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[2007/06/29]
 都の処分に意義あり くすのきの郷

<都の処分に異議あり 利用者家族が猛反発 くすのきの郷>

「取り消し処分には納得できない」文京区立特養「くすのきの郷」が不正請求をしたとして、東京都が区に事業者指定の取り消し処分を出したのを受け、同施設の家族会は24日に集会を開き、区の担当者も交えて処分の是非について意見を交わした。利用者側が都への不服申請を求めると「異議申し立てをするつもりはない」と区が突っぱねる場面もあり、サービスの質を評価していた利用者側と、法に従うしかないと考える行政側の視点のズレが浮き彫りになった。
集会には、文京区の介護保険部長と高齢者福祉課長らも出席し、利用者の家族や遺族ら約130人が参加。区から利用者への謝罪と今後の対応、民設民営施設への移行スケジュールが説明された。
社会福祉法人同胞互助会が指定管理者として運営する「くすのきの郷」と「くすのき高齢者在宅サービスセンター」は、11月末でサービスが打ち切りになり、12月1日から新しい社会福祉法人による民設民営の施設となる。
7月には公募を開始し、事業者選定委員会での検討を経て運営法人を決定。11月からは新法人も並行して運営に加わり、月末の取り消し日でバトンタッチする。区は、新法人と協定書を結び一定の関与を続けること、施設修繕費などに現在と同程度の補助金を出すとともに新法人にサービス水準の維持を求めていくこと、不正請求分に相当する利用者負担を利用者へ返還するよう法人に指導していることなどを説明した。

家族らは「一緒に都に対して処分への異議申し立てをしてほしい」と区に訴えた。「一発取り消しは理屈に合わない」「サービスは提供されており不正請求にはあたらない」と怒りは収まらない。さらに、「新法人の応募対象から同胞互助会を外す」と区が決めたことに反発。「他の法人がいまのサービスの質を維持できない場合は、現法人にお願いする選択はあっていい」として、公募に同会を加えるよう求めた。

(シルバー新報より)

よくわかるQ&A コムスン問題 指定・更新の連座制>

通常は同一類型単位で  事業所の管理者も処分

コムスン問題を巡っては、改正法の適用について編集部にも問い合わせが相次いだ。そこで、再度、解説する。Q子 そもそもコムスンってどうして、全部の事業所がサービスできなくなるの。
A男 一つの事業所が指定取り消しになると、同じ法人の事業所のすべてが道連れ、つまり「連座」して更新ができなくなる仕組みが、改正介護保険法で導入されたのは知らないのかい。ただ、コムスンの場合は特別厳しい処分だったけれどね。
もし、指定取り消しを受けた事業所で管理者だった場合は、5年間は別の事業所の管理者にはなれないよ。働いている人にも関係するから、よく知っておいたほうがいい。
Q子 「連座」ってまるで選挙違反ね。
A男 選挙違反で逮捕者が出たら、候補者の当選も無効になることを「連座制」というものね。親分が責任をとらされるだけじゃなくて、働いている人や利用者も責任をとらされることになるから、介護保険の場合は「大いなる連帯責任」といったほうが正確かもしれない。
最初から説明しよう。改正介護保険法では、事業所に対する規制のルールが強化された。指定できない理由(欠格事由)が追加になったのがその一つ。さらに、指定の有効期間を6年にして、更新が必要になった。指定取り消しの要件も追加されている。
さらに、取り消しまでに勧告、改善命令を位置付けて、有効に改善指導ができるようにした。区市町村は本来は地域密着型しか権限がないのだけれど、都道府県が指定するサービスにも立ち入り調査ができるようになった。
Q子 随分、厳しくなったのね。
A男 これまでがゆる過ぎた面もある。取り消し処分が決定するまでの間も、報酬請求を止める手段もなかった。指定を取り消されても、別の事業所を立ち上げれば、指定は受けられるから、悪どい人間にはやり放題だ。だから、指定の欠格事由の中に、「5年以内に指定取り消しを受けていない」ことが追加された。会社を潰して、表面的に看板を替えて別会社で指定を受けることを防ぐために、取り消しを受けた法人の役員、管理者など「個人」も処罰の対象にして、5年間はその人がいると新規指定は受けられないし、有効期間が切れても新たに指定を受けることもできない。

(シルバー新報より)

<約4割の特養「医療ニーズに対応難しい」>

全国老人福祉施設協議会が会員施設を対象に行ったアンケートによると、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)での医療ニーズに対して「施設での対応が難しくなっている」とする施設が48.6%と、「施設スタッフで対応可能」の43.1%を上回ったことが分かった。特養の98.3%が「医療ニーズが増加・複雑化している」と答えており、厚生労働省の示す療養病床削滅計画が進む中で、受け入れ側の医療体制が厳しい現状が浮き彫りになった。

厚労省の調査で特養入所者の平均要介護度は2001年の3.48から05年には3.73と重度化したことが分かったが、今回のアンケートでは平均要介護度3.86と重度化がさらに進んでいる様子もうかがえた。入所者の医療対応の現状について「要介護4、5の増加で医療ニーズも増加・複雑化」が48.6%、「要介護度にかかわらず医療ニーズは増加・複雑化」と答えた施設も49.7%に上り、ほとんどすべての施設で入所者の医療ニーズの増加を感じていた。

日中に喀痰吸引やじょくそう処置、創傷処置を行っている施設は99%以上だった。ほかの医療行為についても、胃ろう96.2%、酸素吸入90.0%、経鼻経管栄養82.5%、点滴88.5%など8割の施設が行っていた。日中は喀痰吸引以外の処置について準備、処置、観察を看護職員が行う割合が介護職員の割合を上回っていたが、夜勤の看護職員がいないことが多い夜間では点滴以外のすべての処置で介護職員が行う割合が上回った。

喀痰吸引を見ると、日中は介護職員が準備を行う割合は43.8%、処置は29.2%、観察は57.8%となっているが、夜間は介護職員が行う割合が平均して6割程度となっている。他の処置でも同様の推移が見られ、日中では準備や処置など場面に応じて介護職員も担当しているが、夜間は看護師がいないことが多いために一連の流れを介護職員が担当しており、介護職員の業務負担が増えている状態がうかがえる。

<医療機能強化型老健創設へ 特養、医療法人にも参入枠>

6月20日、厚生労働省で開かれた「介護施設等の在り方に関する委員会」で療養病床を介護施設へ転換する施策をまとめた。医療機能を強化した新型老健の創設と、医療法人にも特養への参入を認める。

療養病床から転換した老健施設の入所者に対して適切な医療を提供するため、入所者の状態が悪化した場合に備えて、老健施設で受け止める機能を持たせた「医療機能強化型老人保健施設」を創設する。新型老健では急性増悪による緊急対応を要する入所者や、喀痰吸引、経管栄養など,日常的な医療処置を要する入所者が一定程度いるところから、夜間の医療提供体制を整えることが必要と判断した。夜間の医療提供は医師のオンコール体制、他の医療機関の医師による往診、看護職の夜間配置だ。看取りの体制も整える。

