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[2007/08/27]
 コムスン施設系事業をニチイ学館に売却へ

<コムスン施設系事業をニチイ学館に売却へ>

グッドウィル・グループ子会社のコムスンが運営する老人ホームなどの施設系事業が、ニチイ学館に売却される見通しになった。コムスンから選定を任された第三者委員会(委員長・堀田力弁護士)が、27日にも正式決定する。売却先はニチイと、居酒屋チェーンのワタミに絞られていたが、ニチイが、ワタミを上回る百数十億円の買収価格を提示した模様で、事業実績や価格面からニチイが選定される見通しだ。
コムスンは、老人ホーム30カ所(7月現在)とグループホーム183カ所(同)の施設系事業を一括で売却する方針で、8月1日から公募を開始し、52社が応募した。第三者委が、事業規模や法令順守への取り組みなどを評価し、ニチイら2社に絞り込まれていた。11月1日にもニチイに事業が移る見通しだ。
ニチイは、訪問介護事業が業界2位で、主力の医療事務代行は最大手。全国で訪問介護事業(拠点数883カ所)、デイサービス事業(同252カ所)などを展開。施設系事業はグループホームを首都圏で4カ所運営している。
コムスンは、訪問介護などの在宅系サービスについては、都道府県ごとに分割して売却する方針で、9月中旬までに売却先を決める方針だ。

(毎日新聞より)

<時間外診療の評価へ実態把握 08年度診療報酬改定に向け>

厚生労働省保険局医療課は、2008年度診療報酬改定での時間外診療の評価に向けて、医療現場での実態を把握するための調査・分析に乗り出した。夜間診療が盛んな地域である愛知、京都、大阪と、夜間診療が比較的少ない岩手、山口、熊本の6府県の診療所を対象に、表示している診療時間帯や時間外加算の算定状況、「電話再診」の件数を調査。併せて、同じ地域にある2次・3次救急病院での時間外加算の算定状況や救急患者数についても把握する。調査結果は9月にもまとまる予定で、08年度改定での時間外診療の点数引き上げを議論する際の基礎資料とする方針だ。

診療報酬点数表によると、時間外加算の対象となる標準時間帯は午前8時以前と午後6時以降(土曜は午前8時以前と正午以降)。ただ、午後6時以降でも表示時間内であれば、時間外診療にはならない。例えば表示時間を午後8時までとする診療所の場合は、午後6時から午後8時までは時間外加算を算定できないことになる。
このため今回調査では、診療所で定めている曜日ごとの表示時間のほか、調査期間として設定した7月23日から8月5日までの14日間分について、平日の午後6時以降と土曜の正午以降、休日に受け付けた患者数を記入してもらう。併せて時間外加算や休日加算の算定件数も把握し、開業医の時間外診療の実態を明らかにする。
また、調査期間中に受け付けた電話相談の件数と、そのうち再診料の請求をした件数についても調べる。診療報酬点数表では、患者本人や家族らから治療上の意見を求められた場合に必要な指示をしたときには、再診料を算定できることになっている。このほか、往診・訪問診療の実施件数や、在宅当番医制度、休日夜間急患センターへの参加状況なども把握する。
前々回の04年度改定では、休日・夜間・深夜の小児診療体制を確保する観点から、小児科を標榜(ひょうぼう)する医療機関が午前6時-午前8時、午後6時から午後10時(土曜は午前8時以前と正午以降)に6歳未満の患者を診療した場合は、表示時間内であっても時間外加算を算定できるようになった。このため改定効果を検証する意味で、午前8時以前と午後6時以降の6歳未満の患者数が04年4月以降に変化したかどうかについても調べる。

◆患者の意識調査も実施

併せて調査対象の診療所に時間外に来院した患者に対する意識調査も行う。時間外診療で医療費が高くなることを知っていたかどうかなどを尋ね、改定議論の参考にする。


[2007/08/23]
 介護保険利用者、初めて減少

<介護保険利用者、初めて減少=マイナス10万人−06年度>

厚生労働省が23日発表した2006年度の介護給付費実態調査によると、介護サービスと介護予防サービスの利用者数は、前年度より10万2800人減って、計429万5600人となった。利用者数が減少したのは、01年度の調査開始以来初めて。同省は「制度改正で軽度者への福祉用具の貸与が制限された影響ではないか」とみている。

(時事通信より)

<介護付きのツアーが高齢者に人気>

ヘルパーが同行し、移動や入浴、トイレなどの介助をするツアー旅行が高齢者に人気だ。体が不自由になると「旅行は無理」とあきらめがちだが、介護のプロと一緒なら安心して出かけられる。やや割高だが、旅の楽しさを改めて実感できそうだ。

東京都町田市の松尾繁利さん(83)と妻の良子さん(77)は今春、徳島県内の寺23か所を巡る7日間のツアー「バリアフリー四国八十八か所霊場巡拝・心の旅」に参加した。

60代のころから夫婦で「いつかお遍路を」と夢見てきたが、繁利さんは72歳の時、脳内出血で倒れ、右半身マヒに。良子さんも足が悪く、あきらめていた。しかし、介護付きのツアーがあることを知り、参加を決めた。ツアーは10人定員で、ホームヘルパー2級の資格を持つ「トラベルヘルパー」と添乗員が各1人ついて料金は一人約25万円。

「手を引いてもらったり、時々車いすに乗せてもらったりしながら回りました。お寺を前にすると心が洗われ、本当に来てよかったと涙が出ました」と良子さん。

繁利さんは自分の乗った車いすを押してもらったり、毎晩の入浴を補助してもらえるよう、さらに14万円を払い、専任の介護福祉士を頼んだ。

ツアーを企画したのは旅行会社「エスピーアイ あ・える倶楽部(くらぶ)」(東京)。初めての試みで、秋には高知県内での巡拝ツアーも予定している。このほか、同社ではトルコやイタリアなどを巡る5商品を販売。また、故郷での法事や墓参りといった個人的な「お出かけ」にトラベルヘルパーが付き添うプランもある。

「遠出したくても家族や周囲に遠慮し、あきらめているお年寄りは多い。しかし、こうしたサービスを利用すれば、旅する楽しさを再び味わってもらえるはず」と、同社の伴流(ばんりゅう)高志さんは話す。

旅行会社「クラブツーリズム」(東京)でも、高齢者らを対象に、昨年から介護付きツアーを始めた。ホームヘルパー2級以上の資格を持つ「トラベルサポーター」がリフトバスに同乗し、首都圏を巡るバスツアーが主力商品だが、海外や国内ツアーも毎月約20商品ある。介助の必要度に応じて、バスツアーなら1日あたり6000〜1万1000円割り増しになる。

「要介護5の人もいます。家に引きこもりがちな人が外に関心を持つきっかけにしたい」と同社は話す。

介護付き旅行の場合、ヘルパーの力量が大きく問われる。そのため、優秀な人材を確保しようと、両社ともにヘルパーの有資格者などを対象に、旅先での介助法や技術などを教える講座を開き、人材育成にも力を入れている。

「旅行好きの団塊の世代らが社会貢献の一環に受講するケースが増えてきた。こうした旅行を広げるためにも、旅を楽しむ人、支援する人を増やしていきたい」と同社の長橋正己さんは話している。

(読売新聞より)

<放射線治療、緩和ケアを診療報酬で評価>

厚生労働省保険局医療課の原徳壽課長は23日、日本医師会の社会保険指導者講習会で講演し、2008年度の診療報酬改定で、「政府が力を入れているがん対策については、診療報酬の面でも推進していく。放射線治療や緩和ケアはしっかりと考えていく」と述べ、診療報酬で評価する考えを示した。


