
<都の処分に異議あり 利用者家族が猛反発 くすのきの郷>
「取り消し処分には納得できない」文京区立特養「くすのきの郷」が不正請求をしたとして、東京都が区に事業者指定の取り消し処分を出したのを受け、同施設の家族会は24日に集会を開き、区の担当者も交えて処分の是非について意見を交わした。利用者側が都への不服申請を求めると「異議申し立てをするつもりはない」と区が突っぱねる場面もあり、サービスの質を評価していた利用者側と、法に従うしかないと考える行政側の視点のズレが浮き彫りになった。
集会には、文京区の介護保険部長と高齢者福祉課長らも出席し、利用者の家族や遺族ら約130人が参加。区から利用者への謝罪と今後の対応、民設民営施設への移行スケジュールが説明された。
社会福祉法人同胞互助会が指定管理者として運営する「くすのきの郷」と「くすのき高齢者在宅サービスセンター」は、11月末でサービスが打ち切りになり、12月1日から新しい社会福祉法人による民設民営の施設となる。
7月には公募を開始し、事業者選定委員会での検討を経て運営法人を決定。11月からは新法人も並行して運営に加わり、月末の取り消し日でバトンタッチする。区は、新法人と協定書を結び一定の関与を続けること、施設修繕費などに現在と同程度の補助金を出すとともに新法人にサービス水準の維持を求めていくこと、不正請求分に相当する利用者負担を利用者へ返還するよう法人に指導していることなどを説明した。
家族らは「一緒に都に対して処分への異議申し立てをしてほしい」と区に訴えた。「一発取り消しは理屈に合わない」「サービスは提供されており不正請求にはあたらない」と怒りは収まらない。さらに、「新法人の応募対象から同胞互助会を外す」と区が決めたことに反発。「他の法人がいまのサービスの質を維持できない場合は、現法人にお願いする選択はあっていい」として、公募に同会を加えるよう求めた。
(シルバー新報より)
<よくわかるQ&A コムスン問題 指定・更新の連座制>
通常は同一類型単位で 事業所の管理者も処分
コムスン問題を巡っては、改正法の適用について編集部にも問い合わせが相次いだ。そこで、再度、解説する。Q子 そもそもコムスンってどうして、全部の事業所がサービスできなくなるの。
A男 一つの事業所が指定取り消しになると、同じ法人の事業所のすべてが道連れ、つまり「連座」して更新ができなくなる仕組みが、改正介護保険法で導入されたのは知らないのかい。ただ、コムスンの場合は特別厳しい処分だったけれどね。
もし、指定取り消しを受けた事業所で管理者だった場合は、5年間は別の事業所の管理者にはなれないよ。働いている人にも関係するから、よく知っておいたほうがいい。
Q子 「連座」ってまるで選挙違反ね。
A男 選挙違反で逮捕者が出たら、候補者の当選も無効になることを「連座制」というものね。親分が責任をとらされるだけじゃなくて、働いている人や利用者も責任をとらされることになるから、介護保険の場合は「大いなる連帯責任」といったほうが正確かもしれない。
最初から説明しよう。改正介護保険法では、事業所に対する規制のルールが強化された。指定できない理由(欠格事由)が追加になったのがその一つ。さらに、指定の有効期間を6年にして、更新が必要になった。指定取り消しの要件も追加されている。
さらに、取り消しまでに勧告、改善命令を位置付けて、有効に改善指導ができるようにした。区市町村は本来は地域密着型しか権限がないのだけれど、都道府県が指定するサービスにも立ち入り調査ができるようになった。
Q子 随分、厳しくなったのね。
A男 これまでがゆる過ぎた面もある。取り消し処分が決定するまでの間も、報酬請求を止める手段もなかった。指定を取り消されても、別の事業所を立ち上げれば、指定は受けられるから、悪どい人間にはやり放題だ。だから、指定の欠格事由の中に、「5年以内に指定取り消しを受けていない」ことが追加された。会社を潰して、表面的に看板を替えて別会社で指定を受けることを防ぐために、取り消しを受けた法人の役員、管理者など「個人」も処罰の対象にして、5年間はその人がいると新規指定は受けられないし、有効期間が切れても新たに指定を受けることもできない。
(シルバー新報より)
<約4割の特養「医療ニーズに対応難しい」>
全国老人福祉施設協議会が会員施設を対象に行ったアンケートによると、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)での医療ニーズに対して「施設での対応が難しくなっている」とする施設が48.6%と、「施設スタッフで対応可能」の43.1%を上回ったことが分かった。特養の98.3%が「医療ニーズが増加・複雑化している」と答えており、厚生労働省の示す療養病床削滅計画が進む中で、受け入れ側の医療体制が厳しい現状が浮き彫りになった。
厚労省の調査で特養入所者の平均要介護度は2001年の3.48から05年には3.73と重度化したことが分かったが、今回のアンケートでは平均要介護度3.86と重度化がさらに進んでいる様子もうかがえた。入所者の医療対応の現状について「要介護4、5の増加で医療ニーズも増加・複雑化」が48.6%、「要介護度にかかわらず医療ニーズは増加・複雑化」と答えた施設も49.7%に上り、ほとんどすべての施設で入所者の医療ニーズの増加を感じていた。