老健施設の従来の機能であるリハビリやデイケアは継続して行い、在宅復帰支援機能も強化する。

◆介護報酬改定も
新型老健は医療職の配置基準を変更することにより、介護報酬の改定が必要。また、医療提供機能の強化により、医療保険・介護保険の給付調整や往診による対応を行うことで医療保険と介護保険の一体的運用ができるように診療報酬改定に合わせて組み替えることになる。

また、サテライト型施設も厚労省が進める地域密着型サービス拠点となるサテライト型施設は、現行では、老健=サテライト型老健、特養=サテライト型特養と整備のパタンが決められていたところを撤廃し、医療法人でもサテライト型の特養、老健、特定施設の整備が可能となるよう老人福祉法を来年の通常国会で改正の予定。

加えて、小規模老健の日数上限と人員基準を緩和し、180日の算定日数上限を撤廃する。医療機関併設型小規模老健では、医師について併設医療機関との兼務を可能とし、支援相談員及び介護支援専門員の人員配置基準を緩和、非常勤を可とした。

サテライト型では本体施設と一体的に運営するため、医師、生活相談員、ケアマネジャーは本体施設と共用でよいこととする。

◆診療所併設型も
なお、療養病床の転換を進めるメニューとして、新たな居住の場としての位置付けになる医療機関と居住系施設(有料老人ホーム、高齢者専用賃貸住宅)の併設のパタンを示した。診療所と居住系施設の併設型に在宅医療を提供する新しい居住の形。在宅医療を提供する項目として診療報酬改定作業に組み込む考え。

老健、特定施設への転換の際の資金融資については「療養病床転換支援貸付金制度(仮称)」を創設。福祉医療機構から受けた融資の償還期間を最長30年まで10年以内に延長するほか、民間金融機関からの借入金の借換を検討する。平成20年から23年までの時限措置。    

<コムスン引き受けに自信 信頼と実績とニチイ会長>

訪問介護最大手コムスンなどグッドウィル・グループが手掛ける介護事業の買収を目指すニチイ学館の寺田明彦会長は27日、株主総会後に記者団に対して「譲渡を受ける条件は信頼と実績がある同業の介護事業者だ」と述べ、引き受けに自信を示した。

居酒屋チェーンのワタミが介護サービスの業界団体「民間事業者の質を高める全国民間介護事業者協議会(民介協)」と連携して買収を表明したことについては「(ワタミに)訪問介護の経験はない」とけん制。

さらにワタミ連合が、グッドウィルの訪問介護を民介協の加盟事業者で分割して引き受ける方針を示していることには「地域の受け皿になるのは難しい」と指摘した。

コムスンなどの介護事業譲渡をめぐっては、約30社が引き受けをグッドウィルに打診するなど争奪戦の様相。寺田会長は、譲渡を受ける事業者側は、利用者のサービス継続と従業員の雇用確保に責任を果たすべきだとの考えを強調した。

(共同通信より)

<インフルエンザワクチンの供給を確保 今年度の需要は1940万〜2080万本程度>

インフルエンザワクチン需要検討会(座長・神谷齊独立行政法人国立病院機構三重病院名誉院長)は6月28日、今年度のインフルエンザワクチンの需要は1940万〜2080万本程度になるとの見通しをまとめた。今年度のワクチン製造量は最大で2350万本程度となる見込みで、「十分な供給能力が確保されている」とした。


[2007/06/25]
 グッドウィル介護事業買収 ワタミ社長意欲

<グッドウィル介護事業買収 ワタミ社長、改めて意欲>

グッドウィル・グループ(GWG)の全介護事業引き受けを表明した居酒屋チェーン大手のワタミは23日、両国国技館(東京都墨田区)で株主総会を開催した。
会場を埋め尽くす株主を前に登壇した渡邉美樹社長は、株主に対してGWGの介護全6事業の引き受けについて説明。「異業種から介護事業に参入することは難しい」と述べ、有料老人ホーム事業での実績を強調した。「GWGの介護事業買収はワタミの株式価値を下げるものではない」と明言。改めて受け入れに意欲を示し、株主に理解を求めた。
株主らとの質疑応答に約1時間をかけ、介護事業の将来性への疑問、IR情報のさらなる開示要求、中食(なかしょく)事業への具体的提案、株主優待サービスへの不満など幅広い内容の質問に丁寧に回答。時に笑いや拍手が巻き起こるオープンな雰囲気の中、議案は承認された。総会後に、今年用に制作した、同社の介護事業についての30分ドキュメンタリードラマも放映した。
同伴者や報道陣なども入場できる“日本一開かれた株主総会”と銘打つ名物総会だけあって、炎天下のなか来場した株主は4577人。同伴者などを含めると来場者数は約7400人にのぼった。屋台での焼き鳥販売、グループのワタミファームで生産した有機野菜や特製弁当の販売などイベント的要素も充実。会場はさながらお祭りのような様相だった。
外食や中食、農業、教育などワタミが手がける各事業についての説明コーナーも開設。介護のコーナーでは、「『ワタミの介護』でございます!」と威勢のいい掛け声が響き渡り、サービス内容や介護食について説明。血圧測定サービスなどが注目を集めた。
渡邉社長は、総会後の記者会見で、GWGの介護事業を買い取った場合は、「すぐに利益を出すことは難しい」と指摘。「買収後3〜4年は利益につながらない」との見解を示したが、総会での説明と同様に「GWGの介護事業引き受けてもワタミの経営はゆるがない」と強調した。
GWG傘下の譲渡予定6社について「直近の純資産は(昨年の約30億円から)約6億円に目減りした」と財務状況の悪化を懸念。GWGの従業員でワタミへの転籍を希望する動きもあるが、GWGや厚生労働省から連絡がないため、「(このままでは人材を)受け入れようもない」と協議の進展に期待を示した。7月初めになってもGWGや厚労省から連絡がない場合は、ワタミ側から厚労省に具体的な交渉入りを働きかける意向を示した。

(産経新聞より)

<DPC準備病院の申し込みに700病院>

厚生労働省が2007年度DPC調査の募集を行ったところ、新たに700病院を超える申し込みがあった。07年度調査に参加した病院は08年度からDPC対象病院となることができるため、現在DPC対象病院360病院、DPC準備病院は371病院とあわせると1400病院を超えることが予想される。

<全てのグループホームに火災報知器義務付け>

認知症高齢者グループホームなど小規模社会福祉施設に、自動火災報知器や火災通報装置の設置が義務付けられることになった。今後新規に建設する施設には2009年4月から適用される。既存施設や建築中の施設については12年3月末までの経過措置が認められる。消防庁が13日、都道府県に対して通知した。

