
<ヘルパー1級課程、12年度に廃止へ>
厚生労働省は2012年度をめどに訪問介護員(ホームヘルパー)養成1級課程を廃止する方針を固めた。2級課程は当分の間続ける考え。
厚労省は介護職の専門資格について、国家試験に合格した介護福祉士と、一定時間の研修を修了すれば認定されるヘルパー2級では提供するサービスの質に差があるとして、将来的にヘルパー1級と2級をなくして介護福祉士に統一する方向で検討している。
ヘルパーが介護福祉士資格を取得できるよう、2006年度に「介護職員基礎研修」を創設。研修修了者が介護福祉士国家試験を受験できるようにする仕組みを現在検討中だ。
研修修了者はヘルパーの任用資格を得られるため介護現場で働くことができ、サービス提供責任者になれる。500時間の研修が必要だが、ヘルパー有資格者には研修時間の免除がある。ホームヘルパーの資格自体はすぐにはなくならないが、3級課程修了者は09年度から介護報酬の算定要件から外れるなど、厚労省は段階的に介護福祉士に統一する方針だ。
厚労省は2月27日、自治体の介護保険担当者向けの会議で、「まずは訪問介護員1級課程について、2012年度をめどに介護職員基礎研修に一元化を図る予定」と述べ、サービス事業者や関係団体などに周知するよう求めた。2級課程については「こういうルートも必要だということもあるので、当分の間は養成を継続する」と述べた。
◆基礎研修、実施自治体は半数
厚労省はまた、介護職員基礎研修について、実施しているのは29都道府県で134事業所にとどまるなど普及が進んでいない実態を説明。都道府県には積極的に研修を周知し、研修事業所の指定を進めてほしいと要望した。
500時間を必ず履修しなければならないと思い込んでいる有資格者もいるかもしれないとの懸念を示し、ヘルパー1級で実務経験が1年以上ある人は60時間の研修でよいなど、免除があることを周知してほしいと訴えた。
<看護師の離職率、大都市圏で高く>
病院に勤務する常勤看護職員の離職率は、大阪府や東京都などの大都市圏で高い傾向にあることが、日本看護協会(久常節子会長)が2月28日にまとめた調査から分かった。
また、離職率を下げるための取り組みでは、パートタイマー制など多様な勤務形態の導入に「効果があった」と感じている病院が多かった。日看協は「子育て期間中だけでも短時間で働ければ勤務は続けられる」と話している。
調査は昨年10月、全国の9、059病院を対象に実施し、2、815病院が回答した(回収率31.1%)。
結果によると、常勤看護職員の離職率の全国平均は12.4%。都道府県別では、大阪府(16.8%)、東京都・奈良県(16.0%)、神奈川県(15.4%)などで高く、逆に石川県(7.0%)、秋田県(6.4%)、山形県(5.6%)などでは低かった。
最高の大阪府と最低の山形県の間には3.0倍の格差があり、大都市圏での離職率の高さが際立っている。
また、現場が取り組んでいる離職防止策は「医療安全対策の充実」(95.5%)、「病院・看護部門の理念や方針の周知」(94.2%)、「教育研修体制の充実」(93.3%)など。
これらの対策で実際に効果を感じている病院が最も多かったのは、夜勤専従やパートタイマー、短時間労働の導入など「多様な勤務形態」の導入だった(取り組み病院の69.7%)。「子育て支援の充実」(同61.5%)や「教育研修体制の充実」(同61.1%)を挙げる病院も多かった。
◆新卒看護職員の離職率は看護配置手厚いほど低く
調査からはこのほか、病院で働き始めてから1年以内の新卒看護職員の離職率が、看護配置の手厚い病院ほど低くなる傾向にあることも分かった。
7人の患者に看護職員1人(7対1)を配置する病院の新卒看護職員の離職率が8.5%だったのに対し、患者15人に看護職員1人(15対1)を配置している病院では14.6%。看護配置が15対1に満たない場合の離職率は20.0%に跳ね上がった。
<女医バンク」就業件数53件に>
女性医師の再就職などを支援するため、昨年1月に開設された日本医師会(日医)の「女性医師バンク」の運用状況がまとまった。1年間で就業が成立したのは53件、再研修の紹介が4件だった。
