サイト内検索


[2008/04/23]
 病院の5割、院内暴力・暴言被害

<病院の5割、院内暴力・暴言被害>

医師や看護師ら病院職員が患者とその家族から身体的・精神的暴力を受けたことがある病院が、全国で5割に上ることが「全日本病院協会」の調査で分かった。全体の6割が院内暴力・暴言に対して「不安を感じる」と回答したが、対応マニュアルのある病院は2割弱で、4割は職員からの報告体制も確立していない。

調査は昨年12月-今年1月、同協会会員の公立・民間病院計2248カ所を対象に実施、49%の1106病院が回答した。

暴力・暴言は52%の病院が経験し、計6882件に上った。うち9割は患者本人からのものだった。最も多かったのが職員を罵倒(ばとう)するなどの精神的暴力で3436件。身体的暴力(2315件)、セクシュアルハラスメント(935件)などが続いた。警察への届け出や弁護士への相談は7・9%(541件)にとどまっており、院内で対応する傾向が強い状況がうかがえた。

また、61%の病院が院内暴力・暴言に「不安がある」と回答した。しかし、41%の病院は職員からの報告体制も未整備で、院内で職員の安全が「確保されている」との答えは、わずか11%だった。

同協会の西沢寛俊会長は「医師ら病院側も患者対応に問題がないか自省する必要はあるが、度を越した暴言・暴力は深刻。職員の安全確保は急務だ」と話している。

<健保連08年度赤字が4千億円増> 

大企業の会社員らが加入する健康保険組合で構成する健康保険組合連合会(1502組合)は21日、08年度予算の推計をまとめた。後期高齢者(長寿)医療制度の導入などに伴う老人医療費への拠出金が増え、経常赤字は前年度(2398億円)の2.6倍の6322億円(推計値)に達し過去最大となる見込み。健保組合は「危機的状況」と説明しており、回答があった1285組合のうち、141組合が年収に占める保険料率を引き上げる、としている。

これまで報告があった回答を基に全体値を推計した。4月に始まった後期高齢者医療制度は、全体の給付費(08年度、10.8兆円)のうち4割を健保組合など他制度からの支援金で支えることになっている。推計によると、この支援金が1兆1256億円必要になるほか、65〜74歳の前期高齢者医療制度への納付金が1兆501億円となるなど、老人医療費への支出が前年度比21.8%(5095億円)増の2兆8423億円にのぼることが大幅赤字の最大要因だ。

赤字組合数も278組合増えて1334組合となり、全体の88.8%に達する。多くの健保組合では、積立金を取り崩して拠出金をまかなう。

政府は、中小企業の会社員らが入る政府管掌健康保険への国庫補助を削減し、健保組合へ750億円を肩代わりさせる特例法案を今国会に提出している。健保連はこの肩代わり費を今回の予算集計に含めておらず、法案が成立すれば健保組合の負担はさらに増加する。

(毎日新聞より)

<インドネシア人看護師・介護士、厚労省が受け入れ準備開始>

厚生労働省は17日、インドネシア人看護師・介護士を2008年度から2年間で1000人受け入れる準備に入った。同日の衆院本会議で看護師らの受け入れを盛り込んだ日・インドネシアの経済連携協定(EPA)が自民、民主、公明各党などの賛成多数で承認され、発効のめどがついたため。まず今年7月に看護師200人、介護士300人が入国する見通し。EPAを活用して外国人労働力を受け入れる初めての事例となる。

日・インドネシアのEPAは早ければ月内に参院でも承認される。道路特定財源関連法案の審議などを巡って国会が混乱すればずれ込む可能性もあるが、同協定は憲法の規定で衆院の優越が認められており、参院が30日以内に議決しない場合は自然承認される。インドネシアでは批准のための国会手続きは不要。

(日経新聞より)

<各地の医師会が批判−後期高齢者医療制度>

4月に始まった「後期高齢者(長寿)医療制度」について、各地の医師会が批判的な見解を示している。反対や撤回に加え、新たな診療報酬として設定された「後期高齢者診療料」の届け出や算定の自粛を呼び掛ける動きも出ており、同制度は施行から1か月もたたないうちに見直しを求められる事態になっている。

茨城県医師会は「高齢者の生活は、社会が支えなければなりません!」と題した会長の声明をホームページ(HP)に掲載。同制度について「医療費抑制のため、年齢により人間の価値を差別する制限医療を目的にしていることが明白」などと厳しく批判している。

「同制度に反対であり、撤回を求めて運動する」として、同医師会では「こんな高齢者いじめの制度が許せますか!」と訴えるポスターを作成するとともに、署名活動を展開している。
また、宮崎県医師会は「後期高齢者診療料の算定について」という文書をHPに掲載している。同診療料は、▽「主病」に対する一医療機関での管理▽年間診療計画の作成▽医師の4日間の研修−を要件として、月6,000円(600点)に設定されているが、同医師会では「一患者に一主病のみ、そして一人の主治医のみが治療する、という厚生労働省の考えが明瞭に表れている」と指摘。

これは、一つの医療機関が同診療料を算定すれば、他の医療機関では同診療料だけでなく、主病は一つとの理由で他の医学管理料も算定できないことを意味しており、同医師会では「医療制度を根本的に揺るがしかねない大きな問題点をはらんでいる」として、会員に同診療料の届け出や算定の自粛を要望している。

さらに、大阪府、宮城県の両医師会も、「後期高齢者診療料」の算定についての見解を発表している。
大阪府医師会は23日の「府医ニュース」で、「75歳を区切りに医療内容が変わることはあってはならず、同診療料の算定については慎重に対処してほしい」と呼び掛けた。宮城県医師会も「制度には多

くの検討すべき点が指摘されており、算定に当たっては慎重な姿勢が必要」としている。
このほか、兵庫県医師会は「『長寿』とは片腹痛し。医療の現場では、むしろ命を縮める制度であると、かなり批判が多い」との「会長所感」をHPに掲載している。

介護人材 待遇改善 対策の実施求め集会>

高齢社会をよくする女性の会(樋口恵子理事長)などからなる実行委員会は15日、都内で民主党が提出し国会で審議中の介護人材確保法案など介護人材の待遇改善策の実施を求める緊急集会を開催し(写真)、介護従事者や介護家族、事業者などが介護人材の待遇改善策の必要性を訴えた。与党の国会議員も参加し、「待遇改善策の必要性の点では思いは一つ」だが、人材確保法案への賛成