昨年1月に長崎県で発生したグループホームの火災で7人が死亡したことなどを背景に、大規模施設だけに義務付けていた防火管理体制を小規模施設にも適用するように消防法施行令の一部が改正された。高齢者施設では認知症グループホームやショートステイ施設などが対象で、デイサービス施設は対象にならない。

従来は一定の延べ面積以上を持つ施設に義務付けていた自動火災報知器設置や、火災時に消防署に自動通報される火災通報装置の設置を、全施設に義務付けた。延べ面積1000?以上の施設に設置義務があった簡易スプリンクラーの設置も275?以上の施設は設置する必要がある。どの居室から出火しても出火した居室の前を通らずに避難できる経路が確保されている場合には設置を免除するなどの特例も設けられた。

防火管理者もこれまでは30人以上収容の場合に置かなければならなかったが、今後は10人以上収容の施設は全て設置することになった。


[2007/06/21]
 来年、介護報酬を部分改定

<来年、介護報酬を部分改定 療養病床転換で厚労省>

厚生労働省は20日、高齢者が長期入院する療養病床を介護施設に転換させるための促進策として、事業者に支払う介護報酬の一部を来年4月に見直し、加算などの改定を行うことを決めた。同日開いた有識者委員会で了承された。

厚労省は医療費削減のため、療養病床を大幅に減らす計画。療養病床を持つ医療機関が老人保健施設に転換した場合は、従来型よりも医療機能を強化した新しいタイプの老健施設と位置付け、転換を促す。

新型の老健施設では、夜間の看護師配置などで経費がかかるため、介護報酬も加算する考え。報酬改定は通常3年ごとで、次期改定は2009年4月の予定だが、療養病床からの転換に関連する部分は前倒しする。

転換促進策ではこのほか、自治体や社会福祉法人に限られていた特別養護老人ホームの設置を、来年から医療法人にも認めることを決めた。

(共同通信より)

<医師不足地域に医師派遣の緊急対策>

厚労省は政府・与党が先月末まとめた「緊急医師確保対策」によって勤務医・退職医師などを地域にプールし、臨時的に国が医師不足地域に派遣する。派遣を受ける医療機関は、二次医療圏で救急医療など公的な役割を担う中核的な病院に限定する。要件は過去6ヶ月以内に休診した診療科があること。医師数が減少し、6ヶ月以内に休診予定の診療科があること。求人広告をしても確保できないなどの事実があること。医師派遣終了後の医師確保のアクションプランの作成も要件になる。医師派遣の要請は都道府県の医療対策協議会が医療機関の要望に応えて行う。

◆医師需給バランスの見込み
医師不足は、2004年度に始まった医師臨床研修制度によって始まったとされている。研修制度で、臨床研修医は臨床研修指定病院に研修医として赴く。指定病院には大学病院と民間の大規模病院とあり、現在では5対5の割合で民間病院に出て行くケースが多いとされている。民間の研修態勢の整った病院で研修を選択する新卒医師が多いためだ。東北のある大学病院では新卒医師の1/3しか大学の医局に残らなかったという例もある。結果として、大学の医局に新卒医師が集まらず、大学病院は人手不足になり、大学の医局は関連病院に出していた医師を引き揚げるようになった。大学病院での医師の不足が地方の病院の医師不足を招いたといえる。地方にいる医師の中でも都市部の病院へ移り、過疎地は医師不足が一層つのる結果となっている。

医師確保については、医療施設に従事する医師は、1998年の23・7万人で、2004年には25・7万人と4万人増加している。国家試験の合格者は毎年7700人程度あるが、死亡による退職を除くと毎年3500?4000人程度増加している。2022年には30・5万人となり、需要と供給がバランスすると見込んでいる。政府・与党の医師確保緊急対策でも緊急派遣と退職医師の復職などがメインの施策になっている。

◆退職医師や女性医師の復職も
政府・与党が発表した「緊急医師確保対策」の柱は6つ。1つは医師不足地域に緊急臨時的医師派遣システムの作成。次に、病院勤務医の過重労働を解消するための勤務環境の整備だが、病院勤務医の過重な労働が医療事故を招くと、医療安全上、医療の質の向上の観点からも指摘されている。3つめが女性医師の働きやすい職場環境の整備であるが、院内保育所の整備や女性の働きやすい職場環境の整備となっている。これにより女性医師の復職を目指そうというもの。4つめは研修医の都市への集中是正のための臨床研修病院の定員の見直しである。5つめは医療リスクに対する支援体制の整備で、周産期に集中する医療事故のため、産科医を標榜する医師、診療所が減少している原因となっているため、産科補償制度を早期に実現する。さらに診療行為に係る死因究明制度を構築する。いわば医療リスクの救済制度だ。昨年、柳澤厚労大臣が提唱し、厚労省内で検討会が進行している。最後に、医師不足地域や診療科で勤務する医師の養成であるが、過疎地域に医師が集まらない現状に鑑みて奨学金を活用して地域に医師養成数の緊急臨時的な増加を行うもの。

医師の偏在で診療に支障を来している医療機関への救済策は、医師不足を抜本的に改革するという観点から遠いという見方が圧倒的だ。

<特養、医療法人にも解禁 療養病床転換を促進>

厚生労働省は19日、慢性期の高齢患者が長期入院する療養病床を介護施設に転換させるための促進策をまとめた。これまで自治体や社会福祉法人などに限られていた特別養護老人ホームの設置、運営を来年から医療法人にも認めるほか、医療機能を強化した新しいタイプの老人保健施設を創設することなどが柱。20日に開く有識者検討委員会で正式決定する。

厚労省は医療費削減のため、2005年10月時点で38万床ある療養病床を12年度末までに15万床に減らすのが目標。医療機関の選択肢を増やすことで介護施設への転換を促し、療養病床削減を図る。

現在は医療法人が特養ホームを設置するには、別に社会福祉法人をつくる必要があるが、医療法人が直接、特養ホームを運営することを認める。来年の通常国会に老人福祉法の改正案を提出する方針だ。

(共同通信より)


[2007/06/18]
 コムスン争奪戦

<ワタミ、全介護事業引き受けへ=民間団体と連携−グッドウィルに申し入れ>

居酒屋チェーン大手で、老人ホーム事業を手掛けるワタミは18日、介護事業者の団体と共同で、グッドウィル・グループの全介護事業を引き受けると発表した。同日付で申し入れ書をグッドウィルと厚生労働省に送付した。渡辺美樹ワタミ社長は同日午後、記者会見し、買い取り額について「五百数十億円になるのではないか」と語った。
グッドウィルの介護事業に関しては、ニチイ学館が一括引き受けに名乗りを上げ、約30社が部分的な買い取りを打診している。ワタミなどによる一括引き受け表明は、ニチイに次いで2番目で、譲渡をめぐる争いは一段と激化しそうだ。

