<医学部定員、過去最大程度に−骨太方針08>
政府は6月27日の臨時閣議で、「経済財政改革の基本方針2008」(骨太の方針2008)を決定した。骨太方針06で掲げた歳出削減の堅持を明記する一方、焦点の社会保障では、医師不足の解消や病院勤務医の就労環境改善などの重要課題に対して、現行の仕組みにとらわれない効果的な方策を講じるとしている。具体策として、医学部定員の削減を盛り込んだ1997年6月の閣議決定を見直し、早急に過去最大程度にまで増員する方針を示した。
また、消費税を含む税体系の抜本見直しに取り組み、社会保障を支える安定的な財源を確保する方向性を示したが、具体的な実施時期にまでは踏み込まなかった。
骨太方針08では、歳出・歳入改革を徹底することで、11年度に国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を確実に達成する方向性を明記。社会保障分野については、サービスの質の維持・向上を図りつつ、徹底した効率化を図る方向性を示した。
具体的には、昨年策定された「医療・介護サービスの質向上・効率化プログラム」に沿って、▽後発医薬品の使用促進 ▽検査などの適正化 ▽不正・不適切な保険請求の是正 ▽レセプトオンライン化など医療IT化の推進 ▽社会保障カード(仮称)の導入 ▽公立病院改革―などに取り組む。
一方で、産科・小児科をはじめとする医師不足の解消や、病院勤務医の就労環境改善を重点課題に位置付けた上で、これらを実現するため、女性医師の就労支援や関係職種間の役割分担の見直し、メディカルクラークの配置などを推進するとした。また、医学部定員減を決めた97年の閣議決定を見直し、「早急に過去最大程度まで増員する」と明記。さらに、今後必要な医師養成についても検討する方針を示した。
後期高齢者(長寿)医療制度については、政府・与党協議会の決定に盛り込まれた対策を実施し、低所得者の負担軽減を図る。このほか、介護・福祉サービスを支える人材を確保するため、キャリアアップの仕組みの導入などによる処遇改善を目指す。
09年度予算については、骨太方針06で示した「5年間の歳出改革の3年目に当たる」とし、最大限の歳出削減を行う方向性も示した。重要課題の実現に必要な政策経費は、「ムダ・ゼロ、政策の棚卸し等を徹底し、一般会計、特別会計の歳出経費の削減を通じて対応する」とした。
<病院の未収金、具体策ないまま>
「何の進展もない。『病院はなお一層の努力をして回収しなさい』という結論だけ」―。病院経営に深刻な影響を与えている診療費の未払い(未収金)問題の解決策を探ろうと、病院団体からの強い要望で昨年6月に設置された厚生労働省の検討会は、具体的な対策を見いだせないまま最終回を終えた。「保険者による未収金負担」や「応召義務の解釈変更」などの法的な解決策には踏み込まず、未収金の発生防止(事前対策)や回収の努力(事後対策)などを強調する厚労省の「報告書案」に対し、病院側の委員から不満が噴出した。
厚労省は6月25日、「医療機関の未収金問題に関する検討会」(座長=岩村正彦・東大法学部教授)を開き、最終的な報告書案を大筋で取りまとめたが、病院側委員の不満は解消されていない。
医療機関が抱える未収金をめぐっては、「診療費を支払う意思がない患者に対する診療義務があるか」という本質的な問題がある。例えば、飲食店で所持金がないことを知りながら料理を注文する行為には、詐欺罪が成立する。ところが、医療機関は所持金がない患者であっても、別の患者を診察していて応じられないなどの理由(正当事由)がなければ、診療の求めを拒否することはできない(応召義務、医師法19条)。
「応召義務」の立法趣旨については、医師免許がある者だけに医療行為を認めている(医業独占)から、その“反射的効果”として診療を拒否できないとする見解や、国民の健康権の尊重(憲法13条、25条)を理由に挙げる見解などがある。このような医師法19条の趣旨から、医師の応召義務は「国に対する公法上の義務」とする見解が多い。
ところが、医師の治療ミスなどの場合に負う「不法行為責任」や「債務不履行責任」などを争う場合には、「医師と患者との関係」に置き換わる。
