機能を持つべきとなっている。

大病院は入院機能だけで成り立つ形作りが必要であるが、患者の受診動向から見ると、大病院を指向しがちになっているため、外来機能がはずせないでいる。そこには、中小病院の診療機能では足りないという患者の受診動向があらわれている。中小病院の外来機能を確実にし、患者の紹介、逆紹介機能が過不足なく完成できれば医療連携体制が出来上がることになるわけであり、ひいては、かかりつけ医、中小病院、大病院の連携体制の構築が進む。

◆医師確保や総合的な診療も

単に地域医療支援病院の見直しだけでなく、かかりつけ医の機能についても検討会では言及している。かかりつけ医の機能・役割として、?複数の領域に渡る疾病に対応できる総合診療機能をもつ、?診療時間外でも患者、家族と連絡体制を持つ、?患者の転院等に伴う連携機能を果たす、?逆紹介を受けた患者の術後管理を含めた日常的管理、保健活動、?患者の生活を全般的に診る。以上を明確にする必要があるとしている。

総合的診療機能を求められる診療所医師は、医師の養成の課題でもあり、医学教育からの見直しが必要とされ、専門性についても検討することが必要である。地域偏在、診療科偏在している医師確保対策、病院勤務医の労働環境の改善とも相俟って検討しなければならない。在宅医療との連携を考えるとチーム医療の必要性が説かれているが、全く行われていない地域の医療資源、介護資源といかに協調していくかからはじめなければならない課題だ。


[2007/05/01]
 在宅医療の報酬上げ・厚労省方針

<在宅医療の報酬上げ・厚労省方針、入院減らし医療費抑制>

厚生労働省は「在宅医療」を充実させるため、24時間体制で往診や看護に応じる開業医の診療報酬を2008年度から引き上げる方針だ。外来患者の診療に頼って在宅医療に取り組まない開業医の診療報酬は抑え込む。費用のかかる入院を減らして自宅での療養を促すのが狙いで、医療費の膨張を防ぐ。7月にも厚労相の諮問機関の中央社会保険医療協議会(中医協、土田武史会長)に提示する。08年4月の改定に向け、来年初めまでに引き上げ幅などを詰める。

(日経新聞より)

<診療報酬の加算で届け出漏れ 厚労省、特例的に救済>

全国にある訪問看護ステーションのうち少なくとも428カ所で、夜間対応などに対する診療報酬加算を請求するための届け出をしないまま、上乗せされた報酬を受け取っていたことが分かった。手続きが必要な約4000カ所の約1割に当たる。

本来は返還を求めるケースだが、厚生労働省は27日、原則として返還を求めないことを地方社会保険事務局などに通知した。介護保険の導入に伴う手続き変更が周知徹底されていなかった事情に配慮し、特例的な措置として事実上、救済した形だ。

届け出漏れが見つかったのは、夜間に対応する体制をとった場合などの「24時間連絡体制加算」と「重症者管理加算」。大阪府内の66カ所が最も多く、熊本県59カ所、愛知県41カ所など35都道府県に及んでいる。

背景には2000年4月の介護保険の導入に伴い、訪問看護ステーションの「開設の申請先」と「公的医療保険の加算の届け出先」が別々になったことがある。

届け出漏れの期間は長いところで介護保険導入時の7年前までさかのぼる。両加算の報酬は利用者1人に付き月額2500円から5000円で、受け取った報酬は1事業所当たり数10万円から数100万円に上っている。

(共同通信より)

<閉院6件、民間移譲が17件 自治体病院の見直し加速>

医師不足や赤字経営などから今年4月1日までの5年間で、全国に1000近くある自治体病院のうち6病院が閉院、17病院が民間へ移譲されたことが28日、総務省や全国自治体病院協議会の調べで分かった。計23件のうち7割に当たる16件が2005年以降の2年間余りに集中、経営の見直しが加速している。これとは別に、民間事業者などへの運営委託も今年1月現在で43病院に上る。

自治体病院は採算性が低い山間部や離島などのへき地医療や小児医療を担う一方、民間の医療機関が充実している都市部では役割が低下。地方財政の圧迫要因にもなっており、今後も病院経営から手を引く自治体は増えそうだ。

過去5年間で閉院したのは北海道が2カ所、東京、大阪、京都、福岡の4都府県が各1カ所。

このうち、大阪府忠岡町の公立忠岡病院は医師不足が患者の減少を招き、04年度以降、急激に収支が悪化。今年3月末で閉院に追い込まれた。

民間移譲は福岡県内の5病院が目立つが、残りは12道県で1カ所ずつとなっている。

(共同通信より)