(時事通信より)

<コムスン強引商法 ヘルパーら証言続々>

介護事業所指定の虚偽申請などが発覚した「コムスン」の親会社「グッドウィル・グループ」(東京都港区)は、介護事業からの全面撤退に追い込まれた。

厚生労働省からコムスンの行政処分が発表されて10日。この間、同社のケアセンター(介護事業所)の責任者やヘルパーからは、営業マンさながらのノルマや、不正のからくりについての証言が相次いでいる。介護を金もうけの道具にしようとした“コムスン商法”の実像は――。

◆ノルマ

「本社から毎日のように電話がかかってきて、売り上げを伸ばすよう責められた」。東北地方の事業所でセンター長をしていた女性は、厳しいノルマの実態をこう打ち明ける。

各事業所に課せられていたノルマは「純増4」。新規の利用者を毎月4人以上獲得することだ。

顧客の新規開拓のため、月100軒の訪問も求められた。訪問先との一問一答は、本社に報告しなければならない。会議などでは、「赤字は罪悪だ」「赤字の事業所は、トイレの水も流せないはず」と、たびたび言い聞かされてきた。

昨年夏以降には顧客数の増加だけでなく、実入りの多いサービスを利用させるよう求められるようになった。コムスンに入る報酬によってポイントを設定し、月8ポイント以上の新規開拓を義務づけられる。九州の事業所でヘルパーだった女性は、「ポイントなんて、スーパーの買い物みたい。人を人とも思わないやり方と感じた」と疑問を投げかけた。

◆架空請求

厳しいノルマに悩まされた現場は、介護報酬の水増し請求に手を染めるようになる。西日本の事業所の担当者は、「症状の悪化を防ぐための予防介護のサービスでは、特に架空請求が多かった」と認める。

介護報酬の請求書は、事業所ごとに介護サービスの予定表と実施記録を突き合わせて、パソコンで作成する。この事業所では「○日○時から90分」と予定を組んであれば、キャンセルされても、行ったことにして請求していたという。

ノルマを果たせず、知り合いの名前を勝手に使って新規の契約を結んだように装ったセンター長も。利用者の負担分は、自腹を切った。センター長の退職や異動で支払いが滞って、相手に請求書が送られ、トラブルになったケースもある。

東北地方の事業所では、口座引き落としで支払っていた一部の利用者に対しても、請求書を送付していたという。この事業所の担当者は「『いくらなんでも二重請求はまずいのでは』と上司に話したが、聞き入れられなかった」と話した。

◆取り立て

「人を助けようと思って介護福祉士になったのに、未払いのサービス利用料の取り立てまでやらされたのがつらかった」。ヘルパーらは、こう口をそろえる。

本社からは「サービスを提供したら、払うべきものは支払ってもらうのは当然」と厳しく言われ、亡くなった利用者の遺族の元に、何度も通わされたヘルパーもいた。

コムスンでは、滞納している利用者への通知などの業務を債権回収業者に代行させていたが、こうした実態を、「まるで消費者金融のようだった」という関係者は多い。

都内にあるグループ傘下の有料老人ホームで施設長をしていた男性は、「人を金を払わせる相手としか見ていないから、利用者にも従業員にも受け入れられなかった。人を軽視する会社に介護ができるはずない」と苦々しそうに話した。

(読売新聞より)

<医師数の基準、満たす病院83% 地域間になお格差>

厚生労働省は15日、全国の病院で05年度、医療法が定める医師数の基準を満たした割合は83.8%だった、との調査結果を発表した。前年度の83.5%からほぼ横ばいだが、地域間格差が大きく、北海道・東北地方などで依然として深刻な医師不足が続いていることがうかがえる。

全病院の95%にあたる8518病院に都道府県が立ち入り検査し、医師や看護師らの配置状況を調べた。患者数に応じた医師数の基準に適合していたのは7135病院。

地域別の適合率は、北海道・東北が63.5%で最も低く、最高の94.4%だった近畿と約30ポイントの開きがあった。次いで北陸・甲信越(78・8%)、四国(81.9%)、中国(83%)、九州(86.8%)の順に低かった。

一方、近畿、関東(89%)、東海(88.2%)では、それぞれ約4分の1の病院が基準の1.5倍以上の医師を抱えており、大都市部の病院に医師が集中している実態が数字で裏付けられた。

看護師数の基準を満たした病院は99.3%、薬剤師は90.7%だった。

(朝日新聞より)


[2007/06/13]
 グッドウィル 譲渡先を来月末報告

<グッドウィル 譲渡先を来月末報告 折口会長各社と個別交渉へ>

グッドウィル・グループ(GWG)の折口雅博会長は13日夜、事業所指定の打ち切り処分を受けた訪問介護大手、コムスンをはじめとする傘下の介護事業の受け皿として打診してきた企業が同日までに約30社に上ったとしたうえで、来週以降、各社と本格的に個別交渉に入ることを明らかにした。GWGはすべての介護事業を外部に譲渡することを決定しており、条件に沿う企業を優先して交渉する。7月末に厚労省に提出する報告書に譲渡先を盛り込みたい考えだ。
これに先立ち、コムスンの樋口公一社長は同日午前、厚生労働省の阿曽沼慎司老健局長と会談し、グループとしての対応方針を正式に伝えた。対応方針は、(1)来年3月まで利用者へのサービスを提供する(2)事業譲渡先は実績と信頼を有するグループ外の事業主体(3)譲渡時期は来年4月以降で、早期に譲渡先を選定する(4)GWGはコムスンを含めてすべての介護事業から撤退する−の4点が柱。これに対して厚労省は、譲渡先はコンプライアンス(法令順守)を徹底した企業とすることなどを求めた。
会談後に記者会見した樋口社長は、「同業者への一括譲渡が望ましい」との考えを示した。ただし、「(コムスンに)完全なスキーム(枠組み)があるので、同業でなくても信頼がある企業ならば(異業種も)ありうる」と述べた。

(産経新聞より)


[2007/06/12]
 コムスン折口会長が会見

<介護続けるチャンスを与えてほしい>

訪問介護最大手のコムスンの親会社であるグッドウィル・グループ(東京都港区)の折口雅博代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)らは8日に開いた記者会見で、厚生労働省が今後同社の介護保険事業の指定を認めない方針を示したことについて、「介護を利得行為とは決して思っていない。最後まで介護事業に取り組みたい」と介護事業を継続する意向を表明した。コムスンの全事業をグループ会社の日本シルバーサービス(東京都目黒区)に譲渡する方針については「厚労省の方針に従うとして当面凍結するとした。折口会長は会長職を続投、コムスンの樋口公一社長は引責辞任の意向を表明した。

