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[2007/09/29]
 医療費負担増の凍結確認

<医療費負担増の凍結確認 財源など10月中に結論 >

舛添要一厚生労働相と自民党の谷垣禎一政調会長は27日午後、党本部で会談し、来年4月から予定されている高齢者医療費の負担増を凍結する自民、公明両党の与党方針を確認した。財源確保などを検討する与党プロジェクトチームを新たに設置し、10月中に結論を出すことをめざす。

会談後、舛添氏は記者団に「(凍結は)自公両党の合意だから、やらざるを得ない」と述べ、与党の成案を得た上で政府として正式決定する考えを示した。

負担増部分に国費を補てんすることにより、高齢者の負担軽減を図る方向で調整するが、最大1700億円前後と見込まれる財源確保や凍結の期間などが検討の焦点となりそうだ。

与党内の一部には、負担増を決定した昨年6月成立の医療制度改革関連法などの改正を求める意見もあるが、昨年10月から現役世代並みに所得がある高齢者に対しては窓口負担を2割から3割に引き上げるなど一部の負担増が既に実施されていることから、法改正は行わない見通し。

会談で舛添氏は、来春からの75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度の導入に向け、市町村が進めているシステムの変更や条例制定の準備を考慮すると、10月中に結論を出す必要があると指摘、与党で検討を急ぐよう求めた。

凍結の対象は(1)70−74歳の一般的な所得者の窓口負担を現行の1割から2割に引き上げ(2)75歳以上の一部高齢者からの新たな保険料徴収?の2点。

厚労省の試算によると、窓口負担を1割のまま凍結した場合、医療給付費は計約2500億円の増となり、このうち国庫負担と地方への財政支援を合わせ1300億円の財源確保が必要。新たな保険料徴収も凍結すると、さらに約400億円分を国が肩代わりする必要が生じる。

▽医療制度改革関連法

医療制度改革関連法 高齢患者の負担増や生活習慣病予防の徹底などで医療費の抑制を目指し2006年6月に成立。これにより、70−74歳の窓口負担は、夫婦世帯で年収520万円未満の一般的な所得者は08年4月、現在の1割から2割に引き上げられる。70歳以上で年収がそれ以上ある現役並み所得者は06年10月、従来の2割から3割に上げられた。75歳以上が加入する後期高齢者医療制度も08年4月にスタート。会社員の子どもなどに扶養されている約200万人も、新たに保険料を納めることになっている。

(共同通信より)

<コムスン:障害者サービスも不正、2事業所指定取り消し/東京>

訪問介護大手「コムスン」(港区)が虚偽の事業所指定申請をした問題で、都は26日、障害者サービスの指定申請でも不正があったとして、同社の江戸川中央ケアセンターなど2事業所に対し、障害者自立支援法に基づく10月31日付の指定取り消し処分をした。また、同様の虚偽申請をした芝浦ケアセンター(5月16日廃止)など、既に閉鎖した5事業所を取り消し処分相当とした。7事業所が不正受給した自立支援給付費は、04年6月から今年5月までで総額5500万円に上る。
都福祉保健局によると、他に指定取り消し・取り消し処分相当となったのは、▽平和台▽石神井公園(5月22日廃止)▽板橋本町(5月31日廃止)▽大鳥居(同)▽明大前(同)――の五つのケアセンター。これらの事業所では、勤務する予定がない職員名を記載した申請書で、自立支援法に基づく障害者福祉サービス事業所としての指定を受けるなど、虚偽の指定申請をしていた。また、専従の施設管理者を置くことや、1事業所当たり介護員2・5人とする同法の人員基準未満で事業所を運営していた。
 また、処分相当となった5事業所のうち、芝浦、石神井の2カ所は、同局が介護保険法に基づく指定取り消し処分をする直前に廃止届を提出しており、「処分逃れの可能性が高い」(同局)という。

(毎日新聞より)

<医師・歯科医師6人免許取り消し、61人停止処分>

厚生労働省は27日、刑事事件で有罪が確定したた医師5人と歯科医師1人を免許取り消しとし、医師48人と歯科医師13人を3年から1カ月の医業停止処分にした。医師5人と歯科医師5人については、医業停止はせず再教育だけを課す「戒告」とした。厚労相の諮問機関・医道審議会が同日答申したのを受けた措置。10月15日から発効する。
医師法などの改正により、今回の医道審から処分を受けた全員に倫理や技術の再教育研修が義務づけられる。戒告処分は今回から新設された。
77人の処分は1回の医道審では過去最多。また、免許取り消しの6人も02年6月と並び最多となった。
処分者の中で、診察中に患者を殴ってけがをさせた傷害罪などで有罪が確定した東京クリニック(東京都新宿区)の伊澤純医師(37)が医業停止2年となった。同クリニックは依存性の高い向精神薬「リタリン」を巡り、適応症でない患者に処方していたとして、今月18、19両日、医療法違反(不適切な医療の提供)の疑いで東京都などの立ち入り検査を受けたが、今回の処分内容に医療法違反は含まれていない。
また、99年に横浜市立大付属病院で起きた患者取り違え事故で、医師4人が3カ月の医業停止となった。

(毎日新聞より)


[2007/09/25]
 表記数、ほぼ従来どおりに

表記数、ほぼ従来通りに 反発受け削減頓挫>

医療機関が掲げることができる診療科名を巡り、患者に分かりやすい表記への見直しを検討していた厚生労働省は21日、科名の表記を緩和する見直し案をまとめた。同省は医療法施行令で38に限定されている診療科名を26に削減する案を打ち出していたが、削減対象の科の学会や患者団体から反発が出て事実上頓挫、現在の科名はほぼ従来通り表記できる。年内に関連の政省令を改正し、来年度から実施する。
同日開かれた医道審議会・診療科名標榜(ひょうぼう)部会で了承された。
今回の見直し案は内科、外科、歯科を基本科とし、体の部位を加えた呼吸器内科、消化器外科などのほか、患者の特性に対応したリウマチ科、アレルギー科なども表記できる。小児科、精神科、産婦人科など基本科との組み合わせが難しい科も従来通り表記できる。

