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[2008/07/31]
 2200億円一律的削減は限界

<健保連「2200億円一律的削減は限界」>

健康保険組合連合会(平井克彦会長)は7月30日、2009年度の政府予算編成に関する見解を公表した。29日の予算概算要求基準の閣議了解を受けたもの。

見解ではまず、社会保障費の2200億円削減が盛り込まれたことについて、「国の財政の窮状を考えると、歳出の削減努力は継続する必要があるが、社会保障費の一律的な削減を続けていくことは、もはや限界と言わざるを得ない」と批判。「少子・高齢化に伴う財政需要の増加の下での一律的な歳出削減がもたらす『ゆがみ』が、社会保障の機能と国民生活の安定を損なうのではないかと危惧(きぐ)される」とした。

さらに、こうした「ゆがみ」が端的に現れたのが、08年度予算における被用者保険制度間の財政調整だったと指摘。「苦渋の選択として08年度に限り『やむなし』としたが、今後財政調整はもとより、こうした支援措置に応じることは絶対にない」と断言した。

また、健保組合予算の早期集計で、高齢者に関する支援金・納付金が急増し、収入に対する割合が45%に上ると指摘。「これ以上の負担は健保組合制度の崩壊につながる」とし、高齢者医療制度施行に伴う激変緩和措置の継続・拡大と、前期高齢者医療制度に対する工費投入を訴えた。

財源については、「消費税やたばこ税の引き上げなどの税制改革により、社会保障のための安定的な財源の確保に努めるべき」とした。

<インドネシア人看護師・介護福祉士 予定の4割来日>

インドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づき受け入れる今年度のインドネシア人看護師・介護福祉士候補は30日、看護師、介護福祉士とも104人ずつの計208人で確定した。希望者は看護師が176人、介護福祉士が137人の計313人いたが、来日数は100人以上下回り、当初の受け入れ予定数(看護師200、介護福祉士300の計500人)の約4割にとどまった。

厚生労働省の外郭団体「国際厚生事業団」によると、男女の内訳は、看護師が女性75人、男性29人、介護福祉士が女性56人、男性48人。来日数が希望者を100人以上下回ったのは、介護福祉士については女性を希望する施設が多く男性で受け入れ先が見つからないケースが相次ぎ、看護師は規模の大きな病院で働いた実績のある人に日本側の希望が集中したためという。

インドネシアの看護師・介護福祉士候補は来月7日に来日する。インドネシアからは来年度も受け入れる。

<介護現場を魅力ある職場とするためにも介護報酬の引き上げ必要 厚労相表明>

舛添要一厚労相は、27日東京都内で開いた「福祉人材フォーラム」で、「2009年度予算編成や次期介護報酬改定まで数カ月に迫っているが、介護現場を魅力ある職場とするためにも現場で働く人の処遇は大切」として、介護労働者の処遇改善のためにも介護報酬の引き上げなどが必要との認識を示した。この日のフォーラムでは11月11日を「介護の日」とすることも発表された。

<高齢者800万人増に対応するビジョン検討>

7月24日、舛添要一厚生労働大臣の私的諮問機関である「安心と希望の介護ビジョン」会議が厚生労働省で開かれた。年末までに介護制度のあり方を示す介護ビジョンをまとめる予定だ。高齢者の人口構造の変化、疾病予防、生活環境の変化について、将来にわたって持続可能な介護保険制度を構築するため、年末までに必要な改革へのビジョンを提言しようというもの。

わが国はすでに高齢社会に入り、この先高齢者人口が増え、それに伴って認知症高齢者と高齢単身者、老夫婦世帯が確実に増え続けることが人口将来推計から明らかになっている。65歳以上高齢者でみると平成17年で2、576万人であるが、平成27年には3、378万人になり、800万人増加すると推計されている。

ビジョン会議で、これからの高齢者像から検討課題になったのは、▽高齢者人口の増加▽認知症高齢者の増加▽老夫婦世帯、高齢者単独世帯の増加▽都市部の超高齢化社会の進展▽高齢者の住居の不足、の視点である。

いわゆる団塊の世代が平成24年から26年にかけて65歳以上にかかってくる。高齢者人口の増加によって、高齢者医療が増加するため、すでに医療費適正化計画で進行している医療費の削減策にあたっても深刻な課題を投げかけている。介護保険制度においても適正化の観点から介護予防サービスを充実することで介護保険財政全体の適正化につながると目論まれている。

認知症高齢者については、平成15年の「高齢者介護報告書」によれば日常生活自立度?以上の高齢者は平成14年の149万人であったが、平成22年に208万人と200万人を超え、平成27年には250万人に達すると推計されている。総人口の2%が認知症という時代が訪れるのである。

◆高齢単独、老夫婦世帯23%に
高齢化と核家族化が進んだため、これから高齢者単独世帯と老夫婦世帯が増加することも推計されている。単独世帯は平成17年で386万世帯(全世帯の7%)が平成22年には471万世帯(同9%)、平成27年566万世帯(同11%)となる。老夫婦世帯は平成17年470万世帯(同9%)、平成22年542万世帯(同10・8%)、平成27年614万世帯(同12%)となる。高齢者単独世帯と老夫婦世帯を合わせると平成27年には1180万世帯となり、全世帯の23・3%にも達する。このため、高齢者の住まいを確保する必要があることに加え、今までは家族介護をあてにして行われてきた介護サービスについて、「独居モデル」を想定する必要がある。