折口会長は介護報酬の水増し請求や不正申請などの問題について謝罪し、「国民の介護保険料や税金を無駄にした。今後このようなことが起こらないよう全力で取り組むのでチャンスを与えてほしい」と謝罪した。

コムスンは虚偽申請の疑いがある事業所が、監査を受けた際に、数時間後にその事業所の廃止届けを出すことでより厳しい指定取り消し処分から逃れてきた。

しかし昨年4月施行の改正介護保険法の適用で、連座制による指定取り消しが可能になった。樋口社長は「全国でのサービスを継続するために連座制が適用されることを恐れた。全て私の責任で行った」と、一連の処分逃れを自らの判断で行ったとした。折口会長は樋口

社長から報告を受け了承したことを認めた上で、「介護保険をよく知らず、(連座制について)大変なことだと思ったので社長の思うようにやるしかないと思った」と違法行為の認識はなかったと強調した。

厚労省が6日に出した行政処分の内容は、事実上コムスンに介護事業からの撤退を迫る内容だ。しかし同日夜にグッドウィル・グループがコムスンをグループ会社へ譲渡する方針を打ち出したため、処分が骨抜きにされた格好となり、厚労省は譲渡凍結を強く求めていた。折口会長は「真意はお客様の不安解消や従業員の雇用確保のためにセーフティーネットを張りたかったためだ。

コムスンは27億円の赤字でグループに残してもいい財務影響はない。それでも介護には強い思い入れがあるので続けたかった」と釈明した。譲渡については「厚労省の方針に従うが、外部によい譲渡先がないならばセーフティーネットとして日本シルバーサービスヘの譲渡を考える。もしお客様が負担なく移動できるのなら外部への譲渡もあり得る」とし、今後厚労省と議論しながら方向性を決める姿勢だ。

折口会長は今後、全都道府県庁に出向いて謝罪し、直接指導を受ける意向を示した。

◆申請書類の半数紛失 ずさんな管理体制

同社が運営する事業所の45%が、指定申請時の書類を紛失していたことが内部調査で発覚した。書類を保存する義務はないが、ずさんな管理体制が明らかとなった。

折口会長は介護事業継続に強い意向を示すものの、その言葉とは裏腹に、現場の人員不足問題については「把握していない」と述べるなど、経営陣と現場との意識のかい離が浮き彫りとなり、事業の先行きは以前不透明なままだ。

<コムスン事業一括引き受け、ツクイも名乗り>

訪問介護最大手、コムスンが介護事業の不正行為で厚生労働省から新規指定・更新を禁止された問題で、訪問介護3位のツクイ(ジャスダック上場)が、事業の一括引き受け申し入れに向けて最終調整に入ったことが12日、分かった。2位のニチイ学館(東証1部上場)も一括引き受けに名乗りを上げることを決めており、13日にコムスンの親会社のグッドウィル・グループ(GWG)の折口雅博会長と会談する方向。最大手のコムスンの訪問介護や老人ホーム事業の譲渡先をめぐり、業界2位、3位の争奪戦に発展する見通しだ。
 ツクイは12日中に、GWGに受け入れを申し入れることを正式決定する方針。折口会長とも近く会談する意向だ。ニチイ学館やツクイは、厚労省とも水面下で連絡を取っているとみられる。
ツクイはニチイ学館と同様に、全国規模のサービス網を持っており、利用者と従業員の全員を受け入れる方針。コムスンの24時間介護サービスの継続にも前向きだ。
ツクイは土木建築会社が前身で、330拠点で約1万500人に訪問介護サービスを提供している。ニチイ学館は891拠点で、利用者は約6万2000人。コムスンは1110拠点で利用者は6万5000人で、どちらが引き受けても業界トップになる。
GWGは介護事業から全面撤退する方針を固めており、厚労省と協議しながら、譲渡先の選定を本格化させる。居酒屋チェーンのワタミが老人ホーム事業を引き受ける意向を表明し、準大手のセントケア・ホールディングも一部事業の引き受けに意欲を示しており、争奪戦が激化しそうだ。

(毎日新聞より)

<コムスン:不正問題 県が対策班設置/広島>

訪問介護最大手「コムスン」(東京)の不正行為問題で、県介護保険指導室は11日、コムスン問題対策班(10人)を設置した。同社は介護保険と障害福祉サービスの両方を提供している場合があり、同班に障害者支援室を加えて利用者の相談に応じる。
障害者支援室によると、県内には同社が障害福祉サービスを提供する事業所が110カ所あり、約230人が利用。不正行為問題で廃止される事業所はないが、中には介護保険や障害福祉サービスを1事務所で複数提供している事業者があり、介護保険サービスが廃止され、障害福祉サービスを打ち切らざるを得ない場合は、同室が他の事業者に引き継ぐよう指導する。

(毎日新聞より)

<コムスン利用者への周知徹底を「来年3月まではサービス受けられる」> 

全国に6万5千人いるコムスン利用者の今後のサービス確保対策について、厚生労働省は12日、都道府県の介護保険事業者指定・指導監督を集めて緊急の担当者会議を開いた。介護サービス利用者保護・不正防止対策本部長に就任した御園慎一郎大臣官房審議官は「コムスンのサービス利用者のサービス確保と不安解消が最大の優先事項だ。サービスが今すぐなくなるわけではなく、来年3月までは継続されることを周知徹底してほしい。一人の利用者もサービスが受けられなくなることがあってはならない」と述べ、自治体と協力して全力で利用者のサービス確保に取り組む姿勢を示した。

<高専賃の運営 医療法人もOK 厚労省が都道府県へ通知>

厚生労働省が5月30日付で都道府県などに出した通知で、医療法人の附帯業務に高齢者専用賃貸住宅(高専賃)の設置が新たに加わることになった。運営する場合は定款か寄附行為の変更が必要になる。

医療法人が高専賃を運営する場合は介護保険法施行規則でいう適合高齢者専用賃貸住宅か、介護保険サービスを提供しない場合は▽居住者に対する生活指導や相談に応じるサービス▽居住者の安否を定期的に確認するサービス▽居住者の容体急変時における応急措置、医療機関への通報等の緊急時対応サービスのいずれかを継続的に提供できることが要件となる。附帯業務には4月に有料老人ホームの設置が加わったばかり。療養病床再編によって、医療法人も病床の削滅が余儀なくされる中、提供できる居続け、55年には40.5%になる見通し。現役世代1.3人で高齢者1人を支えることになる。

(朝日新聞より)