[2007/08/22]
 介護ビジネス曲がり角、制度改正で業績悪化

<介護ビジネス 成長産業曲がり角 制度改正で業績悪化>

高齢化の進展に伴い、成長が期待された介護ビジネスが今、岐路に立っている。サービスの対価となる介護報酬の引き下げで企業業績が悪化し、撤退も相次いでいる。訪問介護最大手、コムスンの不正発覚は、介護業界への信頼を大きく傷つけたが、コムスン以外でも介護報酬の不正受給などが後を絶たない。今後も介護を必要とする高齢者は増える一方だが、担い手となる介護業界には課題が山積している。
◆撤退
「昨年から会社を買ってくれないかという話が、どんどん来ている」。東京都内を中心に介護事業を展開するある企業幹部は明かす。経営悪化で事業撤退を決めた企業からの売却話だが、すべて断っているという。「利用者を増やしても採算は合わないし、経営が苦しい企業は何らかの不正をしている可能性が高い」との理由からだ。
00年の介護保険制度の導入に伴い、政府は介護業界への民間の参入を積極的に後押しした。だが、介護業界を取り巻く経営環境は厳しさを増している。野村証券金融経済研究所の繁村京一郎・シニアアナリストは「06年4月の制度改定に伴う介護報酬の引き下げで、特に訪問介護はビジネスとしては全く成り立たない状況だ」と指摘する。
◆模索
苦しい現状を打破しようと各企業は、生き残りをかけて経営改革に取り組んでいる。訪問介護が中心の「ジャパンケアサービス」(東京都豊島区)は、昨年4月の介護報酬の改定で売上高が約1割低下した。新たな収益の柱として、改定と当時に夜間対応型の新たな訪問介護サービスを始めたが、1年目では埋めきれなかった。
新サービスは、利用者の自宅に専用端末を置き、夜間いつでもオペレーションセンターの看護師らと連絡がつく体制をとり、必要があればヘルパーが介護にかけつける仕組みだ。「1事業所ごとに100人の利用者を確保すれば、採算ベースに乗る」(池田尚取締役)と、利用者拡大に力を注ぐ。
同じく訪問介護の「やさしい手」(目黒区)は昨年4月の制度改定に伴い、約1億円をかけて独自に開発した最新のシステムを導入した。ヘルパーのシフトを厳密に管理し、効率よく利用者の自宅を回れるようにするのが狙いだ。

◆モラル

ただ、各社が頭を悩ませるのは深刻な人材不足だ。景気回復とともに、「3K」と呼ばれるヘルパーの職場離れが進んでいる。やさしい手は、24時間巡回型の訪問介護サービスを展開しているが、「ヘルパー不足からサービス地域を絞らざるを得ず、採算がとれなくなった」(三鷹店)という。人材確保のために給与を上げれば、更に採算が悪化するというジレンマに陥っている。
企業モラルの低下も目につく。厚生労働省によると、00〜05年度に不正に伴い指定取り消し処分を受けた介護事業所は計409件、不正請求された介護報酬の返還請求額は約55億円に上る。「コムスンの不正は意図的であまりにひどいとしても、経営の悪化から不正請求に走ってしまうケースもみられる」(自治体関係者)という。
高齢化社会はまだ入り口に入ったばかりで、今後も介護サービス利用者は増え続ける。高齢者が安心して介護が受けられるために、官民一体となって、健全な介護ビジネス市場の育成が求められている。
◇介護市場は今後も拡大
介護市場は今後も大幅な拡大が見込まれる。介護保険の給付対象になる要介護と要支援をあわせた認定者数は05年度で432万人、保険料や国費から支出される介護給付費用額は5兆6582億円。厚生労働省の試算では、25年度には認定者数が約1.8倍の780万人に拡大し、費用も17兆円と現在の約3倍に膨らむとの見通しだ。
介護保険制度では、サービスを提供する事業者に支払われる報酬の単価が定められている。事業者はサービスの提供時間などに応じて介護報酬を受け取り、うち9割が介護給付、残る1割は利用者の自己負担で賄われる。企業にとっては、収入のほとんどを介護報酬が占める形だ。
だが、高齢者の急増を見据え国は報酬の抑制姿勢を見せており、昨年4月の改定では、報酬全体で0.5%引き下げられた。特に、利用者の多い在宅で軽度の要介護者に対するサービスの報酬は平均5%減となり、企業は大きな打撃を受けた。
今後も介護市場は拡大が見込まれるものの、労働集約型産業の介護ビジネスではコストの削減余地が小さく、顧客となる利用者を増やしても、採算が改善するわけではない。また、いくら質の高いサービスを提供しても、受け取る報酬は一定であるため、「企業努力が業績に反映されない」(介護大手)といった不満も高まっている。

(毎日新聞より)


[2007/08/20]
 リハビリに成果方式

<リハビリに成果方式 診療報酬 改善度、初加算>

厚生労働省は18日、脳出血や骨折などの患者のリハビリテーションを対象に、診療報酬に初めて「成果方式」を導入する方針を決めた。患者の改善度合いで病院ごとの実績を評価、診療報酬点数を加減する内容で、評価基準作成を進めている。今秋の中央社会保険医療協議会(中医協)で評価基準案とあわせて成果方式の導入を提示、平成20年度の次期診療報酬改定での実現を目指す。
成果方式が採用されるのは、機能回復を図る「回復期リハビリ病棟入院料」。現行では、(1)回復期リハビリを必要とする患者が常時8割以上入院(2)専従の医師1人以上、理学療法士2人以上、作業療法士1人以上が常勤−などの要件を満たせば、一律で1日1680点の診療報酬点数が与えられている。
診療報酬点数は医師の診療行為に与えられ、病状の改善度合いは加味されない。今回は患者の入院時と退院時の状態を比べ、改善度合いの良好な患者がどれだけいるかで診療報酬に差をつける。
ただ、患者の病状によって期待できる回復状態が異なることから、医療関係者の間では「成果方式になると、病院は回復の見込みが高い患者を優先し、回復が難しい患者を敬遠するのではないか」との懸念も強い。
こうした事態を防ぐため、厚労省は病状に応じた改善度合いの目標達成度を定め、数段階の評価基準を作る。その上で、病院の過去の実績をみて、高い評価基準をクリアした病院は入院料の診療報酬を高くする。同省は、すでに全国の病院から評価基準づくりに必要なリハビリに関するデータ収集を進めている。
回復期リハビリに成果方式を導入するのは、高齢化社会の進行で、今後脳血管疾患などの患者が増えるとの見通しに基づいている。不十分なリハビリでは障害が残り、入院が長期化すれば、深刻な病床不足に陥る恐れもでてくる。
同省では、成果方式を採り入れることで、各病院の積極的な取り組みを促し、回復期リハビリ病床(昨年7月現在で約3万6000病床)の増加にもつながるとみている。自宅に戻れる患者を増え、在宅医療が進めば、医療費抑制につながるとの思惑もある。

【用語解説】診療報酬
公的医療保険が適用される治療や調剤などの公定価格。診療行為や薬品ごとに細かく診療報酬点数(1点=10円)が定められている。回復期リハビリ病棟入院料の診療報酬点数は1日1680点。診療報酬改定はほぼ2年に1度で、次回は平成20年度の予定。全体の改定率は政府が予算編成過程で決め、個別の点数は厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)が政府の医療政策に基づき決める。診療報酬の対象から外れた医療行為は「自由診療」扱いとなり全額患者の自己負担になる。

(産経新聞より)

<開業医のあり方が大きく変わる>

今、厚生労働省が進める一連の医療制度改革の概要を端的な言葉で言い表すとするならば、「医療提供体制の更なる効率性追求により医療費の適正化を図る」ということに収斂されるのではないでしょうか。医療提供体制の効率性追求とは、言うまでもなく医療機能の分化と有機的連携を意味します。新医療計画に新たに加えられた4疾病5事業は、文字通りの地域内ネットワークの構築を目指すものですし、来年度から創設される後期高齢者医療制度も在宅主治医を中心とする連携体制による医療提供体制の定着を目指すものです。政府が2011年を目途にプライーマリバランスの達成を目指す中、逼迫する医療財源で加速度的に進む少子・高齢化社会の下で医療制度を維持するには、もはや医療機能の分化と有機的連携を、これまでのような「掛け声」的なレベルではなく、現実のものとする必要に迫られていることは間違いありません。つまり、従来の病院を中心とした制度改革とは異なり、今、厚生労働省が推し進めようとしている医療制度改革は国民皆保険制度の維持を賭けた未曾有のプロジェクトと言うことができます。そして開業医のあり方についての見直しもその例外ではないということです。