こうした高齢化の波はすでに高齢化が進んだ地方においては緩やかに進むが、都市部において急速に高齢化が進む。平成19年5月の人口推計で埼玉県、千葉県は65歳以上人口が現在の100万人以上が平成27年には160万人から170万人と50%以上増加する。神奈川県、愛知県、大阪府は40%以上の増加率になっている。都市部における介護サービスの課題は高齢者の住まいの確保と介護サービスの増大への対応である。介護サービスが増えることにあわせ、医療サービスの整備も同時に必要とされる。

介護サービスの担い手である介護労働者の確保を検討している厚労省の研究会では、介護労働の実態調査を行ったところ、平成19年度の離職率が21・6%と依然として高く、平成26年には140万人から160万人が必要と見込まれている。年平均で4万人から6万人の増員が必要ということになる。研究会では18日に中間とりまとめ案を示し、20万人はいるとされる潜在的介護福祉士やホームヘルパーの掘り起こし、ボランティアの活用、未経験者の受け入れ、働きやすい労働環境の整備、能力を適正に評価できる賃金制度などの方針を示した。

高齢者住宅の確保に関して、国交省と厚生労働省が平成21年度から高齢者向け賃貸住宅と介護拠点を整備する事業を始める予定だ。「骨太の方針2008」で示した社会保障分野の2200億円の削減とは別に福田首相が「5つの安心プラン」で社会保障分野の緊急対策とした重点枠で予算要求を行う。


[2008/07/24]
 新型特養、軒並み経営難

<全室個室「理想の介護」のはずが 新型特養軒並み経営難>

居住環境の改善と介護の質の向上を目指し、国が建設を推進している全室個室の「新型特養」が、曲がり角を迎えている。度重なる制度変更で、経営悪化に苦しむ施設が増えているためだ。自治体の中には、「新設は新型で」という国の方針に反して、相部屋の従来型の建設を認めるところも出始めている。

◆上限6万円

「いい介護を提供したいと新型特養を始めたのに、経営が回らない。これでは何のためにやっているのかわからない」

神奈川県秦野市にある特別養護老人ホーム「はだの松寿苑」(定員100人)を運営する社会福祉法人「寿徳会」の久保谷勤理事長は頭を抱える。

市と建設協議を始めた2003年当時、国は新型特養を大々的に推進していた。従来の4人部屋と違い、全室個室のためプライバシーが守られ、職員数も手厚くして一人一人に合ったケアができる。約12億円の借入金は負ったが、理想に燃えてのスタートだった。

開設2か月前の05年10月、政府の社会保障費抑制策を受け、介護報酬が大幅に削減された。介護報酬に含まれていた居住費などは施設が入居者から受け取る仕組みに変わった。それでも、入居者から1人月約8万円の居住費を徴収できれば、赤字にならず、借入金も返済できる計画だった。

ところが、同時に導入された低所得者対策で、計算が狂った。施設が受け取る低所得者分の居住費に、月6万円(本人負担と公費補てん)という上限額が設けられたためだ。この結果、「居住費は、建設費用をもとに、入居者との契約で自由に設定できる」という当初の国の方針に沿って月6万円以上の料金を設定した施設では、軒並み経営が苦しくなった。

松寿苑の場合、入居者に占める低所得者の割合は約6割。光熱水費などの実績をもとに算出した現在の居住費は月10万5000円で、差額の4万5000円を施設がかぶっている。食費にも同様の上限額がある。「本来より月の収入が300万円ほど少ないが、介護・看護職などの人件費を削るわけにもいかない」と、久保谷理事長。職員のボーナスを自腹で払ってしのいでいる状態だという。

◆危機感

経営が苦しいのは、松寿苑に限った話ではない。

05年10月の介護報酬改定を前に、同年8月、大幅な減収予想に危機感を募らせた新型特養経営者らが結成した「全国新型特養推進協議会」には、全国の約100施設が結集した。参加施設はその後も増え、今では全国の新型特養約700施設のうち約220施設に上る。

同協議会によると、新型特養は建設コストがかかるため、大半が月6万円を超える居住費を設定しているという。一方、厚生労働省の調査(06年)によると、低所得者の割合は、入居者全体の約8割にも上る。

最近では、自己負担を減らすために、収入がある家族の扶養から外れ、自分だけの世帯となることで低所得者になるケースも増えているといい、新型特養の経営環境は年々厳しくなっている。

◆相部屋認める

国は、「特養を新設する場合は新型で」との姿勢を変えておらず、14年度までに個室の割合を7割以上に増やしたいとしている。

だが、自治体の中には、国の方針に反して、相部屋の従来型を認めるところも出てきている。

埼玉県では現在、施設が希望すれば、4人部屋の新設を認めている。「基本は新型だが、経営の大変さを指摘する声が強い。個室代を負担できないという利用者や家族の声にも配慮した」と担当者は話す。同様の動きは、川崎市や群馬県などでも広がっており、ある自治体の担当者は、「7割達成は難しいのでは」と漏らす。

