[2007/07/31]
 看護師、就業数80万人に

<看護師、就業数80万人に 30代が大量復職>

就業している看護師の数は06年末現在で81万1972人に上り、初めて80万人を超えたことが、厚生労働省が27日公表した保健・衛生行政報告で分かった。特に30代の増加が目立ち、同省看護課は「結婚や出産後に復職するケースが増えている」とみている。

調査は2年に1回行われ、前回(04年末)と比べ5万1751人増えた。年齢別で前回最多だった20代が約8000人減り23万2134人になったが、30代が約2万5000人増の26万503人に達し、20代を上回った。勤務先は20床以上の病院が75%を占める。

看護師の配置をめぐっては、06年度の診療報酬改定で、看護師1人に患者7人という基準を満たした医療機関の報酬を増額したことで、大病院での大量採用が相次いだ。人員確保のために病院や自治体が退職看護師の再雇用に向けたナースバンク事業を活発化させたことも、30代以上の増員の背景にあるとみられる。

一方、人口10万人に対する看護師数では、トップの高知県(941人)と最下位の埼玉県(407人)の差が約2・3倍。中国・四国・九州地方の全県が全国平均(635人)を上回っており、医師の偏在と同様「西高東低」傾向が出ている。

(毎日新聞より)

<「医療Gメン」増員へ 診療報酬の不正請求対策>

返還額100億円超目指す

厚生労働省は26日、診療報酬の不正請求対策として、不正を摘発する「医療Gメン」と呼ばれる指導医療官を増員する方針を固めた。

今後増員幅を詰めて来年度予算概算要求に盛り込む。「医療Gメン」の増員により不正に請求された診療報酬の返還額を現在の計60億円程度から100億円超へと引き上げることを目指す。

指導医療官は、不正情報の提供を受けた保険医療機関に個別指導に入り、診療報酬明細書やカルテなどを精査し、架空請求や水増しがないかチェックする。各都道府県の社会保険事務局に所属しており、医師と歯科医師の計約100人がいる。

厚労省によると、05年度に実施した医療機関への個別指導は2878件で、新規に保険適用となった施設への指導分などと合わせ、総額約60億6000万円の返還を求めた。

(読売新聞より)

<ヘルパーが医療行為の疑い=有料老人ホームに立ち入り−都>

東京都港区の介護付き有料老人ホーム「しまナーシングホーム白金」で、医師や看護師にしか認められていない医療行為を日常的にヘルパーが行っていた疑いがあるとして、都と港区は27日までに介護保険法などに基づき、同ホームに立ち入り検査した。
同ホームは看護師とヘルパーが常駐し、介護と医療の両面を提供しているが、関係者によると同ホームではヘルパーがインスリン注射のほか、チューブを挿入して胃に栄養を送る作業、たんの吸引といった医療行為をしていた疑いが持たれている。

(共同通信より)

<後期高齢者の診療報酬体系の骨子は9月中旬以降に取りまとめか>

厚生労働省は8月下旬から9月上旬にかけて08年4月からスタートする後期高齢者医療制度の「新たな診療報酬体系の骨子」案を取りまとめ、社会保障審議会後期高齢者医療の在り方に関する特別部会で検討する。特別部会の考えを盛り込んだうえで社会保障審議会の医療部会と医療保険部会の意見を聴き、再度特別部会で検討を加え決定する。後期高齢者の診療報酬体系の骨子がまとまるのは9月下旬以降になる見通しだ。


[2007/07/27]
 グッドウィル、訪問介護は地域別に譲渡の方針

<グッドウィル、訪問介護は地域別に譲渡の方針>

コムスンなどグッドウィル・グループの介護関連子会社6社の介護事業譲渡について、グッドウィル・グループが、訪問介護などの在宅系サービスは地域ごとに分割譲渡する一方、有料老人ホームなどの居住系サービスについては、一括譲渡する方針であることが27日、分かった。
7月末に厚生労働省に提出する事業移行計画に盛り込まれる見通し。具体的な譲渡先は、新たに社外の専門家らで作る第三者委員会の意見を聞き、8月以降に決定する。
譲渡の対象になるのは、1279事業所。このうち、在宅系サービスを行う1007か所は、地域の事情に詳しい事業者に引き継いでもらう。一方、認知症の高齢者が共同で生活するグループホーム(183か所)と有料老人ホーム(68か所)の居住系については、利用者との入居契約や地主らとの賃貸借契約などで権利関係が複雑になる恐れがあるため、一社にまとめて譲渡する。サービスの種類ごとにそれぞれ一社に譲渡する可能性もある。譲渡先は民間企業にこだわらず、医療法人や社会福祉法人なども対象になると見られる。

(読売新聞より)

<女性は22年連続世界一 85・81歳、06年の平均寿命 男性は79・00歳で2位>

2006年の日本人女性の平均寿命は85.81歳で、22年連続で長寿世界一となったことが26日、厚生労働省が公表した簡易生命表で分かった。男性は79歳で、05年の世界4位から、04年と同じ2位に順位を戻した。

05年はインフルエンザの流行で男女とも前年を下回ったが、06年は再び延び、2年ぶりに過去最高を更新した。厚労省は、日本人の3大死因である、がん、心臓病、脳卒中の治療成績向上が主な要因と分析。「平均寿命は今後も延びていくと見込まれる」としている。

厚労省によると、平均寿命は、05年と比べて女性は0.29歳、男性は0.44歳延びた。男女差は0.15歳縮まり、6.81歳。

国際比較では、女性の2位は香港の84.6歳(05年)で、次いでスペインとスイスの83.9歳(05年)。男性の1位は、アイスランドの79.4歳(06年)で、3位は香港の78.8歳。

06年生まれの赤ちゃんが何歳まで生きるかの試算では、75歳まで生きる人の割合は男性70・3%、女性85・5%。90歳まで生きる人の割合は男性20・6%、女性43・9%だった。

ゼロ歳児が、将来死亡する原因として最も可能性が高いのは、男女ともがんで、心臓病、脳卒中を加えた3大死因による将来の死亡確率は男性が56・0%、女性が53・6%。3大死因が克服された場合、平均寿命は男性が8.31歳延びて87.31歳に、女性が7.2歳延びて93.01歳と予想している。

日本人の平均寿命は一貫して延びる傾向で、平成以降で男女とも前年を下回ったのは、阪神大震災が起きた1995年と、インフルエンザが流行した99年、05年だけとなっている。

▽簡易生命表

簡易生命表 各年齢の人が平均してあと何年生きられるかの期待値を表す「平均余命」について、厚生労働省が毎年公表している指標。0歳児の平均余命が、日本人の平均寿命を表す。平均余命は、日本人の人口や人口動態統計などを基に、その年の各年齢の人の死亡率が今後も変化しないと仮定して算出する。今回の公表から、100-104歳についても掲載を始めた。厚労省は、国勢調査による日本人の確定人口を元にした「完全生命表」も5年ごとに公表している。

(共同通信より)