(毎日新聞より)

<コムスン在宅介護事業、全移行契約が完了・売却総額52億6900万円>

介護大手コムスン(東京・港)の在宅介護事業売却を巡り、親会社のグッドウィル・グループは20日、47都道府県すべてで事業移行の契約が完了したと発表した。売却総額は52億6900万円。厚生労働省の処分を受けてグッドウィルが介護事業撤退を決めて3カ月あまり。拠点数が最大だったコムスンの解体で、業界の勢力図も塗り替わりそうだ。

グッドウィルはコムスンの施設介護事業の一部や別の子会社も売却しており、介護関連の累計売却額は327億6900万円となる。コムスンは20日に最後まで残っていた三重、熊本の両県分を1億1500万円で売却する契約を同業のセントケア・ホールディングと結んだ。両県では地元企業とそれぞれ交渉したが、不調だった。

在宅介護事業の売却先は企業や社会福祉法人など14事業者。セントケアは最多の14県分を16億1500万円で引き受ける。ジャパンケアサービスは首都圏など13都道県分を22億5400万円で取得する。自治体などから地元企業の選定を求める声もあったが、ニチイ学館を含む大手3社で約7割の32都道府県を占めた。

(日経新聞より)


[2007/09/18]
 渋谷区:介護保険で認められないサービス、独自提供

渋谷区:介護保険で認められないサービス、独自提供/東京>

渋谷区は、介護保険で認められた介護以外にホームヘルプサービスなどを区の予算で追加提供することを決めた。全国でも珍しい制度で、9月議会に提出する補正予算案に盛り込む。桑原敏武区長は「昨年の介護保険法改正による『給付抑制』が区民に影響を与えている。不都合な部分を区の施策で修正したい」と話している。
 区によると、追加提供されるサービスは計5種類。デイサービスは「要支援1」の区民は週1回しか利用できなかったが、週2回利用できるようにする。また、ホームヘルプサービスでは、1回あたりの利用時間が1時間半に制限されていたが、ヘルパーと一緒に買い物をしたり、料理をする時間がとれないため、2時間〜2時間半にする。
そのほか、同居家族がいて生活援助のホームヘルプサービスが制限されている区民には、家族の負担を軽減するため、同サービスの利用回数を増やす。現行では認められていない「通院の付き添い」「散歩や近隣施設への外出介助」「同居者の食事準備」は生活実態に合わせてサービスを提供する。
また、介護が必要でない高齢者でも電気器具や家具の修理、窓の掃除などの作業は負担が大きい。そこでシルバー人材センターに作業を依頼できるようにする予定。
サービスの追加提供は来年1月から開始。追加提供分は12月に作成されるケアプランの中に盛り込まれる。対象者は300〜400人を見込んでおり、今年度は2511万円を予算計上する。
区は「ホームヘルプサービスなどの充実は、『ひきこもり』をなくす効果があるし、認知症の予防や孤独死を減らす上でも重要」としている。

(毎日新聞より)

<80歳以上700万人、高齢人口最多22%>

総務省が17日の「敬老の日」を前にまとめた統計によると、日本の65歳以上の高齢者人口は、2744万人(9月15日現在の推計)で、総人口に占める割合は22%となり、人口、割合ともに過去最高を更新した。

80歳以上の人口は713万人で、初めて700万人を超えた。高齢者人口を男女別に見ると、男性が1169万人(男性全人口の19%)、女性が1575万人(女性全人口の24%)だった。80歳以上の人口は、女性が男性の約2倍に上る。また、2006年の65歳以上の高齢者で働いている人は510万人で、初めて500万人を突破した。

産業別では、農林業が115万人で高齢就業者の23%を占め、卸売・小売業が87万人(17%)、サービス業が86万人(同)、製造業が66万人(13%)だった。企業で働いている高齢者のうち、従業員が30人未満の小規模事業所で働いている人が約6割に上っている。

世帯主が65歳以上で無職の世帯の1か月の平均消費支出(06年)は20万1238円だった。所得から税金などを差し引いた可処分所得は16万5971円だった。不足分の3万5268円は貯蓄の取り崩しなどでまかなっている。不足分は、5年前の01年より8087円多くなった。

また06年の調査では、最も多い趣味は、男女とも約4割が「園芸、庭いじり、ガーデニング」と回答した。

( 読売新聞より)

<3月中旬にインフルエンザ流行ピークの傾向/国立感染症研究所> 

国立感染症研究所感染症情報センターの多屋馨子室長は13日、2007年度都道府県インフルエンザワクチン担当者会議で、過去3年間のインフルエンザの特徴として、3月中旬に全国的な流行のピークがあり、その後一旦は落ち着くものの、4月中旬から北海道や東北地方、沖縄県などで地域的な流行が起こる傾向にあると報告した。