◆質の高さ目指したのに…国に改善要望

推進協議会は、今のままでは経営が立ちゆかないと主張。建設費も人手もかかる新型の経営実態をよく見たうえで、低所得者向けの上限額の引き上げや報酬アップなどを実現するよう国に要望している。

赤枝雄一会長は、「これからは特養も、質の高いハード、ソフトを目指せという国の方針に沿って整備したのに、はしごを外された気分。国はもっと配慮してしかるべきだ」と訴える。

これに対して、厚労省の担当課では、「来春の報酬改定に向けて現在行っている介護事業者の経営実態調査の結果を見て、見直しを検討したい」としている。

東京都は今年6月、経営難に悩む施設は都市部に多いことを受け、「低所得者対策の上限額は全国一律でなく、自治体が独自に決められるようにすべきだ」とする国への緊急提言をまとめた。都によると、直近に整備された都内の新型特養の平均的な居住費は月約7万6000円だという。

上限額を設定したこと自体に対する疑問の声もある。堤修三・大阪大学教授(社会保障政策論)は、「上限を設けたことで、結果的に、施設の経営の自由を奪ってしまった。こうした制度は、有料老人ホームやグループホームにはない。低所得者対策には別の方法もあったのではないか」と指摘している。

※新型特養 

全室個室で、10人程度のユニット(単位)ごとに食堂兼居間を設け、専属の職員が個別ケアを行い、生活環境も家庭に近づけた特別養護老人ホーム。厚生労働省が推進し、03年度の介護報酬改定で正式に導入された。居住費(家賃や光熱水費など)は、介護報酬に含まれず、施設が入居者から直接徴収する。

( 読売新聞より)

<収入激減を招く「5分ルール」実態調査へ>

厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は、医師が患者の問診や指導で「おおむね5分以上」費やさないと外来管理加算(520円)を請求できない診療報酬の「5分ルール」の調査に乗り出すことを決めた。このルールは08年度の診療報酬改定で導入されたが、医療現場で「収入激減を招く」との不満が強まっており、医療機関に与えている影響を調べることにした。

外来管理加算は、傷の手当てなどの「処置」をしないで、患者の問診や指導をした場合に再診料に上乗せする仕組み。傷の処置などの機会が少ない内科医の経営を安定させる側面もあったとされるが、患者側に「(短い問診で)サービスを実感できないのに請求だけされる」との不満もあったことから、厚労省が4月から診察に5分以上かけない場合は報酬をもらえないように改めた。

当初、厚労省は5分ルールの影響について、「外来管理加算を請求できなくなる医療機関は1割」と説明していた。しかし、全国保険医団体連合会(保団連)の調査(6月時点)では2割を超えている。1人5分だと1時間に最多で12人に限定されるため、医師からは「患者の(不当な)総枠規制だ」との批判も噴き出している。

保団連によると、全国約2700医療機関の回答を集計したところ、3月は58.03%の施設で外来管理加算を請求していたのに、5分ルール導入後の4月には45.0%と2割以上減少。医師不足から今年度の診療報酬改定で「手厚い処遇」をしたはずの産科や小児科では3割近く減っていた。青森県保険医協会の調査では、回答した11の公立病院中、8病院が年間1000万円を超える減収を予想しているという。

医療現場では「能力がなく、診察に時間のかかる医師が得をする」などの不満も出ており、中医協も調査せざるを得なくなった。今年度末までに、改定前後で1日当たりの外来管理加算の請求回数がどう変わったかなどを調べ、次期改定に反映させる。

(毎日新聞より)


[2008/07/19]
 中医協情報

<中医協情報>

厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は7月16日、総会(第132回)と診療報酬基本問題小委員会(第123回)を開催した。総会では、医療費の動向や施設基準の届け出などについて厚労省が報告したが、特に大きな議論はなかった。

小委員会では、DPC(医療費の包括払い)を中心に議論。DPCの在り方について批判的な意見を展開する日本医師会の委員に対し、「医療全体をどう考えるかという委員としての見識ならば聞くが、『日医として』と再三強調されるのはどうなのか」と、対馬忠明委員(健保連専務理事)がただす一幕もあった。(新井裕充)

11日付で厚労省の人事異動があったため、事務局の担当者が大幅に入れ替わった。開催前、委員と名刺交換する姿が目立ち、和やかな雰囲気の中で総会が開催された。2010年度診療報酬改定に向けた議事運営のかじを取るのは、佐藤敏信・保険局医療課長(前医政局指導課長)。

冒頭、佐藤課長が人事異動について報告。新たに就任した、▽榮畑潤・大臣官房審議官 (医療保険、医政担当) ▽神田裕二・保険局総務課長 ▽田河慶太・同局保険課長 ▽武田俊彦・同局国民健康保険課長 ▽三宅智・同局医療課医療指導監査室長 ▽小野太一・同課保険医療企画調査室長 ▽村山令二・保険局調査課長 ▽岩渕豊・社会保険庁運営部医療保険課長―を紹介した後、議事に入った。