<厚生労働省が示す開業医の将来像>

将来における開業医のあり方は大きく二つの方向から示されています。ひとつは新医療計画下におけるかかりつけ医としての機能であり、もうひとつは後期高齢者医療制度創設に伴う在宅医療の担い手としての機能です。新医療計画では、住民・患者を中心に据え、従来の「医療機関完結型医療」から「地域完結型医療」の構築を目指す中で、例えば4疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病)について言えば初期診療の有無に関わらず、かかりつけ医による急性期から回復期、亜急性期までの医療機関紹介及び相談機能、退院後の在宅における継続的な医療の提供を期待しています。また、後期高齢者医療制度創設に関しては、在宅主治医を中心とした緊急時における病院との連携から総合的な在宅医療のコーディネート、さらには看取りまでを開業医の役割として位置付けています。まさに患者視点に立った、全人的なかかりつけ医としての機能を求めているのです。
一方で、厚生労働省は総合的な診療能力を備えた総合科(総合医)の創設(養成)も視野に入れています。これは英国におけるGP(General Practitioner)に相当するものであり、人間全体を診る総合的な診療を行える医師を確保することで、ゲートキーパーとしての役割(病院の外来集中回避)を期待しているものと思われます。そのような意味で、将来的にはこの総合医(あるいは総合診療医)こそが、かかりつけ医の役割を担うことになると見ることも出来ます。
なお、厚生労働省が4月に示した「医療政策の経緯、現状及び今後の課題について」の中で示された「開業医に今後より期待される役割」の4つを表にまとめました(表)。

<これからの開業医に求められるもの>

「医療政策の経緯、現状及び今後の課題について」では、開業医機能の明確化とするなかで、24時間体制構築のための複数診療所のチーム化や同チーム医療を活かした研修体制(OJT)の構築、患者振り分け機能の構築等についても言及しています。これらを総合的に見ると厚生労働省はかかりつけ医機能を限りなく欧米型のシステム、即ち患者の流れを診療所から病院へという文字通りのゲートキーパーとしての役割と同時に、終末期医療の担い手として位置付けていると言えます。つまり同省が示した「午前中は外来、午後は往診、訪問診療」という考え方こそがこれからの開業医の基本診療形態となる可能性を秘めているのです。ここで留意すべき点は在宅という言葉の持つ意味です。今次医療法改正で医療法人の附帯業務としてケアハウスに加え、有料老人ホーム並びに追加的措置として高齢者専用住宅の運営が認められることとなりました。すなわち在宅とはこういった多様な居住の場を含むものであり、診療効率という観点から言えば、従来とは比較にならないほどに高まることが予想されるのです。これは言うまでもなく、平成24年度における介護療養病床廃止に密接に連動するものです。平成18年度診療報酬改定で創設された在宅療養支援診療所への高評価は、究極的には「それでも在宅の方が安くつく」という試算に立脚するものに他なりません。最終的に「消滅」する23万床のうちどれだけがいわゆる『居宅の場』にシフトするかは今のところ不透明ですが、看取りも含め従来の施設医療の多くが今後開業医に委ねられることを考えれば、後期高齢者医療への積極的取組みは当面順風であると言えます。

<勤務医との格差是正はあるか>

5月18日付日本経済新聞が一面トップで厚生労働省方針として報じた「開業医の初診・再診料引き下げ」に関する記事は大きな波紋を呼びました。厚生労働省は同日、記事内容を否定し、日本経済新聞社に対して厳重抗議を行っていますが、同記事では初・再診料引き下げの理由として(1)勤務医との収入格差是正、(2)開業医の時間外診療や往診への収益源シフト、(3)開業医シフトの解消(勤務医不足の是正)―等を挙げています。概観するかぎり同記事が示す方向性そのものは診療報酬上の評価は別として、道理に適っているようにも見えます。すなわち機能分化を図る上で、しかも医師の偏在、過重労働等が問題視されている中で、病院の一般外来を資源の浪費として同省が認識していることは間違いありません。勤務医の労働環境悪化は、医療訴訟件数の増加と併せて大きな社会問題ともなっています。自由開業制のもと、勤務医が開業へ走る理由が勤務時間の長さや報酬の低さにあるとすれば、限られた財源の中で、収支面でゆとりのある診療所をターゲットとしてこれを診療報酬で是正しようとする動きが出てくることは至極当然のことと思われます。また、開業医の時間外診療や往診への収益源シフトについては、これまで述べてきたようなかかりつけ医機能の見直しという観点からすれば当然予期されることと言えるでしょう。

<待ちの時代への決別こそが成功へのカギを握る>

これまで述べてきたように、新医療計画、後期高齢者医療制度の導入を機に開業医のあり方は大きく変わることが予想されます。これを悲観的に捉える必要はありません。むしろ新たなマーケットの創出と見れば、診療所経営発展の可能性は無限の可能性を帯びているとも言えます。但し、従来型経営、即ち待ちの経営の時代との決別は必要です。機能分化策を踏まえた「出る医療」へのシフトと患者視点での24時間体制の確保こそが成功へのカギとなります。平成20年度診療報酬改定においても改めてこれらを評価することとなるでしょうし、逆説的にはこういった体制を敷いていない診療所にとっては大きなマイナスとなることも考えられます。つまりこれからの診療所経営にあっては「地域医療への貢献度」がそのまま経営成果として反映する時代を迎えようとしているのです。そのキーワードこそが、24時間体制の確保(有機的連携)であり、「出る医療」なのです。そしてこれらを体現する形として真の意味でのかかりつけ医があるのです。


[2007/08/16]
 コムスン不正請求額4億3053万円に

<コムスン不正請求額計4億3053万円に 厚労省調べ>

訪問介護最大手「コムスン」による介護報酬の不正請求額が、全国202事業所で計4億3053万円(6月15日時点)に上ることが厚生労働省の調べで分かった。15日閣議決定された山井和則衆院議員(民主)の質問主意書に対する答弁書で明らかになった。今月も愛知、岡山などで従業員数の虚偽申請などが発覚しており、不正請求の総額はさらに増える見込み。各都道府県などは今月末まで、コムスンなど広域で事業展開する訪問介護事業者の監査を行っており、同省は最終結果を取りまとめる。
答弁書ではさらに、コムスンの不正行為は(1)人員基準を満たす人材確保がなされないまま急激に事業拡大を行った(2)法令順守の体制が整っていなかった――ことなどが背景にあると指摘した。
同省は7月に設置した有識者会議で再発防止策を検討しており、その結果を基に介護保険法を改正する予定。

(毎日新聞より)

<医療・介護で2200億円の削減>
8月10日、政府は平成20年度予算では歳出のメリハリをつけた概算要求基準を閣議決定した。9日の経済財政諮問会議で了承したもの。懸案の社会保障費2200億円の抑制は平成20年度も継続する構えだ。これを受けて財務省は厚労省に対して2200億円の抑制を求めた。
政府は、平成20年度予算で7500億円と見込まれる自然増に対して2200億円を削減し、5300億円程度の増にしたい構え。厚労省は診療報酬改定において薬価を下げることで900億円、後発医薬品の使用促進で220億円の減、介護保険、退職者医療の適正化で200億円の減など合計して1350億円を念頭に置くが、政府の求める2200億円とは850億円の差がある。平成19年度予算では社会保障関係費7700億円の自然増に対し、雇用保険などで2200億円の削減・合理化を図り、5500億円の増に抑えた経緯があるため、財務省と厚労省の綱引きは続く。
一方、柳澤厚労相は7日の記者会見で、政管健保への国庫負担2900億円を削減し、企業の健康保険組合や共済組合の保険財源を割り振るため、法改正する方針を明らかにした。2200億円の社会保障費の削減を求める経済界に、国民負担を強いる削減策ではなく、会社負担分の財源を振り当てるやり方だが、先の薬価下げ、後発医薬品の使用促進などによる削減
策との掛け引きが年末まで長引く様相を呈している。