はできないという考えを示した。超党派での対策の検討には含みを持たせている。
衆議院の厚生労働委員会では9日から事業者指導を強化する内容を盛り込んだ介護保険法の改正案とともに、民主党が提案した介護従事

者の給与を月額2万円引き上げるとする介護人材確保法案の審議が始まっている。
会場では、特養ホーム職員が「施設では残された人で何とかやりくりしている状態で良いケアなど望めない」。介護家族は「ヘルパーが離職でコロコロ変わる。認知症にはなじみの関係が大切なのに」などと窮状を訴えた。

(シルバー新報より)

<ヘルパー提言養成研修 介護の基本はセルフケア>

厚生労働省は今年2月、2012年度をめどにホームヘルパー1級養成課程を廃止し、介護保険法改正で導入した500時間の介護職員基礎研修に一元化する考えを示した。2級課程については当面継続するとしているが、将来的に介護職の基礎資格を介護福祉士に統一する方針に向けた見直しの一歩といえそうだ。

ライフ・プランニング・センター理事長の日野原重明さんが30年前から続けている養成講座では、介護にかかわる人全てに、健康で生きるための基礎的な知識である医学・看護学を身に付けてもらうことをモットーとしている。ヘルパー養成課程は、多くの人が正しい医学的知識を学べる機会としてむしろ広げていくべきだと話す。

(シルバー新報より)

予防も介護と同じ手間>

東京都の江東区介護支援専門員協議会(会長=國澤一男すこやか代表取締役)はこのほど、会員ケアマネジャーを対象に行った実態調査の報告書をまとめた。2006年度に導入された予防給付について、新規利用者のサービス計画が交付できるまでの訪問回数や、地域包括支援センター・他事業所との連絡調整、書類作成などに要する時間を尋ねたところ、いずれも介護給付と同じだけの手間がかかっていることが明らかになった。身寄りがなかったり、同居する家族にも何らかの疾患があるなど、対応が難しいケースが予防・介護にかかわらず増えていることが大きな理由だ。同協議会では、包括センターと介護サービス事業所が一緒に問題解決に取り組めるような体制づくりを求めて、区に要望書を提出した。

同協議会は2001年に発足。区内で活動する約300人のケアマネジャーのうち約200人が加入している。資質向上や会員間の連携強化のための研修会などを重点的に行っていたが、実態調査は初めてだ。 調査項目は、ケアマネジャーの経験年数や給与・賞与、時間外労働などのプロフィルのほか、離職意向、やりがいや困難と感じること、ケアプランを立てる上で個々のサービス種別ごとにどんな問題があったのか――など50項目にも及ぶ。会員の7割を超える147人から回答を得た。

結果で特に注目したのは、まず、介護給付のケアプランと予防プランでかかっている手間に差がなかった点だ。新規利用者のプラン交付までの平均訪問回数を見ると、介護も予防も「3回」が最多。訪問や他事業所との連絡調整に費やす時間も、ともに「3〜5時間」がピークとなっており、書類作成の時間についても同様の傾向だった。(以下略)

(シルバー新報より)


[2008/04/19]
 病床利用率低い病院は「医療資源の無駄」

<病床利用率低い病院は「医療資源の無駄」>

総務省の「公立病院事務担当者会議」が15日、総務省内で開かれ、濱田省司地域企業経営企画室室長が昨年末に都道府県および指定都市に通知した公立病院改革ガイドラインのポイントについて解説した。地方公共団体が2008年度に策定予定の公立病院改革プランについては、公立病院に「権限と責任」を持った病院経営を遂行してもらうため、病院文化の変革につなげてほしいと強く要請した。濱田室長は、改革プランの作成に当たって、「税金をつぎ込んでまで運営する公立病院の存在意義は何か、それが改革プランの議論のスタートだ」とも指摘した。

公立病院改革ガイドラインでは、経営の効率化を進める目安として、「病床利用率が過去3年連続で70%未満の病院について、病床数などを抜本的に見直す」としている。この点について濱田室長は、病院の財務に関する改善指標として、経常収支比率、職員給与費比率、病床利用率の3指標を必ず設定することが必要とした。

その上で「病床利用率が恒常的に低い施設は、医療資源の無駄といわれても仕方がない」と厳しい判断を示した。また、現行の体制を是とするのではなく、当該公立病院の必要性の有無を十分に議論した上で、必要とされた公立病院をしっかり支えていく方向を示してもらいたいとも述べた。

「公立病院改革ガイドラインQ&A」を作成

総務省は、この日の会議で地方公共団体から質疑のあった事項をまとめた「公立病院改革ガイドラインQ&A」を配布した。
改革プランの目標数値の設定では通常の場合、最終目標数値は一般会計繰り入れ後の経常収支比率が100%以上、病床利用率は少なくとも70%以上となることを想定していると回答した。

例えば、医業収支比率(95%を11年度までに達成)、経常収支比率(100%を11年度までに達成)、職員給与費対医業収益比率(52%を11年度までに達成)、病床利用率(11年度までに80%を達成)、不良債務残高(07年度末不良債務残高を11年度までに解消)などを事例として挙げている。

会議での質疑応答では、都道府県担当者からの「改革プラン作成での3年間の対象年度はどうなるのか」との質問に対し、濱田室長は「05年度、06年度、07年度の3年度分を対象にする」と回答。また、2つの県立病院を保有する県からの「1施設は黒字決算になるが、もう1施設は継続的に赤字を計上しており、2病院での改革プランの作成は可能か」との質問には、「改革プランは基本的に病院単位」と説明。その上で、継続的な赤字については一般会計からの繰り出しの見直しが必要ではないかと問題提起した。

【公立病院改革ガイドラインQ&A(抜粋)】

第1 公立病院改革の必要性

1.公立病院の現状と課題
 略

2.公立病院改革の目指すもの
(1)基本的な考え

Q3 公立病院改革を進める意図は何か。

A3 今般の公立病院改革の究極の目的は、改革を通じ、公・民の適切な役割分担の下、地域において必要な医療提供体制の確保を図ることにあると思料。具体的には、各公立病院がその地域で担うべき医療を適確に実施していけるよう、必要な医療機能を整備するとともに、経営の改革を進め、持続可能な公立病院を築き上げることにある。