総会の議題は、▽医療費の動向 ▽主な施設基準の届出状況 ▽その他―の3点。「医療費の動向」では、07年度の医療費について、厚労省の担当者が資料に沿って説明した。それによると、07年度の医療費は前年度から約1兆円増の33.4兆円で、医療費の伸び率は前年度に比べて3.1%増加している。「受診延日数」(延べ患者数に相当)は前年度に比べて0.9%減少しており、減少傾向にある(05年度0.3%減、06年度0.7%減)。医療機関の種類別に見ても、大学病院だけが増加している。

質疑で、藤原淳委員(日医常任理事)が、この点を指摘。「大学病院の独り勝ちではないか。きちんと機能分化されているのか気になる」と質問した。これに、厚労省の担当者は「高齢者が大学病院を志向しているからではないか」と回答した。

邉見公雄委員(全国公立病院連盟会長)は、外科(診療所)の医療費の伸び率が毎年減少している点を指摘し、外科医の減少に歯止めを掛ける必要性を述べた。

厚労省はまた、07年度の調剤医療費の動向を「全数」と「電算処理分」に分けて提示。それによると、全数は5兆1673億円で、処方せん一枚当たりの調剤医療費は7305円。電算処理分は4兆1803億円で、処方せん一枚当たりの調剤医療費は7322円となっている。電算処理分の処方せん一枚当たりの調剤医療費の内訳を見ると、技術料が26.3%(前年度比1.2%増)、薬剤料73.6%(同7.5%増)で、薬剤料の約85%を内服薬が占めている。これらの説明に対し、委員から意見は出なかった。

「主な施設基準の届出状況」では、診療報酬を算定する上で施設基準の届け出が必要となる主な項目について、05-07年の7月1日現在の届け出状況が示された。

◆ 診療報酬基本問題小委員会
議題は、▽診療報酬調査専門組織・医療機関のコスト調査分科会からの報告 ▽DPCの在り方 ▽その他―の3点。

最初の議題では、診療報酬調査専門組織「医療機関のコスト調査分科会」が6月13日に取りまとめた07年度の「医療機関の部門別収支に関する調査研究」の結果を田中滋分科会長(慶大大学院教授)が報告。

病院の経営実態を把握するための新しい調査方法として、池上直己・慶大教授らの研究グループが開発した調査手法(診療科部門別収支計算方法)を紹介した。

この調査手法について、田中分科会長は「医療のコストや原価を把握するために有効な調査として、活用可能な段階になった」と評価した。審議の結果、この調査手法を今年度も継続して実施することが承認されたが、委員からはさまざまな指摘が相次いだ。

対馬委員は「医療経済実態調査だと、病院の部門別収支、外来・入院別の収支が分かりにくいので、これ(診療科部門別収支計算方法)が実用化されると、(診療報酬改定の)一つの材料として有効」と評価しながらも、「日ごろ聞いている話と違う点がある」と指摘。「外科、整形外科、産婦人科が非常に高い(収支がプラス)。これらは、かなり厳しいと聞いている。また、皮膚科、眼科、耳鼻科が低い(収支がマイナス)。これも、日ごろ聞いている話と合わない」

田中分科会長は、「医師を獲得できない」という問題と、「医師が治療した後の会計上の収支」という問題とが異なることを指摘した上で、「医師が獲得できていれば」ということを前提にした調査結果が掲載されているとした。また、今回の調査対象になった病院の特性(DPC対象病院であること)なども、調査結果に影響していると説明した。

診療側の西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)も、調査の対象になった病院の特性が結果に反映したとの見方を示した上で、収益と費用を部門ごとに割り付ける「配賦」という手法をさらに検証することを求めた。

田中分科会長の説明に対し、対馬委員は「以上のような問題意識を持って引き続きやっていただきたい」と理解を示したが、診療側の藤原委員はこの調査手法を批判。「大変自信のある調査のように見えるが、多くの委員が『妥当かどうか』が分からないのではないか。調査の病院数も少ない。DPC対象病院に実施した調査を一般病院にも敷延していいのか」と不満を表した。

遠藤小委員長(中医協会長)は「サンプル数(調査対象)を今後増やそうという提案であり、その調査結果を踏まえてあらためて議論すべきだろう。本日の議論を反映しながら研究を進めていただきたい」とまとめた。

続く「DPCの在り方」では、宇都宮啓・企画官が、DPCをめぐるこれまでの議論や経緯などを説明し、次期診療報酬改定に向けた検討課題として、▽DPCの評価 ▽DPC対象病院 ▽DPC制度の運用に関する見直し―の3項目を提示。各項目ごとの論点として、「新たな機能評価係数の設定」「調整係数の廃止に伴う経過措置」などを示した。