<高齢者向け賃貸住宅、民間病院の参入解禁・厚労省>

厚生労働省は民間病院を経営する医療法人に、高齢者向け住宅賃貸事業への参入を解禁する。入居者の安否を定期的に確認する見守りサービスの提供を条件に、不動産業の兼営を禁じた医療法上の規定を緩和。医師、看護師ら医療スタッフと連携を密にした高齢者向け住居を整備する。心身に不安を抱えがちな高齢者が安心して暮らせる場を増やし、団塊の世代の高齢化で高まる住居ニーズに備える。

医療法人に兼営を認めるのは、バリアフリーで高齢世帯の入居を拒まない高齢者専用賃貸住宅(高専賃)。厚労省は高専賃事業に参入する医療法人に、入居者の生活相談に応じたり、高齢者の容体急変に備えて定期的に安否を確認するなどの見守りサービスの継続的な提供を義務付ける。

住戸面積が25平方メートル以上などの条件を満たせば、介護事業者が入浴の世話などの介護保険サービスを提供することも認める。厚労省は医療法人の付帯業務を定めた医療法の施行規則を見直す通知を出した。

一般の賃貸住宅は高齢を理由に入居を拒む例も目立つ。医療法人が高専賃事業に参入すれば、日常的に介護を受ける必要はないものの、単身や夫婦2人だけで暮らすことを不安に感じているお年寄り世帯の利用が想定される。不動産会社などが保有する賃貸住宅の住民向けに、提携した病院が健康管理などを手助けするサービスは既に始まっている。ただ主に富裕層向けのため、あまり普及していなかった。

(日経新聞より)

<医療機関の倒産急増 半年間で昨年並み 診療報酬下げ影響>

1〜6月の医療機関の倒産が全国20都道府県で31件と、例年の2倍のペースで急増していることが25日、帝国データバンクの調べで分かった。診療報酬引き下げによる収入減や患者による選別が進んでいることが主な要因で、地域医療に影響が出る恐れもありそうだ。

医療機関の倒産は、過去数年、年間約30件前後で推移していたが、今年に入ってペースが加速。半年間で昨年の年間件数を上回った。負債総額は301億8200万円で外食産業の約350億円並み。既に2006年一年間の倍以上となった。

都道府県別で最も多いのは東京の6件。次いで北海道、神奈川がそれぞれ3件、埼玉、千葉の2件と続く。医療機関別では病院と診療所がそれぞれ11件、歯科医院が9件。全倒産のうち8件は民事再生法の適用申請で、申請が認められれば診療は続けられるが、残りは破産申請で診療は中止される。

政府は、膨らみ続ける医療費を抑制するため、医療機関に支払う診療報酬を06年度の改定で3・16%と過去最大幅で引き下げた。

この結果、収入が減る一方で債務を抱え経営難に陥った医療機関が増加。また、医療費負担増や勤務医離れによる診察科の縮小などで来院患者が減り、経営難となっているところもあるとみられる。

経営が苦しくなった医療機関に投資ファンドが資金供給するケースも増えており、医療の“市場化”も進行。都市部を中心に医療機関の間でも競争が激化し、「病院をランク付けした本など情報が増えたこと」(帝国データ)で患者による医療機関の選別も広がっている。

(東京新聞より)


[2007/07/24]
 介護職員、最低40万人の増員必要

<介護職員、最低40万人の増員必要・厚労省推計>

厚生労働省は、団塊世代の高齢化に伴う介護ニーズを賄うには、2014年までに介護職員などを40万―60万人増やす必要があるとの推計をまとめた。現状に比べ介護サービス従事者が4―6割増となる計算だ。ただ介護職員は離職率が高く、人材難が深刻。労働力人口が年々減るなかで人員を確保するには、外国人労働者の受け入れ拡大も含む抜本策が必要との指摘も出ている。

要介護や要支援と認定されて介護保険サービスを受けている高齢者は、04年度時点で約410万人。厚労省の試算によると、団塊の世代が65歳以上になる14年度の要介護者は現状より大幅に増加。高齢者を対象に05年から始めた筋力トレーニングなど介護予防事業の効果があった場合で600万人に、効果がなければ640万人まで増える見通しを立てている。(日経新聞より)

<コムスンの不正介護報酬請求、5億円…12都県が認定>

訪問介護大手「コムスン」(東京都港区)による介護報酬の不正請求問題で、自治体が認定した不正額は12都県で計5億円余であることが21日、読売新聞の調査でわかった。
事業所指定を受けた際の虚偽申請などが理由で、各自治体では同社に返還させる方針だ。ただ、生活援助サービスを身体介護と偽るなどした水増し請求は東京などでしか確認できず、適正な請求が行われているかどうかのチェックが事業者任せになっている実情も浮き彫りになった。
不正請求が確認されたのは東京、青森、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、神奈川、長野、兵庫、岡山、香川の計12都県。監査中も20道府県あり、総額はさらに膨らむ見通しだ。青森、宮城など9県はすでに返還請求し、東京と神奈川も近く返還を求める。埼玉に対しては20日、コムスン側が自主返還を申し出た。

(読売新聞より)

<コムスン処分後1カ月で事業所3割減 売却に影響も>

厚生労働省から事業所の新規指定・更新禁止処分を受けた訪問介護最大手「コムスン」の指定事業所数が、処分後の約1カ月間で3割近く減り、1508カ所(1日現在)になったことが20日、分かった。毎日新聞の取材に同社が明らかにした。利用者数も約5000人減った。
同社は、今月末までに事業譲渡計画を同省に提出し、その後、外部の譲渡先を決めるとしているが、事業規模の大幅縮小は売却交渉にも影響を及ぼしそうだ。
同省は6月6日、同社が不正に介護事業所指定を取得していたとして処分を受けた。
処分前(5月)の指定事業所数は計2081カ所。内訳は訪問介護が1110カ所で最も多く、次いでケアマネジャーがいる居宅介護支援353カ所▽認知症対応型共同生活介護190カ所▽訪問入浴101カ所▽通所介護(デイサービス)98カ所――などだった。
それが、今月1日現在では計1508カ所に。訪問介護は約4割減の665カ所だった。そのほか、▽居宅介護支援295カ所▽認知症対応型共同生活介護183カ所▽訪問入浴87カ所▽通所介護87カ所――と、大半のサービスで事業所数が減少していた。
利用者数も6万5284人(2月)から6万371人(6月末)に4913人減った。
同社は、処分を受ける前から、介護保険法改正による収益の悪化を理由に事業所の統廃合を進めており、「処分と事業所数減は関係ない」(広報室)と話している。また、「現在も統廃合を進めており、(事業譲渡計画がまとまる)今月末には事業所数はさらに減っている可能性がある」(同)という。

(毎日新聞より)

<日本の医師数、1000人あたり2人で主要国最低・OECD調べ>

経済協力開発機構(OECD)は18日、医療に関する統計「ヘルスデータ」2007年版を公表した。人口1000人あたりの医師数は日本は2人と米英独など主要7カ国では最も低かった。医療費の負担内訳で日本は国など公的部門の割合が82%と英国に次いで高く、患者の自己負担や民間保険の割合が低かった。