[2007/09/11]
 不正請求14億円越す コムスン

<不正請求14億円超す コムスン>

訪問介護最大手のコムスン(東京都港区)が介護報酬を不正に請求していた問題で、不正請求は9月4日現在で、全国367事業所、不正請求額は約12億3900万円に上ることが10日、厚生労働省の調べで分かった。
10日にはこれとは別に、東京都内の事業所で約2億3600万円の不正請求があったことが明らかとなり、計約14億7500万円となった。まだ集計が済んでいない自治体もあるため、返還額はさらに膨らむ見通し。
不正請求については、市町村が課徴金などを含めて返還を請求することになる。
厚労省は4月10日に、複数の事業所を持ち、広域的に事業を展開する介護サービス事業者を対象に、緊急監査の実施を全国の都道府県に要請。9月4日までに報告されたコムスンの不正は、虚偽申請により指定取り消しになった事業所が32、不正請求額が10億686万円、請求できない介護報酬を請求した不適切請求が291事業所で計2億2068万円だった。監査した同社の訪問介護事業所の4割が不正請求していたことになる。
また訪問介護以外の事業所でも不正請求は計1165万円に上った。

(産経新聞より)

ケアマネとの連携評価 後期高齢者制度 診療報酬骨子案>

厚生労働省は4日、来年度から始まる後期高齢者医療制度の診療報酬の骨子案を、社会保障審議会の「後期高齢者医療の在り方に関する特別部会」に示した。高齢者の長期入院を是正し在宅医療へ誘導、医療・介護関係者の連携・情報共有によりひん回受診や重複投薬の抑制を目指す。患者の病歴や服薬状況を一元的に把握するかかりつけ医や、ケアマネジャーなどの介護・福祉関係者との連携を診療報酬上で重点的に評価すべきとしている。
骨子案は、外来、入院、在宅、終末期医療ごとに、診療報酬上で重点評価する事項を示した。
外来では、かかりつけ医(主治医)が、患者の病歴や受診歴、服薬状況を一元的に把握し、日常生活能力や認知機能などについて総合的に評価、必要な場合は専門の医療機関に紹介する役割を担えるような報酬上の評価を求めている。また、重複投薬を防ぐため、薬剤師をはじめとした医師、看護師による「お薬手帳」を活用した服薬情報の管理や、主治医やケアマネジャーを中心とした介護・福祉サービスとの情報共有・連携の評価を盛り込んでいる。
入院では、退院後の生活を見越した診療計画を策定することを重視。入院中の状況を介護・福祉関係者とのケアカンファレンスで共有し、病院・在宅の関係職種が退院調整・退院前指導に連携して取り組むことができるようにする。

(シルバー新報より)

<日本医師会「主治医」はフリーアクセスを阻害 後期高齢者骨子案を批判>

日本医師会は5日、後期高齢者医療制度の診療報酬体系の骨子案(たたき台)に対する日医の見解を発表した。外来医療で後期高齢者を総合的に診る「主治医」を診療報酬で評価する方向性が、骨子案の中で示されたことについて、見解では「総合科・総合科医の認定を狙っている。初期診療を総合科・総合科医に限定することは、患者から医療選択の権利を奪うものであり、フリーアクセスの否定につながる」と批判した。

厚生労働省は4日の社会保障審議会「後期高齢者医療の在り方に関する特別部会」に提示した骨子案の中で、外来医療で後期高齢者を総合的に診る主治医の役割として<1>受診状況の一元把握<2>日常生活能力などに対する評価の実施<3>専門医への紹介-の3点を挙げ、診療報酬での評価の在り方を検討すべきと明記した。
厚労省保険局が「後期高齢者医療制度の主治医は医政局が提案している総合科とは異なる」としていることについて、中川俊男常任理事は同日の記者会見で「保険局も医政局も同じ厚労省であり、局が違うから別物だという言い訳は、われわれには理解できない。受診歴などの情報を1人の医師に一元化するということは、患者は1人の医師にしか、かかれないということであり、フリーアクセスの阻害につながる」と述べた。
さらに、「そもそもこの案は、医療費の抑制を目指して提示されたことが明白。今月中に開催される社保審の医療保険部会と医療部会で、日医の意見を明確に主張したい」と説明した。
見解ではこのほか、「退院後」との表記が素案の中で目立つとして、「このまま退院が優先されては、医療難民・介護難民が生じる恐れが大きい。医療の必要性が低い患者についても受け皿整備が必要」と指摘した。退院後の生活を見越した評価の手法として、これまでの特別部会の議論でCGA(高齢者総合評価)が例として挙がっていたことについては、「内容を十分に検証した上で運用の可能性を評価すべき」とした。

◆医療費抑制主眼の運用を懸念

また、外来医療での薬歴管理の重要性が指摘されていることに対して、「個人情報の保護に一切、留意されてない」と批判したほか、「後期高齢者の負担を考慮し、制度の持続可能性に留意した効果的・効率的な医療提供の視点が必要」との表記については、「効率化によって給付が縮小することがあってはならない」と指摘し、医療費抑制に主眼を置いた後期高齢者医療制度の運用をけん制した。

◆唐澤会長が舛添厚労相と会談

日医の唐澤祥人会長は5日、舛添要一厚生労働相を就任後、初めて訪問し、社会保障費の在り方や現在の医療問題などについて会談した。唐澤会長は会談後、本紙に対し「(医療をめぐっては)いろいろと難しい課題を抱えており、(われわれの話も)積極的に聞いていこうという姿勢が感じられた」と舛添厚労相の対応を評価。今後も積極的に対話の場を設けたいとの考えを示した。
同日は唐澤会長のほか、竹嶋康弘副会長、宝住与一副会長、羽生田俊常任理事、中川俊男常任理事らが同行し、舛添厚労相と15分程度会談した。
唐澤会長によると、会談で日医は、2007年度から11年度までの5年間で社会保障費1.1兆円を削減するのは「行き過ぎ」といった考え方などを説明。また、救急車の受け入れを断られた妊産婦が流産する問題が全国各地で生じていることを踏まえ、産科医療の現状なども話題にのぼった。日医の考え方を受け、舛添厚労相は一定の理解を示しながらも、医療の無駄を省く重要性を指摘したという。
唐澤会長は本紙に対し、「日医と舛添厚労相は(参院自民党政審会長時代に)もともとお会いしている」と説明し、7月の参院選でマニフェストを作成する際、日医と意見調整した経緯があることを強調。「あらためて詳しい説明を聞きたいとも言っていただいており、理解を得られていると思う」と感触を語った。その上で「今後も対話の場を設けたい」と述べ、次期診療報酬改定に向けて日医の考えを積極的に主張していく考えを示した。中川常任理事はまた、「今後も中医協の場などを通じ、日医としてしっかり主張してもらいたいと言われた」ことを紹介した。
唐澤会長らは舛添厚労相との会談後、西川京子厚労副大臣らとも面会した。