委員の意見を求めるに当たり、遠藤小委員長は「1回目なので、個別の論点を詳細に取り上げるのでなく、DPC全体の方向性を高い視点から(フリーディスカッションの形式で)議論いただきたい」と述べたが、竹嶋康弘委員(日医副会長)の代理で出席した中川俊男氏(日医常任理事)がDPC制度を批判。日医常任理事の藤原委員も加わり、「DPCから脱退できるルールが必要」「治癒率を低下させ、再入院を増加させる」などと、これまでの日医のDPC批判を延々と繰り返した。
これに対し、対馬委員が中川氏、藤原委員の姿勢を批判。「DPCだから激しい意見の応酬になることはやむを得ないが、『日医としては』という言葉が再三出てくる。医療全体、病院全体をどう考えるかという委員としての見識ならば聞くが、『日医として』と再三強調されるのは、どうなのだろうか」

遠藤小委員長も、「(委員は)団体推薦ではないということになっているので、団体名を出して発言するのはどういう位置付けなのか、不明瞭(めいりょう)なところがある」と述べた。

中川氏は「ごもっともだ。日本医師会は診療所の団体ではなく、すべての経営形態の医療機関に所属する医師が加盟する団体なので、そういう意味で『日医としては』という表現を使った。耳障りだと思うので気を付けたい」と釈明した。

今後は、「新たな機能評価係数」などの検討を「DPC評価分科会」でもスタートさせ、同分科会と連携しながらDPCの在り方の議論を進めていく。

<07年度医療費、過去最高の33.4兆円>

厚生労働省は7月16日、2007年度の概算医療費が過去最高の33.4兆円に上ったと発表した。前年度の医療費32.4兆円と比較した伸び率は3.1%。70歳以上の高齢者で5.4%増加したほか、70歳未満でも1.2%増えた。前年度から1兆円、01年度(30.4兆円)からは3兆円増えたことになる。

07年度には、大きな制度改正や診療報酬改定が実施されておらず、厚労省では「同じく制度改正の影響を受けていない05年度と同程度の伸び率になっており、医療費は従来と同程度の水準(3%台)で伸びている」とみている。

07年度の高齢者一人当たりの医療費は前年度から2.0%増加し、75.7万円になった。70歳未満の16.1万円と比べると、4.7倍の開きがある。
また、医療機関の種類別の一施設当たり医療費は、病院19億9176万円(対前年度比3.7%増)、診療所9424万円(同1.4%増)、歯科病院6488万円(同0.2%増)、歯科診療所3592万円(同0.7%減)、保険薬局1億758万円(同7.1%増)。

このうち、病院一施設当たり医療費を種類別に見ると、大学病院124億9080万円(同4.1%増)、公的病院39億2512万円(同3.4%増)、法人13億5755万円(同3.5%増)、個人病院6億5421万円(1.1%増)だった。

また、主な診療科別の診療所(医科)一施設当たり医療費は、内科9707万円(同2.0%増)、小児科6793万円(同3.2%減)、外科9744万円(同2.0%増)、整形外科1億1546万円(同1.7%増)、皮膚科7130万円(同2.2%減)、産婦人科6105万円(同2.3%増)など。

<医療制度に国民の過半数が不満>

現在の医療制度に国民の54%が不満を感じていることが、NPO法人(特定非営利活動法人)日本医療政策機構がまとめた「日本の医療に関する2008年世論調査」の結果で明らかになった。不満の理由としては、制度決定における市民参加の度合いやプロセスの公正さを挙げる声が多く、政治や行政に対する国民の信頼度が低いことが浮き彫りとなった。

調査は今年1月に実施され、全国の成人男女1082人が回答した。
現在の医療制度について、「大いに不満」が11%、「やや不満」が43%で、不満を感じている国民が54%と過半数を占めた。一方、「大いに満足」は2%、「まあ満足」は39%で、満足している国民は41%だった。

医療制度に対する具体的な不満では、「制度決定への市民参加の度合い」が77%で最も多く、「制度決定プロセスの公正さ(既得権益の排除)」が75%、「医療費の水準(保険料・窓口負担等)」と「医療制度の平等性(貧富の差への配慮)」が共に68%でこれに続いた。

また、医療制度改革を主導すべき主体(複数回答)については、「市民代表、患者代表」が62%で最多。次いで、「医療提供者(医師など)」が51%、「専門家、有識者」が48%と続いた。

一方、「厚生労働省」は38%、「首相、内閣、又はその諮問機関」は27%、「国会、与党」は17%で、国民の政治・行政不信を裏付ける結果となった。

さらに、望ましい医療制度について、高水準の医療を国民に等しく給付する代わりに、その費用を賄うための税や社会保険料などの負担を重くする「高負担高給付・平等型」、標準的な公的医療を国民に等しく給付し、税や社会保険料の負担を抑える「低負担低給付・平等型」、標準以上の医療は個人が選択して自己負担で受ける「低負担低給付+自己選択」の3つの回答項目で調査。

その結果、「低負担低給付・平等型」が58%と過半数を占め、「高負担高給付・平等型」と「低負担低給付+自己選択」は共に17%だった。

このほか、社会的な格差が広がる中、低所得・低資産層の約4割が、費用が掛かるとの理由から過去1年以内に医療機関への受診を控えた経験のあることが分かった。

同機構では、「多くの国民が医療制度の平等性を重視し、負担増には抵抗のあることが確認された。低負担を求める背景には、政治や行政に対する一般的な不信感が影響している可能性が考えられる」と分析。「目指すべき医療制度については、財源確保や負担と給付、公私のバランスなども含め、国民的議論を行う必要がある」と指摘している。