[2007/06/09]
 コムスン不正問題

<コムスン:不正問題 利用者2479人、52事業所廃止へ県が緊急対策会議/広島>

訪問介護最大手「コムスン」(東京都)の不正行為問題で、県介護保険指導室は8日、県内23市町の介護保険担当課の職員などを集めて緊急対策会議を開き=写真=、県内の利用者を2479人と発表した。11年12月までに95事業所のうち52事業所が廃止されるという。
緊急対策会議には各市町の介護保険担当課の職員のほか、県内の7地域事務所の職員約40人が出席した。河良俊昭・社会福祉局長は「事態は日々変わっているが、連携して適切な対応をお願いします」などとあいさつ。その後、県の担当者が県内の状況や今後の対応などを説明した。52事業所としていた同社の訪問介護事業所数を50カ所と訂正した。福山市の担当者は「情報が錯綜して不安もあるが、コムスンを利用している人が多くはないので十分対応はできると思う」などと話していた。

(毎日新聞より)

<仲介業者数社が打診 コムスン「売却先は白紙」>

訪問介護最大手「コムスン」が厚生労働省から事業所指定の打ち切り処分を受け、親会社のグッドウィル・グループ(GWG)が同業他社への一括譲渡を検討している問題で、すでに企業買収の仲介業者など5、6社からGWG側に打診があることが9日、分かった。GWGの折口雅博会長は「(現状では)具体的な売却先については白紙の状態」としている。
一括売却の理由について折口会長は、「セーフティーネットの維持が重要」と述べ、利用者へのサービス継続を強調。全国の事業所網を維持したまま売却することが望ましいとの考えも示した。
ただし、「約2万4000人の従業員全員もそのまま移す案を最優先に検討している」としており、大量の従業員をスムーズに受け入れられる譲渡先がすぐに見つかるかどうかは不透明だ。
コムスンは7日、グループ内別会社の日本シルバーサービスとの間で全事業を譲渡するとの基本合意書を締結。しかし、看板の掛け替えにすぎないとする厚労省は同日譲渡の凍結を指導した。
これを受け、折口会長が8日の記者会見で「日本シルバーへの譲渡凍結」を明らかにした。厚労省はグループ外の企業への譲渡は容認する方向。
コムスンは、昭和63年設立。訪問介護や有料老人ホームなど、全国で計2081事業所(5月末現在)を経営し、利用者は約6万人とみられる。

(産経新聞より)

<コムスン「譲渡予定」先との一体化、都監査で突然中止>

訪問介護大手「コムスン」(東京都港区)が、買収した「日本シルバーサービス」(NSS、目黒区)の社員に対する一体化指導などを東京都の監査が昨年12月に入った後、突然やめていたことが分かった。直後にコムスンの役員4人がNSSの役員の兼任をやめている。こうしたことから、コムスンや親会社の「グッドウィル・グループ」(GWG)が、処分が出た際にNSSに事業譲渡するため方針転換した可能性が高いと関係者は指摘している。
元NSS社員ら関係者によると、昨年6月にコムスンに買収された後、NSS社員は、コムスン側からコムスンの社名と施設名が書かれた名刺を持って仕事をするように指示された。社員の連絡先がコムスン本社というケースもあったという。
また、GWGには「原因があるから結果がある」「正しくないことはするな。常に正しい方を選べ」などとする「GWG十訓」、コムスンには「お客様第一主義に徹します」などとする「コムスンの誓い」というグループや会社のモットーがある。NSSでは買収後に毎朝、始業前に唱和させられるようになった。
ところが、昨年12月に都の監査がコムスンに入ると、唱和が突然中止になった。また翌年1月には、コムスンの役員4人がNSSの役員の兼任を解いたことも既に判明している。NSSへの「同一化」が突如方向転換したことに、NSS元社員は「当時から処分を受けた時の受け皿にうちを使う気だとうわさになった。今回の譲渡決定までの速さといい、入念な準備をしたとしか思えない」と話している。
NSSは昨年6月にコムスンに買収され、今年5月にGWGの連結子会社になった。現在は東京都や神奈川県などで38カ所の介護付き有料老人ホームなどを運営している。厚生労働省がコムスンの全事業所の新規指定・更新の禁止を通知した6日夜、GWGはコムスンの全事業をNSSに譲渡する計画を発表。翌7日に厚労省が譲渡計画を凍結するよう行政指導したことを受け、GWGは「当面凍結する」としている。

(毎日新聞より)

人材育成〜現場は今〜 全職員で働きやすさ追求>

人手不足解消のためには報酬の引き上げによる処遇改善が必要だという声が強いが、「職員が長く働き続けたいと思う要素は職場の中にもまだまだある」と、施設長以下全員参加で働きやすい職場づくりに取り組んでいるのが、東京都文京区にある特養ホーム・大塚みどりの郷(信愛報恩会)だ。

新人でも効率よく安心して仕事ができるよう、業務の基本となる手順や役割分担はすべてマニュアル化し、使いやすいようにこまめに見直す。問題が生じればすぐに検討委員会を立ち上げて解決の方法を考えて提案する。一つひとつの取り組みはとりたてて斬新なことではないが、常に職員間でコミュニケーションを取りながら仕事を進めていく体制が根付いているところに、働く意欲を支える秘訣があるようだ。
「低賃金で労働条件が悪いから介護の仕事は続かないと言われますが、私はそう思いません。転職で面接に来る人に辞めた理由を聞くと、圧倒的に多いのは、「きちんと仕事を教えてもらえない」分からないことを相談する人がいなかった″ということ。実は昔からあまり変わっていないのです」 人相手の仕事なのに、職員間でのコミュニケーションが上手くとれないでストレスを抱えてしまう。長続きしないのは仕事の過酷さよりも職場の人間関係のほうに辛さを感じるからだと指摘するのは、施設長の内田千惠子さんだ。「昔から」というのは、実は内田さん自身、介護の仕事に初めて就いた約20年前に、同じ思いを味わった経験があるからだ。
1988年に同施設が開設して間もなく、全く異分野の企業から未経験の介護職員として就職した内田さんは、右も左も分からない新人時代、先輩職員から言われた「介護の仕事は見て覚えるもの」という言葉に大きなカルチャーショックを受けたという。当時は介護業務をマニュアル化している施設のほうが少なかったのかもしれないが、「食事介助もおむつ交換も、決まっているのは『その日に勤務する職員が手分けして行う』ということだけ。これでは新人がついていくのは大変だし、何か事故があった時の責任もあいまいになってしまう。何とか変えたいと強く思いました」。(以下略)

(シルバー新報より)

<薬剤師の供給削減となるか 需給動向検討会で議論開始 厚労省>

2028年までの薬剤師需給の予測を検討する薬剤師需給の将来動向に関する検討会(座長・井村伸正日本薬剤師研修センター理事長)は5月28日、初会合を開いた。薬科大学(薬学部含む)は医薬分業の進展に伴い、わずか4年間のうちに1.5倍に増える乱立状態にあり、薬剤師の供給過剰や質の低下が懸念されているため、薬科大学・薬学部の増加に歯止めをかける方向になる見通しだ。検討会が「薬剤師供給の削減を」との結論を出した場合、厚労省は文部科学省と薬剤師養成減に向けた検討を行う可能性が高くなる。