調査は05年(日本は04年)の統計を基に加盟30カ国を比較。日本の1000人あたり医師数は全加盟国でもトルコ、韓国、メキシコに次いで低かった。(パリ=野見山祐史)

(日本経済新聞より)

<公立病院地方交付税で支援か>

総務省は、赤字を抱える公立病院の不採算で自治体の財政を圧迫している現状を解決するため、地域の中核となる基幹病院を中心に周辺病院を診療所に再編する検討を始める。
7月18日に都内で開かれた中央社会保険医療協議会(以下、中医協)の席上で、支払側のある委員が発言した。「新聞で『公立病院の再編を地方交付税で支援し、地域の中核になる基幹病院に医師を重点配備し、周辺の病院は医師の少なくて済む診療所に縮小する』とあった。交付税を充てるのは有効な方法だと思うが、33兆円の赤字を抱えて、へたな財政措置はできない。診療報酬で対応できないか」。と地域中核病院への報酬設定を求めた。これに対して、中医協の役割は医療が重視されるので、財政を重視する議論にはなじまない。中医協で審議する中味ではないとの結論に至った。
これに先立ち、菅総務大臣は7月10日の記者会見で公立病院の経営について、5月の経済財政諮問会議で発表した「公立病院改革の考え方」を明らかにし、経営効率化、再編ネットワーク化、経営形態の見直しの3つの視点を強調した。また、6月の「骨太の方針2007」で、平成19年内に各自治体に対して、ガイドラインを示して改革を行うとしたいきさつを説明した。公立病院の改革を検討する「公立病院改革懇談会」は7月中に第1回会合を開く。年内にガイドラインを公表し、各地方公共団体には平成20年度中に「改革プラン」を作成するよう要請する。年末には改革プランにかかわる財政措置を決定する。

◆公立病院の赤字72・8%に
自治体病院の調査(平成18年病院経営実態調査)によれば、平成18年6月1か月分では黒字の病院は27・2%(311病院)、赤字の病院は72・8%(834病院)であった。年次別にみると赤字の病院は平成10年に72・9%と7割を超え、平成12年には64・6%と一旦7割を切ったものの、平成14年は78・1%と8割近くになり、平成18年には72・8%となっている。(ただし、病院決算の時点では地方公営企業法に基づいて不採算部門の医療の負担金は地方公共団体が負担し、仮定計算を行っているため、病院決算の赤字・黒字とは異なる。)
公立病院の改革試算では、人件費を医業収入に対する割合54・5%(平成17年度)を医療法人なみの52・1%に引き下げれば、約1400億円のコスト削減が期待できる。公立病院の再編によって、重装備の基幹病院を中心に、周辺病院を縮小することで自治体の抱える赤字を削減し、医師の人材を確保すれば、地域医療の抱える医師の偏在と診療科の偏在、公立病院の赤字を一挙に解決する道が開ける。
財政面から見ると、平成19年度予算概算要求にあたって出された「骨太の方針2006」で社会保障関係費用については、国の一般会計ベースで5年間で1兆1千億円の削減目標が立てられた。毎年2200億円の歳出削減が必要というもの。「骨太の方針2007」では「骨太の方針2006」を踏襲することが明記され、年間2200億円の削減を捻出する。平成19年度は雇用保険で2200億円の削減予定だが、平成20年度は診療報酬の単独改定、平成21年度は介護報酬の単独改定と続く。医療と介護の単独改定で2200億円を生み出すとなると、医療分野では2・5%、介護分野では10%削減が必要になる。そこに平成20年度から始まる公立病院改革のプラン作りが登場し、これによるコスト削減1400億円の効果が期待できるとすれば、医療、介護の報酬分野に影響を及ぼさず削減目標に近づくという背景が底流となっている。


[2007/07/18]
 へき地加算など新規保険導入求める

<全国自治体病院協議会「へき地加算」などの新規保険導入求める>

全国自治体病院協議会は12日、来年4月の次期診療報酬改定に対する要望書を厚生労働省保険局に提出した。全自病では、日本病院団体協議会の一団体として日病協の要望書にも名を連ねているが、今回の要望書ではそれらの項目を含めて独自の要望を盛り込んだ。点数改正47項目、保険新設32項目、DPC関連7項目、特定保険医療材料6項目。

全自病では、新設項目として「へき地等加算」、精神病棟入院基本料「13対1入院基本料」などを盛り込んだほか、日病協が要望している「小児科・産科連携診療加算」「地域連携小児夜間・休日診療料」加算、「児童・思春期精神科入院医療管理料」などの保険導入も強く求めた。
「へき地等加算」(1日/18点)では、現在、厚労大臣の定める地域として離島に加算が認められているが、山間・へき地についても困難な状況は同等とし、加算を認めるよう求めている。
具体的には、<1>辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律に規定する辺地<2>山村振興法の規定により振興山村として指定された山村<33>過疎地域自立促進特別法に規定する過疎地域-を挙げ、これらに該当する辺地については、離島加算と同等の保険点数を要望している。

◆精神病棟入院基本料 「13対1入院基本料」の新設

精神科では現在、合併症患者をはじめとするさまざまな精神疾患や年齢層の患者を対象にした急性期病棟の様相を呈している。これらを評価するため、精神病棟入院基本料「13対1入院基本料」の新設を要望した。
現行の精神病棟入院基本料は、10対1、15対1、18対1、20対1が設定されている。今回要望した13対1入院基本料は、「医師の配置16対1以上、平均在院日数60日以内」を、基準案として提案している。
既存項目の見直し要望では、日病協の要望にも盛り込まれた再診料および外来診療料の格差是正などを挙げた。さらに、現行で200床未満の病院または診療所で算定できる「生活習慣病管理料」も、次回改定では200床以上の病院でも算定を認めるよう要望している。
一方、DPC関連では手術時に使用する高額な特定保険医療材料を出来高算定できるよう要望しているほか、緊急入院時の出来高算定、新抗がん剤などの適正評価を求めている。