<DPC病院1433病院に>

厚生労働省は8月29日の中央社会保健医療協議会診療報酬基本問題小委員会に、六月に募集を締め切った平成19年度の新規DPC準備病院が702病院であったことを報告した。平成18年度の準備病院371とあわせ1073病院となり、対象病院360病院をあわせると1433病院となった。病床数は45万7691床で、一般病床全体90万4199床の半数を占めることになった。
DPCは急性期を対象とした日本型の診断群別支払定額方式で診断群分類毎の1日当たり点数に医療機関別係数をかけることが認められている。平成18年度には診断群分類総数は2347、うち包括対象分類は1438となった。

◆新規200床未満が半数

厚労省の資料によると、新たに準備病院に参加した702病院のうち500床以上が56病院と7・9%と一割に満たないのに対し、100床未満は148病院(21・0%)で、300床以上では217病院(30・9%)に過ぎなく、200床未満は342病院と約半数に上ることも分かった。
厚労省ではDPCに参加する関連病院が高度急性期病院の枠組から逸脱し始めたと判断し、DPCに参加する医療機関を診療実態別に評価する基準の再検討を診療報酬専門組織DPC分科会に指示した。
DPC導入当初の平成15年度、対象病院になったのは大学病院を中心とする特定機能病院であった。厚労省は平成16年、18年の診療報酬改定に当たって対象病院の拡大を指示してきた経緯がある。対象病院が拡大することにより病床規模の大きな総合病院から、専門病院まで幅広くなっており、満たすことが「望ましい要件」については、特定集中治療室を備える病院数が484、5項目全てを満たすのは107病院、4項目をみたす346病院と4項目以上満たす病院が453病院と約3割となり、「望ましい要件」に完全に一致しない病院(160病院)の参加も見られることから、診療の実態別に評価基準を検討する必要があると判断したと思われる。
算定請求ルール、調整係数の見直しも
厚労省が検討すべき課題としたのは、いわゆるアップコーディングにより診断群分類の決定が不適切な事例があるがレセプト上では審査困難になっているため、算定・請求のルールづくりに加え、粗診粗療の防止のためのルールづくりの検討だ。医療機関別係数については前年の収入実績と大きく乖離しないよう収入が得られるよう調整係数が用いられていたが、多様な医療機関の参入により医療機関の特性を評価する係数を検討することと、現在DPC対象病院に使われている調整係数は廃止することなどである。
特定機能病院で行われてきた調整係数の廃止の検討とともに特定機能病院の機能分化についても検討されている。外来機能の是非や高度先進を標榜する以上課題となる診療科全体の底上げである。また次々回診療報酬改定で項目検討と目されているのは急性期病院のうち高度先進、一般、亜急性期である。亜急性期はすでに機能分化を終えたとされるが、高度先進と一般をさらに機能分化しようというもの。高度急性期は看護配置を7対1から4対1にし、入院に特化した医療を専門的に行うものだ。国立病院のナショナルセンター、国立病院のセンター機能を持つ病院がターゲットとなっているようだ。


[2007/09/07]
 総合医への重点報酬に反対

<総合医への重点報酬に反対 医療選択の権利奪うと日医>

日本医師会(日医、唐沢祥人会長)は5日、75歳以上を対象に来春スタートする後期高齢者医療制度で、外来患者の生活能力を総合的に診る開業医などに診療報酬を手厚く配分するとした厚生労働省案に対して「患者から医療選択の権利を奪い、フリーアクセスの否定だ」と反対する見解をまとめた。

厚労省は、こうした開業医を認定する総合科構想を進めているが、日医は「初期診療を総合科、総合科医に限定することを狙うもの」と批判。以前から総合科医認定制度を新設すれば官僚の権益が拡大する上、地域の医療提供体制全体の管理統制につながると強く反発している。

また厚労省案は「高齢者は在宅へ」という方針が強調され過ぎていると指摘。「このままでは退院が優先されることになる。受け皿整備が先決」としている。

(共同通信より)

<終末期医療:「延命」より「緩和ケア」後期高齢者の骨子案提示、診療報酬を手厚く>

厚生労働省は4日、08年4月にスタートする後期高齢者医療制度の診療報酬体系骨子案を、社会保障審議会の特別部会に提示した。終末期医療について、患者本人に「希望する診療内容」を書面で示してもらい、容体急変時の対応をあらかじめ家族に伝えていた場合には、診療報酬を手厚くすることを検討材料に挙げている。患者の意思を確認したうえで、医療費を押し上げている延命治療を減らすことを意図したものとみられる。

後期高齢者医療制度には75歳以上の人全員が加入する。骨子案では、留意すべき事項として医療費抑制方針をにじませている。

新制度加入者は「この制度の中で死を迎える」としており、痛みの緩和ケアを促進するため、医療用麻薬の管理方法を患者や家族に指導した薬剤師への報酬を厚くすることも挙げた。