これと同様に、患者が医療機関に対して支払うべき診療費(一部負担金)の未払いがあった場合、患者は「医療機関」に対して債務を負うのだから、債権者は医療機関であって、回収するのは医療機関であると解釈されている。
しかし、診療費を支払えないことが最初から分かっているのに、診療を拒むことができないとする医師法19条の「正当な事由」の現在の解釈を疑問視する声もある。また、「保険者」「医療機関」「患者」の三者の関係の法的なとらえ方の違いによって、未収金の最終的な負担者を「保険者」とするか、「医療機関」とするかが異なるため、法律構成を工夫することによって、未収金を「保険者」に負担させるべきとする見解も有力になっている(第三者のためにする契約説)。
これまでの検討会では、以上の論点に触れながらも、抜本的な解決策を示していない。東大法学部の教授が座長を務めたにもかかわらず、法的な解釈問題をことごとく回避し、「未収金問題の解決は医療機関の努力次第」というシナリオに沿った会議運営だった。
院内暴力の増加や救急車の不正利用など、患者のモラルが著しく低下する中、1949年の旧厚生省の解釈通知を維持していいのか、医療機関の自助努力に限界はないのか―。
◆骨抜きの報告書案
報告書案では、未収金の主な発生原因を厚労省のアンケート調査から「生活困窮」と「悪質滞納」とした。しかし、正当な理由がない限り診療を拒むことができないとする「応召義務」(医師法19条)の解釈については、これまでの厚労省の見解を繰り返し、「医療費の不払いがあっても、直ちにこれを理由として診療を拒むことができない」と改めて明記した。
また、未収金の回収が難しいことを認め、「発生をいかに未然に防止するかが重要」とした。未収金の最終的な負担者を市町村や健康保険組合などの「保険者」とする法的な解決策には踏み込まず、「保険診療契約の解釈を議論するよりも、未収金をいかに発生させないようにするかを検討することが有用」として、医療機関の自助努力を強調した。
一方、病院が努力しても未収金が発生してしまった場合の「事後対策」として、保険者に回収を求める「保険者徴収制度」(健康保険法74条2項)の活用を挙げた。
しかし、同制度を活用するには、一義的に医療機関が十分な回収努力を行う必要性があることを指摘。市町村が保険料などを徴収する回収努力を引き合いに、「医療機関は、従来のような文書催告(内容証明付郵便)にとどまらず、踏み込んだ回収努力を行うことが必要」として、市町村と同様の努力を求めた。
質疑では、「応召義務の解釈」と「医療機関の回収努力」に関する意見が相次いだ。
◆ 医師法19条は削除できない
木村厚委員(全日本病院協会常任理事)は「応召義務を今後どうするのか。『今後の検討が必要である』などの記載を入れないとまずいのではないか」と指摘。「未然に防ぐという意味で言えば、院内の暴力患者などがトラブルを起こすので、『診療を拒むことができない』ということで終わっていいのか。応召義務の解釈について検討する場をつくるとか、今後の検討課題とすることなどを書くべきではないか」と不満を表した。
これに対し、厚労省の担当者は「検討して『どう解釈するか』という問題ではない」と一蹴(いっしゅう)。「社会通念上、(診療拒否が)是認されるかという問題なので、もし、法律の条項(医師法19条)をなくすことまで求めるなら、『それは検討することができない』というのが、われわれの立場だ」と回答した。
これまで、法的な解決策の議論を避けながら、医療機関の自助努力を再三にわたって強調してきた岩村座長も、厚労省の意見に賛同。「応召義務の解釈は医療制度の根幹にかかわる問題なので、軽々に議論できるわけがない。応召義務に関するやりとりは記録に残すので、了解してほしい」と理解を求めた。
河上正二委員(東北大法学部教授)もこれに加勢した。「医療は生存にかかわる重要な社会的資源なので、水道や電気などに比べると、ストップさせるときには慎重な配慮が必要だという話だ。厚労省の書きぶりは、そんなにぶれていない。(正当な理由があれば診療を拒めるため)厚労省は『必ず診療しろ』と言っているわけではない」
◆病院の回収努力が不十分