<ケアマネ報酬で規制改革会議>

政府の規制改革会議(議長=草刈隆郎日本郵船会長)は2日、年末に予定されている第3次答申の取りまとめに向けた中間まとめを公表した。医療・介護などの社会保障や社会基盤などの7つの重点分野で検討すべき課題を提示。介護分野では、ケアマネジャーの報酬に利用者負担による上乗せを認めたり、在宅と施設とで公的保険から受けるサービス額を同一水準に揃えるなどの提言がされている。今後各省との協議に入る予定だ。

ケアマネ報酬の上乗せについては、事業者がサービスの質改善に向けた工夫に取り組むためには利用者からの評価が正しく対価に反映されるなど介護報酬におけるインセンティブの強化が必要であり、保険内サービスの利用料の自由化を検討すべきと理由を説明。介護保険外の横出しサービスの利用も促進すべきとしている。

(シルバー新報より)

<医師養成に取り組む 骨太の方針2008>

政府は6月27日、臨時閣議で「経済財政改革の基本方針2008」(骨太の方針2008)を決定した。社会保障分野では2011年度までに計1兆1千億円の削減を決めた「骨太の方針2006」で掲げた歳出削減を堅持し、歳出・歳入一体改革を進める。2011年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化達成のため、歳出全般にわたって最大限の削減を行う。新たに必要な歳出を行う際は、他の経費の削減で対応する原則を踏襲するとした。

社会保障分野では焦点である医師不足、少子化対策、後期高齢者(長寿)医療制度の改善に取り組む。医師不足の解消については▽女性医師の就労支援▽関係職種の役割分担▽メディカルクラークの配置を進め、医師養成について現行の仕組みにとらわれない効果的な方策を講ずる。1997年6月の閣議決定「財政構造改革の推進について」に盛り込まれた「大学医学部の整理・合理化・・・医学部定員削減に取り組む」を見直し、新しい医師養成の在り方を確立し、過去最大程度まで増員すると明記した。

◆供給コストを最大限に低減
その他の社会保障分野ではサービスの維持・向上を図り、効率化を徹底する。2007年策定した「医療・介護サービスの質向上・効率化プログラム」に沿って、供給コストを最大限低減する努力を行う。後発医薬品の使用促進▽検査等の適正化▽不正・不適切な保険請求の是正▽医療のIT化(レセプト・オンライン化)の推進▽社会保障カードの導入▽公立病院改革などに取り組む。

後期高齢者(長寿)医療制度については、6月の政府・与党協議会の決定に従って、低所得者の負担軽減など対策を講ずる。介護・福祉サービスを支える人材確保では、キャリアアップの仕組みを導入し、処遇の改善に取り組む方針を示した。

なお、重要政策として2009年度から取り組む必要のあるものについては一般会計・特別会計をあわせ政策の棚卸しによって財源を捻出し、政策に充てることとしており、削りしろのない社会保障分野から、財源捻出の秘策を検討する必要に迫られている。

骨太の方針について論評した日経新聞(6月28日)は、日本を取り巻く環境の激変が昨年8月から米国サブプライムローン問題が引き金となり金融不安が発生し、基軸通貨ドルの下落、資源、食料価格の高騰を誘発したことをあげ、有事モードに切り替わったと強調した。「骨太の方針2008」はなお、「平時モード」に引きこもり「今後十年間程度の間、実質2%以上の経済成長が視野に入ることが期待される」と人ごとのような表現に難局打開の覚悟が伝わらないと怒りをあらわにする。

「与党からの歳出拡大を求める強い圧力にさらされた」との大田大臣の記者会見を引きあいに出したのは東京新聞(6月28日)。ばらまき予算を懸念させるような文言が並ぶと指摘する。深刻化する医療不足への対応、少子化対策、後期高齢者医療制度の運用改善、救急医療体制の整備について、「骨太の方針2008」は「別枠」として扱う構えを見せたことに反発。社会保障に必要な経費は公務員人件費、公共事業、防衛費など他の分野から予算を見直し捻出せよと迫る。

社会保障財源を明確に示せと主張するのは読売新聞(6月24日)。「骨太の方針2008」では、社会保障の負担増について「将来世代への負担の先送りは行わない」と明記したものの、基礎年金改革には社会保険方式の修正案で5兆円半ば、消費税率にして2%強の新たな財源が必要で、全額税方式だと4・5%?13%の税率アップが求められるとしている。消費税率引き上げに着手せよとの主張だ。

<ケアマネジャーの更新研修費 自己負担額に地域格差>

介護保険のケアマネジャーが5年ごとに受講を義務づけられている研修費用の自己負担額は、都道府県によって07年度でゼロから4万円近くまで大きく開きのあることが、厚生労働省の調べで分かった。自治体負担もかかる国の公費補助制度が活用されず、全額自己負担させるところもあった。

ケアマネは、高齢者を支える介護サービス計画(ケアプラン)づくりや主治医との連携などを担う介護の要。質向上のため06年度から資格が更新制になった。演習や講義など計53時間の研修(経験者の場合)を5年ごとに受ける。