◆診療報酬改定の影響で医療費増加分は相殺
平成18年度の医療費の動向は前年度と比較して約400億円の微増、32・4兆円に止まった。平成18年度は診療報酬改定(マイナス3・16%)があり、医療費の自然な伸び3から4%程度が相殺された格好だ。医療費の動向が示された8月8日の中央社会保険医療協議会は平成20年度4月からの診療報酬改定の基本的枠組を示したところであり、議論のたたき台として示されたのは、勤務医の負担軽減策、救急、産科、小児医療の評価。見直しの方向が示されたのは、外来の初診料・再診料、入院医療など、さらに7万人の社会的入院の解消が取りざたされる精神医療の適正評価などでメリハリをつけようと言うもの。削減策は2から3%と目されるが、評価を厚くする分と見直す分でプラスマイナス〇に近い状況だ。

◆効果の見えにくい病床再編
改定の検討項目の考え方としては一定の地域や産科・小児科などの診療科で必要な医師が確保できず、医療の提供や患者の受療に支障が出ているので、地域医療の確保・充実に配慮する。地域による偏在が課題となり、すでに診療所への転換を図るところが出ている。厚労省は医療提供体制を確保するため地域の基幹病院を中心に地域の医療体制を再編成し、不採算な病院は診療所へ格下げし、医療提供体制を固める方針。療養病床の再編に限らず一般病床の病床数削減を地域医療連携体制によって進めるもの。病床数の削減による医療費の削減・合理化は短期的効果の出にくい性質だが、医療費適正化の一環として進める考えだ。
また、7対1看護体制を確保する大病院が看護師を採用したため地方の病院で不十分な看護体制を余儀なくされている問題ともからみ、一般病院の再編成は加速化するものと予想される。


[2007/08/10]
 病院と診療所の初・再診料の格差は縮小方向に

<病院と診療所の初・再診料の格差は縮小方向に>

初診料・再診料の病院と診療所の格差に関しては、縮小の方向で検討するものの、医療機関の機能に応じた点数設定の方向性を探る。

がん対策では、07年4月にがん対策基本法が施行されているため、基本法に沿った評価の在り方を検討する。

精神科関連では、1998年以降毎年3万人以上が自殺している状況や、精神科病院の患者の高齢化、子どもの心の診療医の養成に関する検討会の報告書などへの

対応を図る。「真の医療ニーズに沿った医療の評価」として、7対1看護の必要性や看護必

要度に応じた看護配置などを検討する。

医療技術の評価・再評価は診療報酬調査専門組織医療技術評価分科会で行うが、今年も学会などが診療報酬で評価を求める新規技術を提案しているため、重要性が高い技術は積極的な保険導入を図る方針だ。

<看護師アップ、医師ダウン 民間医療機関の初任給 人事院調査>

人事院が国家公務員の給与勧告にあたり実施した民間企業における初任給の調査によると、医師は36万2963円(前年度37万3949円)と前年度に比べて1万986円の減少となった。医師の初任給のピークは05年度で41万3955円で、以降は06年度、07年度と2年連続で減少している。一方、看護師は20万5010円で医師とは反対に前年度に比べて4026円アップした。准看護師は16万5933円で3262円下がった。

<独自高報酬は3区市 小規模多機能型・夜間訪問介護 事業者側は「肩すかし」>

小規模多機能型居宅介護や夜間対応型訪問介護について、独自に高い報酬を設定するとして7月末までに国に申請した市町村は、厚生労働省によると全国で3区市にとどまっていることが分かった。東京都足立区群馬県高崎市秋田県横手市。両サービスとも全国的に参入が低迷している背景には、報酬設定の問題もある。多数の保険者での設定を期待していた事業所側にとってまずは肩すかしといえそうだ。
地域密着型サービスに責任を持つ市町村が、地域の実情に合わせて報酬も独自に設定できるよう改正法に規定が盛り込まれた。「専門性の高い人材確保」や「他事業者や地域との連携強化」など国のガイドラインに沿って、市町村が要件を設定した場合に、小規模多機能型では500、750、1000単位の三段階で加算できるようになる。初の申請締め切りが7月末にあり、10月施行を予定している。

(シルバー新報より)


[2007/08/09]
 06年度の医療費、過去最高の32兆4千億円

<06年度の医療費、過去最高の32兆4千億円>

厚生労働省は8日、06年度の概算医療費は前年度よりも400億円増え、過去最高の32兆4000億円だったことを公表した。診療報酬改定のない年度は3〜4%程度増えるのが通例だが、06年度は過去最大の下げ幅となるマイナス3.16%の改定の影響で、0.1%増にとどまった。

概算医療費は公的医療保険と公費で賄われた医療費を集計したもので、労災保険や全額自己負担の医療費は含まれていない。1人あたりの医療費は、70歳未満が前年度より0.8%少ない15万8000円。70歳以上は1.4%少ない74万2000円だった。現役世代、高齢者分とも減ったが、医療費が高い高齢者の占める割合が増えたため、医療費全体としては微増となった。

1施設あたりの医療費では公的病院が1%、個人病院が2.2%、診療所が0.5%減る一方で、大学病院は2.5%増えた。歯科では病院が1施設あたり6.9%、診療所が3.2%の大幅減。初診、再診料の引き下げなどの診療報酬改定が影響した。薬局の1施設あたりの収入は前年度より1.2%増の1億45万円で、初めて1億円を超えた。

(朝日新聞より)

<データベースでニセ医者ばれた>

患者が「ニセ医者」を見分けられるように、厚生労働省が4月に導入した医師免許取得者のデータベースを使い、同省が医師の資格がないのに岐阜県内で眼科診療所を開設していた男(31)を初めて“摘発”していたことがわかった。

免許なしに医療行為をすれば医師法違反にあたるため、岐阜県警も捜査を始めた。男は保険医登録もしていたといい、同省では、不正請求した診療報酬の返還を求める方針だ。

同省などによると、男は2002年8月、同県内で眼科診療所を開設した際、偽造した医師免許証のコピーを保健所に提出。医師免許を持つ者は2年に1度、管轄の保健所に現状を届け出るが、それについても過去2回届けを出していた。

同省が先月、全国の保健所に出された医師からの届け出書類と、医師免許取得者のデータベースを照合したところ、この男の名はデータベースにはないことが判明。保健所から、開設届に添付された医師免許証のコピーを取り寄せ、そこに書かれた医籍登録番号を照会すると、同じ番号で他県の医師が登録されていた。

先月末に保健所が立ち入り調査した際、男が説明した卒業大学などの情報は、その後、いずれもウソと判明。男は、保健所の事情聴取に「実家にある医師免許証を持ってくる」と話していた。男は地元医師会に加入し、周辺病院にも偽免許を使って非常勤医師として勤めていたという。

ニセ免許による届け出がまかり通っていたことについて、同省では「これまでは、膨大な数の保健所への届け出書類と免許取得者を照合する手段がなかった。今後は届け出時に医師免許の原本提示を求めるなど、厳しく管理する」としている。

( 読売新聞より)


[2007/08/08]
 コムスンの居住系、ニチイなど73件の応募

<コムスンの居住系 ニチイなど73件の応募>

訪問介護最大手、コムスン(東京都港区)の事業譲渡先を審査する第三者委員会(堀田力委員長)は7日、有料老人ホームなど居住系サービスの公募について、同日正午までに73件の応募があったと発表した。第三者委は今後、公募参加者を審査し、審査を通過した事業者にコムスンの施設事業に関する資料を渡したうえで、14日までに事業承継申込書を提出してもらう。
応募者名は発表されていないが、介護大手のニチイ学館やツクイなどが参加を明らかにした。また、ワタミとジャパンケアサービスは共同で公募に申し込んだと発表。有料老人ホームはワタミが、グループホームはジャパンケアがそれぞれ引き受けたいとしている。
一方、訪問介護など在宅系サービスの公募は10日が期限だが、7日正午現在の参加表明は664件で、全都道府県で応募があったという。
ツクイは全都道府県で応募する方針だが、「最終的にいくつかの地区に絞ったうえで、(事業承継申込書を)提出することになる」(経営企画部)としている。