このほか、診療報酬の加算を検討すべき事項として、(1)外来で主治医が患者の病歴、服薬状況、他の医療機関での受診状況を一元的に把握し、患者を総合的に評価できている(2)介護、福祉サービス提供者と連携し情報を共有している−−などを列挙し、開業医を主治医とする在宅医療の推進を強調している。

(毎日新聞より)

<社員3500人がコムスン離れ…6、7月>

◆退場宣告3か月 急いだ選定

グッドウィル・グループの「コムスン」(東京都港区)が介護事業からの退場を迫られてから約3か月。7万5000人もの利用者の受け皿は、当初に想定されていたよりもずっと早く固まった。

しかし、「遅くなれば利用者の不安が募る」と譲渡先の選定を急いだ結果、現場ではヘルパーの退職など混乱も出ている。「これまでと同じ人にサービスを受けたい」という利用者の願いは届くのか。

介護報酬水増しなどが相次いで明るみに出た後、将来への不安からコムスンを離れるヘルパーが後を絶たない。同社によると、4月時点で約2万4000人いた社員のうち、厚生労働省から事業所の新規指定を認めないとする処分が発表された6月に2700人、7月には831人が退職した。

「会社にはないしょだが、利用者を引き受けてもらえないか」。8月下旬、九州地方で訪問介護事業所を運営する女性は、知り合いのコムスンのケアセンター(介護事業所)長の言葉に驚かされた。センター長の話では、ヘルパーが数人辞め、請け負っている訪問介護サービスに手が回らないのだという。「会社からは、利用者を一人でも多く引き留めるよう言われるが無理だ」と、涙ながらに窮状を訴えられたという。

 首都圏のある女性ケアマネジャーは8月上旬、コムスンからヘルパーの派遣打ち切りを通告された。深夜の身体介護サービスを担当していたヘルパーが退職し、代替要員が見つからないためだという。

 約1か月後、24時間サービスをうたう別の事業者が名乗り出たが、深夜にサービスができるヘルパーは1人だけ。このケアマネジャーは「コムスンと同じ介護サービスを続けられるのか正直、不安だ」と語った。

◇不正の温床となった法令順守や適正な業務運営の意識に欠ける企業風土の改善も待ったなしだ。コムスンの不正に最初に切り込んだ東京都では、異例の運営指導に乗り出している。

先月31日午前10時、新宿区にあるコムスンの訪問介護事業所。都福祉保健局の職員3人は、管理者やサービス提供責任者に矢継ぎ早に質問を浴びせた。

「利用者に事故が発生した時の対応はどうしていますか。記録のファイルを見せてください」「サービスに関する重要事項をきちんと説明していますか」「ヘルパーの管理はどのように行っていますか」

都職員が行っているのは、違法行為を見つける監査ではなく、適正な業務運営などを助言する任意の指導だ。

「大切なことは、利用者の立場に立ったサービスを心がけることです」。都職員は、繰り返し介護サービスの心得を説き、コムスン社員とのやりとりは約1時間続いた。同局は今月中を目標に、都内56か所にあるコムスンの訪問介護事業所すべてで、運営指導を実施することにしている。

本来、職員教育は事業者の責任だが、コムスンでは不祥事の後、具体的な再発防止策を打ち出していない。このため、都の担当者は「不正かどうかを判定する審判ではなく、正しいやり方を教えるいわばコーチ役です」と話す。

都介護保険課は「事業譲渡で経営主体は代わっても、現場の職員はコムスン時代と変わらない。移行後のサービスの低下を防ぐために、何よりも現場の意識改革を促したい」と運営指導の意義を強調している。

◆利用者「変わらぬサービスを」

2年前から町の社会福祉協議会に代わって、コムスンが訪問介護事業を全面的に請け負っている北海道利尻島の利尻富士町。既存の公共施設や人材を活用する“離島モデル”として知られ、町民23人がサービス提供を受けている。

北海道では「ジャパンケアサービス」が譲渡先に決まったものの、人口3000人強の約3割が65歳以上という過疎の町に広がった不安は、なかなか消えない。

左半身が不自由で、外出介助などを受けている雨森よしのさん(74)は、「会社は代わっても同じヘルパーさんが来てくれると聞いているので安心している」とホッとした様子を見せるが、夫の豊さん(80)は「サービス内容や料金がどうなるか。会社によっていろいろ違うやり方もあるだろうが、これまで通りやってもらわないと」と不安そう。

自力で食事や入浴はできないだけに、生活にヘルパーが欠かせないALS(筋委縮性側索硬化症)患者にとっても、心配は尽きない。千葉県船橋市で独り暮らしをする長嶋明美さん(43)は、コムスンのヘルパーから毎日、薬の服用や就寝準備などの介助を受ける。

かすかな声でしか話せない長嶋さんにとって、なじみのヘルパーが交代するのは切実な問題だ。「コムスンの従業員の中には、譲渡先以外の事業所に職場を変える人もいると聞いているので、同じ人が来てくれるかどうか」とつぶやいた。

(読売新聞より)