Q4 病院経営は「医療の質の向上」と「健全経営」が両輪となって運営されるべきであり、経営効率化のみの視点だけでは現場の士気が上がらないのではないか。

A4 公立病院改革の究極の目的は、地域において必要な医療提供体制の確保を図ることにあると考えており、ご指摘の両輪で進めていくべきことは当然である。しかしながら、一方で経営効率化を軽視すると病院の経営が成り立たず、結局地域の医療提供体制に支障が生じてしまうことにもなりかねないことに留意が必要と考える。

(2)公立病院の果たすべき役割の明確化

Q5 医療サービスは民間提供が原則であり、公的医療機関は民間の補完的役割を担うということと理解してよいか。

A5 公立病院の責務と役割は、それぞれの病院の立地条件等により異なるものであるが、地域において必要な医療は公・民の適切な役割分担によって提供されるべきもの。この観点から、民間医療機関に委ねることが可能な分野については、民間医療機関に委ねるという考え方を基本に、公立病院改革に取り組むことが適当であると思料。

Q6 同一医療圏内に複数の病院等が並存している場合に、他の医療機関が引き受けない感染症医療や周産期センター等のような不採算な部分のみを引き受けさせられることも想定でき、逆に経営が悪くなってしまう可能性もあるのではないか。

A6 例えば感染症や救急医療などの不採算な部分の医療を提供するためには、病院自体に通常の医療提供に係る相応の規模・機能が必要となる場合が一般的であると考えられ、合理的に必要な範囲でこれを保持することは支障がないと考えられる。また、医療計画において当該公立病院が担うべきとされた不採算部門については、最終的に一般会計において所要の経費負担が行われるべきものである。

なお、大都市部等で、一般的に不採算部門とされる特殊な医療分野に特化した場合においても、スケールメリット等によリー定の採算性の確保が見込まれる場合には、そうした機能に特化することによる他の医療機関との役割分担の徹底も検討の対象とすべきものと考える。

一部略

3.公立病院改革の3つの視点

Q9 「経営効率化」、「再編・ネットワーク化」、「経営形態の見直し」の3つの視点とした理由は何か。

A9 3つの視点は、これまでも病院事業あるいは地方公営企業全体として取り組んできた課題であり、今日の公立病院の経営環境を踏まえれば、これらの3つの視点に立った改革を一体的に進めることで、各公立病院に真に必要とされている機能を安定的に確保する体制を構築することが求められることによる。

Q10 病院経営の健全性確保の根幹は、医療体制の整備、特に医師が確保できるかどうかにかかっているが、地方の公立病院としては、大学病院に医師の派遣を頼らざるをえない現実がある。派遣元の医局の医師不足が解決しない限り、地方の公立病院の健全化は厳しいのではないか。

A10 国として中長期的な医師の養成も含めた医師確保対策は講じているところであるが、各公立病院において十分な医師確保の見通しが立てられない場合には、これに対応した医療提供体制の見直し自体も検討していく必要があると考える。大学病院による医師派遣が不確実となった状況下、機能分担により基幹病院に医師を集約し、ネットワーク内の医療機関に医師を派遣するといったシステムを実現するためにも再編・ネットワーク化が必要。また、医師等の勤務環境整備のためにも、「医師にとっても魅力のある病院」が実現されるよう、自律的な経営形態の下での健全経営の確立が求められていると考える。

Q11 経営の効率化を優先すると「へき地医療」「救急医療」などの不採算部門の切捨てに繋がるのではないか。

A11 ガイドラインにおいては、地域医療の確保のために各公立病院が果たすべき役割を、まず明らかにし、所要の一般会計負担を求めた上で、病院を持続できるものとしていくために経営の効率化を求めているのであって、地域において真に必要な医療提供体制の確保よりも効率性の追求を優先させることを求めているものではない。財務内容の改善のみならず公立病院として果たすべき医療機能についても数値目標を設けるよう要請しているのは、このような位置づけにあるとご理解願いたい。

以下略

<介護職の雇用環境改善の議論開始>

厚生労働省は4月18日、「介護労働者の確保・定着等に関する研究会」(座長・大橋勇雄中央大大学院戦略経営研究科教授)の初会合を開き、雇用管理や処遇改善など、介護労働者がやりがいを持って働ける環境づくりに向けた議論を開始した。7月に中間報告をまとめ、内容を来年度予算に反映させたい考えだ。

研究会では今後、賃金実態などを含む介護労働市場の現状を踏まえて、介護労働が目指すべき姿のほか、雇用管理や処遇の在り方、生産性の向上などについて話し合う。このほか、介護福祉士などの潜在的な有資格者や多様な人材の参入についても議論し、ハローワークの求職と求人のマッチング機能や募集・採用ルートを検証するなどして、人材確保・定着の方策を考える。

この日の研究会では、賃金や離職率など介護職の現状について議論した。事務局が公表した産業・職種別年齢賃金カーブによると、男性の年収は、17歳までを除くすべての年齢層で製造業が最も高く、福祉施設介護員が最低だった。差が最も開いた45-49歳を見ると、製造業が712万7、000円で、福祉施設介護員が362万1、000円。女性は、ケアマネジャーが全年齢層で最も高く、18歳から54歳まではホームヘルパーが最低だった。45-49歳では、ケアマネジャーが409万4、300円で、ホームヘルパーが284万9、200円。

離職率を見ると、全産業の16.2%に対し、介護職は20.3%。事業所の規模が小さく、勤続年数が短いほど高かった。施設で働く職員の悩みとしては、「賃金が低い」や「夜間に何か起きないかと不安」が多く、訪問系では「決まったサービス行為以外を要求される」が多かった。訪問介護サービス事業所職員の分布を見ると、1年間の離職率がゼロの事業所と30%以上の事業所に多く、二極化が見られた。

事務局は介護職員の需要について、後期高齢者や要介護認定者数の増加などから、2014年には現在の100万人から140-160万人にまで増えるとの試算を明らかにしたが、算出方法についての疑念が出たため、改めて試算することにした。

次回会合は25日の予定で、全国老人保健施設協会や日本在宅介護協会などからヒアリングをする。

<後期高齢者診療料」各地で届出拒否の動き>

4月からの後期高齢者医療制度のスタートに伴って創設された「後期高齢者診療料」について、届出を行わないよう求める動きが、都道府県医師会や郡市医師会などで出始めている。山形、茨城などでは出来高払いで算定するよう求める文書を会員向けに送付した。