(産経新聞より)

<勤務医の負担軽減に重点 診療報酬、産科なども>

厚生労働省は8日、2008年度の診療報酬改定に向けて、勤務医の負担軽減のため開業医に診療を肩代わりしてもらうことや、救急医療、産科、小児科などに診療報酬を手厚く配分することなどを柱とする検討項目をまとめ、中央社会保険医療協議会に提出した。

過剰労働が指摘されている勤務医の負担軽減策としては、病院の夜間救急医療を地域の開業医が交代で担うことや、カルテ管理などの事務作業を職員が代行することを診療報酬で評価する案が検討される見通し。

厚労省は「一定の地域や産科・小児科などの診療科において必要な医師が確保できず、医療の提供や患者の診療に支障が生じている」として、医師不足対策への重点配分で医療の質低下を防ぎたい考えだ。

開業医が救急医療や退院患者らの在宅医療を担う場合の診療報酬を引き上げる中で、初診料・再診料を引き下げることも検討課題となる。

また、画期的な新薬は高く評価する一方、価格の安い後発医薬品の使用促進のため、「(先発品から後発品への)変更可」としている処方せんの様式を変えることや、薬局での在庫管理コストを診療報酬で評価することなども検討する。

(共同通信より)


[2007/08/07]
 ワタミとジャパンケアが共同で名乗り

<グッドウィル株が反発、ワタミとジャパンケアが共同で名乗り>

7日の株式市場で、グッドウィル・グループ<4723.T>が反発。ワタミとジャパンケアサービスが共同で、グッドウィルの訪問介護事業コムスンの事業譲渡公募に対し居住系サービスの引き受けに応募すると発表したことを好感している。
 ワタミは介護付き有料老人ホーム「コムスンホーム」と「コムスンのきらめき」を、ジャパンケアはグループホーム「ほほえみ」をそれぞれ引き受ける方向で検討しているという。引き受け後は両社で業務提携を行う予定。 
グッドウィルは7月31日、コムスンについて、在宅系サービスと居住系サービスに分割して承継すると発表した。8月1日から公募を開始し、14日を居住系サービス、20日を在宅系サービスの申込期限とする。その後、第三者委員会で候補先の選定を行い、移行先を決定する方針。居住系は8月中旬から下旬、在宅系は8月下旬から9月上旬に移行先を決定したいとしている。

<コムスン10月から介護事業を新事業者に移行 都は反発>

介護事業の売却を決めた訪問介護最大手「コムスン」が6日、新事業者への移行を今秋中に実施する方針を東京都に伝えていたことが分かった。有料老人ホームなど施設系サービスは10月1日、訪問介護など在宅系は11月1日に、一斉に売却先が事業所指定を受けるとしている。都は再発防止のため売却先を慎重に見極める考えで、担当者は「新事業者の厳正審査には時間がかかる。拙速な移行は、問題の幕引きを最優先する身勝手な行為だ」と批判している。
同社が7月31日に厚生労働省に提出した事業移行計画書によると、売却先選定に当たり第三者委員会を設置し、一括売却の施設系は今月中〜下旬、都道府県別に売却する在宅系は8月下旬〜9月上旬に売却先を決める。移行時期は明記されていなかったため、都が個別に回答を求めていた。
同社は6日、移行スケジュールを都に提出。両サービスとも今月1日に新事業者の公募を始めたばかりだが、第三者委は今月中に終了させ、協議日数も4、5日しか設けていないなど、性急さが否めない内容だ。
事業所の指定申請は届け出制で、通常は申請から約2カ月で指定される。しかし、都福祉保健局は今回のケースは「同様の不正を繰り返さない適切な事業者への譲渡が最優先課題」と位置づけ、職員数など通常の審査項目に加え、経営理念や法令順守体制、事業所ごとの管理者の適性を詳細に検証する予定だった。
都内には7月末現在、同社事業所は136カ所ある。同局は「全事業所の精査には最低3カ月は必要。10、11月の指定はあり得ない。同社はいまだに第三者委の選定基準や審議内容の公表すら約束しない。反省や公正な審議を装うだけで、不正を招いた会社の体質は何ら変わっていない」と憤っている。

(毎日新聞より)

<診療所も院外処方が5割超 進む医薬分業>

医療機関が患者に処方せんを出し、外部の薬局が薬を渡す「院外処方」の割合が診療所で初めて5割を超え、医薬分業が進んでいることが6日、厚生労働省の2006年の「社会医療診療行為別調査」で分かった。 院外処方率は診療所で前年に比べ2・2ポイント増の51・7%。病院でも1・2ポイント増の62・3%で、医療機関全体では1・8ポイント増の54・6%となった。

歯科診療では、06年度の診療報酬改定で「かかりつけ歯科医の初・再診料」が廃止された影響を受け、1件当たりの初・再診料が24・2%も急減。検査料などを含めた全体でも1件当たり7・8%減少した。

政府が使用を推進している後発医薬品は、数量ベースで比較すると、1件当たりの投薬数に占める割合は19・0%と1・3ポイント増にとどまった。

調査は昨年6月、全国約1万6000カ所の医療機関、薬局から国民健康保険や健康保険組合などに出した診療報酬明細書(レセプト)約49万枚を抽出し実施した。

(共同通信より)

<介護福祉士の受験機会拡大を=厚労省に回数・実施県増を要請−総務省>

総務省は6日、障害者の介護を行う介護福祉士の国家試験について、試験の回数や実施都道府県数を増やすよう厚生労働省に要請した。受験機会の拡大を求める行政相談を踏まえた。
介護福祉士や社会福祉士、精神保健福祉士の国家試験は年1回、しかも同じ日に行われているため、最近、受験希望者が複数いる介護施設職員らから「勤務の都合で何年間も受験できず困っている」といった相談が増加。試験地も筆記は3試験とも19都道府県、介護福祉士の実技試験は12都道府県に限られている。

(時事通信より)


[2007/08/06]
 届出に地域格差

<在宅療養支援診療所、届け出に地域差 「空白自治体」36%>

24時間体制で往診、訪問看護を行う「在宅療養支援診療所」が4月1日現在で1万カ所を超える一方で、届け出が都市部に集中し、ゼロの市町村が666に上ることが毎日新聞の調べで分かった。全自治体(1827市区町村)の36%が「空白地域」。支援診療所は超高齢社会の在宅医療推進の切り札として昨年4月に導入されたが、住み慣れた家で最期を迎えたくても迎えられない現状が浮き彫りになった。

支援診療所は終末期ケアや慢性疾患療養への対応が期待され、国には医療費を削減する思惑もある。届け出には「医師や看護師が24時間、患者と連絡が取れる」などの条件があり、診療報酬が手厚くされている。

届け出数は各都道府県の社会保険事務局から聞き取り、一部は情報公開請求して調べた。それによると、支援診療所は1万249カ所で、約9万7000の一般診療所の1割以上が届け出た。

最多は大阪府の1359カ所。以下、東京都1087カ所▽福岡県657カ所。少ないのは、富山県29カ所▽高知県30カ所▽山梨県32カ所の順。

医療の必要度が高くなる75歳以上の人口比でみると、大阪府が504人に1カ所なのに対し、富山県は4554人に1カ所。ただ届け出はしていなくても、実態として在宅医療の拠点になっているところもある。

都道府県内でみても、都市部偏在が顕著。北海道は195カ所の届け出のうち札幌市に72カ所(37%)が集中。大阪府も、大阪市が42%(576カ所)に上った。都市部以外での在宅医療の難しさを物語る。厚生労働省医療課は「1万カ所はほぼ予想していた数だが、高齢社会がさらに進むなかでは足りない。地域差も、これから議論していく」と話している。

(毎日新聞より)