<医療療養病床からの転換、すべて受け入れへ>

厚生労働省は6月29日付で療養病床から介護保険施設へ転換する場合、すべて介護保険で受け入れる必要があるとする通知を都道府県へ送付した。医療療養病床から介護保険施設などへの転換については、都道府県は定員総数の超過を理由に拒否はできないことになる。平成21年度から始まる第4期介護保険事業計画の療養病床再編に関する基本的な考え方を示した通知。
医療制度改革では平成23年度末までに介護療養病床12万床を廃止し、平成24年度末までに医療療養病床25万床を15万床に再編成する計画になっている。これに伴って医療療養病床の10万床は介護保険施設等へ転換する必要がある。第4期介護保険事業計画(平成21年度から平成23年度)で決める介護保険施設等の目標値とは別に医療療養から介護保険施設などへ転換する分には別枠で扱う方針。第3期計画で示した平成26年度末のサービス見込み量の目標値に関しても別枠になる。
医療療養病床からの転換分のサービス量は、都道府県医療費適正化計画で定める平成24年度末の療養病床の数値目標を達成するため、第4期中に介護保険施設などへ転換する数値目標は年度毎に段階的に転換されるよう見込む。平成20年の診療報酬の改定や都道府県医療費適正化計画の策定等の変化に合わせて、平成20年春に実施する「転換意向調査」の調査結果によって医療機関の転換意向を踏まえて見込み量を立てることが必要になる。
介護療養病床からの転換分については施設・サービスごとに入所定員が定められているが、医療療養病床からの転換分は別枠のため、サービス量は見込むが、入所定員総数は設定しない。そのため、定員超過だからといって指定は拒否できない。一方、一般病床や精神病床が介護保険施設などへ転換する場合は、非転換分の入所定員総数を基に指定を拒否されることもある。

◆地域ぐるみのケア体制で要介護者を支える
同日、厚労省は介護制度の中心を在宅サービスとする地域ケア体制整備の指針を都道府県へ通知した。増加の見込まれる高齢者の一人暮らし世帯、夫婦のみの世帯、都市部の高齢化と地方の過疎化が進むため、地域ケア体制整備の軸を地域毎に把握することが必要としている。指針では30年後の65歳以上高齢者の要介護者・要支援認定者の推計を踏まえ、10年ごとの将来試算が必要としている。介護サービスについては、施設・居住系サービス、在宅サービス、見守りサービス、住まい、在宅医療の提供体制を描き、住まいについては都道府県住生活基本計画などに反映されるよう住宅部局との連携を図ることが必要事項とされた。見守りサービスと見守りサービスに配慮した住まいについては、有料老人ホーム、ケアハウス、見守りサービス付の高齢者専用賃貸住宅、ライフサポートアドバイザーが配置されたシルバーハウジング、公的賃貸住宅、見守りサービス付の民間住宅などが上がり、独居、夫婦のみの高齢者向けの住まいのあり方が含めたものとなった。

<今年上半期の病医院倒産は30件 東京商工リサーチ調べ>

東京商工リサーチは、今年上半期(1〜6月)の医療機関の倒産状況をまとめた。倒産件数は前年同期比12件増の30件、負債総額が同254億7500万円増の293億6800万円だった。今年上半期は、昨年後半から引き続いて大型倒産が多発し、負債額の累計は3月までの3カ月間で昨年の年間累計を上回る183億2100万円に達するなど、厳しい状況となっている。


[2007/07/17]
 事業者から更新手数料徴収

<介護保険事業者から更新手数料徴収 九州全県など12県>

改正介護保険法でサービス事業者の更新制度が導入されたことをきっかけに、少なくとも12県が指定や更新の手続きの際、事業者から手数料を徴収、または徴収予定であることが毎日新聞の調べで分かった。事務量増大などが主な理由だが、介護保険が始まって以来、事業者の積極的な参入を促すために負担増を避けていた自治体が事実上、方向転換した格好だ。事業者が徴収する自治体を敬遠し、サービス量の地域格差につながることを心配する声も出ている。
12県は九州全7県と沖縄、香川、高知、広島、奈良の各県。高知は最も早く昨年10月から徴収を開始した。福岡は現在、県議会に条例案を提出し、今年度中の施行を目指す。残り10県は今年4〜10月に施行済み、または施行する。
 徴収は、地方自治法の「(自治体の事務で)特定の者のためにするものにつき、手数料を徴収できる」との規定に基づくもので、建設業の開設許可などでも徴収している。
12県でみると、居宅サービス事業の場合、1事業者につき指定が1万5000〜3万円、更新は7500〜2万円。熊本は今年度の手数料収入を2000万円と見込む。
06年4月の介護保険法の改正で、不正を減らすため、事業者の指定に有効期間(6年間)を設ける更新制を導入。更新時、都道府県などが適正な事業の運営ができないと判断した場合、更新を拒否できるようにした。
手数料を徴収している県は「安易な参入を規制し、増大する行政コストの軽減を図る」(沖縄)などと、事業者の質の向上を理由に挙げる。「事業者の負担増になるので、当面は必要ないと判断した」(島根)と否定的なところもある一方、「今後、他の自治体の動きも参考にしたい」(栃木)とする自治体もあり、徴収が一気に広がる可能性もある。厚生労働省老健局振興課は「介護保険法は手数料の徴収について規制はしていない。実施は各自治体の判断」として静観する構えだ。
▽伊藤周平・鹿児島大法科大学院教授(社会保障法)の話 事業者の質を高めるため、更新制度の導入は必要だった。手数料の徴収も否定はしないが、実施する際、各自治体は地域にサービス量が十分にあるかどうかを検証すべきだ。仮に徴収を実施した結果、事業者が減りサービスが後退した場合、自治体はサービスを確保する責任が生まれる。安易な手数料徴収はサービスの地域格差を促す恐れもあり、慎重な検討が必要だ。

(毎日新聞より)

<主治医が患者を総合評価 75歳以上の診療報酬体系で>

厚生労働省は75歳以上の後期高齢者について、主治医が年に1回程度、心身の状態を総合的に評価する新たな仕組みを設ける方針を固めた。この評価をすると診療報酬を得られるようにする。年2回程度の定期的な検査結果と併せ、評価内容を本人や家族、看護師、ケアマネジャーと共有することで、効果的なケアを行う狙いだ。

08年4月にスタートする後期高齢者向け医療制度では、高齢者向けの独自の診療報酬体系をつくることが決まっている。「患者の心身を総合的に診ることができる医師」を公的に主治医として認定し、在宅ケアや終末期ケアでも中心的な役割を担うことが柱となる。

患者の心身についての評価はその一環。主治医が日常の診察から受ける印象に加え、「自分1人でトイレに行けますか」などさまざまな質問をして、日常生活の能力や意欲、情緒などを判定する。

継続的に患者を診ている医師の評価を周囲の人々が共有することで、治療方針についての合意を得やすくなり、患者のニーズに合ったケアが可能になるとみている。

厚労省はこのほか、薬の重複投与や副作用のリスクを避けるため、75歳以上の4割以上の人が持っている「お薬手帳」に複数の医療機関で処方されている薬や注射の内容をすべて記録するようにする。

(朝日新聞より)

情報の公表事務費補助>

財務省は6日、介護サービス情報の公表制度について、厚生労働省の補助事業を廃止し、原則として事業者からの手数料でまかなうべきとする調査結果を公表した。国庫補助を受けている自治体は少数派の上、行政事務のコストが全国平均を上回っており、割高となっていると指摘。一層のコストの合理化・効率化によって事業者からの手数料だけで実施できるというのがその理由だ。一方、事業者から徴収する手数料については、手数料負担が重くならないようにすべきとしている。
財務省は02年度以降毎年、各省の事業予算が効率的・効果的に使われているかを点検する「予算執行調査」を行っている。
今度は厚生労働省の介護サービス情報の公表制度への国庫補助事業を含む四事業に対して、廃止を含めた見直しを求めている。