同診療料は糖尿病、高血圧などの慢性疾患を「主病」とする後期高齢者に対して、診療計画書に基づいて継続的な外来医療を行った場合に評価するもの。月一回につき600点となっている。医科点数表によれば、患者に対して行われた医学管理等、検査、画像診断、処置は「後期高齢者診療料」に含まれる。ただし、病状の急性増悪時に実施した検査、画像診断及び処置のうち、550点以上の項目については別途算定できるものとされている。算定基準では、治療管理にかかわる診療計画書(3月に1回あるいは最長1年間)を交付すること、年1回の健康診断、年2回以上の日常生活能力、認知機能、意欲等の生活機能評価を行うことになっている。

医師会では一つの医療機関しか算定できないことから、「患者の囲い込みがおきかねない」、「フリーアクセスの阻害に繋がる」と反発している。
高齢者の疾病の特性を見ると、糖尿病や高血圧などの複数の疾患を持っており、それぞれの疾患を診てもらうために複数の診療所に係っているケースが多い。そこで患者の慢性疾患を診ながら他の医療機関の受診状況の把握や服薬管理などを行う医療機関の主治医機能を評価する「後期高齢者診療料」が導入されたとされる。

ちらつく人頭制

同診療料創設には、国保中央会が提案した登録医制導入などが背景にあると考えられていて、登録医は人頭制を想定したと、日本医師会などが反発する理由の一つにはこのあたりではないかとされている。人頭制はイギリスで導入され、1医療機関に登録した患者しか診療できない制度で、登録した患者の数に応じて診療報酬が支払われるというもの。

保団連(全国保険医団体連合会)は、後期高齢者医療制度の診療報酬の基本的考え方が示された今年1月の段階で反対する意見を示していた。「慢性疾患に対する管理を通じて、高齢者が複数の医療機関にかからないよう受診と服薬の管理・抑制を図る」と指摘し、複数の疾患を抱えている高齢者の継続的な医学管理を行う担当医を1医療機関に限定することで他の医療機関が行う必要な治療が制限されかねない」、「担当医の受診が優先されフリーアクセスに制限が加わる」、「一人の医師が患者情報を管理し、生涯の総合的な医学管理を行うことは登録人頭制導入の布石」との危惧も示していた。

フリーアクセスを制限せずと対応に必死

厚労省は、同診療料を巡って問い合わせや反発が出ているため、3月28日に「疑義解釈」の事務連絡を各都道府県に向け発出した。同診療料を届け出ず、出来高で算定も可能としたほか、同一診療所で同診療料を算定する患者と算定しない患者の混在を認め、算定の際、診療所及び病院は在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院である必要がないことなどを示した。同一患者については同診療料を算定する月と算定しない月が混在を認めず、患者の都合で同一月内に同診療料を算定する診療所を変える場合は当該月の算定は前月まで算定していた診療所が算定できる旨も明記した。

患者の都合で複数の診療所を受診している場合は、「慢性疾患を主病とする後期高齢者に対し継続的な診療を提供し計画的な医学管理のもとに患者の心身の特性にふさわしい外来医療の提供を行う」との観点から、いずれの診療所も同診療料を算定できず、出来高となることも記している。

加えて、4月9日には「長寿医療制度の診療報酬について」と題する広報をホームページにアップし、医療関係者向けに、今まで受けていた医療が75歳を境に変わるものではないこと、フリーアクセスが制限されないことを強調した。生活を支える医療を前面に出し、入院中の患者を追い出すのではなく、在宅復帰し在宅医療に移行するとともに訪問看護を充実していくという内容を訴えた文面を発表した。

<入所者虐待>岡山の認知症施設NPO、事業者指定取り消し>

入所者に対する虐待があったなどとして、岡山県津山市は17日、同市の認知症対応型施設「グループホームRing」を運営するNPO法人に対し、介護保険法に基づき事業者指定を取り消す処分(30日付)を決めた。厚生労働省によると、入所者への虐待を理由にした指定取り消しは全国初。

市によると、法人は「高齢者介護研究研修実践の会Ring」(藤井諭理事長)。3月の監査で、70〜90代の入所女性5人のうち3人の体重が、入所後7〜15カ月で14〜17キロ減少していた。最も減った女性(93)は45キロから28キロになっており、3人とも医療機関で「低栄養またはそれに準ずる状態」と診断された。

市は、施設が衰弱した状態を知りながら放置するなど、介護義務を怠った虐待に当たると判断。他に勤務実態の虚偽報告もあったことなどから指定取り消しを決めた。
藤井理事長は「入所時の体重は(医師が)目算したもので、実測値ではない。体

重減少や長時間の放置、介護放棄は一切ない。市の説明は事実無根。客観的証拠を基に法的に反論する」と話した。

同ホームは03年12月に設立され、藤井理事長ら8人で運営する。定員18人に対し現在の入所者は3人。2人は既に受け入れ先が決まっており、残る1人への対応を市と家族が検討している。

(毎日新聞より)


[2008/04/12]
 長寿医療制度のQ&Aを公表

<長寿医療制度のQ&Aを公表>

厚生労働省はこのほど、「長寿医療制度の診療報酬について〜第一線でご尽力されている医療関係者のご心配に向けて〜」と題するQ&Aを公表した。75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度に対し、「フリーアクセス(自由な受診)の制限につながる」「年齢による切り捨て」など、多くの問題点が指摘されているため、厚労省は同制度が施行された4月1日に「長寿医療制度」に名称を変更した。同省は「当制度において提供される医療の内容や診療報酬について、ご心配の声が寄せられており、その解消のために別添資料を作成した」としている。

Q&Aでは、▽75歳以上と74歳以下の医療の連続性▽フリーアクセスの制限▽入院から在宅への移行―についての三つの質問を用意し、これらに対する“模範回答”を示した。
「患者が75歳以上になると、それまで受けていた医療が受けられなくなるのですか」との質問に対しては、「これまで受けてきた医療は変わりません」と回答。加えて、「長寿を迎えられた方が、できるだけ自立した生活を送ることができるよう、『生活を支える医療』を提供します」と強調している。

また、同制度によって75歳以上の「後期高齢者」の受診が制限されるのではないかとの懸念についても回答。後期高齢者の心身の状態などを総合的に把握する「高齢者担当医」を変更できることや、複数の医療機関に掛かることができることなどを示している。
「長寿医療制度では、入院中の患者をそのまま『追い出し』ていくのですか」との質問に対しては、「入院中の患者の多くが、可能であれば、住み慣れた在宅での療養を希望されているものと考えています」などと回答している。