研修費を補助する国の制度があり、補助額は国と都道府県が折半する。だが、谷博之参院議員(民主)の指摘で厚労省が今春、ケアマネが更新時に支払う研修費の自己負担額(07年度)を調べたところ地域差が明らかになった。

富山と群馬は全額公費で賄われ、自己負担はゼロだった。2県も含めて5千円以下に抑えられていたのは計8県。だが群馬は08年度から、3万円の負担を求めるようになった。大阪、千葉、埼玉、神奈川は約3万8千円の自己負担が必要だった。3万円以上かかるのは10都府県。平均は2万290円だった。

全額自己負担させている大阪府は「更新により利益を得る者(ケアマネ)が費用を負担するという考え方」(高齢介護室)という。一方、自己負担ゼロの富山県は「介護の人材確保のため」と手厚い公費負担を説明する。

ケアマネ事業の経営は芳しくなく、ケアマネの収入減にもつながっている。介護事業者の経営概況調査(07年度)では、主な介護事業の中で最も収益が悪く、ボーナス込み平均月収は34万8千円と3年前より9%減。06年度改定で、ケアマネ1人が担当する標準的人数が50人から35人に減らされたことなどが原因とみられる。

ケアマネの全国組織、日本介護支援専門員協会の木村隆次会長は「個人資格なのである程度の自己負担はやむを得ないが、地域格差は是正されるべきだ。報酬に比べて自己負担が大きいのも問題」としている。

(朝日新聞より)

<カレスサッポロが第一号認定に 今春スタートの社会医療法人制度>

今春から申請を開始した社会医療法人の全国第1号に、札幌市の特定医療法人社団カレスサッポロ(西村昭男理事長)が認定された。北海道が10日、北海道医療審議会の審査結果を経て認定した。厚生労働省によると認定に向け約30法人が、都道府県と具体的な協議を進めている。

<認知症の早期確定診断で適切な対応の促進を 緊急プロジェクトが報告書>

10日公表された「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」がまとめた報告書では、「早期の確定診断を出発点とした適切な対応の促進」を今後の認知症対策の基本方針とした。具体的には、実態の把握、研究開発の加速、早期診断の推進と適切な医療の提供、適切なケアの普及及び本人・家族支援、若年性認知症対策―を積極的に推進するために、財源の確保も含め適切な措置を講じていくべきとしている。早期診断などについては、認知症の専門医療機関である認知症疾患医療センターの全国150カ所整備のほか、地域包括支援センターとの連携担当者を新たに配置するとしている。


[2008/07/03
 5分ルールで算定患者減少

<5分ルールで算定患者数は2割以上も減少>

全国保険医団体連合会は7月3日、厚生労働省で記者会見を開き、「外来管理加算」への「5分ルール」導入のよる影響度調査の結果、算定患者数は2割以上減少したことを明らかにした。さらに、「5分ルール」導入の根拠となった調査は、本来別の目的で実施したものであり、「目的外使用」に当たること、また「5分ルール」の要件である「診察時間」のデータではないことから改定の経緯を問題視した。

中央社会保険医療協議会では、「5分ルールの導入による影響度は1割程度」と厚労省は説明していた。その2倍以上の影響があり、医療現場に混乱をもたらしていることから、会長の住江憲勇氏は「5分ルールの速やかな撤廃を求める」と述べ、改定の経緯についても同省から納得できる回答が得られない場合は、国会などに働きかけていくとした。

◆皮膚科や小児科で大きなダメージ
今春の診療報酬改定では、「外来管理加算」に「おおむね5分を超えて診察を行った場合に算定できる」という要件が新設された。これが「5分ルール」だ。

保団連は診療所と200床未満の病院に対して、アンケートを実施。診療所については2008年3月と4月(対前月比)、病院は2007年4月と2008年4月(対前年同月比)との比較で、1カ月間の再診料の算定回数に対する外来管理加算の算定割合を調べた。有効回答数は診療所3402施設、病院441施設。

その結果、診療所の場合は、外来管理加算の算定率は3月の59%から、4月は45%に低下した。200床未満の病院でも59%から46%に下がった。

診療所について科別に見ると、算定率が大きく減少したのは、皮膚科(3月65%→4月41%)と小児科(3月85%→4月65%)。また地域による差も見られ、北信越の小児科の算定割合は、3月の89%から47%へと、42ポイントも減少した。

◆同一の調査について「4つの依頼文」が存在
さらに調査の「目的外使用」については、理事の本田孝也氏が以下のように説明した。「5分ルールの導入による影響度は1割程度」の根拠となったデータ(2007年12月7日の中医協に提示)が不明なため、保団連が厚労省に今年4月に情報開示請求を行ったところ、2007年7月にみずほ情報総研が委託を受けて実施した「2007年度厚生労働省委託事業 時間外診療に関する実態調査」であることが分かった。

その調査趣旨を記した依頼文は、保団連の調べによると計4種類ある(文末参照)。実際に調査医療機関に配布されたものが「A」と「B」の2種類。「B」には、「時間外の診療体制のあり方を検討するために調査を行う」と明記されているため、「外来管理加算」の「5分ルール」導入のために使用するのは、「目的外使用」に当たると保団連は問題視している。