報告書案では、事後的な対策である「保険者徴収」があまり活用されていない理由として、「医療機関が十分に注意義務を果たしていないこと」や「回収努力が不十分と市町村において判断されるケースがあること」などを挙げた上で、市町村の回収努力を次のように示した。
「夜間、休日における家庭訪問や詳細な財産調査など、(市町村は)相当な回収努力を行っており、医療機関においても、少なくとも同程度の努力が求められる」
市町村と同様の回収努力を医療機関に求める記載に対し、崎原宏委員(日本病院会理事)がかみついた。「私的病院では(患者の)財産調査などできない。この部分は削除すべきではないか」。畔柳達雄委員(弁護士)も「この部分が引っ掛かった。『夜間、休日』とあるが、全国の市町村が本当にこんなにやっているのか」と同調した。
これに対し、厚労省の担当者は市町村の回収努力を強調。「年度末に管理職が個別訪問することが一般的に行われている。(患者宅に)かなり足を運んでいることは間違いないので、そういう意味での努力だ。財産調査をするという意味ではない」と説明したが、崎原委員は引かなかった。
「市町村は税金の滞納対策などで努力していることは分かっているが、それは市町村の職員の仕事だ。病院が未払い金を回収するのは、もともと(病院の仕事として)想定していない、後から発生した仕事。事後的な対策に限界があるということは、病院でも、この検討会でも認めているので、そのあたりとの整合性をうまく書いていただきたい」
議論の末、「医療機関においても、少なくとも同程度の努力が求められる」との部分を削除することで一致したが、病院側委員の不満は解消されなかった。
◆救急医療が止まる
報告書案では、医療機関に「従来以上の回収努力」を強く求めた上で、回収が困難な患者がいる場合には保険者にその情報を提供するなど、未払い患者の情報を市町村などと共有する必要性を示している。
これに対し、小森直之委員(日本医療法人協会医業経営管理部会員)は次のように述べ、事前・事後の「対策」を強調することに伴う危険性を指摘した。
「今回の最終的な取りまとめをすべての病院が見ている。この報告書だけが提示されると、何の進展もない。『病院はなお一層の努力をして回収しなさい』という結論だけが出る。ほとんどの医療機関が報告書の結果を待っているので、本格的な回収はしていないだろう。この報告書が出ると、回収が始まると考えていい。また、暴力患者や未払い患者などのリストが地域の病院に回っているので、救急医療が止まる可能性がある。対策ばかりを強調すると、『患者を診ない』ということが起こらないか」
<特養、老健の経営が悪化―東京都>
東京都はこのほど、「特別養護老人ホーム等経営実態調査」の結果をまとめた。調査は昨年10月12日から31日にかけて行われ、都内の特別養護老人ホームと、介護老人保健施設(04年4月2日以降に開設されたものを除く)が対象となっている。
職員配置数では、利用者10人当たりの職員数(介護職員、看護職員)は06年度、特養は4.58人、老健は4.81人。国は特養・老健の人員配置基準について、適切な施設運営を確保するために「利用者10人に対し3.33人」との基準を定めているが、その約1.4倍を配置していることになる。
在職中の職員の平均勤続年数は、特養の介護職員は、常勤で5.1年、非常勤では2.8年。看護職員は常勤で5.1年、非常勤で2.7年となっている。
また、老健の介護職員は常勤で3.7年、非常勤で2.1年。看護職員は常勤で4.1年、非常勤で2.6年となっている。
常勤の介護、看護職員の勤続年数は、特養、老健共に4割以上が3年未満となっている。
職員の人件費比率は、06年度は特養が63.9%、老健が56.5%で共に04年度に比べて上昇。国が定めている人件費率40%を大きく上回っている実態が明らかになった。
特養・老健の施設長に緊急に解決すべき課題を尋ねたところ、共に7割以上が「人材確保」と答え、次いで「財務状況」を挙げている。
「人材確保」が困難な理由については、共に「給与水準が低い」が最も多く、「業務内容が重労働である」が続いた。