詳しくは厚労省のホームページで。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken07/index.html

<後期高齢者診療料 地域医師会で届け出拒否の動き>

後期高齢者の外来での継続的な医学管理を評価する「後期高齢者診療料」の届け出を行わないよう推進する動きが、都道府県医師会や郡市医師会などで出始めている。茨城県医師会では、後期高齢者診療料の施設基準の届け出を行わず、出来高払いで算定するよう求める文書を会員あてに送付した。原中勝征会長は本紙の取材に対し、「75歳を境に医療を区別するのは、命の差別ではないか。制度自体の撤廃を求める運動を展開するが、とりあえず後期高齢者診療料を届け出ないよう呼び掛けたい」と述べた。

同診療料は、糖尿病などの慢性疾患を「主病」とする後期高齢者に対して、診療計画書に基づいて継続的な外来医療を提供した場合に評価する包括点数。月1回の算定で600点となっている。厚生労働省は、1人の後期高齢者について主病は1つであり、原則として1人の患者を1つの医療機関が診るとしているが、日本医師会は同診療料が登録医制度につながると警戒している。

茨城県医が会員あてに送付した文書では、<1>「1患者につき1医療機関」の算定は実態に合わないものであり、断固反対する<2>後期高齢者診療料の届け出を行わず、出来高払いで算定する<3>後期高齢者診療料の届け出条件である研修会の開催について、茨城県医では行わない-の3点を挙げた。このほか茨城県医は、後期高齢者医療制度自体に反対するポスターを作製して会員に配布。患者に対する署名活動も開始した。

 原中会長は「関東甲信越医師会連合会の各会長にもこうした動きに賛同してもらえるよう話し合いを進めたい」と話した。
 茨城県医と同様の動きは山形県医も始めており、同診療料の届け出を行わず出来高算定とするよう会員に呼び掛けている。これ以外に郡市区医師会レベルでも、同様の動きが広まりつつある。

日医執行部、慎重に検討

この問題は2日の日医定例代議員会でも取り上げられ、難波俊司代議員が「後期高齢者医療制度を長寿医療制度と呼称するというが、何が長寿だと言いたい。むしろ命を縮める制度だ。日医は後期高齢者医療制度をつぶしにいく覚悟はあるのか」と問いただした。これに対し竹嶋康弘副会長は「即座には答えられないが、かつて武見太郎会長は高齢者医療制度はうば捨て山になると言われた。そうならないようにする必要がある。執行部で十分に検討したい」と述べるにとどめた。


[2008/04/10]
 民主が介護業界からヒアリング

<民主が介護業界からヒアリング>

民主党の医療介護改革作業チームはこのほど、同党が今通常国会に提出した「介護労働者の人材確保に関する特別措置法案」の審議に先立ち、介護関係団体から職員の労働環境の現状や賃金引き上げの要望などについてのヒアリングを行った。

参加団体は「高齢社会をよくする女性の会」「日本介護クラフトユニオン」「東京介護福祉労働組合」「NPO法人市民福祉団体全国協議会」「ホームヘルパー全国連絡会」など。
ヒアリングの中で、各団体は「ホームヘルパーの賃金水準は、サービスの提供責任者でも生活保護以下で、ワーキングプアの状態となっている」などと、現状の深刻さを訴えた。

これに対し、同党の山田正彦「次の内閣」厚生労働担当は、「大変大きな問題なので、長い時間をかけてじっくりと審議し、法案を通したい」と強調した。

<舛添厚労相、「国の形を変える必要」>

厚生労働省はこのほど、「安心と希望の医療確保ビジョン」会議を開き、地域医療に取り組む3人の院長から意見を聞いた。席上、舛添要一厚生労働相は地域医療の在り方について、ネットワークや連携を重視する考えを改めて強調し、「医療について国の形を変える必要がある。47都道府県では医療資源の密度を緊密化できない。国の形にかかわるような大掛かりな仕掛けが必要」と述べ、現在の保健医療圏などを見直す必要性を示した。

この会議は、長期的な視点から日本の医療の課題を整理する目的で、舛添厚労相が今年1月に設置した。
6回目を迎えた今回のテーマは「地域医療」で、小川克弘氏(むつ総合病院院長)、草場鉄周氏(北海道家庭医療学センター理事長)、須古博信氏(済生会熊本病院院長)が意見を述べた。

小川氏は「青森県下北圏域における地域医療に関する取り組み」と題して、むつ総合病院と近隣の医療機関との連携や医師の確保策などを紹介した。

むつ総合病院は本州北端の「むつ医療圏」の中核病院で、病床数は486床と同医療圏で最大規模。慢性的な医師不足に悩まされている同医療圏における取り組みとして、小川氏は▽持続可能性の薄い医療機関は、病院から診療所への転換を図る▽隣接する大間町の「大間病院」(60床)に勤務する医師の負担を軽減するため、近隣の診療所を休・廃止し、大間病院に医師を集約する▽むつ総合病院は定期的に大間病院を支援していく―などを挙げた。

小川氏は、患者の心身の状況を全般的に把握するかかりつけ医や総合医などの「一般医」を育成することや、勤務医の負担を軽減する必要性を強調。勤務医の負担軽減の方法として、「医師がやらなければならない仕事は限られているので、スリム化が必要。認定看護師などに医師の業務を委譲していくべきで、現在の医師法を改正する必要がある」と述べた。

続いて、草場氏が「若手家庭医の主張」と題して、医療法の中に「総合科」を位置付ける必要性を訴えた。同氏は京大医学部を卒業後、専門医よりも家庭医の道を選んで北海道の病院などで研修を受けた日々を振り返り、「何よりもつらいのは、患者さんから『先生のご専門は何ですか』と聞かれた時」と明かした。

同氏は「標榜(ひょうぼう)科名はやはり内科、小児科になってしまう。患者への説明にも困ることがしばしばあり、学術的にも法的にも認知されていない現状がある」と述べ、家庭医療(総合科)専門医の養成プログラムの確立や、確かな指導力を持つ家庭医療(同)指導医の養成の必要性を訴えた。
須古氏は「地域完結型医療の実現を目指して」と題して、熊本の連携医療の現状や今後の課題などについて意見を述べた。同氏が院長を務める済生会熊本病院(400床)は、熊本の中核医療を担う急性期病院で、回復期リハビリテーション病院と連携する「地域連携クリティカルパス」でも有名。