◆さらに中医協では、厚労省は、
「内科を主たる標榜科とする診療所において、医師一人当たりの、患者一人当たりの平均診療時間の分布を調査」

としていた。しかし、実際には、「診療時間(実際の診察時間等ではなく、各医療機関が定めている診療時間)を患者数で単純に割っただけのもの」であることが分かった。

保団連では、そもそも異なる内容の調査依頼文が存在すること、さらに根拠となったデータが信憑性に欠けることから、さらに詳しいデータ分析方法や「5分ルール」導入の経緯などについて尋ねるため、6月10日に質問状を厚労省に送っている。その後の過程で、厚労省の対応に保団連が抗議文を送るなどして回答を促しているが、7月3日正午の回答期限までに回答はなかったという。

本田氏は、「一番の目的は、根拠となったデータを検証することだが、それ以前に厚労省はわれわれの質問に回答しないため、そこに至らない。われわれが患者さんに対して説明責任があるように、厚労省はわれわれに対する説明責任がある。まずはその責任を果たしてほしい」と訴えた。

<開業医、月平均7万5千円減 5分ルール導入で>

全国保険医団体連合会は3日、4月以降、医師が患者への問診や説明などに5分を費やさないと外来管理加算(520円)を請求できなくなった「5分ルール」の影響をまとめた。開業医の場合、導入前の3月に比べると4月は同加算の請求率が下がり、平均で月7万5411円の減収になったという。

同加算は、開業医や200床未満の病院を再診に訪れた患者から請求できる。厚生労働省は「基準があいまいだった」として、08年度診療報酬改定で5分ルールを導入した。しかし医療現場からは、「医療費削減策の一環。優秀な医師ほど短時間で診察できる」との強い反発が起きている。

調査によると、3月に59%だった開業医の同加算の請求率は、4月には45%にダウン。医師不足から他の報酬を手厚くした小児科でも20ポイント減の65%に下がり、月の減収幅は6万1988円。最も影響を受けた皮膚科は12万4089円減という。

(毎日新聞より)

<介護給付費の伸び過去最低 18年度、制度改正で抑制>

平成18年度の介護サービスにかかった費用(介護給付費、利用者負担を除く)の総額が前年度比1・4%増の5兆8743億円となり、介護保険制度が発足した12年度以降、最低の伸び率になったことが2日、厚生労働省の介護保険事業状況報告で分かった。施設の食費や光熱費の自己負担化など制度改正に伴う抑制効果や、新たな要介護認定者数の伸びが鈍化したことが要因とみられる。

給付費は13年度に26・9%増と急速な伸びをみせ、その後も毎年10%前後の伸びで推移してきた。17年10月から始まった施設の食費や光熱費の自己負担化で17年度は4・2%増に伸びが鈍化したが、通年適用となった18年度はさらに抑制効果が表れた。毎年5〜16%ずつ増えた要介護認定者数が、18年度は1・8%増の440万人と一息ついた影響も大きいとみられる。

1カ月の給付費は4669億円(低所得層と高額サービスへの補(ほ)填(てん)分を除く)で、前年度比46億円減と初のマイナスとなった。18年度からスタートした「地域密着型サービス」が31億円増えたが、施設、在宅の両サービスがいずれも減った。65歳以上の1人あたり給付費も前年度比2・2%減の21万9000円で初の減少となった。

(産経新聞より)

<地域医療崩壊阻止のための国民運動」を展開へ 日本医師会>

日本医師会は2日、「基本方針2008」に対する見解を発表した。その中で、社会保障費2200億円抑制が撤回されていないことに対し「地域医療崩壊阻止のための国民運動」を展開し、24日には国民医療推進協議会を中心に「地域医療崩壊阻止のための総決起大会」を東京都内で開催することを明らかにした。

<勤務医の健康支援に関するプロジェクト委員会を設置 日医>

日本医師会は「勤務医の健康支援に関するプロジェクト委員会」を設置する。設置期間は1年。「勤務医の心身の健康を幅広くサポートする対策を検討し、具体的な施策として提示し、勤務医対策の一環としてその実現を図る」ことが目的。同会の勤務医委員会と連携して、課題を整理し、長期的な課題に対しては1年を過ぎた場合も検討を行う予定。委員会であがった施策は国、病院など必要な場所に提言する。

<看護職の多様な勤務形態による就業促進 初年度報告書まとまる 日本看護協会>

日本看護協会は「平成19年度 看護職の多様な勤務形態による就業促進事業 報告書」を発行、全国に約6700カ所ある同会会員病院などに配布した。同会では看護職確保定着推進事業の一環として、看護職の多様な勤務形態促進事業(3カ年計画)を19年度から実施している。今回まとめたのはその初年度の事業報告にあたるもので、事業の基盤となる「看護職のワーク・ライフ・バランス」や「看護職の多様な勤務形態」の概念整理、多様な勤務形態の好事例などを掲載している。入手は同会ホームページhttp://www.nurse.or.jp/またはe-ナースセンターhttp://www.nurse-center.net/からPDFで全文をダウンロードできる。