人材育成の上での課題としては、「人事体系の整備・改善」が最も多く、次いで「長期的・安定的な雇用の提供」となっている。
施設の利用率は、特養、老健共に95%前後で、04年度と06年度を比較しても差はほとんどないが、収支差額率は特養が06年度3.56%で、04年度に比べ2.88ポイント悪化。老健は6.62%で、04年度に比べ1.12ポイント悪化している。
都では「基本的な例として、事業活動収入が2億円の特養で収支差額率が2%悪化すると、400万円の影響が出ることになるが、常勤の介護職員の平均給与が387.7万円であるため、職員1人分の給与が払えなくなることになる」と話している。
<看護師・介護士に外国人の“助っ人”到来>
日本とインドネシアのEPA(経済連携協定)に基づき、8月にも、インドネシアから看護師・介護士の候補生が来日し、日本での就労をスタートする。
この分野における政府間協定で「外国人労働者」が国内で就労するのは初めて。人手不足で悲鳴を上げている国内の医療・介護施設からは、強力な“助っ人”として期待されていると思ったら、実態はそう単純ではなさそうだ。
協定によると、日本は2008年度から2年間、最大で看護師400人、介護士600人の計1000人を受け入れる。候補生たちはまず半年間の日本語教育を受け、それから“配属先”の病院や介護施設(原則として1施設2人)で就労しながら、実務を学ぶ。
ここまではいい。問題は、その先だ。
というのは、候補生たちは日本人と同じ条件で、日本の国家試験を受け、パスしなければ就労できなくなるからだ。その期間は看護師が3年、介護士が4年。
その間、仕事をしながら日本語を学び、しかも筆記試験のある国家試験に受からなければ帰国しなければならない。
候補生にとって、これが非常に高いハードルであることは目に見えており、「表面は労働開国を装いながら、これでは事実上の労働鎖国と変わらず、国家的詐欺に等しい」(坂中英徳・外国人政策研究所長)という厳しい批判もある。
◆お役人の「開国意識」と現場感覚の落差
なぜそこまで厳しいハードルを設けなければならないかというと、そもそも日本側窓口の厚生労働省は「政府間協定でインドネシア側が望んだ希望に沿っただけであり、人手不足のために来てもらうのではない」としており、「労働開国」の意識はまったくない。
日本人並みの条件で仕事をしてもらい、それがむずかしいなら帰国もやむなし、という基本的立場なのだ。
近年、看護・介護現場の厳しさは知られており、勤務時間や賃金などの待遇を改善すれば、日本人の希望者も大きく増える可能性はありそうだ。
しかし、今度は健康保険や介護保険の負担増、財政の負担増といった問題に発展する。厚労省の頑ななまでのスタンスは日本の「低負担・高福祉」という実情に対する疑問を投げ掛けるもの、と考えることも不可能ではない。
しかし、実際の看護・介護現場の話を聞くと、そうした制度上の問題はともかく、利用者の希望に沿うには、とにかく人手を増やすしかない。
日本人でも外国人でもいい。そんな切羽詰った声が大勢を占める。
むずかしい手術や医師の補助業務などには、高度スキルの看護師が必要であろう。しかし、看護助手と呼ばれる人々の業務分野まで広げて考えれば、資格試験が必要とは思われない。
同様に、お年寄りの介護現場で、流暢な日本語が不要なことは実証済みだ。「日本語による引き継ぎができないと困る」といった理由まで持ち出すのは本末転倒ではないだろうか。
そんなことを議論しているうちに、いよいよ、インドネシアから候補生が来日する。せっかくの制度だ。候補生が失望して帰国することのないよう、政府は資格レベルの引き下げなど、就労環境の改善を図るべきだ。
<負債100億円超、最悪のペース 介護事業者の1−5月倒産>
介護事業者の倒産が2000年度の介護保険制度導入以来、08年は過去最悪のペースで増えていることが25日、民間信用調査会社の東京商工リサーチの調査で分かった。1〜5月の5カ月で、負債総額は100億9300万円と過去最悪だった06年1年間の114億7900万円の9割近くに達した。件数も21件と過去最悪だった07年の年間35件の6割の水準。