同氏は今後の病診・病病連携の課題として、「連携ネットワークが質を上げているのか詳細な検討が必要だ」と指摘。具体的には、▽情報の共有化と発信▽連携データの細分化と分析▽教育や研修の受け入れの促進▽相互評価と協議の場の企画や運営―を挙げた。
同氏は、連携する医療機関がそれぞれの機能を明確化して自院の情報を発信する必要性を強調し、相互の連携によって医療の効率化を図ることができるとした。

◆舛添厚労相の意見

ヒアリング終了後、舛添厚労相が意見を述べた。認定看護師などに医師の業務を委譲する必要性を指摘した小川氏に対しては、医師と看護師らとの役割分担の範囲を検討する研究会を発足させることに意欲を見せた。

また、医療法の中に「総合科」を位置付ける必要性を主張する草場氏に対しては、「ダブルトラップで総合科と家庭医があっていい。ただ、標榜科の名前はさらに検討が必要だ」とコメントした。
地域連携による医療の効率化の必要性について語った須古氏に対しては、次のように述べた。

「医療資源がある熊本だからできた気がする。ないところでは役割分担ができない。医療資源の適正な再配分が国単位でできるかと言えば、無理のような気がする。九州の場合、佐賀はどうか、福岡はどうか、長崎は、離島を含めてどうか。つまり、医療について国の形を変える必要がある。こう言うと道州制みたいな話になるが、47都道府県では医療資源の密度を緊密化できない。ちょっと国の形にかかわるような大掛かりな仕掛けが必要かなという感想を抱いた」

<介護人材確保法案が審議入り>

民主党が今通常国会に提出している介護職の賃金引き上げを柱とする「介護労働者の人材確保に関する特別措置法案」は4月9日、衆院厚生労働委員会で趣旨説明が行われ、審議入りした。趣旨説明の中で、同党の三井辨雄国対副委員長は「賃金の引き上げは来年度まで待つ余裕はなく、待ったなしの状況だ」と述べ、法案に盛り込まれている緊急の介護報酬改定の必要性を強調した。同法案は11日に実質審議入りし、18日に採決される見通し。

同法案は、緊急の介護報酬改定を実施し、地域別、サービス別に賃金の平均水準を決めた上で、その基準を上回る「認定事業所」の介護報酬を3%加算することを明記している。国内の全事業所が認定を受けた場合、介護報酬は年に約1、800億円の増となり、介護労働者約80万人の賃金引き上げは月額2万円程度と試算されているが、現時点で「認定事業所」は全体の半数程度とみられている。財源について、三井氏は「全額国庫からの支出とする」と述べた。

厚生労働省の調べでは、介護職の平均給与は月額20.8万円で、全産業の平均33万円に比べ低くなっている。

<旧保険証でも負担1割 厚労省、病院に通知へ 新高齢者制度>

厚生労働省は10日、4月にスタートした後期高齢者医療制度で、75歳以上のお年寄りが3月まで使っていた旧保険証を医療機関に持参した場合も、窓口で全額自己負担を求めないよう、全国の病院と診療所に指示する通知を近く出すことを決めた。新たな保険証が高齢者本人に届かないトラブルが相次いでいることへの対応。

 医療機関が今月分の診療報酬を請求する5月10日ごろまでは、国民健康保険や健康保険組合などの古い保険証を「有効」扱いとし、従来通りに原則1割の窓口負担で受診できるよう徹底する。

75歳以上の約1300万人は全員が4月1日から新制度に切り替わったが、新たな保険証が手元にない人への医療機関の対応がまちまちとなっていた。いったん医療費全額を請求するケースもあり、高額な支払いに窮する高齢者が出ているとの指摘があった。厚労省は、都道府県や医師会などにも協力を求め、周知に努める。

新たな保険証が手元に届かないのは、市町村が「転送不要」の配達記録郵便で送付したり、本人が届け出なく転居したため。受け取ったものの、間違って捨てた人もいるとみられる。

厚労省は、送達されず自治体に戻ってきた件数を把握するため、都道府県ごとの広域連合を通じ全国調査も始めた。

(共同通信より)

<重度化対応加算の経過措置は半年延長 特養は看護師を確保できるか>

厚労省は介護保険施設のうち特養で算定できる「重度化対応加算」の経過措置を平成20年9月まで半年延長することを、3月25日開かれた社会保障審議会介護給付費分科会(大森彌座長)で決めた。常勤の看護師配置を准看護師でも可とする経過措置だが、看護協会はこの延長に猛反発した。

特養の重度化対応加算の要件は常勤の看護師を1名以上配置、24時間オンコール体制など。厚労省は重度化対応加算導入時には参入する施設は75%程度を想定していたが、平成20年1月の調査によると、重度化対応加算の算定状況は68・8%(3988施設)となっていた。そのうち、准看護師で対応している施設は9・5%(553施設)であった。経過措置が平成20年3月末で終了すると、24時間の看護体制や看取りのための体制がとられず、サービスが維持できなくなると厚労省は判断し、経過措置の再度延長を同分科会に諮った。

厚労省は平成18年4月の介護報酬改定にあたって、特養への入所者の重度化に対応して24時間の看護体制や看取り体制を整備する観点から重度化対応加算と看取り体制加算を創設した。重度化対応加算では常勤の看護師が要件となったが、看護師の確保に要する期間を考慮して1年間(平成19年3月まで)の経過措置を設けた。

この経過措置は平成19年3月の審議会で、さらに1年間延長することが決定した。その際に、特養は看護師の確保に努めること、厚労省、都道府県は確保のための支援措置を講ずるとの意見が付けられた。

過去2年間の経過措置を経ても、常勤の看護師を確保できていない施設の実態や理由について実態が把握できておらず、常勤の看護師配置があっても、重度化対応加算を算定しない施設が24・8%(1435施設)あること等から、厚労省は9月までの半年間に実態把握に努めるとしている。
議論すべきは看護師要件か