[2007/09/04]
 コムスン在宅系事業の売却先決定

<コムスン在宅系事業の売却先決定…30都道府県で大手>

訪問介護最大手「コムスン」(東京都港区)は4日、不正申請による事業所指定取り消しに伴う在宅系事業の売却先を決定し、厚生労働省に報告した。売却は都道府県別で、全国展開する大手の3社が30都道府県を占めるなど、営利企業が大半を占めた。老人ホームなどコムスンの施設系事業を継承した「ニチイ学館」(千代田区)は、さらに5府県の訪問介護なども引き受けることになり、業界最大手の地位を固めた。
コムスンは施設系と同様に第三者委員会(委員長・堀田力弁護士)に選定を委託し、答申をそのまま受け入れた。
売却先と都道府県数の内訳は▽ジャパンケアサービス(豊島区)13▽セントケア・ホールディング(中央区)12▽ニチイ学館5▽サンキ・ウエルビィ(広島市)4▽医療法人徳洲会(千代田区)2▽その他11。運営形態別では▽営利企業41▽病院3▽社会福祉法人2▽NPO法人1。サンキ社は中国地方で介護事業を展開する株式会社。
第三者委員会によると、最終的に応募があった252法人(675件)からまず、財務やサービスの継続、職員の継続雇用などに問題がある法人をふるい落とし、地域密着で活動をしている非営利法人や企業を優先して売却先に決めた。該当する法人がない場合は地元に関係の深い大手、それもない場合は、大半の都道府県で応募したニチイ学館を選んだという。
第三者委の堀田委員長は会見で、結果的に社会福祉法人やNPO法人がわずかだったことについて「応募が少なく、基本的条件も満たしていなかった」と説明。一方で「在宅介護は地域の中できめ細やかに対応してこそ、サービスの高い福祉につながる」と、本来は地域密着の法人が引き受けるのが望ましいとの見解を示した。
コムスンの樋口公一社長は「一日も早く利用者の不安を解消し、サービスを円滑に継承するよう努力したい」と述べ、5日に売却先の担当者を集め、譲渡手続きに入ることを明らかにした。介護の全事業を譲渡した後も、サービスの内容や売却先の法令順守を確認する第三者機関を設け、当面は解散せずにその運営に当たるとしている。
また樋口社長は、厚労省の取り消し通知を受けた後の6〜7月の2カ月で、在宅サービスの顧客の1割弱に当たる約6400人が利用をやめ、ヘルパーら約3500人が退職したことを公表した。

(毎日新聞より)

<平成20年度厚生労働省予算概算要求22兆1604億円 前年度比3・2%増>

厚生労働省は平成20年度予算概算要求を発表した。前年度予算額に比べ6835億円(3・2%)増の22兆1604億円となった。国全体では85兆円を超えるため、厚生労働省予算は国家予算の4分の1を有に超える。なかでも年金・医療などの社会保障費などは20兆6123億円(前年度比4214億円(2・0%)増)で厚生労働省の予算の大半を占めている。
予算要求の大きな柱は医師確保対策など医療提供体制に関わる費用765億円である。医師確保対策は緊急臨時的医師派遣システムの構築(医師派遣体制の構築、医師派遣協力病院の整備など)に30億円、病院勤務医の過重労働解消のため医療事務補助者の配置に13億円、女性医師の復職、女性医師バンク体制充実などに23億円、小児科・産科の集約化を行う地域拠点病院づくりとネットワーク構築などに93億円などとなっている。
医療提供体制構築の765億円の大半を占める「安心・安全で質の高い医療基盤整備」676億円には、ドクターヘリほか救急医療体制整備に95億円、へき地保健医療対策55億円、新人看護師への医療安全研修など看護職員の資質向上、就業継続支援に102億円などとなっている。
健診データと医療データの相互利用を念頭に置いたモデル事業に1・4億円要求する。レセプトオンライン化の推進に23億円となっている。
医療費適正化の関連では、生活習慣病対策のうち糖尿病などの予防のためのテーラーメイド予防・治療の研究開発などに51億円、新規項目では平成20年4月から始まる特定健診・保健指導の実施に571億円を要求する。医療療養病床から介護保険施設等への転換助成金として28億円を想定している。
◆がん対策に282億円。放射線治療機器や乳がん検診用の機器整備
がん対策では33・0%増の282億円を要求した。がん診療連携拠点病院への放射線治療機器を緊急整備し、専門知識、技能を持つ医師等の養成で74億円、緩和ケアでは医師に対し専門知識、コミュニケーション技術を研修し、緩和ケアを希望する患者に相談・支援と在宅ホスピスケア推進などに7・4億円となっている。
新規事業としてがん診療連携拠点病院に乳がん検診用のマンモコイルを緊急整備するため11億円を要求するほか、がん診療連携拠点病院での遠隔病理診断システムを構築するなど、がん医療水準均てん化の促進のため42億円、がん研究に103億円を盛り込んだ。
介護保険関係では「高齢者安心住空間整備」に関わる介護基盤の整備で523億円。団塊の世代を対象とした「元気高齢者支援対策」に235億円を要求している。
8月上旬、経済財政諮問会議で決定した社会保障関係費自然増分7500億円のうち2200億円の削減要求は、平成20年度から薬価の引き下げ、後発医薬品の使用促進で1100億円を捻出し、残りは政管健保への国庫負担分の削減などで充当する案を8月初めに柳沢前厚労相が公表したが、財界からの反発も予想され年末まで綱引きが続く。


[2007/09/03]
 舛添新厚労相が指導

<舛添新厚労相が始動「政治のリーダーシップ」を評価 「閣僚経験なし」に不安も>

安倍改造内閣の発足に伴う閣僚・副大臣・政務官人事が終わり、厚生労働省は舛添要一新大臣をトップに新体制をスタートさせた。医療界が最も関心を注ぐ来年4月の診療報酬改定や医療制度改革の着実な実行、年金記録問題の処理など課題は山積している。