給付費抑制のため、事業者に支払われる介護報酬が06年度の改定で引き下げられたことに加え、人手不足が深刻化、人材を確保できない事業者が増えたことなどが要因。競争激化や行政による規制強化も背景にある。
利用者への影響も懸念され、09年度の次回改定では報酬引き上げを求める声が強まりそうだ。
08年の倒産の内訳は訪問介護が9件、有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの施設系が12件。07年は訪問介護が18件、施設系が17件、負債額は77億7300万円と06年より減ったが、訪問介護最大手だったコムスンの事業撤退などは含まれていない。
<終末期支援料の凍結」異例の答申 再開は早ければ来年4月>
中医協(会長=遠藤久夫・学習院大教授)は25日、総会を開き、「後期高齢者終末期相談支援料」の算定を一時凍結することを了承した。同日、舛添要一厚生労働相に答申する。これで同支援料は7月から算定できなくなる。同支援料については、中医協の診療報酬改定結果検証部会での検証を経た上で、早ければ来年4月1日から算定を再開する。中医協で合意された診療報酬の点数項目が現場での運用状況を検証することなく、改定後3カ月で凍結されるという事態は極めて異例。
総会には舛添厚労相も出席し、凍結を諮問するに至った事情を説明した。
舛添厚労相は、「私が1月18日に、こうしてほしいと諮問しておいて、この時点で凍結してほしいというのはおかしいとの批判は100%正論だ。しかし、今の政治状況を考えると、無理なお願いでもしなければいけない」と述べた。
さらに、同支援料について、「75歳以上の人だけに導入したがために、医療費抑制が目的ではないのか、死の選択を迫ることになるのではないか、などの批判の声が出てきた。私がもっとも恐れたことは、批判の声が高まる中で、終末期が一切タブーになってしまうことだった。そうならないために、いったん凍結して、対象を全国民に広げるために国民的な議論を行う必要があると考えた」と説明した。
現場での運用状況を検証した上で、エビデンスに基づいて見直しを行う中医協のルールから逸脱することについては、「本来なら1年ほど経てからエビデンスによって見直すのがノーマルなやり方。しかし、参院で後期高齢者医療制度の廃止法案が可決された政治状況の意義は大きく、民主主義において国権の最高機関の意思は真摯(しんし)に受け止めなければならない」と述べ、ここでも「政治状況」という言葉を用いて理解を求めた。
◆終末期医療で国民的議論を喚起したい
舛添厚労相はまた、「凍結という残念なことになったとしても、これをきっかけに大きな果実を生むことになる。転んでもただでは起きないという気持ちで取り組みたい」と述べ、今回の異例の事態を乗り越えて、終末期医療についての国民的な議論を喚起する契機にしたいとの考えを強調した。
厚生労働省によると、今回の凍結による財政影響はほとんどない。凍結は7月1日からで、患者への相談支援を以前から始めていても文書提供を同日以降に行ったケースは算定できない。6月30日以前に文書を提供していれば、退院が7月1日以降になった場合でも算定できる。
◆新薬評価と薬価差縮小を両立 薬剤費全体は1.7兆円縮小
日本製薬団体連合会が中医協に提案している薬価制度改革案の具体的な内容が25日の中医協に配布された資料から明らかになった。
特許・再審査期間中の新薬の薬価維持については、新薬の適切な評価と薬価差拡大防止を両立させる仕組みを提案。提案通り改革を実施すれば、薬剤費全体で1.7兆円縮小するとの試算も示した。薬価維持は12年度から適用する。
薬価維持の対象は、特許・再審査期間中の新薬で、後発医薬品が初めて発売された時点で対象から外す。薬価差拡大を防ぐため、乖離(かいり)率が「薬価収載全品目の加重平均乖離率」よりも大きいものは対象に含めない。
改革案が薬剤費に与える影響を、2010年から20年までで見た試算では、新薬は3.3兆円増加するものの、長期収載医薬品減少と後発品使用促進で5.0兆円減少するため、差し引きで1.7兆円縮小する。
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