同分科会で、中田清老施協副会長は「平均要介護度4に近い状態になってきた。重度化対応加算を算定する施設も平成18年6月の59・1%から増えてきた。各施設で看護師確保に努め処遇改善を試みている。離職率にも看護師と特養がマッチングしていない状況があらわれている。入所者全員の健康管理と重度化対応での精神的負担が悪循環になっている」と述べ、特養における医療と介護のあり方、看護師確保体制について結論を導くよう要望した。看護協会は「看護師確保のための活動をこの1年していなかったのではないか」と批判した。同協会の調査では看護師の求人よりも求職の方が上回っていることを上げ、「再度延長するのか」と反発した。半年後に明らかになる調査にすべてが係るが、「結果は、更なる延長になると思う」と懸念を表明した。

病院関係者は、「経過措置を半年延長しても、完成度が上がる(看護師を確保できる施設が増える)可能性は極めて少ない。それよりも介護報酬の見直しの議論をはじめるべき」とし、医師会からは、(看護師の)業務独占の問題を議論する可能性を問いただし、「制度見直しを実態に即した形で議論すべき」と、重度化加算の要件自体を議論すべきという意見が相次いだ。
同分科会では、経過措置の延長に当たって、特養における看護師に関する調査を速やかに行い、看護師確保の具体的対策に取り組むことなどを条件に了承した。ショートステイや特定施設入所者生活介護の「夜間看護体制加算」についても同様に了承した。

<全国の病院経営の厳しさ浮き彫りに 医労連の春闘速報>

日本医療労働組合連合会は、2008年度春闘回答状況を2日現在でまとめた。回答があったのは543組合中155組合(うち妥結2)で、その内容は、平均1万円の要求に対し、回答は全体平均で5481円(諸手当込)、賃上げ率で2.15%となっている。昨年の春闘妥結額との比較では163円下回っている。

内訳は、ベースアップ分は1294円(ベア率0.15%)、定期昇給額5370円(アップ率2.09%)で、定期昇給込みの基本給ベースでは5317円で、07年実績比163円のマイナスとなっている。

<後期高齢者診療料「算定せず」 茨城・山形県医師会 「かかりつけ」どこまで浸透>

後期高齢者医療制度のスタートに伴い創設された「後期高齢者診療料」について、茨城県、山形県の医師会が相次いで算定しない方針を決定し、会員に通知した。月6千円の包括払いで、慢性疾患のある高齢者を計画的に診療した場合に算定できる。「高齢者にふさわしい医療」の目玉でもあるが、1つの医療機関しか算定できないことから「患者の囲い込みが起きかねない」「フリーアクセスの阻害につながる」として反発している。将来的には、患者があらかじめ登録した医療機関を通さなければ他の機関を受診できなくなる「登録医制度」に移行するのではないかという警戒は強い。全国的にもどのくらいの診療所が算定するかは未知数だ。

高齢者は糖尿病や高血圧など複数の疾患を持っており、それぞれの疾患を診てもらうために複数の診療所にかかっているケースが多い。そこで、患者の慢性疾患を診ながら、他の医療機関の受診状況の把握や服薬管理などを行う医療機関の主治医機能を評価する「後期高齢者診療料」が導入されたとされる。報酬は検査や画像診断、処置などを含めて1カ月定額の6千円。新制度では、出来高にするか、包括払いにするかは医療機関も、高齢者自身も選択できることになっており、月6千円以上の医療が受けられなくなることはないが、厚労省の周知不足もあって不信感は解けない。

診療報酬の詳細が判明したのを受け、茨城県医師会(原中勝征会長)は先月24日にこの診療料の算定を行わないよう会員あてに通知した。問題にしたのは、「1患者につき1医療機関しか算定できない」という算定ルールだ。

(シルバー新報より)


[2008/04/03]
 かかりつけ医から総合医へ

<かかりつけ医から総合医へ 国保中央会の研究会が報告>

国保中央会は3月17日、かかりつけ医像の報告書をまとめ公表した。報告書では、地域医療を担うのは「かかりつけ医」に代えて、「総合医」がふさわしいと提言した。中央会の報告書では、日常的な疾患に対応するなど、6つの総合医像を示した。

総合医については、厚労省の中央社会保険医療協議会の中でも、診療報酬改定作業を進める段階で、総合的に診る医師についての議論の中で、委員から総合医の定義を求める鋭い質問が飛び、事務局は総合診療の学会等の認定を受けた医師といった曖昧な応答を繰り返していた。

◆ゲートキーパーの役割など
4月から新たな診療報酬がスタートし、後期高齢者医療制度も始まる。改定された診療報酬では、病院勤務医の負担軽減や在宅医療を重視したものにするなど、地域医療にウエイトを置いた改革が進められるところだ。地域においては、小児から高齢者に至るまでの全人的な医療が必要とされ、地域医療の担い手は診療所・開業医であるという点から、ゲートキーパーとしての役割が求められていた。

公表した報告書をまとめた「地域住民が期待するかかりつけ医師像に関する研究会」では、昨年266人の医師を対象に「かかりつけ医像に関するアンケート」を実施した。調査によると総合医機能を持つ医師は、リーダー・コーディネーター・ゴールキーパー・ゲートキーパーと場面に応じて役割を変化させる柔軟さが求められるなど、6つの視点で総合医像を定義した。

?日常的な疾患(コモン・ディジーズ)に対応し、プライマリ・ケアを実践している
?他の専門的な医療機関等を適切に紹介することができる
?地域において疾病予防や健康相談を含めた健康づくりを行っている
?患者や地域住民の生活状況をよく把握している
?時間外・夜間の対応を積極的にしている
?往診や在宅医療に積極的に取り組んでいる

また、諸外国に比べ総合医の位置づけが弱い我が国では、早急な総合医の確立が必要であり、そのためには総合医認定制度の確立が求められるとしている。国、日本医師会、関係学会の協議にも言及し、医師臨床研修に総合医の認定を受けるコースを新設することや、臨床経験のある医師が総合医に転換する研修コースなどを提案した。

◆地域のオールラウンドプレーヤー
ヒアリング調査で見ると、具体的な総合医のイメージが浮かび上がる。地域でプライマリ・ケアの活動を実践し、オール・ラウンドにこなせること。咳、発熱、高血圧、糖尿病、喘息、腰痛症など、外来でよく見られる疾患、愁訴に対処する能力。初期救急に対応できる。終末期の看取りへの取り組み。総合的な役割だけでなくサブスペシャリティーとして、内視鏡、外科、整形外科、循環器内科、呼吸器内科などの技術を持っている。コミュニケーション能力が高いこと。多職種とのチームワーク、連携能力が高い。他の専門的な医療機関を適切に紹介できる。
こうした能力が備わっていることが条件といえる。