(シルバー新報より)


[2007/07/12]
 ワイドショー ミスマッチの悲劇

<ワイドショー ミスマッチの悲劇>

介護ビジネスという言葉に違和感を持つ人は少なくないと思う。介護とビジネスという不釣り合いな2つの単語の組み合わせはとても変だ。「スパ大爆発」という言葉も妙である。やすらぐはずのスパ施設と爆発という組み合わせは馴染むものではない。6月のワイドショーをにぎわしたコムスンの経営破綻問題と渋谷の温泉施設シエスパの爆発事故は、多くの市民に悲劇をもたらした。
訪問介護事業大手のコムスンが、各地の事業所でヘルパーの数を偽って申請していた事実が発覚し、厚生労働省は指定を取り消す処分を決めた。
コムスンの親会社、グッドウィル・グループの折口雅博会長(45)は総合商社・日商岩井の商社マンだった。バブル時代の象徴のひとつだったディスコ「ジュリアナ東京」の仕掛け人としても有名だが、当時、商社とディスコという組み合わせも「何とも妙だな」と感じた人は少なくないだろう。
その後、日商岩井はニチメンと合併し、双日となって再建に取り組んでいるが、安易な事業拡大がそもそも商社としての凋落(ちょうらく)を迎える原因ではなかったか?
転身し起業した折口会長が、介護保険制度を利用した訪問介護事業を始めたとき、多くの経済アナリストたちが「将来、有望な会社」としてコムスンを取り上げたが、この時、介護とビジネスを結びつける危うさを誰もが見抜けなかった。
折口会長が経済誌などで時代の寵児(ちょうじ)ともてはやされていたころ、記者は奈良支局で地元選出の国会議員や県議らが競うようにして介護・福祉施設の経営に乗り出す姿を見てきた。
「福祉事業だから表向きがよく、国の補助を受けるから損はしない」
本末転倒である。安易に福祉とビジネスという相いれない概念を結びつけた結果、続々と不正が噴出し始める。コムスン同様に従業員の水増し請求や入所者へのサービスを低下し、補助費を浮かせるなどの犯罪行為が明るみに出始めた。取材で痛感したのは、介護の一線で働く人たちが命を削って高齢者や身障者と向き合っているということ。一方で事業者側には真剣に介護・福祉に取り組もうという覚悟を感じなかった。覚悟のない事業者たちに簡単に経営許可を与え、補助費を出す国の制度自体も問われる。保険制度改正は遅過ぎた。
シエスパ爆発事故でも経営者の責任、行政の管理責任が問われた。
このスパの近くに住む漫画家、江川達也氏が事故後、こんな事実を明かしていた。周囲は住宅街で、スパの建設計画が持ち上がったとき、地元住民は反対運動をし、すでにガスの危険性を指摘していたという。だが、行政や区議会は無視し続け、結果、事故は起きた。
事故や犯罪を抑止する機会や転機は、どこかに必ずあると信じたい。違和感を覚えたときは、それが正しいことなのかを疑う必要がある。ミス・マッチの言葉に閉じこめられた“違和感のマグマ”に敏感でありたい。

(産経新聞より)                              

<再入院患者が増加 日数は短縮 医療費定額制>

厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会の小委員会は11日、1日の医療費を定額とするDPC(入院費包括払い)を導入(準備含む)する731の病院で、昨年7-12月に退院した約258万人の追跡調査結果を踏まえ、DPCの評価報告書をまとめた。初年度の03年度から取り入れた82病院は、06年の平均入院日数が17・35日と導入前の21・22日(02年)から着実に減り、「入院医療の効率化が進んでいる」とした。しかし、同じ病気で6週間以内に再入院した人は3・94%から7・09%へと増えた。

「治癒」した患者の割合は11・73%から5・05%に落ちる一方、「軽快」の割合は67・08%から74・07%へ増え、「前倒し」で退院させている実態がうかがえる。(毎日新聞より)

<介護給付適正化へチェック強化>

厚生労働省は都道府県に介護給付適正化計画の作成を指示した。適正化の要は介護認定の適正化、ケアマネジメント、介護報酬請求の3つ。コムスンの不正請求事例の摘発などを踏まえ、取組の強化も予想される。
厚生労働省は、六月二十九日、全国の介護保険担当者を集め、介護給付適正化計画の作成を指示した。平成18年度の指定取消処分は50事例、平成12年度から平成18年度では398事業所にも及ぶ。こうした不適切な事例の解消と、必要とされる利用者に適切なサービスを提供するため、介護給付適正化事業が平成20年度から実施される。これに先立ち都道府県は平成19年度の10月頃までに暫定計画を作り、平成20年4月からの実施に備える。

◆不適正事例など指導・監査
要介護認定では、医師のおざなりな対応により意見書が提出され困惑している状況が報告され、要介護認定の現場で混乱があるほか、ケアプランについてはケアマネジャーに関わりの深い事業者のサービスが多くプランニングされるなどサービス提供の偏りも指摘されているところである。介護現場では、密室であるが故に訪問介護員の虐待行為が散見されるなど不適切な事例が後を絶たない。事業者においては無資格の従業者を有資格として、不正な手段により指定申請するほか、不適正なサービスが提供され、不適正な介護報酬の請求が行われることなどがあがっている。
介護給付の適正化は、こうした行為をなくし、介護給付を必要とする受給者を適切に認定した上で、受給者が必要とするサービスを事業者が適正なルールに従って提供することを促すことにあって、不適切な給付を削減し、利用者の介護サービスを確保することで介護保険の信頼性を高めることにあるというのが基本姿勢だ。

◆調査指導員を養成
介護給付適正化事業を行うにあたり、保険者(市町村)は都道府県と一体になって平成19年度中に「介護給付適正化計画」を策定する。都道府県では監査・指導を強化し、保険者が行う事業を支援する。適正化事業は要介護認定の適正化、ケアマネジメントの適切化、サービス提供体制と介護報酬請求の適正化の3つ。
国が行うのはシステムの改善、情報提供などだが、要介護認定に関して、認定調査の中核となり、認定調査員への指導的役割を果たす「調査指導員」を養成する。また、市町村からの派遣要請に応じて、認定審査会での指導的助言を行う要介護認定に精通した者を派遣する。
ケアマネジメントの適切化では、ケアプランの点検体制整備、ケアプラン点検支援マニュアルを平成19年度中にまとめる。
サービス提供体制と介護報酬請求の適正化では、指導・監査に必要な地方交付税を財務当局に要求していく。