[2007/08/04]
 離職者8割が勤続3年未満

離職者8割が勤続3年未満 ヘルパーより施設で多い退職>

介護労働安定センター(野寺康幸理事長)は7月31日、全国の介護サービス事業所を対象に、介護職の労働条件や雇用管理、賃金などの状況について調べた「介護労働実態調査」の結果をまとめた。他産業と比べて高い離職率や低賃金が指摘されている介護業界だが、今回の調査結果でも介護職全体の離職率は20.3%と、全産業の平均離職率17.5%より2.8ポイント高かったほか、月給平均二21万3800円も一般労働者の33万8000円を大きく下回る結果となった。一年間の離職者約3万6000人のうち、勤続年数が一年未満だった人は4割以上、三年未満で8割にも達している。同じ介護職でもホームヘルパーより施設介護職のほうが正社員・非正社員ともに離職率が高く、従業員20人未満の小規模な事業所ほど職員の入れ替わりが激しいことなども明らかになった。
介護労働実態調査は、全国の介護保険サービス事業所を対象に、同センターが2002年度から毎年実施しているものだ。今回の2006年度版は昨年十月、3万7456事業所を対象に行い、1万1627事業所から回答を得た(回収率32%)。全従業員数33万47656人のうちヘルパーを除く介護職員が13万57人(38.9%)、ヘルパーは9万1419人(27.3%)で、7割近くが介護職だ。介護職全体の正社員と非正社員の割合は6対4だが、ヘルパーだけでは非正社員が8割以上となっており、他の職種と比較してもダントツで多い。
調査時点前の一年間の定着状況について見ると、介護職員の採用率は29%。一方、離職率は20.3%となっており、一般産業の採用率17.4%、離職率17.5%をいずれも上回っていた。

(シルバー新報より)

<総合的に診る医師実現性に疑問符>

社会保障審議会の後期高齢者医療の在り方に関する特別部会(部会長=糠谷真平国民生活センター理事長)は7月30日、診療報酬体系の骨子取りまとめに向け、総括的な議論を行った。新制度では、主治医など高齢者を「総合的に診る医師」を位置付け、外来医療から入院、在宅医療を通じてかかわることを期待しているが、医師個人の能力に頼る制度設計に疑問を呈する声が複数挙がった。
同部会は今年4月、複数の疾患を抱えケアの必要性のある後期高齢者には、在宅を重視し、入院しても退院後の生活を見越した評価とマネジメントが必要とする基本的考え方をまとめた。この考え方に沿って、入院医療、外来医療、在宅医療、終末期医療についての議論が一巡したため、同日の会合では、総括的な議論を行った。
新制度では、主治医などの「総合的に診る医師」を診療の中心に位置付け、後期高齢者の病歴や受診歴を一元的に把握するとともに、入院中もかかわりを続け、在宅療養の際は看護師や薬剤師、ケアマネジャーなどと連携して、介護保険サービスも含めチームで一体的なサービスを提供するイメージが示されている。現在の医師養成課程は専門分化されているため、研修等を通じて能力を持った医師を養成する必要性も指摘している。

(シルバー新報より)

<総合医の役割の明確化を>

社会保障審議会後期高齢者医療の在り方に関する特別部会は7月30日、2008年度から始まる後期高齢者医療制度の「総合的に診る医師」の役割についてあらためて検討した。委員からは病院や他職種との連携を求める声や医師一人でどこまで「総合性」を担えるかなどの意見が相次いだ。

厚生労働省は検討の結果を受け、次回の会合に診療報酬体系の骨子を示す。特別部会で検討後、社会保障審議会医療部会、医療保険部会で検討し、再度特別部会で最終的に診療報酬体系の骨子を取りまとめる。次回会合は8月下句以降になるとみられることから、骨子がまとまるのは早ければ9月中の見通しだ。

これまでの検討では、後期高齢者は複数疾患を有することが多いことから、「総合的に診る医師」が後期高齢者を外来から在宅医療まで、幅広く関与することを求めている。

野中博委員(医療法人社団博覧会野中医院院長)は、外来医療について「総合的に診るということは、現在の診療報酬では限界がある。介護の情報はケアマネジヤーが特っている。入院中から家に帰ったらどんなサービスが必要なのかを検討しなければならない。医師1人の能力だけでなく、多職種がかかわって評価するべきだ」と述べ、多職種がかかわる総合的な診療を目指すよう提案した。

入院医療に関しては「病院の医師は患者がどうやって生活しているか評価できない。まずは入院中に多職種でその後の療養をどうするかを評価し、患者の納得を得る必要がある。退院してください、あとは診療所で、ということでは患者の納得は得られない」と述べ、病院では医師以外を含めて総合的な評価をする必要性を訴えた。

川越厚委員(ホームケアクリニック川越院長)は「病院と診療所の違いは、病院の医師は患者を医療の中でしかみていないが、地域の医師は医療も生活もみている。生活支援という考えがないと患者を地域でみられない」と述べ、在宅医療を進めるためには病院の取り組みから変更していく必要性を訴えた。

<看護師の数80万人上回る>

厚生労働省が7月27日に発表した2006年度保健・衛生業務報告によると、就業看護師数は前回調査時(04年)より5万1751人増えて81万1972人となり、初めて80万人を上回ったことが分かった。近年増加傾向が続いているが、特に男性看護師の増加が目立つようになっている。男性看護師数は3万8028人に達し、過去10年間で約2.6倍に増加。全看護師に占める男性の割合も4.7%となり、10年前と比べて1.74倍に増えている。

保健師は前回調査時より996人増え4万191人、助産師は同518人増の2万5775人だった。准看護師は、02年をピークに減少傾向に転じており、前回調査時より3811人減り38万2149人となった。

病院に就業する看護師の割合は75.5%で、前回調査時より1.1ポイント低下したが、診療所の割合は11.9%で前回より0.8ポイント、介護保険施設などの割合が5.3%で0.5ポイント上がった。

年齢階級別に見ると助産師、看護師は25〜29歳が最も多く、それぞれ4726人(構成割合18.3%)、15万1054人(18.6%)だった。保健師は30〜34歳が最多で6780人(16.9%)、准看護師は45〜49歳の6万374人(15.8%)が最も多い。

<すべての専門・認定看護師資格が広告可能へ>

これまで一部にしか認められていなかった専門・認定看護師の資格広告について、感染症専門看護師など8分野の名称が新しく広告できることになった。 

日本看護協会はこのほど、厚生労働省に広告認可を再申請し、受理された。近く厚労省から広告認可に関する通知が出る見通しだ。これにより全分野の広告が可能に

なった。

新しく広告が認可されたのは、専門看護師では(かっこ内は旧分野名)▽感染症看護専門看護師(感染看護)▽急性・重症患者看護専門看護師(クリティカルケア看護)▽慢性疾患看護専門看護師(成人看護(慢性))−の3分野。認定看護師では▽緩和ケア認定看護師(ホスピスケア)▽集中ケア認定看護師(重症集中ケア)▽認知症看護認定看護師(認知症高齢者看護)▽皮膚・排泄ケア認定看護師(創傷・オストミー・失禁(WOC)看護)▽不妊症看護認定看護師(不妊看護)−の5分野。広告可能になった分野の認定を受けた専門看護師は27人、認定看護師は1470人いる。

日看協は6月、26分野すべてを広告可能にするよう厚労省に申請をしたが、8分野は「資格の分野名称が一般に分かりにくい」などの理由で見送られていた。今回はパブリックコメントを参考に分野名称を変更して再申請した。

<社会保障費削減、後発医薬品促し1千億円 厚労省検討へ>

厚生労働省は2日、08年度予算編成の指針となる概算要求基準(シーリング)について、薬の公定価格の引き下げや後発医薬品(ジェネリック)の使用促進で、社会保障費の自然増を1000億円削減する方向で検討に入った。財務省は今年度並みに2200億円の削減を要求。削減幅の半分以上のめどが立っておらず、来週のシーリング決定に向けて調整が難航しそうだ。

同日開かれた自民党の厚労関係議員との非公式の会合で、柳沢厚労相は(1)今年末の診療報酬改定で薬価を医療費ベースで1%程度引き下げ(国費800億円)(2)価格の安いジェネリックの使用促進による国費負担の軽減(同200億円)――の方針を示した。