同検討会では06年に始まった薬学数育6年制を受け、28年までの薬剤師の需要や入学定員数の変化を踏まえた供給予測、薬剤師の資質への影響などを議論する。

6月に開く次回会合には厚労省が粗い需給の試算を示し、それを基に議論を進める。薬剤師数は04年12月末で24万1369人で、10年前と比べて6万4000人余増加した。

その背景には急速な医薬分業の進展がある。

日本薬剤師会調査の分業率は10年余で40%近く上昇した。薬剤師の需要増に伴い、薬科大学は03年の48大学から07年度には71大学まで増えた。定員は4年で5000人余増の1万3274人になった。

しかし、分業率が03年に51.6%に達してからは50%台で推移し、伸びが鈍化したことから需要が期待できない状態になった。あわせて薬科大の乱立で5校に1校の割合で定員割れを起こしているとされる。

厚労省が02年にまとめた報告書でも、28年には供給が需要を7万7000人上回ると予測を明らかにし「07年度以降に各年の新規参入薬剤師が段階的に減少し、最終的には20%程度減少すること」が適当と指摘している。

<2055年、人口の4割が65歳以上に 高齢社会白書>

政府は、07年版の「高齢社会白書」を閣議決定した。日本は2055年に総人口の4割が65歳以上のお年寄りという「世界中でも前例のない高齢社会」になると指摘。活力ある社会を築くには、定年後の継続雇用や地域活動の参加促進などにより、高齢者を「高齢社会を支える貴重なマンパワー」として活用することが不可欠だと提言している。

白書は、前例のない高齢社会に向けた課題として(1)就労や社会参加に意欲がある高齢者の活用が不十分(2)核家族化や近所付き合いの薄まりで高齢者を支えてきた家族や地域の機能が低下(3)介護など支えを必要とする場合が多い75歳以上の高齢者の急増などを指摘。

これらの課題に対応するには「高齢者=支えられる人」という固定観念を捨て、高齢者のマンパワーを活用する必要があると強調。「(高齢者が)社会を支える力になれば、前例のない高齢社会を安心で活力あるものとすることは十分に可能」としている。

06年10月1日現在の高齢者人口は、前年同期を93万人上回る2660万人、総人口に対する割合(高齢化率)は0.7ポイント増の20.8%で、いずれも過去最高となった。団塊の世代が65歳になる12年には3000万人を超え、42年の3863万人をピークに減少に転じる。だが、人口減少が進むため高齢化率は上昇し続け、55年には40.5%になる見通し。現役世代1.3人で高齢者1人を支えることになる。

(朝日新聞より)


[2007/06/06]
 コムスン事業所の新規・更新認めず

<コムスン事業所の新規・更新、2011年末まで認めず>

厚生労働省は6日、グッドウィル・グループ(GWG)の訪問介護大手「コムスン」(東京都港区)の全国の事業所の新規指定と更新を、2011年12月まで行わないよう都道府県に通知した。
2006年4月施行の改正介護保険法により、不正な行為があった事業者による指定・更新を5年にわたり認めないとする規定を適用した。コムスンは、全国8か所の事業所で、雇用していない訪問介護員を勤務しているなどと偽り、介護事業所指定を不正に取得したことが問題とされた。この規定を全国規模で適用するのは初めて。
同省によると、5月末現在、同社の介護事業所は2081事業所(介護予防サービス事業所除く)あるが、同法では不正がなかった事業所も含めて更新が5年間禁じられるため、来年度には1424事業所に減少、最終的には、2011年度に426事業所にまで減る。2081事業所には、訪問介護だけでなく、デイサービスやグループホームなどの事業所も含まれる。サービス利用者は、更新時期まではサービスを受けることができるが、事業所の更新が認められないと、事業所を変えなければならなくなる。

(読売新聞より)

<迫りくるレセプトオンライン化の波 保険者にオンライン格差の拡大か>

5月30日、規制改革会議で医療機関のレセプトオンライン請求化の徹底と、保険者が審査支払機関にオンライン請求する際の手数料の差額を拡大する検討を示した「規制改革のための第1次答申」が明らかになった。

レセプトオンライン請求化については、平成18年の厚生労働省令で、平成20年度から義務化され、平成23年度以降、すべての医療機関・薬局に義務化される。5月15日に開催した経済財政諮問会議の医療費効率化計画にも盛り込まれた。規制改革会議の「第1次答申」では、オンライン請求化が義務であること、義務化について例外規定を設けないこと、義務化の期限以降はオンライン以外の請求に対して診療報酬が支払われないことを周知すべきとしている。

規制改革会議では、かねてよりIT技術の導入で医療の効率化をはかり、データベースの構築とエビデンスに基づいた質の高い医療を提供すべきとしていた。レセプトのオンライン請求は支払い業務の効率化、事務コストの軽減のほか、電子点数表といった電子データの利用・ロジックの整備を行うことで審査基準が標準化され、統計による審査が可能になるという利点がある。オンラインによる診療情報の収集データは、予防医療への活用、EBM(エビデンス・ベースド・メディスン)の構築により、医療の質の向上に貢献が期待されている。このレセプトオンライン請求化を平成23年度までに仕上げようというもの。

◆データ交換、標準様式採用など課題も

これに同時並行的に、電子カルテについても他の医療機関に提供する場合、それぞれ異なる方式による場合があり、データ交換規約の標準様式に合わせることを制度化する必要がある。また、レセプト審査・支払業務の効率化のためには、業務をオンライン化に合わせて見直す必要もある。「第1次答申」では「レセプトオンライン請求化は手段。目的は業務の効率化によるコストの削減、審査の質の向上、スピードや公正さ、精緻化だ」としている。

レセプトの審査・支払業務は社会保険診療報酬支払基金(以下、支払基金)と国民健康保険団体連合会(以下、国保連)が独占しており、他の委託機関が追随する余地のない状態となっているため、これを改め、審査・支払業務委託機関の競争環境を整え、自由に選択できる環境とすべきとの提言である。医療機関からの審査・支払業務を保険者の直接審査・支払という方法と従来の支払基金、国保連へという選択肢を設けるべきということになる。

支払基金はレセプトを電子データで受け取る場合は手数料を軽減したが、保険者のオンライン化を進める観点から、オンラインを導入した保険者には手数料の差を拡大させる検討をすべきとの意見を付している。