日中に喀痰吸引やじょくそう処置、創傷処置を行っている施設は99%以上だった。ほかの医療行為についても、胃ろう96.2%、酸素吸入90.0%、経鼻経管栄養82.5%、点滴88.5%など8割の施設が行っていた。日中は喀痰吸引以外の処置について準備、処置、観察を看護職員が行う割合が介護職員の割合を上回っていたが、夜勤の看護職員がいないことが多い夜間では点滴以外のすべての処置で介護職員が行う割合が上回った。
喀痰吸引を見ると、日中は介護職員が準備を行う割合は43.8%、処置は29.2%、観察は57.8%となっているが、夜間は介護職員が行う割合が平均して6割程度となっている。他の処置でも同様の推移が見られ、日中では準備や処置など場面に応じて介護職員も担当しているが、夜間は看護師がいないことが多いために一連の流れを介護職員が担当しており、介護職員の業務負担が増えている状態がうかがえる。
<医療機能強化型老健創設へ 特養、医療法人にも参入枠>
6月20日、厚生労働省で開かれた「介護施設等の在り方に関する委員会」で療養病床を介護施設へ転換する施策をまとめた。医療機能を強化した新型老健の創設と、医療法人にも特養への参入を認める。
療養病床から転換した老健施設の入所者に対して適切な医療を提供するため、入所者の状態が悪化した場合に備えて、老健施設で受け止める機能を持たせた「医療機能強化型老人保健施設」を創設する。新型老健では急性増悪による緊急対応を要する入所者や、喀痰吸引、経管栄養など,日常的な医療処置を要する入所者が一定程度いるところから、夜間の医療提供体制を整えることが必要と判断した。夜間の医療提供は医師のオンコール体制、他の医療機関の医師による往診、看護職の夜間配置だ。看取りの体制も整える。
老健施設の従来の機能であるリハビリやデイケアは継続して行い、在宅復帰支援機能も強化する。
◆介護報酬改定も
新型老健は医療職の配置基準を変更することにより、介護報酬の改定が必要。また、医療提供機能の強化により、医療保険・介護保険の給付調整や往診による対応を行うことで医療保険と介護保険の一体的運用ができるように診療報酬改定に合わせて組み替えることになる。
また、サテライト型施設も厚労省が進める地域密着型サービス拠点となるサテライト型施設は、現行では、老健=サテライト型老健、特養=サテライト型特養と整備のパタンが決められていたところを撤廃し、医療法人でもサテライト型の特養、老健、特定施設の整備が可能となるよう老人福祉法を来年の通常国会で改正の予定。
加えて、小規模老健の日数上限と人員基準を緩和し、180日の算定日数上限を撤廃する。医療機関併設型小規模老健では、医師について併設医療機関との兼務を可能とし、支援相談員及び介護支援専門員の人員配置基準を緩和、非常勤を可とした。
サテライト型では本体施設と一体的に運営するため、医師、生活相談員、ケアマネジャーは本体施設と共用でよいこととする。
◆診療所併設型も
なお、療養病床の転換を進めるメニューとして、新たな居住の場としての位置付けになる医療機関と居住系施設(有料老人ホーム、高齢者専用賃貸住宅)の併設のパタンを示した。診療所と居住系施設の併設型に在宅医療を提供する新しい居住の形。在宅医療を提供する項目として診療報酬改定作業に組み込む考え。
老健、特定施設への転換の際の資金融資については「療養病床転換支援貸付金制度(仮称)」を創設。福祉医療機構から受けた融資の償還期間を最長30年まで10年以内に延長するほか、民間金融機関からの借入金の借換を検討する。平成20年から23年までの時限措置。
<コムスン引き受けに自信 信頼と実績とニチイ会長>
訪問介護最大手コムスンなどグッドウィル・グループが手掛ける介護事業の買収を目指すニチイ学館の寺田明彦会長は27日、株主総会後に記者団に対して「譲渡を受ける条件は信頼と実績がある同業の介護事業者だ」と述べ、引き受けに自信を示した。
居酒屋チェーンのワタミが介護サービスの業界団体「民間事業者の質を高める全国民間介護事業者協議会(民介協)」と連携して買収を表明したことについては「(ワタミに)訪問介護の経験はない」とけん制。
さらにワタミ連合が、グッドウィルの訪問介護を民介協の加盟事業者で分割して引き受ける方針を示していることには「地域の受け皿になるのは難しい」と指摘した。
コムスンなどの介護事業譲渡をめぐっては、約30社が引き受けをグッドウィルに打診するなど争奪戦の様相。寺田会長は、譲渡を受ける事業者側は、利用者のサービス継続と従業員の雇用確保に責任を果たすべきだとの考えを強調した。
(共同通信より)
<インフルエンザワクチンの供給を確保 今年度の需要は1940万〜2080万本程度>
インフルエンザワクチン需要検討会(座長・神谷齊独立行政法人国立病院機構三重病院名誉院長)は6月28日、今年度のインフルエンザワクチンの需要は1940万〜2080万本程度になるとの見通しをまとめた。今年度のワクチン製造量は最大で2350万本程度となる見込みで、「十分な供給能力が確保されている」とした。
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