◆全ての営利法人を指導・監査
都道府県は平成24年度までに全ての営利法人の介護サービス事業所に、指導・監査を行う。要介護認定を確実なものとするため、認定調査員の研修を実施する。
市町村を中心とした保険者は、要介護認定において、認定調査員を市町村職員自らがチェックする。一次判定から二次判定の軽重度変更率、変更・更新の調査についても調査分析する。ケアマネジメントについては、ケアプランのチェック、住宅改修の事前訪問調査などを行う。サービス提供体制のチェックは株式会社を中心に指導監査を行い、保険者や国保連に寄せられた苦情や通報を分析し、事業者を指導する。不正請求や誤請求に眼を光らせ指導する。利用者からの架空請求や過剰請求の情報から監査を実施する。

<診療報酬新基準、中小病院中心に1年余で800か所が導入>

看護師を手厚く配置すると、入院基本料が上乗せされる新基準を導入した病院(一般病棟)が、昨年4月の診療報酬改定後、今年5月までの1年余りで、800か所を超えたことが厚生労働省の調べでわかった。
新基準を巡っては、看護師不足の中で大病院に人材が集中することが懸念されていたが、導入した病院の半数以上を中小病院が占める結果になっている。
新基準は入院患者7人に対し看護師1人を配置するもの。厚労省の調査によると、今年5月現在、「7対1」基準の届け出をした医療機関は814か所で、昨年5月時点の299か所から急増。一般病棟を持つ病院の病床数全体の約24%を占めた。
新基準を巡っては、収入アップを見込んで看護師採用の大幅増を打ち出す病院が増え、全国的に看護師の争奪戦が起こった。このため、厚労省の中央社会保険医療協議会が今年1月、「一部の大病院の大量採用で、地域医療に深刻な影響を与える懸念がある」と表明、見直しを打ち出した。

(読売新聞より)

<終末期入院医療費は1日3万1800円、同年代の1・5倍>

75歳以上で死亡した入院患者にかかる死亡前1か月間(終末期)の入院医療費は1日あたり3万1800円で、同年代の入院医療費の約1・5倍になることが、日本医師会の調査でわかった。
医師会は「終末期の医療費が突出して高いとはいえず、保険がきくことも考え合わせると、家族が治療を控える理由にはならない」としている。
病床数135床〜556床の3病院で、2006年度に死亡した75歳以上の入院患者403人について、死亡日から30日間さかのぼって分析した。
その結果、終末期の1日あたりの入院医療費(技術料、薬剤料、入院料など)は平均で3万1800円となり、同年代の入院医療費の平均2万1500円に比べ約1・5倍となった。死亡までの入院期間が7日未満の人が、急性期で搬送されて手厚い治療が行われるため5万6600円で最も高い。

(読売新聞より)

<療養病床の削減促進、介護報酬改定1年前倒し>

慢性疾患のお年寄りが長期入院する療養病床を減らし、新型の老人保健施設(老健)などへの転換を促すため、厚生労働省は介護報酬改定の一部を1年前倒しし、08年春に行う方針を固めた。新型老健などの報酬単価を優遇する。また、転換の足かせとされてきた施設別の増設枠を撤廃し、地域の総枠のなかで老健や特別養護老人ホームなどを自由につくれるようにする。療養病床の削減分を他施設の増設に充てられるようにし、削減・転換を加速させる考えだ。

療養病床には医療保険を使って入院するベッド約25万床と介護保険を使う約12万床があるが、患者の半数は、医療サービスの必要性が高くない「社会的入院」とされる。社会保障費抑制などの観点から厚労省は、介護型を11年度末に全廃、医療型も12年度末までに15万床をある程度超える水準まで減らす方針だ。

 しかし、療養病床の廃止は医療機関の判断による。必要な医療が施せなくなるとの懸念や経営上の不安などから、削減や転換はほとんど進んでいない。

そのため、厚労省は抜本対策として、3年ごとに実施する介護報酬の改定を1年前倒しすることを決めた。終末期のみとりや夜間看護など、従来型に比べて医療的ケアを充実させた「新型老健」を介護報酬上で新たに評価し、報酬を手厚くする。単価は介護型の療養病床(1人あたり月額約41万円)と、従来型老健(同約31万円)との中間程度に設定する方針。

定員30人未満の小規模な老健では180日以上滞在できない、という介護報酬上の日数制限も前倒しして撤廃。診療所にある療養病床を小規模老健に転換しやすくする。

また、都道府県ごとの整備計画で、老健や特養など施設別の増設枠を年度ごとに定める規制もなくす。療養病床を転換しようとしても施設別の枠を超えることができず、受け皿を十分に用意できない問題を解消する狙い。施設の種類を問わないようにすることで、介護型療養病床が減った分を他施設の増設分に回せるようにし、転換を加速させる考えだ。

療養病床の他施設への転換が進んだ場合、医療対応が必要な重度者の受け皿が不足し、「介護難民」が発生するおそれがある。このため、厚労省は今秋、各都道府県が見積もった療養病床の必要数をもとに、12年度末時点で存続させる療養病床の数を決める方針だ。

(朝日新聞より)

<コムスン 46施設開業できず 地域介護に影響拡大も>

訪問介護最大手コムスンが計画しながら、介護事業所の指定取り消し処分で開業できなくなった介護付き有料老人ホームなどの施設が、全国で四十六カ所に上ることが八日分かった。コムスンは、こうした施設も含め一括して譲渡先を探すとしているが、建物の所有者からは早期開業を求める声が出ている。宙に浮いた状況が長引けば、地域の介護に影響が広がることも懸念される。

コムスンによると、建設中か完成したものの地方自治体から新たに指定を受けられない施設は、有料老人ホームが十七カ所、グループホーム四カ所、小規模多機能型居宅介護施設が二十五カ所。地域別では関東が十六カ所と最も多く、次いで北海道と関西、九州が六カ所、東海は五カ所。中国は三カ所、東北と北信越は二カ所、四国はなかった。

こうした施設はコムスンが建設せず賃貸で入居する計画で、建物の所有者らには「個別に譲渡せず一括で対応する」とし、譲渡先決定までの間の家賃など必要経費を支払うと説明。事業譲渡した場合も、契約した家賃や保証金の額は変えないとして理解を求めている。

しかし、建物の所有者からは「無人のまま放置されると困る」として、開業を求める声が強い。居酒屋チェーンのワタミや、介護施設運営のウイズネット(さいたま市)は、こうした複数の所有者から引き受け要請を受けたことを認めている。

開業できなければ、地域の介護に影響が広がる可能性もある。ただ自治体は「認可前の施設への表立った指導は難しい」(介護事業担当者)のが現状だ。厚生労働省も開業中の施設への対応を優先せざるを得ないのが本音とみられ、宙に浮いた施設の取り扱いが決まるまでには時間がかかりそうだ。

(東京新聞より)