◆地域医療再生に意欲

「(地域医療が崩壊しているという指摘に対して)何で手当てするか。診療報酬改定では、地域医療を再生させられる部分に予算を重点的に振り分けたい」
安倍改造内閣で厚生労働大臣に抜てきされた舛添要一氏(自民党参院議員)は8月29日に本紙などとの記者会見に臨み、来年4月の診療報酬改定の方向性をこう明言した。
医療界の最大の関心事は、舛添厚労相が来年4月の診療報酬改定での対応をどう判断するかだ。過去3回にわたって本体の改定率の引き上げが見送られたことで、医療現場が限界に達しているという指摘は強い。
日本医師会の唐澤祥人会長は同日、「懇談する機会を得たい」と近く新大臣に対し、医療政策などについて意見交換を申し入れる考えを述べた。
7月の参院選では自民党が大敗し、参院で与野党が逆転。このため、年金記録問題の処理や労働法制などが焦点となる臨時国会(10日招集)を乗り切るためにも、厚労相には当初、社会保障分野に精通した閣僚経験者を充てるのではないかとの観測が強かった。
ある厚労省幹部は内閣改造前、「今度の大臣は参院でサンドバッグになる」と見越し、新大臣候補として丹羽雄哉氏(前自民党総務会長)、鈴木俊一氏(自民党社会保障制度調査会長)、長勢甚遠氏(前法相)ら、医療施策に深くかかわってきたエキスパートの名前を挙げていた。
また、ある職員は「政権浮揚のためのサプライズがあるのではないか」として、旧厚相の経験もある小泉純一郎前首相の就任もありえると予想していた。

◆社会保障分野にも

大方の予想と異なった舛添厚労相だが、これまで社会保障政策とまったく縁がなかったわけではない。認知症の母の介護経験が政界入りのきっかけになったことは知られているが、大臣就任の直前まで務めていた参院自民党の政策審議会長時代には、算定日数上限をめぐって患者団体が反発していたリハビリ問題などにもかかわった。
広く政策を議論する政審の場で、リハビリに絞った個別テーマを取り上げるのはまれだ。舛添厚労相は当時、「衆院の厚生労働部会と同じことをやっていたのでは意味がない。私が政審会長になったのだから、これまでと同じようなやり方をするつもりはない」と熱っぽく語っていた。
政府の2008年度予算編成の基本方針となる「骨太方針2007」でも参院自民党の窓口を担った。日医の中川俊男常任理事は会見で、「『骨太の方針2007』の策定過程では、十分な時間をもらって日医の考え方を説明してきた。日医の考えはご存じだと思う」と述べ、理解が得られるのではないかとの感触を示した。
舛添厚労相は7月の参院選で自民党が相次いで議席を失う中、票を減らしつつも比例区で2期連続のトップ当選を果たした。もともと自民党の青木幹雄前参院議員会長ら重鎮の信任が厚く、参院で最も閣僚に近いとされる政審会長への就任自体も大抜てきだった。
安倍政権に対しては、辛らつな批判をたびたび繰り返してきたが、会見では「総理や大臣が憎いという個人的な感情ではない」と説明。結果として、批判勢力の吸収で「挙党態勢」をアピールしたい安倍改造内閣の象徴に祭り上げられた。

◆予防にも保険適用を

省内では「舛添カラー」がどんな形で現れるか注視している。
27日深夜の初登庁では、玄関前に居並ぶ辻哲夫前厚生労働事務次官や局長をはじめとする幹部を素通りし、まっしぐらにエレベーターに乗り込むそぶりをみせた。もともと「国民の視点」を強調していただけに、ある幹部は「官僚なんて関係ないという意味なのか」と振り返る。
また「閣僚経験がなく、行政のトップとしての手腕は未知数」「政治の世界でもリーダーシップを発揮していたので、行政でも厳しく指導してもらえることを期待している」など省内の反応はさまざまだ。
本紙などとの会見では、医療制度改革に関連して「治療より予防が重要」と強調している。自らも毎朝、自宅の近くの公園でラジオ体操に取り組んでいるエピソードなども披露しながら「病気になれば保険が適用されるのに、その前の予防に対しては何も付かないという発想を変えたい」とし、新たに予防にも公的医療保険を適用できないか検討する考えを示している。
医療機関にとって大きな課題となる療養病床の転換や、医師不足問題についても一定の事情は把握しており、「省を挙げて努力したい」とよどみなく答えた。

<周産期センター 受け入れ要請3分の1を断る 05年度>

切迫早産などハイリスクの出産に対応する全国の総合・地域周産期母子医療センターで、05年度にあった受け入れ要請のうち、約3分の1は満床などのため対応できなかったことが、毎日新聞の調査で分かった。受け入れできなかった件数は、判明分だけで約3000件に達する。地域センターの中には、産科の休診などで機能していない施設があることも判明。医師不足の中、周産期医療(出産前後の母子への医療)の「最後のとりで」が十分に機能を果たせていない実情が浮かんだ。
調査は、総合周産期母子医療センターと地域周産期母子医療センター計272カ所(2月現在)を対象に実施。05年度の搬送要請件数などについて尋ね、149カ所(55%)から回答を得た。
その結果、記録が残っていた分だけで、母体の搬送要請が延べ9932件あったが、2916件は受け入れできなかった。要請のうち700件は都府県境を越えた要請で、半数を超える370件は受け入れできず、19病院に断られた昨年の奈良・大淀病院のようなケースが各地で発生していることをうかがわせる。
受け入れできなかったケースで最も多い理由を尋ねたところ、「新生児集中治療室(NICU)が満床」が75カ所。「母体胎児集中治療室(MFICU)が満床」は16カ所、「診療できる医師がいなかった」は14カ所だった。
 受け入れ数を増やすために最も優先度が高い対策については、▽医師の増員60カ所▽NICUの増床56カ所▽後方支援施設を作る18カ所――の順。医師以外のスタッフ増員を求める回答も5カ所あった。
また、地域センターの中に、ハイリスク出産を受け入れていないなど、事実上機能していない施設が16カ所あった。理由は「大学病院へ産婦人科医が引き揚げられていなくなった」(北海道立紋別病院)、「産科医が大学病院への引き揚げなどでいなくなり、産科を休止しNICUも閉鎖した」(東北厚生年金病院)、「小児科の常勤医が05年6月退職し、休診している」(天草中央総合病院)などだった。
総合センターはMFICU6床以上、NICU9床以上などを備えた施設で、都道府県が指定。国は08年3月までに全都道府県で最低1カ所の設置を求めている。地域センターは、24時間体制で緊急帝王切開手術などに対応できる施設で、都道府県が認定する。