◆データの集積体制、利用ルールなど山積

レセプトオンライン請求化に合わせて体制整備の課題は、オンライン請求の基礎となる電子点数表の完成、データの集積体制、医療データ利用ルールの確立、電子的診療情報の標準化、医薬品・医療材料の標準コードの整備である。電子点数表は平成20年度診療報酬改定に合わせて完成が期待されている。レセプトデータについては、収集・蓄積から分析体制を平成20年度までに構築し、平成23年度からは活用に充てたいとしている。加えて、平成20年度からは特定健診による健康情報の蓄積され、健康分野での活用が期待されている。また、医療機関間の診療情報の共有化に障害となっている様式はデータ交換規約を統一することが必須となっているため、制度化が期待されている。医薬品は平成20年9月までに標準コードが整備されるが、医療材料の標準コードの整備が不可欠であることから、通知の発出が待たれるところである。

この3月に厚労省が示した「医療・健康・介護・福祉分野の情報化グランドデザイン」のアクションプランでは、医療分野で用いられる書類の記述要件、書類の定義など電子化・標準化の在り方について平成20年度までに見解を示す。医療情報システムの相互運用性については運用性を検証する取り組みを支援し、検証結果を平成19年度末までに公表となっている。また、病名、症状所見名、手術処置名等の医療行為を表わすオントロジーデータベースに関しては平成21年度末まで完成させるとなっており、レセプトオンライン請求化に始まる情報化の波は端緒に立ったばかりだ。


[2007/06/04]
 がん対策基本計画まとまる

<がん対策基本計画案まとまる 閣議決定を経て正式に公表 附帯意見も>

がん対策推進協議会(会長・垣添忠生日本対がん協会)は30日、がん対策推進基本計画案を大筋で取りまとめた。閣議決定を経て正式な計画として公表される。「がん予防のため喫煙率の低下を数値目標として掲げるべき」など、委員から要望が挙がったものの計画案には盛り込まれなかった考え方については、附帯意見として合わせて公表することとした。

<キャリアアップの仕組みや新たな経営モデルを 厚労省>

厚生労働省は5月30日の社会保障審議会福祉部会(部会長・岩田正美日本女子大学人間社会学部教授)に対し、介護現場の人材確保の具体的な措置として、職員のキャリアアップの仕組みや新たな経営モデルの構築、潜在的有資格者の掘り起こしなどを具体的措置として行うとするたたき台を示した。委員からは、賃金などについての具体的な明示を求める声や、離職率が低い現場のノウハウを拡張すべきなどとする意見が行き交った。

<都道府県は地域に合った計画策定を 日本医師会>

厚生労働省がこのほど公表した「医療政策の経緯、現状及び今後の課題について」に関して日本医師会は9日、「医療機関の集約化や病床削減によりフリーアクセスの権利を侵害する内容だ」と不快感を示した。その上で、都道府県は国の考えを鵜呑みにせず、医療現場との緊密な連携により地域の実情を反映した各種計画を策定すべきであると主張した。
厚労省資料では、時間外や夜間の診療をしている診療所数が減少傾向にあるために、在宅療養支援診療所を中心とした診療所による24時間対応の必要性が挙げられている。これについて、日医は、「午後6時以降に通常診療をする診療所は増加している。『時間外』の定義が多様化していることを考慮すべき」と反論。また▼在宅当番医制ネットワークを構築し休日・夜間の救急センターに交代出務、▼時間外でも携帯電話で連絡がとれること、▼在宅療養支援診療所として24時間体制での対応―などの方向性について、「そうなれば今度は開業医が疲弊し地域医療は完全に崩壊する」と危ぐした。
「フリーアクセスが原因で患者は大病院でも専門病院でも直接受診が可能であるため、病院勤務医に過度の負担がかかっている」などと、フリーアクセスを一部制限すべきとの考えが展開されたことに関しては、「勤務医疲弊の原因は医療費抑制政策の結果として起きた医師不足にある」と反論した。
公的病院をマグネットホスピタルとして位置づけ、これまでの大学医局に代わって医師の供給調整機能を担わせる考えに対しては、「十分な医師数を確保しなければ派遣元の急性期病院も共倒れとなる。これを防ぐためには財源の投入が必要だが、財政の中立性を考えた場合、民間病院の財源が抑制されることになる」と指摘。また、民間病院が公立公的病院の下請け化することになり、このような状況は、アクセスポイントの縮小を招き、結果としてフリーアクセスが崩壊すると懸念した。
■「総合科創設は認めない」
厚労省は開業医を中心とした診療科目として、地域医療の窓口として軽度の症状の診療を原則的に担う「総合科(仮称)」を新設する方針を固めたと一部で報じられたことで、記者会見した中川俊男常任理事は、「最新の情報を持ち、状態に応じた患者の専門病院への振り分け、心のケアができる医師が必要との認識はある。日医内でそうした開業医の養成カリキュラムも作っている」と基本的な考え方には同調した。
しかし、「総合科」の創設は、「後期高齢者医療制度創設に向けた議論の中で出ている在宅主治医の考え方につながるおそれがある」として、断固反対していく姿勢を明示した。
また、初期診療が総合科医に限定されるとフリーアクセスが制限されることになり、地域格差も助長されるとして、「認められない」との立場を明確にした。政府や厚労省の審議会に諮ることなく、唐突に総合科創設の考え方が浮上したことについても、「諮問機関を軽視し、ないがしろにしている」と批判した。

<日本が医療サービス利用頻度最高>

内閣府がまとめた、日本と韓国、欧米3カ国の計5カ国を対象にした高齢者の生活と意識に関する国際比較調査の結果によると、医療サービスの利用頻度が「月に1回くらい」以上の人の割合は、日本では56.8%と、調査対象国の中で最も高いことが分かった。多くの高齢者が頻回にわたって利用している状況がうかがえた。しかし一方で、利用していないとの回答も25.4%と、2000年の前回調査時より4.3ポイント上がった。
現状の医療サービスに対して「不満」、「やや不満」とする回答が日本は10.9%と、韓国の14.0%に次いで高く、欧米(ドイツ6.9%、フランス5.6%、アメリカ4.2%)の2倍のレベルとなっている。具体的な不満の内容として、日本は「診察のときに待たされる」(20.4%)、「費用が高い」(15.3%)、「医師、看護師などの説明が足りない」(6.5%)などが上位を占めた。

<定年退職後の看護職復帰 介護施設が人気>

日本看護協会はこのほど、「潜在看護職員・定年退職看護職員の就業に関する意向調査」の結果を公表。定年退職する看護職に復帰意欲を尋ねたところ、復帰を希望する人は4割余りを占めた。
同調査は、就業促進の対策、就業条件・就業改善への対策に関する基礎資料を得るため、潜在看護職員、定年退職予定看護職員を対象に、2006年11月に実施した。
これによると、定年退職看護職員のうち、定年退職後すぐに看護職として働きたい人は30.0%、いったん期間をおいてからの復帰を希望したのは12.6%だった。一方、再就職先としては、6割が現在とは違う職場での再就業を望んでおり、無床診療所や有料老人ホーム、介護老人保健施設などの希望が高かった。