06年の「骨太の方針」で、社会保障費は今後5年間で1.1兆円の国費抑制が決まっており、07年度は2200億円を削減。08年度予算についても同様の削減を続けるかが焦点になっている。柳沢氏は薬価などだけでは削減達成は難しいとの見通しを示すと同時に、「2200億円の削減を拒むことも現実的には困難な状況だ」と説明した。

(朝日新聞より)

<コムスンが譲渡で公募開始 HPに応募要項など掲載>

厚生労働省から事業所指定の打ち切り処分を受けた訪問介護最大手コムスンは1日、事業譲渡の引受先の公募を始めた。同社と、親会社のグッドウィル・グループのホームページに公募要項などを掲載している。

公募要項はコムスンが7月31日に厚労省に提出した「事業移行計画」に基づいている。一括譲渡を希望している有料老人ホームとグループホームの施設サービス事業に応募する事業者は、7日までに「公募参加表明書」を提出。同社の第三者委員会が1次審査を行い、通過した事業者にはコムスンの資産や財務情報などの資料を渡す。

応募事業者はそれを踏まえ、14日までに「事業継承申込書」を提出。第三者委が最終審査し、8月中下旬に譲渡契約を結ぶ運び。ただ、有料老人ホーム32カ所のうち、高価格帯の6カ所は公募対象から除き、別途譲渡先を探す。

都道府県ごとの分割譲渡となる訪問介護など在宅サービスについては、1次審査の応募締め切りが10日、事業継承申込書の提出期限が20日。9月上旬までに最終審査し、9月中旬に契約締結としている。

(東京新聞より)


[2007/08/02]
 コムスン事業譲渡「介護難民」の恐れ

<コムスン事業譲渡「介護難民」発生の恐れ>

「自治体や厚労省と相談して、選んでいただくしかないと思う」。在宅系サービスを都道府県ごとに譲渡する方針を発表した31日の記者会見で、訪問介護大手「コムスン」(東京都港区)の樋口公一社長は「介護難民」が生じる可能性を否定しなかった。

一括譲渡を断念したのは、自治体側から分割の希望が多かったためと説明。ただ、47都道府県のうち半分近くは希望事業者のない「空白県」で、最後は行政頼みであることも認めた。

厚労省への説明を終えた後、樋口社長は、緊張した面持ちで会見に臨んだ。樋口社長によると、同社はこれまで、全都道府県と2〜3回ずつ協議したが、分割の希望が多かったという。

樋口社長の歯切れが悪くなったのは、受け皿確保の見通しに質問が及んだ時。これまで譲渡希望の意思表示をしてきた事業者は約110社あったものの、47都道府県のうち20県程度は、希望者がないという。今後も手を挙げる事業者が出る見通しが薄い都道府県も「一つか二つはあるのではないか」と述べた。

コムスンの介護報酬の不正請求額は、最終的に総額約9億円に上る見通しであることも明らかにした。現時点で、都道府県の監査で指摘された不正請求額は約5億円だが、同社で自主点検している分も加えると、4億円程度が上積みされ、対象は全国で約660事業所に上るという。

一方、事業譲渡先の審査を担当する第三者委員会の堀田力委員長(さわやか福祉財団理事長)がポイントに掲げたのは、「利用者の尊厳を守るという介護保険法の理念に沿って事業を展開する志と体力」。「24時間訪問や離島サービスは、経営上は厳しいが利用者にとっては大切なので、ぜひ維持したい。応募する事業者には、特にその点を念頭においてもらいたい」と注文していた。

(読売新聞より)

<コムスン「在宅系」47分割 受け皿探し 地方に重荷>

訪問介護大手「コムスン」の介護事業の譲渡が、訪問介護などの「在宅系」と有料老人ホームなどの「居住系」の2本立てで進められることが31日、正式に決まった。在宅系の受け皿作りの責任を負うことになった自治体からは「現実的な対応だ」と評価する意見もあるが、メドが立っていない地域も多い。介護現場のコムスン社員にも不安が募っており、地域格差をどう解消し、スムーズな譲渡を進めるのか先行きはまだ不透明だ。

◆過疎地、行政に責任

「地域介護の実情は、地域が一番よく知っている」。在宅系サービスを都道府県ごとに分割譲渡する方針について、大阪府の担当者は、歓迎の意向を示した。東京都も「短期間での譲渡を考えると、現実的な対応だ」(高齢社会対策部)と評価する。すでに、地元の企業が事業引き受けを表明した自治体もある。

福島県では、財団法人「温知会」が運営する会津中央病院(会津若松市)が、名乗りを上げた。同病院では「これまでもデイサービスや訪問看護サービスなどを提供してきた。利用者が安心して介護を受けられる体制づくりに協力したい」としており、同県でも「1社への譲渡は、従業員の雇用面で望ましいのではないか」(介護保険グループ)と話す。

徳島県でも、介護サービス事業者「エクセレントケアシステム」(徳島市)がすぐにも、公募に応じる方針だ。

しかし、スムーズな移行が見込まれる都道府県は、むしろ少数派。コムスンでも、山間部などの過疎地を抱える拠点では、在宅系サービスで採算がとれなかった。こうした地域で民間業者がビジネスとして介護を担うのはリスクが大きいためだ。

「意欲を示す事業者がなければ、県が声をかけて探すしかない」と話すのは山形県の担当者。福岡県でも、「新たな譲渡先が見つからなければ、既存の事業所で引き受けてもらうことになる」。

公募に応じる法人がない場合、厚生労働省も受け皿探しに協力する方針だが、譲渡先決定までに時間がかかれば、利用者の不安も増すことになる。

◆分割方針に 社員も動揺

「分割」の方針が決まったことで、約2万3000人の社員にも動揺が広がる。

コムスンが社員に譲渡計画を明らかにしたのは、31日午後。東京の本社から、テレビ会議システムを使った中継で、幹部が「一括譲渡の要望がかなえられず、すみません」と謝罪した。社員の一人は、「一方的な説明で終わった。結局、一線の社員はいつも蚊帳の外だ」と憤慨する。

九州地方のあるケアセンター幹部も「上司からは先週まで、訪問介護事業も含めて一括譲渡する方針に変わりないと聞かされていた。話が違う」と不信感を募らせる。

コムスンが介護事業から撤退することが決まった6月中旬以降、利用者からは「譲渡先はどうなるのか」と聞かれることが多くなった。「利用者も従業員も、自分は見捨てられるのではないかという不安に駆られている」と話す。

幹部は「ヘルパーは人手不足だから、譲渡先でも必要とされるだろうが、自分のような中間管理職は、先行きがどうなるのか。いっそ、退職しようかという気になってきた」とうんざりした口調で語った。

◆買収検討企業、戦略見直し…得意分野に的絞る

コムスンが介護事業を分割譲渡する事業移行計画をまとめたことで、「受け皿」候補に名乗りをあげていた企業は戦略の見直しを迫られている。

全事業の一括買収に意欲を見せていたニチイ学館(本社・東京都千代田区)は、訪問介護など在宅系サービスには積極的には手を挙げない姿勢に転じた。在宅系は収益性が低く、分割譲渡でコスト削減などのメリットも見込めないことも理由のようだ。有料老人ホームとグループホームの受け皿には応募する方針だ。

「民間事業者の質を高める全国介護事業者協議会」(民介協)と共同で一括買収を目指していた居酒屋チェーンのワタミ(本社・大田区)も、居住系サービスの買収に応募するとみられる。同社は有料老人ホーム28か所を運営するなどノウハウが豊富で、「企業体力などの面でもワタミが有利」(富士通総研の渥美由喜(なおき)主任研究員)という見方も出ている。

ただ、コムスンの有料老人ホームの中には3億円の入居金が必要な“超高級物件”もある。ワタミの渡辺美樹社長はこれまで「高級業態のノウハウはなく、引き受けるべきではない」としており、交渉が順調に進むかどうかは不透明だ。介護準大手のセントケア・ホールディングも、コムスンが有料老人ホームとグループホームを分けて売却した場合はグループホームの買収を検討するという。

一方、共同で買収を検討していた、ドラッグストアチェーンのウエルシア関東(さいたま市)と介護施設運営のウイズネット(同)は、在宅系サービスについては、ウイズネットが主な事業拠点とする首都圏に狙いを絞った。詳細な公募条件は1日に明らかにされるため、ウイズネットの高橋行憲社長は「3日に正式に対応を決めたい」と話している。