同バンクは一昨年11月、日医が厚生労働省と「医師再就職支援事業」の委託契約を締結。日医内に「日本医師会女性医師バンク中央センター」を設け、昨年1月に業務を開始した。
業務開始から丸1年となる同バンクの登録状況では、求職登録者が256人、求人登録施設が715施設、求人登録が1、263件だった(今年1月29日現在)。その中で、就業成立は53件、再研修紹介が4件で、ほかに就業相談後に同バンクに登録がない医療機関に就業が決定したケースと現在の勤務先で就業継続につながったケースが合わせて8件あった。
また、登録時に就業中だった人の求職理由は、「非常勤勤務中であったが、時間・回数・内容の充実を求めた」、「非常勤勤務中であったが、常勤での勤務を求めた」、「常勤勤務中であったが、転居のため」などだった。
一方、登録時に未就業だった人の未就業理由は、「出産・育児」、「転居(結婚など家庭の事情)」、「本人の病気」の順に多かった。
出産・育児を理由に勤務を中断したケースが多いことなどについて、日医は「状況に応じて勤務を増やしていきたい女性医師のニーズが存在している」と指摘している。
さらに、就業・再研修決定者の現状に関しては、「継続中(常勤は全員)」が80.7%、「これから就業」が7.0%で、「中断」は12.3%に過ぎなかった。
中断理由は、「常勤での就業が可能な他施設への変更」や「通勤(時間)に無理があったため」などで、日医は「ほとんどの就業決定者が就業を継続しており、今後も継続の意志を持っている」とし、「女性医師の就業継続に向けて、女性医師のモチベーションをいかに維持するかについて考慮することが必要」とみている。
<4月から引き下げ」大勢 情報の公表手数料>
介護サービス事業者から「高すぎる」との大ブーイングだった情報の公表の調査事務手数料・公表事務手数料について、大半の都道府県が来年度から引き下げる見通しであることが本紙の調べで分かった。
新年度から予防サービスやショートステイなど22サービスが公表対象に加わるが、別途手数料は徴収しないというのが大勢だ。「制度施行から2年が経過し、事務作業の効率化が進んでいる」というのが引き下げの建前の理由だが、事業者からの突き上げや、厚労省からの引き下げ圧力がかかったことが実際の理由のようだ。
06年度から導入された介護サービスの情報の公表は、調査機関の調査員が各サービス事業所に出向いて調査を行う際の「調査事務手数料」と、その結果を都道府県が指定する情報公表センターが公表する際の「公表事務手数料」を、事業所が負担して費用をまかなう。手数料は都道府県ごとに設定する。初年度の手数料平均額は、公表手数料が1万2845円、調査事務手数料が4万2041円(厚労省、07年7月まとめ)。
調査手数料はサービスの種類ごとににかかるため、複数サービスを展開している事業所や小規模の事業所には重い負担だ。「手数料で天下り先をつくっている」「情報が利用者に活用されていない」という不満がくすぶっている。前回改正で導入された仕組みの中で、おそらく逆風はナンバーワン。 「高すぎ批判」を受け、昨年度香川県、高知県、岡山県、広島県、北海道の5道県は手数料を引き下げた。
(シルバー新報より)
<4つの柱が盛り込まれた点は評価できる 日看協>
日本看護協会は28日の記者会見で、2008年度診療報酬改定について「厚生労働省に要請していた『4つの柱』がすべて盛り込まれたのは成果といえる」との見解を示した。要請していたのは、?産科・小児科への重点評価?診療所・病院の役割分担等?病院勤務医の事務負担の軽減?救急医療対策―の4点。その中で、「7対1看護の堅持、退院時当日の訪問看護などの要望が実った」という点を特に評価した。
同協会は、要請実現を評価した一方で、「訪問看護支援医療費は12年ぶりに引き上げられたが、依然として低く、24時間体制の訪問看護を拡充し、盤石な在宅医療の仕組みを構築するには力不足と言わざるを得ない」とした。
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