(毎日新聞より)


[2007/09/01]
 標榜科の表記、限定せず緩和へ

<厚生労働省/標榜科の表記、限定せず緩和へ 修正案まとめる>

調整が難航している標榜診療科目の表記方法見直しをめぐり、厚生労働省は修正案をまとめた。標榜できる診療科目を具体的に限定せず、包括的に規定する方向で緩和する。当初案に盛り込んだ区分は改め、「内科系」「外科系」を基本に3分類する。来月にも開く次回の医道審議会医道分科会・診療科名標榜部会に再提示する。ただ今後、さらに関係者との調整を加えるため、修正案の内容はなお流動的だ。

修正案は、医政局の松谷有希雄局長が23日、日本医師会と厚労省が共催する社会保険指導者講習会で示した。
現在、医療機関が標榜できる診療科目は、医療法施行令で規定された医科で33の診療科となっている。修正案では、臓器や体の部位、症状・疾患などについて、「内科」「外科」と組み合わせて標榜できる形に改めることになる。ただ小児科、精神科など、「内科」「外科」と組み合わせることが困難なものについては、別途表記できるよう検討する考えだ。
松谷局長は、標榜診療科目の表記方法見直しについて、先行して行った広告規制本体の見直しと同様に、「原則として、客観的な評価が可能な診療科の表記を認め、患者から見て分かりやすくするという2つの考え方が基本にある」と説明した。ただ標榜できる診療科目は拡大される一方で、「(標榜可能なものは)客観的に評価できるものに限る。『世界一うまい外科』などは認めない」ともくぎを刺した。
今後の部会での審議について、「医療の世界では、診療科は基本的な単位であり、(関係者の)関心も深いので、各学会などの意見を踏まえて、議論してもらいたい」と慎重な姿勢を見せた。
厚労省の当初案は、33診療科を内科、外科など基本領域に属する20診療科に整理し、このほかの診療科は専門領域として補足表記する内容だったが、関係学会から反発が起きていた。
医政局の二川一男総務課長は本紙に対し、「これまで厚労省の説明の仕方が悪く、学会などに誤解される部分があった。そういった点を誤解のないように改めたことが今回の見直し案の柱。従来の見直し案と基本的な考え方は変えていない」と説明した。

<特養ホームさくら苑:死亡事故 「1人介護」常態化 /東京>

東大和市の特別養護老人ホーム「さくら苑」(米持尚利苑長、定員80人)で、男性職員(51)が寝たきりの女性入居者(89)を入浴介護中、落下させて死亡させた業務上過失致死事件で、男性職員は一人で女性をストレッチャーからベッドに移そうとしていたことが29日分かった。入浴中は2人以上で介護することになっていたが、指導が徹底されていなかった。東大和署は業務上過失致死の疑いで詳しい事情を調べている。
同日、会見した米持苑長によると、男性職員は以前から1人で女性を抱きかかえてベッドに移していた。当時、浴室内にいた女性職員も別の入居者の入浴介護中で、落下を見ていないという。同苑はこうした「1人介護」を知りながら、指導を徹底していなかった。
米持苑長は「苑、職員ともに過失がある」と認めて遺族にも謝罪した。公表が遅れたことについて運営する多摩大和園の五味敏雄理事長は「警察の捜査結果を受けて発表しようと思った」と言葉を濁した。また、職員の処分も警察の捜査の結果を踏まえ審議するという。同苑では昨年8月、別の男性職員が認知症の女性に暴言を吐いた問題が発覚している。

(毎日新聞より)

<11月1日にニチイ学館に譲渡へ>

訪問介護最大手のコムスンは28日、有料老人ホームなどの居住系介護サービス事業を介護業界最大手のニチイ学館に210億円で譲渡すると発表した。譲渡日は11月1日。

ニチイ学館に決まった理由についてコムスンの第三者委員会は27日、事業譲渡後にニチイ学館が事業所の新規開設を都道府県に申請した場合、なんらかの理由で指定が遅れたとしても半年間は自社の資金でサービスを継続できるとしたことや、グループホームの指定人員基準に必要な管理者研修の受講者を確保できたことを挙げた。ほかには、訪問介護などの在宅系サービスを全国展開し、財務基盤が良好な点や、3000人の従業員の雇用確保や雇用条件の維持を約束していることも評価した。

事業の移行が決まったのは、有料老人ホーム26ヵ所とダループホーム183力所。

ニチイ学館のほかに居酒屋チェーンのワタミなど51法人が応募していた。

<全都道府県の医学部定員増で医師養成 最大で年395人>

厚生労働、文部科学、総務の3省による地域医療に関する関係省庁連絡会議は8月30日、2008年度から各省が取り組む緊急医師確保対策を了承した。この中で文科省は、全都道府県での医学部定員増を認めることによる緊急臨時的な医師養成に乗り出すことを表明した。08年度に開始予定の医師不足が特に顕著な10県11大学での定員増(各10人)などと合わせ、最大で1年に395人の定員増となる。