[2007/07/07]
 GWH介護事業の受け皿 在宅協も名乗り

<GWG介護事業の受け皿 在宅協も名乗り>

介護業者の業界団体である日本在宅介護協会(在宅協)は6日までに、コムスンなどグッドウィル・グループ(GWG)の介護事業の受け皿候補として名乗りを上げた。
在宅協の会長は、単独での一括買収の方針を打ち出しているニチイ学館の寺田明彦会長がつとめており、仮にニチイが受け皿に決定した際には、必要に応じて他の加盟社が一部の事業を引き受けるとみられる。
ニチイは在宅協と事実上連携することで、単独で全事業を引き受けた場合にはニチイが肥大化するといった批判をかわすのが狙い。これにより、居酒屋チェーン大手のワタミと「民間事業者の質を高める」全国介護事業者協議会(民介協)の連合に対抗する形となった。

(産経新聞より)

<タニタ、睡眠状態を点数で評価する計測システムを開発>

健康機器メーカーの株式会社タニタは5日、眠りの深さやその状態を定量的に評価して表示する睡眠計測システム「SLP モニター」を開発、25日に発売する。

SLP モニターはコントローラーとセンサーマットから構成される。このセンサーマットを寝具の下に敷き、横になって就寝するだけで簡単に計測できる。具体的には、マットに組み込んであるセンサーが脈拍数、呼吸数、体動を検出、これらの情報に基づき睡眠の深さを4段階のステージグラフで表示する。
さらに睡眠時間や寝つき時間、途中で目覚めた回数などの情報を加味して睡眠の質を統計的に算出し、これを点数によって評価する。100点満点で51−100点までを「平均的な睡眠」、50-0点を「改善の余地あり」とし、睡眠の状態を判断する目安とする。
このほか、寝つき時間や途中で目覚めた回数・時間、睡眠効率などを表示することが可能で、これらの情報をコントローラーに14日分記録することもできる。この記録は睡眠日誌としてグラフ化することができ、睡眠の時間的傾向を把握することが可能だ。
また、データ転送機能を使えば、市販の USB メモリを介して睡眠点数や睡眠周期などの情報を PC に取り込むことができ、長期にわたる時系列的な管理が行えるようになる。
SLP モニターを使えば、睡眠の過不足やリズムをチェックすることが可能になるだけでなく、医師による適切な診断や健康管理に反映できるようになる、とタニタでは見ている。
価格は52万5,000円(総額)。まずは、睡眠外来のある医療機関や介護施設、運輸業界など向けに販売する。
開発には、太田総合病院太田睡眠科学センターが協力した。

<06年度 介護給付費0.7%増の6兆4345億円>

国民健康保険中央会は6月27日、2006年度の介護保険給付費の状況を公表した。報酬改定の影響により、給付費全体は前年度比0.7%増の6兆4345億円。軽度者に対する利用制限が導入されたことで、福祉用具レンタルはマイナス10.4%。介護療養病床も廃止を見込んだ撤退があることでマイナス13.4%になった。受給者数では、要支援の利用者は8万人減少したものの、要介護2、3を中心に受給者が増加し、3.6%増の349万5656人となった。
05年度は、施設入所のホテルコストが自己負担化されたことで、8〜9%の高い伸びで推移してきた給付費に急ブレーキがかかり、対前年度比3.4%まで落ち込んだ。報酬改定の影響で06年度は0.7%増、6兆4345億円にとどまった。地域差もあり都道府県別では、中国地方以西で給付費が対前年比マイナスとなっている自治体が多い。
受給者数は349万5656人で、12万1305人増の3.6%増。要支援者は8万3002人減少しているものの、要介護2が7万8421人、要介護3は7万4773人増。予防給付の影響による利用者減を、中重度者の増加で相殺しているかたちだ。支給限度額に対する利用率をみると、要支援1が60%、要支援2が50%、要介護1が56%と半分程度にとどまっている一方、要介護2以上は7〜8割の支給を受けている。

伸びが高かったのは訪問リハの91億円、52.8%増。医療保険でのリハビリ制限の影響を受けたものとみられる。

(シルバー新報より)

<昭和大藤が丘病院、診療報酬を過大請求 5億円返還へ>

横浜市青葉区の昭和大藤が丘病院(与芝真彰院長、667床)が診療報酬を過大に請求したとして神奈川社会保険事務局から差額分を返還するよう指導を受けていたことが5日、分かった。病院側は「計算ミスだった」として指導を全面的に認め、総額5億1000万円を返還する方針だ。

神奈川社会保険事務局によると、藤が丘病院は昨年8月1日、1日の平均入院患者数が実際は495人にもかかわらず実態より少ない427人と届け、患者7人に看護師1人という「7対1基準」を得た。この基準に基づいて診療報酬を請求した結果、一般病棟の患者1人あたり1日の入院基本料は1万5550円となり、それ以前の10対1の場合に比べて2860円分多く受け取っていたという。

社会保険事務局は今年6月20日、「届け出に誤りがある」として差額分を返還するよう口頭で指導。病院は、この指摘を認め、今月2日に届け出を出し直した。

病院によると、以前は直近1年間の入院患者数をもとに1日の平均入院患者数を計算していたが、06年8月の届け出の際には誤って直近1カ月の数字で計算してしまったという。今年4月からは看護師を増員したため7対1基準を満たしているという。

(朝日新聞より)

<AED救急隊到着前に使用 蘇生率7倍に 東京消防庁>

心肺停止状態となり、一般市民らからAED(自動体外式除細動器)を使った処置を受けた人の4割で蘇生につながったことが東京消防庁の昨年中の実態調査で分かった。この「心拍再開率」は、救急隊到着まで処置を受けなかった場合と比べて約7倍も高かった。AEDは04年7月の厚生労働省通知で市民の使用が認められて急速に普及しているが、同庁は「普及が進むAEDの有効性がデータから初めて裏付けられた」としている。
AEDは心臓が止まった人に電気ショックを与えて蘇生させる機器。従来は医師や救急救命士しか使うことができなかったが、医療関係者の提言もあり同省が一般市民の使用を認めた。
東京消防庁によると、昨年中、一般市民の目の前で心肺停止状態になった管内の傷病者は3107人。うち41人が近くにいた人からAEDの処置を受け、17人が病院搬送前に心拍が再開した(再開率41.5%)。
一方、AEDや心臓マッサージなどの心肺蘇生処置を受けなかった2193人中、心拍が再開したのは141人(同6.4%)にとどまり、心拍再開率には約7倍の開きがあった。AEDを使用しないで一般市民らが蘇生を試みたケースは873人だが、心肺再開は1割程度だった。
今年になっても1〜6月だけで既に38人が一般市民らのAEDを使った処置を受け、17人が蘇生した。心拍再開率は44.7%となっている。
例えば5月には電車内で60歳代の男性が倒れ、乗客の教諭や看護師らが次の停車駅に設置されたAEDで蘇生を試みて成功。3月に50歳代の男性が交通事故を起こしたケースでは、後続車の医師が心臓マッサージを行い、近くのホテル従業員が持参したAEDで心拍を回復させた。
AEDは駅や空港などの公共施設を中心に普及が進んでおり、同庁管内では今年1月時点で約3500台、全国では7万台以上が設置されている。各地の消防署や日本赤十字社で使用方法を学べる救命講習が開かれている。
厚生労働省は「実際にAEDを使うのはその場に居合わせた医師ら医療関係者が多く、一般市民への浸透が課題だ」としている。