日本医師会が平成18年に調査したかかりつけ医像は、「かかりつけ医」に望むこととして、必要な時に専門医や専門施設へ紹介する。患者情報を適時適切に紹介先に情報提供する。生活習慣病など予防のための助言、健康相談を行う。であり、「理想的なかかりつけ医像」は、学問レベル、技術レベルが自己評価できる。他人からの批判について謙虚に耳を傾ける。専門医療機関へ紹介する。地域医療で他の医療機関と緊密な連携がある。適切な診療技術を修得している。病気中心から患者中心、保健中心へと視点を向ける医師。に意見が寄せられた。
中央会の報告書、日本医師会の調査ともにかかりつけ医像について同様の傾向が見られる。提言では「総合医」を支える診療報酬のあり方の検討を求めている。

<首相の突然の指示で現場混乱 「長寿医療制度」>

75歳以上を対象とする「後期高齢者医療制度」の名称が福田康夫首相の指示で突如「長寿医療制度」に変更されたことについて、2日の与党社会保障政策会議では「長寿医療制度といわれても、何を意味するのかすぐに分からない」などの批判が相次いだ。また、同医療制度を運営する全国の広域連合からは「どちらの名称を使えばよいのか」といった問い合わせが厚生労働省に寄せられ、現場での混乱が広がっていることも明らかになった。

与党社会保障政策会議には自民、公明両党の厚生関係議員の幹部らが出席。厚労省の水田邦雄保険局長が「『長寿医療制度』は愛称で、制度のPRをするためのものだ」と説明したが、出席者からは「大変重要な話を事前に十分な検討もなく決めるのはおかしい」などの批判が続出した。

自民党の鈴木俊一社会保障制度調査会長は会見で「与党は何も相談されていない。名称も含めて極めて不満だ。私は使わない」と批判。公明党の福島豊社会保障制度調査会長も「名称問題だけでなく制度の意味を国民に理解してもらうことが肝要だ」と述べた。

与党からの批判を受け、厚労省は全国の自治体などに「『長寿医療制度(後期高齢者医療制度)』との記述にしていただきたい」との通知を出した。一方、首相は同日、首相官邸で記者団に「高齢者にとってよい制度だ。よいところを理解していただくようPRしなくてはいけない」と説明したが、与党内からも批判が出たことで新たな対応を求められそうだ。

(産経新聞より)

<社会福祉士の合格率30.6%>

厚生労働省は3月31日、第20回社会福祉士国家試験の合格者を発表した。社会福祉士国家試験の合格率は30.6%で、4万5,324人が受験して1万3,865人が合格した。受験者数、合格率は年々増加しており、前回は4万5,022人が受験して1万2,345人が合格し、合格率は27.4%だった。

合格者の内訳を男女別に見ると、男性4,832人に対し女性は9,033人で、女性の合格者が全体の65.1%を占めた。受験資格別では、福祉系大学などの卒業者が8,794人と全体の63.4%を占め、養成施設の卒業者が5,007人(36.1%)。年齢別では、30歳までの合格者が8,342人と全体の60.2%を占めている。

都道府県別では、東京が1,311人と最も多く、次いで神奈川(897人)、大阪(887人)、愛知(867人)、埼玉(752人)――となっている。
社会福祉士の登録者は、2008年2月末現在9万5,536人。
詳しい情報は、財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページで。

<看護師さん「強引な勧誘にご用心」>

看護師をターゲットに、福祉○○センターや△△支援センターなど公的機関に類似した業者名で安心させ、資格取得教材を売り付けようとする手口が広がっていると、国民生活センターが注意を呼び掛けている。同センターでは「公的な機関が資格教材の販売を指示するようなことは、まずないだろう」としており、「必要がなければ、毅然とした態度で勧誘を断る」ようアドバイスしている。

同センターによると、強引な電話勧誘で教材を販売する手口に関した相談は2006年ごろから寄せられるようになった。こうした相談は増加傾向にあり、最近は看護師をターゲットに、公的機関に似た名称を語る悪質な業者が目立っているため、注意を呼び掛けることにした。

具体的な事例では、「ケアマネジャーの試験を受けないか」という電話があり、断ったものの、「書類だけでも読んでくれないか」といわれ、資料送付に同意。気乗りしなかったため、資料を放置しておいたところ、「なぜ期限までに返送しないのか。担当省庁の指示でやっている」などと、どう喝された。「契約しておらず、する気もない」と断ったが、大丈夫だろうか▼「忙しくて、勉強する時間がない」と何度も断ったのに、執拗(しつよう)に勧誘され、やむなく資料送付を了解。その後、契約書の返送を迫る電話が再三あり、これをやめさせたいという気持ちから、契約書に署名・押印して返送してしまった。「よく考えると高額であり、解約したい。勧誘電話も止めてほしい」−などの相談があった。

同センターでは「看護師など特定の職種や有資格者をターゲットにした悪質な電話勧誘」と指摘。「公的機関類似の商号を使い、信頼感を抱かせておいて、資料請求に同意すると、一方的に契約書を送りつけ、『担当省庁の指示でやっている』と強引に契約を結ばせようとした手口」と問題視している。また、背景には、名簿などの個人情報の流出があるのではないかとみている。

こうした勧誘について、同センターでは「特定商取引法上の禁止行為に当たる可能性がある。何度も断っているにもかかわらず、再勧誘することは禁止されている」と強調。看護師(消費者)へのアドバイスとして、勧誘の電話をきっぱり断る◇資料送付だけでは契約は成立していないので、毅然とした態度で断る◇電話で勧誘を受けて契約した場合(電話勧誘販売)はクーリングオフを利用できる◇公的機関類似の名称で職場に電話があっても即答せず、地域の消費生活センターに相談する−ことを挙げている。

後期高齢者医療の中止へ大集会>

後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める東京連絡会が23日、「東京大集会」を開催した。吉田万三連絡会代表は「新しい医療制度では、高齢者がこれまでのような医療をうけられなくなるかもしれない。

これまでに500万筆の署名が集まった。我々の働きかけで、東京都では62区市町村のうち49議会で意見書が採択された」と成果を報告。政府レベルでも野党4党が廃止法案を国会に提出しており、制度は4月からスタートすることになるが、さらに働きかけを強めていくことを集会で決議した。