コムスンは、24時間訪問介護サービスを提供する能力や、居住系サービスは利用者との契約条件をすべて引き継ぐことを選定の条件としており、経営規模もポイントになりそうだ。

(読売新聞より)


[2007/08/01]
 コムスン売却先9月上旬までに

<コムスン売却先、9月上旬までに…厚労省に移行計画提出>

グッドウィル・グループ(GWG)子会社のコムスンは31日、訪問介護などの在宅系サービス事業を47都道府県に分割して売却することを正式決定し、厚生労働省に事業の移行計画を提出した。老人ホームなどの施設系は一括売却とし、9月上旬までにすべての売却先の選定を終える方針。
コムスンが行政処分を受けたことで、全介護事業からの撤退を決めたGWGは当初、事業の一括譲渡を目指していた。コムスンの樋口公一社長は計画提出後に会見を開き「在宅系サービスは地域に密着した事業者に任せるべきだとの意見が各自治体で強かった」と方針転換の理由を語った。
訪問介護をはじめ訪問入浴や障害者自立支援などの在宅系サービスを、各県ごとにすべて引き受ける事業者を選定する。8月1日に公募を始め、施設系サービスは8月中〜下旬、在宅系サービスは8月下旬〜9月上旬の売却先決定を目指す。GWGは併せて、コムスン以外の介護関連子会社5社の売却先選定も進める方針。
また、コムスンの売却先選定に当たっては、各都道府県の候補を審査する第三者委員会(委員長、堀田力・さわやか法律事務所所長)を設置。同委が選定した事業者とコムスンが売却価格などの詰めの交渉を行い最終決定する。
コムスンは訪問介護サービス利用者約6万人と従業員2万人余りを抱え、不採算の過疎地や24時間サービスなども展開している。これまで約110社が引き受けに名乗りを上げているという。
厚労省の古都(ふるいち)賢一・老健局振興課長は、コムスンの計画について「われわれの指導におおむね沿ったもの」と評価。「利用者のサービス確保と事業の円滑な引き継ぎができるよう万全を期したい」と述べた。

(毎日新聞より)

<コムスン介護事業の売却先公募 ニチイなど応募姿勢>

グッドウィル・グループ(GWG)子会社のコムスンは1日、介護事業の売却先の公募を始めた。事業の一括引き受けに名乗りを上げていた介護大手のニチイ学館などは老人ホームの買収に応募する姿勢を見せるなど、事業譲渡の作業が本格的にスタートした。
コムスンは訪問介護などの在宅系サービスは都道府県ごとに分割し、老人ホームなど施設系は一括で売却する方針。ニチイは「在宅系には応募しない方向」としており、施設系の買収に名乗りを上げることを検討している。居酒屋チェーンのワタミは介護事業者団体と手を組んで一括買収を表明していたが、渡辺美樹社長は1日、「他社と連携し、うちが老人ホームを、もう1社が(同じ施設系の)グループホームを引き受ける形で応募する」との考えを示した。
在宅系サービスは採算面で厳しいことから、各大手は施設を中心とした争奪戦を繰り広げることになりそうだ。

(毎日新聞より)

<全国有床診療所連絡協議会/有床診の安定的経営の確保がカギ>

全国有床診療所連絡協議会(内藤哲夫会長)の第20回総会が7月28、29日の両日、鹿児島市で開かれた。第5次改正医療法では、1月施行の有床診における入院機能の48時間規制撤廃など、新たな展開が始まっている。有床診の安定的経営をどう確保していくか、次期診療報酬改定をにらんだ対応が始まっている。

◆有床診と病院の入院機能に差別なし 厚労省医政局・二川総務課長

厚生労働省医政局の二川一男総務課長は29日の特別講演で、第5次改正医療法によって有床診と病院の一般病床における入院機能に差がなくなったとあらためて位置付けた。改正医療法による1月に施行された有床診における48時間入院期間制限の撤廃や医療安全確保、情報開示における医療の質の確保などの義務付けで、基本的に有床診と病院の病床について医療法上の差別化が是正されたとしている。このため、次期診療報酬改定は有床診の一般病床の扱いが改正後の、初めての改定になる。
二川課長は、「すでに医療関連団体からも入院基本料についてもっと評価をすべきとの要望を受けている」と発言。改正医療法の的確な医療現場での実現のため、厚労省内の関係部局との協議を進めていきたいとの考えを示した。ただ、同課長は、診療報酬改定については、中医協で議論していくべき課題とも明言している。
質疑では、フロアから有床診の一般病床を「在宅支援病床」と位置付けてほしいとの要望が出された。二川課長は、「有床診の一般病床は在宅医療の拠点になれる。地域住民にとって身近な入院施設として、また短期入院を機能的に行える入院施設、急性期から回復期・維持期の中間的施設、患者ニーズを踏まえた在宅医療の拠点施設になっていけるのではないか」と回答。在宅支援病床という新たな病床区分の規定をするのではなく、患者の病態や患者ニーズを踏まえて進めていくべきとの考えを示した。

◆転換調査に回答困難で緊急動議 日医から行政への申し入れを採択

28日の総会では、2006年度の事業報告、07年度の事業計画案が了承された。
有床診が直面する課題として、療養病床の転換問題がある。都道府県は、今秋の「療養病床転換推進計画」の作成に向け、療養病床を持つ医療機関への転換意向調査を進めている。
この対応をめぐってフロアからは、「有床診の療養病床の転換策については、有床診独自の具体策についての回答が示されていない現状であり、転換策を判断することは困難だ」との統一見解で対応するよう緊急動議が出された。
有床診連絡協では、この緊急動議を採択し、厚労省に対して療養病床の転換策を回答できる状況にないことを申し入れるよう日本医師会に求めていく方針を決めた。
さらに、第5次改正医療法では第13条の入院にかかわる48時間規制が撤廃されたが、一方で医療安全確保などが強く求められている。特に、先の中医協診療報酬基本問題小委で報告された病院の入院患者1人1日当たりの医療安全コストが406円に対して、有床診療所は619円と報告されている。会場からは、スケールメリットが少ない有床診が、医療安全対策などで病院と同様の規定対象になることに危ぐの声が上がった。

◆入院基本料の大幅アップ要望へ

こうした現状を踏まえ有床診連絡協では、次期診療報酬改定や今後の医療制度改革を視野に、<1>有床診の入院機能を適正に評価し、入院基本料の大幅な引き上げを行う<2>診療所の病床に複雑な病床区分や制約を設けず、実態に即した急性期から慢性期・終末期に至る医療・介護が行える自由な病床として、柔軟な特性を維持できるようにする<3>新地域医療計画策定では、連携体制の構築などにおける有床診の明確な位置付けを、各都道府県医師会を通じて行政に求める-ことを盛り込んだ要望書をまとめた。要望書は、総会で内藤会長から日医の唐澤祥人会長に提出された。
特に、今回の要望では診療所の病床に対して医療・介護が行える自由さと柔軟な特性の維持を盛り込んでいる点が注目される。

<単身高齢者支える地域活動に着目>

内閣府はこのほど、2007年版国民生活白書をまとめた。この中で高齢者福祉に関しては、「一人暮らしの高齢者は友人・知人や隣近所の人など、家族以外の人に悩みを相談する割合が高い」などを理由に、単身世帯高齢者を地域社会が支える重要性を指摘している。
白書では、2002年に内閣府が実施した「高齢者の健康に関する意識調査」の結果で、一人暮らしの高齢者が悩みを相談する相手として「友人・知人」が24.0%、「隣近所の人」が7.1%で、いずれも家族らと同居している高齢者も含めた合計(「友人・知人」10.5%、「隣近所の人」2.2%)より2倍以上高いことを指摘。「相談相手がいない」との回答も、一人暮らしの高齢者の9.8%で、全体の4.6%を上回ったことから、「隣近所をはじめとした地域の人々が相談相手の役割を担うことが重要」と訴えている。