(毎日新聞より)


[2007/07/05]
 進まない地域密着サービス

<進まない地域密着型サービス 高齢者のクリティカルパスを目指す>

小規模多機能型サービスの設置は思いのほか進んでいないのが現状。給付実績をみると、介護保険給付費全体の約一割にとどまっている。小規模多機能型サービスの整備は平成19年度予算で一か所あたり1億円を上限とする地域介護・福祉空間整備交付金が用意されているが、今年度の市町村とのヒアリングは低調な傾向だ。

地域密着型サービスの一つである小規模多機能型居宅介護は「通い」を中心に「泊まり」と「訪問」がある。朝の迎えから夕方の送りまでの間、高齢者が個別のプログラムで活動する。食事づくり、買い物、レクリエーション、クラフトなど個人のこれまでの生活に配慮した個々のプログラムが作成されている。

従来の介護保険サービス、訪問介護、通所介護などは高齢者の生活を細切れにした上で、あるいは一定の時間だけのサービスであり、必ずしも高齢者本人の生活を支えると言う観点から連続したサービスの体系とはなっていなかった。訪問介護では身体介護、生活支援という用語に代表されるように、ある部分では生活を支える様でいながら、部分的なものであったし、通所介護においてはスケールメリットを求めて、大人数の高齢者を大規模な施設でケアを行っていたため、入浴や食事に代表的な流れ作業が中心になっていた。その意味では介護度の軽重、認知症のあるなしに関わらず、一緒くたにサービスが行われてきたのが現状。平成15年度介護報酬改定で通所リハに個別ケアが重点とされたのはそのためでもある。

◆個別にニーズに応えるサービス類型

小規模多機能型サービスの原型とされる宅老所は、自宅のある地域にあり、認知症になっても地域の中で過ごせるという安心感があり、事業者が利用者のニーズに対して即時に対応できる特徴があった。ケアの単位が小規模で個別ケアに取り組みやすいということも特徴であった。地域密着型との違いは「地域化への取組があまり行われていなかった」(藤井賢一郎「平成19年度版地域密着型サービスマニュアル」日本厚生協会)ことであり、地域と家族の人間関係が切り離されたところでケアが行われ、宅老所の利用者への配慮がなかったと言われている。地域密着型サービスが創設に至ったのは、高齢になっても自宅で住み続けたいと願うお年寄りや家族の希望に必ずしも応えられていなかったことや、サービスの連続性を生活の観点からとらえようとしてこなかった介護保険制度のサービスの構造にあった。重度になれば療養病床への入院、あるいは施設へ入所するといった構図が待っていたからである。

◆地域密着で高齢者ケアのあり方が変わる

小規模多機能居宅介護のサービスを称して、アザレアンさなだの宮島渡氏は「在宅ケアのクリティカルパスを目指すもの」(「平成19年度版地域密着型サービスマニュアル」日本厚生協会)という理解を示している。これまでのケアのあり方を見直し、サービスを細切れではなく、お年寄りの生活にあったプログラムを立てケアをするということである。その意味で介護保険サービスの大変革といっても良いのかもしれない。そのためケアマネジャーの役割がさらに重要視され、携わる職員がプログラムを飲み込んでいる必要がある。

地域密着型サービスが生活全般を支えるという意味から医療との連携体制は欠かせない。在宅療養支援診療所、地域医療拠点病院、訪問看護ステーション、かかりつけの薬局などの地域医療連携体制などだ。地域密着型サービスは地域介護体制の中核になると期待されているが、地域医療連携の整備とともに端緒に立ったに過ぎないのも事実だ。


[2007/07/02]
 タイで介護施設を運営

<リエイ、タイで現地の富裕層向け介護施設を運営>

リエイ(千葉県浦安市、椛澤一社長、047・355・8181)は、年内にタイで現地の富裕層向け介護施設運営事業に乗り出す。これまで、現地に長期滞在する日本人を対象にした介護サービスは提供していたが、日本人以外の高所得者向けでも介護施設への潜在的需要は大きいと判断した。日本企業がタイで介護施設運営を手がける例は珍しい。同社では他に先駆けて進出することで、事業の足場を固める考え。
介護施設はタイ中部の都市であるアユタヤに建設する。病院や住居が集積した高齢者向け複合施設の敷地内に建てる計画。投資額は約1億円。平屋で床面積は約1650平方メートル、50床の規模を予定している。年内に稼働予定で、運営状況をみた上で、タイの他地域や周辺アジア諸国への進出も検討する。
(日刊工業新聞より)

<コムスン:ステッカーや看板外す 不正発覚後、投石など嫌がらせ/岡山>

介護現場も“災難”
介護事業の不正行為で行政処分を受けた「コムスン」の介護現場で、ステッカーや看板を外す動きが進んでいる。不正発覚後、社有車への投石など悪質な嫌がらせが発生しているためだ。支社レベルでは管内の事業所に「事務所の看板や社有車のステッカーを外してもよい」などのメール指示が行われているといい、介護現場の末端に“災難”が及んでいる。
県内のある事業所幹部によると、メールは6月中旬に送信された。ステッカーやのぼりのほか、支障がなければユニホームも強制しないという内容だったという。
40代の男性幹部は「6月10日ごろ、ステッカーを張った社有車で利用者宅に向かう途中に石を投げられた。『ボコッ』と大きな音がした」と話す。この事業所では投石の直後からステッカーを外し、のぼりや看板も撤去した。また、「何をするわけでもなく、2〜3人がガラス越しに事務所内をのぞく」ことも多く、幹部は「デスクワークにならない。中に入ってくれば、説明に応じるのに」と苦り切った表情だ。
メールによる指示について、コムスン本社(東京)の広報担当者は「各支社ごとの対応なのでわからない。取材には応じられない」と答えた。
しかし、この男性幹部は「『毎月営業して(利用者を)4人増やせ』などの指示が出ていた時期もあり、会社のやり方に賛成できない部分はある。知らない人は一緒くたにするが、上層部と現場は違う。現場では耐えている人も多い」と話している。

(毎日新聞より)

<06年度の国保医療費、伸び率は鈍化…1人平均で年38万>

国民健康保険中央会は2日、自営業者らを対象にした国民健康保険(国保)の2006年度の医療費(速報)などを発表した。
総額は、06年度に診療報酬がマイナス改定されたことから、伸び率が抑制され、0・4%増の19兆1037億円だった。また、被保険者数は、景気回復により健康保険組合など被用者保険への移行が進むなどし、0・4%減の5158万人で13年ぶりに減少に転じた。市町村が運営する国保の一人当たりの医療費の平均は年間38万5135円だったが、74歳以上の高齢者は83万384円だった。
また、介護保険の介護費総額は00年度の制度創設以来、高い伸び率が続いていたが、06年度の介護報酬引き下げなどにより、0・7%増の6兆4345億円にとどまった。

(読売新聞より)